TMB: APM APO 130/F6-BINO

経緯

 1992年にMeade LX-200 20cmF10を購入しましたが、家の前の空きスペースで観望するためには、階段を10段少々 降りなければならず、また、住宅環境や転勤、多忙生活のため、自然と望遠鏡の稼働率は低くなってしまいました。 Al Nagler の名言 「望遠鏡は、使わない時間が長い。」

 時は流れ、2005年に家の建て替え計画が持ち上がりました。当然、“屋上にドーム”も頭をよぎりましたが、 2~3種類の望遠鏡を使い分けたかった事、予算が無かった事で見送りました。ただし、将来、簡易型ドームなどを 設置できるように、しっかり屋上にスペースは確保しておきました。紆余曲折あり、2007年2月に完成。膨大な音楽 関係の資料等の片付けに1年近くかかりましたが、一段落してくると、屋上が気になってきました。幸い、ペントハ ウスを望遠鏡収納スペースとして占領する事に成功し、以前の観望の煩雑さの反動から、Kowa High Lander Prominar を購入しました。屋上に出して2分後には観望できる簡便さ、10cm程度の優秀な屈折望遠鏡を無用としてしまう程 の恐ろしく優秀な光学系、アイピースを交換して21×(実視界3°)~96×(実視界0.8°:Meade UW 4.7mmを使用) まで対応できる応用力、アイピースまで純正トランクに収納できて総重量が11kgですから、非の打ち所がありません。
 その後、第1回双望会に参加する事ができ、天候には恵まれませんでしたが、圧感!の望遠鏡群を見る事ができま した。

 EMSを使用した2インチ・アイピースの双眼の世界は流石でした。双眼鏡もそうですが、一度広い見掛け視界に 慣れてしまうと(しかも、あっという間)、狭い視界は、随分と窮屈に感じてしまいます。また、ちょうどその 頃、仕事で大変お世話になった同世代の方が亡くなり、EMS双眼をやらずして死ねるか、という強い思いと、松本 さんと親交を持つに至り、ついにEMS双眼望遠鏡を発注する事となりました。

双眼の魅(威)力

 今は無き、Atom横浜店のA氏から同社の双眼装置を紹介され、Meade LX-200 20cmF10にPentax XL 21mmで使用し ていました。私の双眼装置は今も健在で、球状星団や惑星など、見事に見せてくれます。 我が家から700m離れた所に高圧線の鉄塔があり、屋上では、ちょうど手を伸ばした親指の先位の大きさに見えます。 私は、いつもこれで光学系のチェックをしています。この鉄塔のガイシを大きく視野に導く事も可能ですが、 近傍のパラボラ・アンテナの文字がはっきり見えるのは、Nagler 5mmでもTMB Super Monocentric 5mmでもなく、 双眼装置+ Pentax XL 21mmです。しかも見やすさは圧倒的です。これが双眼の魅力・威力でしょう。

鏡筒選びは楽しくもあり、悩ましくもあり

鏡筒を選ぶのは実に楽しいですが、明確なコンセプトがあったので、選択肢はあまり多くありませんでした。1. 優秀な屈折。
2. 低倍率指向(嗜好)。EWV 32mmで実視界3°確保。
3. EMS双眼望遠鏡を丸ごと移動可能(総重量20 kg、できれば18 kg以下)。
4. 生涯を共にするEMS双眼望遠鏡(only oneを目指す)。

 優秀な屈折というと、真っ先にTOA-130が候補に挙がります。今まで覗いた中で最高の1本でしたが、鏡筒重量が10.5 kgなので、これでは重くて移動できません。いくら高性能でも、観望する度に組み立てるのは、私の場合、結果的 に疎遠になってしまうのは体験済みなので、ここは諦めざるを得ません。また、TOA双眼はいくつか報告もあり、 追従では面白みに欠けます。
 ASTRO-PHYSICSは全ての点で条件を満たしていますが、納期に何年かかるか見当もつ きません。TECは140mmですが、F7で重さが8.6 kgという事で却下。BORG 125SDは重さがわずか3.5 kg、しかも焦点 距離は750mmですから、EMS双眼にうってつけです。実際に覗いてみると、ヌケが良いクリアーな像ですが、色収差 の点で、TOAに一歩譲ります。
 そこで登場したのが、TMB:APM APO 130/780 LW でした。780mmという焦点距離も、 7.4 kgという重量も申し分ありません。有り余るバックフォーカスも魅力です。解像度もTOA並み、という事でし たが、いかんせん予算がかなりオーヴァーしてしまいます。同シリーズには、3.5”フォーカサーのCNC-LW IIと いう、実に美しく眩しい鏡筒がありますが、重量は8.3 kgで、価格もさらに高くなってしまいます。松本さんに、 「2.5”のフォーカサーと3.5”のフォーカサーがあるのですが、どちらが良いでしょう?」と聞いたら、 「断然3.5”のフォーカサーの方が良い」との事。随分悩みましたが、ああ、もうこうなったらやるしかない!  円高も手伝って、一目惚れしたCNC-LW IIを注文する事となりました。焦点距離を1%以内で揃える、というリクエ ストも快諾していただきました。

鏡筒が到着。しかし…

 鏡筒を注文したのが2008年11月初旬で、1月末に出来上がるとの事。3ヶ月ありますから、その間に、まず架台の 準備をしました。ピラー脚にキャスターを付け、ペントハウスからゴロゴロと移動する事に決めていたので、ピラー 脚はVixen(85cm)を採用。足のネジは12mmφなので、東海キャスター F100N12Sがぴったり入ります。デザイン上、 グレイ色と100mm径を選択しました。

 我が家に鏡筒が届いたのは2月中旬ですから、ほぼ予定通りで、焦点距離も1%以内に収まっていました。何と 美しく魅力的な望遠鏡でしょう。フードを短縮すると、信じられない位短くなり、2本並べると、潜水ボンベが2本 並んでいるようです。名付けて “ツイン・タンク”。3.5”のフォーカサーも頼もしく、この鏡筒にして本当に 良かった!と思いました。
 ところが、メーカーが鏡筒出荷の段階で鏡筒バンドが品切れである事に気づき、これか ら製作するので1ヶ月待ってくれ、という連絡が入ってきました。その上、レンズには恐ろしい程のホコリが入って おり、へなへなと腰が抜けてしまいました。レンズ・セルを外してみると、幸いホコリはレンズ後面のものだった ので、きれいにクリーニング。さっそく覗いてみると、色収差の無い素晴らしい解像度の鏡筒でした。不思議なの は、TOAは、あっさりしたクリアな像ですが、TMB/APMは、PLフィルターを通して見たような濃い色で、ずいぶん 見え方が違っていた事でした。しかし、この“濃い色”が、きっと+の方向に働いてくれるに違いありません。 EMS双眼望遠鏡の大成功を予感し、鏡筒は松本さんの所へ旅立って行ったのでした。

EMS双眼望遠鏡の製作

 鏡筒バンドが届く間、フレーム以外の部分の製作開始です。製作は、松本さんに全て一任しました。たまたま注 文が少ない時だったので、あっという間に心臓部のEMS-LSが完成。ドロー・チューブの末端の所に接続するEMS専用 のアダプターを製作していただきましたが、この美しい鏡筒のデザインにマッチする、素晴らしい仕上げのアダプ ターでした。フレームは、鏡筒バンドを利用したシンプルなものとし、耳軸の連結部等はアルマイト加工を希望し ました。もっとも、私があれこれリクエストしなくても松本さんは全て把握していて、今回ほど以心伝心という 言葉を感じた事はありません。

 結局、鏡筒バンドは、到着まで1ヵ月半かかりました。もう3月中旬を過ぎています。この間、ジリジリとした 思いで待ちましたが、不安と夢は膨らむばかりでした。別な鏡筒バンドが届いたらどうしよう… 早くしないと トラペジウムが沈んでしまう! 春のメシエ・マラソンには間に合うのか?

 鏡筒バンドを松本さんの所へ送ってから完成までは、まさに電光石火。2日後にはフレームが出来上がり、 1週間後には完成してしまいました。何とシンプルで機能美あふれるフレームなのでしょう! HF経緯台の延長も 見事な仕上がりです。長年の松本さんの経験とエッセンスが凝縮されているのを感じ、すっかり感動してしまいま した。 

鳥取訪問

 遂に4月初旬の週末、“恋人”を引き取りに、鳥取へ行く事になりました。強風のため、飛行機が着陸できず、 空中旋回しています。フライト・アテンダントに聞いたら、「冬などは、よく名古屋か大阪に着陸する」との事。 夜に名古屋で下ろされたら、どうやって鳥取まで行けばよいのでしょう。フライト・アテンダントの答え 「私共 は、その後については分かりかねます」。また先週は、風の影響で成田で飛行機が落ちています。「半年も待って、 覗かずに死んでたまるか!!」 幸い30分程旋回したところで天候が回復し、無事鳥取へ着いたのでした。

 ワクワク・ドキドキ。半年の思いが脳裏を駆け巡ります。ああ、ついにこの瞬間が… 何と美しい佇まいなので しょう。さっそくBINOを覗いてみると、闇夜の水銀灯が高解像度で迫ってきます。色収差は全くわかりません。
 少し頭を冷やした所で、“鏡筒をねじる光軸調整”等を教わりました。夜も更けてきたところで空を見上げたら、天 候が回復し、月が見えてきました。少しモヤがかかっていますがBINOを外へ出し、観望する事になりました。EWV 32mmに続いてEthosへ。おおっ、何というシャープな像でしょう! Nagler 6 5mmでは、宇宙船の窓から顔を出し て、すぐ近くの月面を見ているようです。エラストテネスなどは、今、隕石が衝突してできたばかりのように見 えています。月齢8.9ですが表情豊かです。見慣れているクレーターなのに、BINOから目を離す事ができません。 さらにNagler Zoomでぐんぐん倍率を上げてみましたが、2mm 390倍でも像は崩れませんでした。感無量…

架台と合体

 BINOが横浜に無事届き、さっそく架台と合体です。耳軸高は137cmなので天頂付近を見るのには良いのですが、 BINOを持ち上げるのは大変です。翌日、近所の鉄工所でポールを12cmカットしてもらいました。これですと、 BINOを持ち上げて設置する時、両方の耳軸受けを見ながら載せられるので、安全です。

横浜でファースト・ライト

 さっそく我が家の屋上で観望開始です。鳥取で見た月面はどうでしょう。モヤが無い分、コントラストがくっきり しています。少しグリーンが入った月面の色がきれいで、月の砂の感触が伝わってくるような感じは初体験で した。これは、やはり“色が濃く見える”特色が+に働いているためだろうと思います。最初のねらい通り、 温度順応も迅速です。
 続いて、すぐ近傍の土星へ。表面の帯のみならず、輪の影など、恐ろしくシャープです。 シーイングの影響で、クックッと像が変化していきますが、時々見せる素晴らしい像には言葉もありません。
 「ご飯よ~」に応答が無いので、次女が様子を見に来ました。Nagler Zoom 2.5mmで土星を見せたら、「この前 の土星とぜんぜん違う~!」と目が離れません。この前の土星とは、ORIONドブ300mmF4.5(高精度+増反射マル チコート)+Baader V+2”GPC+Ethos 8mm だったのですが(都会では大口径が生かせず、オフ・アキシス・シャ ドウ・マスクを使用しても小口径/High Landerに負けてしまう事も度々です)。

 宇宙を100億分の1に縮小すると、いろいろな事が見えてきます。100億分の1の宇宙では、太陽は14cm、地球は 15m離れた所の1.3mmの粒です。シャトルは地球の表面0.03mmを飛んでいます。ちなみに、光速は毎秒3cm。我々は、 1.3mmの地球から、128m程離れた所の1.2cmの大きさの土星を見ています。望遠鏡って、凄いと思いませんか?

使い勝手

 操作ハンドルで空をスイープしていると機銃掃射みたいで、私などはラット・パトロール(1960年代の戦争アク ションTV)を思い出してしまいます。ファインダーは無くても導入には不自由しない程、全てが自然に動いてく れます。正面に見えている対象物を正像のままどんどん拡大して両目で見れる、という事が、どれ程人の生理に 適っているか、改めて実感します。

 ハンドルの下にはバランサーが付いていて、このハンドルをトロンボーンのようにスライドさせる事で、様々な 重さのアイピースに対応できるようになっています。しかも、このカウンター・ウエイトは、アイピースと対側 の低い位置にあるので、重量級アイピースでBINOが高仰角になった時の安定作用もあります。何という絶妙なアイ ディアなのでしょう。鏡筒が短いので、ハンドルを固定したままでもバランスは大きく崩れる事はありません。
 よく話題に上る“光軸調整”ですが、フォーカシングの時間よりも短いですし、幸いEWV32mm~Ethos 17-8mm間で は、わずかの補正で済んでいます。私の場合は、悩む間も無く、すぐに馴染んでしまいました。

 EMS調整ノブに付いた原点復帰 “←” マークの効果は絶大です。まず、この←2つ(水平用・垂直用)を手前に一 直線になるように向け、この時点で大きく光軸がずれていたら、鏡筒をねじって光軸を補正すれば良いのです。 ですから、安心して鏡筒を脱着できますし、移動の際、光軸がずれたとしても、冷静にすぐに復帰する事がで きます。EMS調整ノブを回しすぎて、迷路に迷う事もありません。この“鏡筒をねじる光軸補正”ですが、 実際に教わらないと理解は難しいかもしれません。鳥取までは遠いのですが、訪問の価値は計り知れませんで した。

 優れた製品・工芸品を使う、という事は、設計者・製作者の意匠を感じ対話をする、という事でもあります。 時に生き甲斐すら与えてくれる事もあります。生涯を供に過ごせるBINOを持つことができて、私は本当に幸せです。
  導入

 いつも、SkyScoutを使用しています。実視界3°あれば、ほとんど視野に導入してくれるので、大変重宝してい ます。基準星で設定する必要が無く、いきなり導入してくれるので、条件の悪い都会の空にもピッタリです。 しかし、経緯台でブンブン振り回して気ままに観望し、その上、導入や天体の確認ができるSky Tourは大変便利 でしたので、今回は奮発してスーパー・ナビゲーターを取り付けました。

 High Landerには、VixenのXYスポット・ファインダーを取り付けています。これをそのままBINOに取り付る事が 可能ですが、今回は、国際光器の正立ファインダーを取り付ける予定です(納入待ち)。“正立像”で統一です。 前述した通り、実際にはファインダーが無くても導入に不自由しない程、使い勝手は良いです。

都会の空も捨てたものではない

 都会の空は明るいです。私の住んでいる保土ヶ谷は、横浜駅から1駅なので、かなり明るいです。こんな所で星 なんか見えるの?と思う方も多いと思います。しかし、夜も10時を過ぎると、天頂付近は、条件が良ければス カッと見えます。夏はM57なども良く見えます。また、イザとなれば、1時間半少々で富士山・新五合目まで行 けますので、便利な都会かもしれません。ただ、最近は静かに観望を楽しんでいる脇で、我が物顔で発電機を ブリブリ回して撮影をする人が増えてきて、大変迷惑しています。もしお知り合いにこのような行為で写真を 撮って喜んでいる人がいたら、厳しくモラルを問いただし、即刻やめさせていただきたいと思います。 

腰痛対策

 BINOの総重量は、3.5”フォーカサーを採用した事で、22kgになってしまいました。鏡筒は8.3kgですが、 鏡筒バンドが1個1kgありますから、これだけで20.6kgになってしまいます。ですから、総重量が22kgで抑え られた、というのは驚異的です。

 とはいうものの、腰痛に悩まされないようにするには、BINOを持ち上げて移動する時間をできるだけ短くし なければなりません。幸い、ペントハウスから出して架台に載せた後は、キャスターでガラガラ移動すれば良 いだけですが、BINOの保管も考え、カンガルー・リフター:KGL-25を導入しました。
 普段は、地震が来ても大 丈夫なようにテーブルを低めにしておき、BINO設置の時は数回ペダルを踏めば、BINOの取手が1m位まで高く なります。床から持ち上げる時に一番腰に負担がかかりますから、これで腰痛対策は万全です。
 リフターは各社から様々な機種が出ていますが、カンガルー・リフターが、最も少ないペダル回数でテーブル をトップまで上昇できる機種でした。 

最後に

 写真歴は36年でカメラも大好きですが、徹底した眼視派で、天体写真を撮ることはありません。また、夜の仕事 をしている訳ではありませんが、1年の1/3は帰宅が遅く、星を見るチャンスは多くはありません。一つ一つの 機会を大切にしたいと願って、このBINOを注文しました。まだ満月なので、これからディープ・スカイへ旅立 つのを心底楽しみにしています。

 小学生の時は、ボール紙で作った屈折望遠鏡、某社の廉価版屈折望遠鏡で、すっかり屈折(挫折)してしまい ました。高校の頃は、木辺成麿さんの「反射望遠鏡の作り方」を幾度も幾度も読みましたが、資金が足りず計画 のみで終わってしまいました。友人は、20cmを作る、と意気込んでいましたが、そんな大きな物を作ってどうす るの?と真剣にアドヴァイスしたのを覚えています。35年前は20cmの反射は相当重く、据付方法を本気で考え なければならなかったのです。今のシュミカセやドブソニアン、見かけ視界100°のアイピースを考えると、 まさに隔世の感があります。

 EMSとの出会いは割と古く、1994年に松本さんにいろいろ問い合わせて沢山FAXを送っていただいた事があ ります。この時は、自作に自信が無く見送りましたが、それから15年。やっと実現に至りました。EMS双眼は、 鏡筒2本分の価格+αがかかりますが、効果は√2倍ではなく、2乗以上ではないか、と思います。鏡筒のクオリ ティが上がると、これまた2乗で効いてくるように感じます。

 今回のEMS双眼望遠鏡を通じて多くの事を学び、そして、心温まる交流が何よりも財産として残りました。 また、このBINOの製作にあたり、多くの方々から貴重なアドヴァイスをいただきました。国際光器の小山さん にも大変お世話になりました。この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。そして何よりも松本さん、心より 感謝申し上げます。どうもありがとうございました!

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 YKさんは、4月4日から5日にかけて当方を訪問され、7日に後送したBINOを受け取られ、 12日の今日、神速のリポートをくださいました。 1994年にもFAXを交換させていただいているようですが、私が初めてYKさんとお会いしたのは、去年の双望会 でした。双望会からの帰路を豊橋駅までYKさんの車に便乗させていただいた時、少年時代より心酔して来られた 世界的に有名な某音楽家との劇的な出会いと、その方との現在に至るまでの濃密な交流の感動的な経緯を伺い、大いに 共感、感動し、「この方のBINOを、今までのノウハウを総動員して作ってみたい。」と、強く思ったのでした。 YKさんも”以心伝心”と書いてくださいましたが、お仕事はもとより、第二のライフワークであるはずの 音楽関係の活動を含めて、とりわけ多忙でいらっしゃるにもかかわらず、BINO作りの過程で送信させて いただいたメールのご返信は極めて迅速で、かつ当方の設計意図もよく理解してくださるので、非常に仕事がしやすかった印象があります。  また、ご訪問に先立って、ご指定の梱包材料を手配して当方に送ってくださり、こちらでのご滞在2日目に は BINOの梱包を手伝ってくださるという徹底ぶりでした。 私の製作技術はまだ発展途上と考えていますが、YKさんは製作者の意図を良く理解してくださり、まさしく 製作者をやる気にさせる依頼者でした。私は、自分自身を、褒められてばかりいないと仕事が出来ない人間だとは 思っていませんし、改善すべき点を指摘されれば、可能な限り対処する姿勢は持っているつもりですが、 YKさんの例のように、心の琴線に響く関係が構築されていますと、依頼者の方との相乗効果のようなものが 出来上がるBINOにも反映されるということを、この度、改めて痛感しました。 この度、YKさんの非凡な感性に響くBINOが製作できましたことが大変幸せで、誇りに思います。  また、YKさんの方で全て整えられたポール+キャスターがBINO本体と見事にコーディネートされ、その 美しさを高めていることにも、感心しました。 今回のリポートについて、YKさんは「長い文章になった・・・」と言われましたが、今までに交換させていただいた 情報の量からしますと、私は、非常に簡潔で短い文章だと思いました。 YKさん、数ヶ月後にぜひまた続報をお願いしたいと 思っています。
 また、このリポートによって、私自身もYKさん以上に感動をいただいたと思っています。

Handy EMS-BINO

チビBINO by 正立ミラーシステム<ご報告>
 先般いろいろとご相談させていただいておりましたEMS双眼鏡が、 ほぼ完成しましたので、ご報告させていただきます。このEMS双眼鏡 ですが、以降”チビ”と記載します。 このチビは手持ちできる事、対物レンズが交換できる事が特長です。 写真は70mmと50mmの対物レンズをつけたものです。 さすがに70mmとなると重たく長時間の手持ちはしんどいですが50mmだと 十分手持ち可能です。 これで長年の夢であった、キャンプ用のリクライニングチェアにもたれ てゆっくりと夜空を眺める。また、見たいときに即座に星を見るといった、 私のわがままが叶います。がんばって購入したアイピースの活用率が 上がるのも嬉しい限りです。
<製作のきっかけ> 
 これを作るに至った経緯ですが、以前より、手持ちできる90度または 45度の対空双眼鏡が欲しくて、いろいろ物色していました。 しかし、丁度良いものが見つかりませんでした。宮内光学さんの物も 検討しましたが、手持ちは無理かと思いあきらめてました。 それが数週間前、なんともラッキーな事に、ネットショップで旧型の EMSを、それも左右セットで購入する事ができ、一気に夢の実現 に向かった次第です。
<チビのスペック>
   チビのスペックについて以下にまとめさせていただきます。■対物有効径:50mm,70mm
■焦点距離:不明
 ※家にあったビクセンのフィールドスコープと、古い無名の   双眼鏡のレンズを利用のため。
■合焦機構:対物レンズ前方繰り出し式
■光軸調整:対物レンズ取付け部回転方式(取付け部は数ミリ偏芯)
■目幅調整:多少可(接眼部プレートの締め付けを緩めておこなう)
■接眼部規格:φ31.7mm差込式
■材質:  ・接眼部プレート:4mmアクリル板
 ・対物側プレート:5mmアルミ板(松本さん製作品。感謝!)
 ・鏡筒  :塩ビ(全て水道管パーツ)
 ・合焦機構:フェルト
■正立機構:【旧型】EMS
■その他:双眼鏡ホルダー取り付けネジ穴付き

<今後の展開> 実はこの70mmのレンズですが、像が悪くかつクモリがあり50mmの方が 良く見えるような気がするほどです。幸いチビは、どんなレンズでも 受け入れてくれるので、良いレンズを探すなど、これからシステムを レベルアップして行くつもりです。

<お願い> 最後に松本さんにお願いがあります。 この旧型のEMSですが、購入して初めて市販されていた事を知りま した。ユーザの方のホームページでEMSの開発の過程が少し記載さ れている記事を見させて頂いた事がありますが、正確な所でEMSの 開発史をお教えいただけないでしょうか?松本さんのホームページに EMS開発史のページを作っていただく事をイメージしています。 今回、新旧のEMSを所有し、改めて現行モデルのすばらしさを 実感しております。例えばその開発史の中で、旧型から現行に移行す る過程での松本さんの創意工夫点や苦労話しを明らかにしていただけ ますと、EMSのすばらしさを、私も含め所有者の方にさらにお分か りいただけると思います。お忙しいとは存じますがご検討いただければ幸いです。
 大阪市 赤澤

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

● 懐かしい物を見せていただきました。   これが、商品化した最初のEMSで、当時の名称は『正立ミラーシステム』でした。 入手してくださってありがと うございます。 きっとこのEMSも、相応しい方の手に届いて、喜んでいると思います。  それにしても、赤澤さんの工業デザイン的なセンスにはいつも舌を巻かされます。この方に本格的な工作手段を与え たら、どんな物が出来るかと、想像が膨らみます。

● 赤澤さんにきっかけをいただきましたので、ちょっと長くなりそうですが、EMSの開発の経緯をご説明したいと思 います。

● EMSの製作販売は、天ガの1989年12月号で紹介してもらってからのスタートです。(構想立案、自分用 の製作は、Sky&Telescope誌の1982年11月号(私の最初の自作BINO)からさらに数年前に遡ります。)(発売価格=@ ¥34,800)
  このEMS、『正立ミラーシステム』は、元来単体用であって、ほとんどは単体の右目仕様で供給していました。  その後数年間で、全部で200個くらいは作ったと思います。   ただ、双眼用のペアを作っていたのは最後頃(1992年頃か?)で、極めて少数のペアだと思います。 15組作った かどうか、はっきりとは記憶していません。 実は、6年ほど前に、当時のEMS仕様から現行仕様にリフォームしたお客 さんが、古いEMS(お送りいただいた写真と同じ物)を寄付してくださった物が当方にも1組あります。(下のリンク のテレビ番組に出てくるもの)

●  初期のEMS(正立ミラーシステム)は、その外観から一般にはダイカスト製だと思われていますが、実は鋳造品 ではないのです。^^;   2種類の厚手のアルミアングルと、側面の穴を塞ぐ薄いアルミ板を複雑に組み合わせて作っていました。全てネジ による接合で、ヤスリ等で継ぎ目が分からないようにし、さらにネジの頭はバテで封印してから焼付け塗装をして、 ごまかしていました。^^; 今から思えば、考えられないような手間をかけていました。 工作機械も、当時は旋盤 やフライスは持っておらず、粗末な家庭用ボール盤と卓上丸ノコと手ヤスリだけで仕上げていました。文字通り、命を 削って作っていました。^^;(ボール盤に治具を付けて、フライスの代用にしていましたが、結構危険で、たびた び悲鳴を上げながら使っていました。^^;)
 当時のEMSは、私のテレビ番組の中でも紹介しています。

 売り出し当時、あまりに作業が大変なので、当時親しくしていた某光学の営業の方(数年前に他界されました)に 話したら、本気で検討してくれたのですが、結果は、「全く同じ物を工業的に作るとしたら、原価コストだけで1個 10万円はかかる。」ということでした。そして、これなら量産可能ということで、代わりに作ってくれたサンプルは、 アルミ板金プレス製の粗末な物で、とても受け入れられませんでした。 結局、そのモデルは最後まで私の手作りで 対応しました。

(一部マニアの方が、あたかもマツモトが特許を傘に着て、不当に高い価格で市場を独占していたか のように中傷されることがありますが、現実は全くの逆なのです。私は現在まで一貫して天文マニアや自作マニアを 支援する姿勢を貫いて来たつもりです。)

● 1990年には、特注の三角パイプ (250kg(最小単位)を確保しましたが、さらにそれから数年で、より能率的 な鋳物に移行したので、結果的にはそのほとんどを無駄にしました。^^;) を使用した、2ユニットタイプの2イン チ用の物(汎用ミラーシステム)も並行して作り始めました。

● 1995年には、今とほとんど同じ形状の鋳物(木型)を開始すると同時に初期の1体型のEMS(正立ミラーシステム )と分割型の汎用ミラーシステムの製作を中止し、さらに2001年の秋には鋳物(木型)を中止してダイカストを採用し、今日に至っています。
  三角パイプを採用した段階で、加工の省力化は著しかったのですが、形状にこだわって角を落としたりすると、 三角パイプの側面の蓋のアルミ板の折り曲げや、組み立て、継ぎ目を隠す作業が結構煩雑に感じ、(だんだん贅沢 (横着)になって^^;) 鋳物屋さんに相談し、アルミ鋳物の採用に踏み切ったのです。

 しかし、それでも木型(つまりは砂型)によるアルミ鋳物は、形状が不正確なため、一皮大きく鋳込んでもらった ものを、やはり機械加工で仕上げるわけですから、アルミアングルの組み立て→三角パイプ→アルミ鋳物 と進めて 来た省力化も不十分に感じ、最終形状が最初から得られる究極な物としてのアルミダイカストの導入に踏み切った次 第です。

● ワンボックスタイプを早期に中止したのは、製作の手間がかかり過ぎることが主な理由ですが、BINO用を意識するようになって、 像の倒れの調整がほぼ不可能であることが分かり、また、ダイカストの型を検討する段階で、致命的に非能率な方法と 悟り、完全に見切りました。 つまり、一型数百万円のダイカストの型がたくさん要るのです。受け(ミラーをセット する側)とカバー(望遠鏡接続バレルとアイピーススリーブをセットする側)だけでも2種類ですし、カバーは左右用 で互換性がありませんから2種類の別の型が必要になります。 ご承知のように、現行のEMSの型は一つで右眼、左眼 用に互換可能です。

 アングルを利用する方法に気付いた時点では、合理的な方法と思ったのですが、工業的な方法を自ら学んで行く 過程で、はるかに合理的な方法が他にあることを悟ったわけです。自作マニアのサイトに、最近、今更のようにこの方法 を画期的なものとして提案されていますが、その認識には26年以上のタイムラグがあるわけです。(あと26年経てば 理解できるでしょう。^^;(EMSが単に市販の斜鏡を2枚無加工のまま貼り付けた物ではないことは、当サイトを 注意深く見てくだされば、理解できるはずですが・・・))

衒学者にご注意を
EMSと特許
タイムラグを考える
2007年を振り返って

昨年他界された須田さんのユーザーリポートには、当時の正立ミラーシステムの ロンキーテストの写真が掲載されています。

 いつもながら、くどい説明で失礼いたしました。   初期のEMSを購入してくださったこと、またそのことをご報告くださったことに、深く感謝したします。

BORG60N-BINO

「トラベルBINOユーザーレポート」

 出張や家族旅行に持って行けるBINOが欲しくて、「トラベルBINO」を作りました。 マツモト式EMS-M+BORG60nを利用しました。最大の特徴は軽量コンパクトです。 フルセット重量(三脚やアイピースを含む)はわずか6kg、片手で楽々持てます。 架台セットで収納した縦横サイズはA4以下、アタッシュケースの中に納まります。 飛行機の中にも持ち込み可能です。

 自作にあたりEMS-LとMどちらにするか迷いましたが、バックフォーカスと小型化 に有利なMを選択しました。EMS-M でも2インチアイピース(30mm, 70°クラス)が 使用可能です。

 架台は色々と検討した結果、西田氏のアルミ経緯台がジャストフィットでした。 軽量かつフリーストップの操作感は抜群です。

 先日北海道出張があり、仕事道具と一緒にトラベルBINOを持っていきました。 仕事の後、ホテル近くの公園に持っていってセットアップ。旅の後で調整は必要 ですが、EMSのおかげで調整はすぐに終わりました。マツモト式EMSのX-Y調整機 構は素晴らしいできばえです。これ無しに快適な双眼望遠鏡は考えられません。

 北海道ではすでに紅葉が始まっていました。風に揺れる紅葉は美しく、見ていて あきませんでした。トラベルBINOは地上風景にも予想以上の性能を発揮してくれ ました。

 常用アイピースはWilliam Opitcs UWAN16(見かけ視界82°、倍率×20)、相性は バッチリです。アイカップをカメラ用に交換したおかげで、顔に吸い付くような 快適さです。まるで裸眼をそのまま20倍ズームアップしたような感覚でした。

 そのまま公園に置いておいて、夜いよいよファーストライト。 すばるがすっぽり視野におさまります。おそらく実視野は3°弱でしょう。h-χ など秋から冬の散開星団をひととおり流しているうちに、あっというまに一時間 が過ぎました。ストレス無しに長時間眺めることができるのはBINOの最大の強み ですね。

 一方、正直言って 6cmの限界も感じました。ギャラクシーには力不足です。 トラベルBINOの用途は、天の川を流しながらM35やM42などメジャーな星団星雲を 楽しむことですね。小型軽量ならではの使い方が楽しみです。仕事がら地方出張 が多いので、これからも出張先に持っていこうと思っています。登山に持ってい って、アルプス山頂からの星も楽しみです。

 これからアイピースやフィルターを増やすのが楽しみです。なお目幅調整機構が まだなので、近いうちにLMガイドで完成させる予定です。

自作に当たってアドバイス頂きました松本さんほか皆様、本当にありがとうご ざいました。

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 杉本さんは、EMS-Mを利用されて、総重量わずか6kgの超コンパクトBINOを実現されました。   西田さん作の架台も見事です。

  EMSのX-Y調整機構についてコメントしてくださいましたが、自作のキャリアがある方ならではの 着眼だと思いました。EMSの双眼セットとしての機能として、このX-Y調整機構は欠く事のできないものです。

 単体用のEMS-SやMを2個調達すれば、あるいは自作されれば、素材コストは随分と安くつくわけですが、BINOとして 満たすべき機能を自作で補完するためには、余分に相当な努力と投資を強いられるわけで、トータルのコストと仕上がりに関して、 どちらが有利なのかは簡単には評価できません。  杉本さんは、これらの点を良く理解してBINO用に特化したEMSセットをご利用くださったものと思います。

 EMS-MによるBINOの作例は、今日まで意外に少なく、私の記憶が明確なのは、今回の杉本さんの他には、 YamauchiさんとSakamotoさんだけですが、今後はコンパクトなBINOへの要求と共に使用例が 増えてくるかも分かりません。

 1989年に初めて天文誌に紹介されたEMSは、正立ミラーシステムという名称で、一体ケース構造でした。 当時は36.4mmのネジ込み式が一般的には最大のアイピースで、2インチアイピースはまだ広く 普及していませんでした。そのような当時の背景から、最初のEMSは、36.4ネジ込みのエルフレ32㎜(60度)クラスが ケラレなく使用できることを前提に設計していました。その当初のEMSの役割(キャパ)を後継した現行のEMS-Mの構成ミラーは、その初期型EMSよりも一回り大きく、 杉本さんも指摘しておられるように、2インチの32㎜クラスの広角アイピース(EWV32でもケラレはさほど気になりません)まで 使用できるわけです。(ただし、optionの2インチスリーブは必要) 

 光路長については、ミラーサイズで決まると思っておられる方が多いのですが、それはミラー同士の干渉の回避等で二次的に 関係するだけであり、実際には、ミラーケースのサイズと構成ユニットのジョイントの長さ、それとアイピースを 挿入するスリーブの長さで決まりす。 従って、EMS-MとEMS-Sは、同一のケースで同構成ですので、光路長は 全く同じです。EMS-Lとの光路長の差も、ケースは同一ですので、ジョイントパイプの長さとアイピーススリーブの長さ の差に過ぎません。 たとえば、EMS-LにEMS-M用の31.7ADを装着すれば、その光路長の差は14㎜しかありません。

 場所を借りて、EMSのことに少し触れさせていただきました。 杉本さん、トラベルBINOのご成功、おめでとう ございます。さっそくのリポート、ありがとうございました。

FS102-BINO

FS102-BINO(Made by Mr.Mario Muriel using the EMS)

“Siempre me había sentido atraído por la osbservación binocular y a lo largo de mi vida he tenido muchos prismáticos mas o menos buenos. Pero fue cuando descubrí el invento del Sr. Matsumoto cuando mis sueños se hicieron realidad, plasmando mi pasión en estos extraordinarios binoscopios gracias a la aparición de EMS. Van equipados con dos Panoptics de 24 mm (que son de lo mejor que he conocido) y dos PowerMate x 2.5 para observación planetaria con Plosls de 12mm, todo ello de Tele Vue. Los planetas son como bolitas flotando en 3D, impresionantes, y los campos estelares de la Vía Láctea parece que se puedan tocar, tambien impresionantes.
Desde aquí, quiero animar al Sr. Tatsuro Matsumoto en el camino de la investigación de la observación binocular.

Mario Muriel – Spain.”

(English)

“I always had been attracted by the osbservation by binoculars and throughout my life I have had many more or less good binoculars. But it was when I discovered the invention of Mr. Matsumoto taht my dreams were actually put my passion in these extraordinary binoscopios thanks to the emergence of EMS. Van Panoptics equipped with two 24 mm (which are the best thing I have ever met) and two PowerMate x 2.5 for planetary observation with Plosls of 12mm, all of Tele Vue. The planets are like balls floating in 3D, impressive, and the stellar fields of the Milky Way seems to be playing, also impressive.
From here, I want to encourage Mr. Tatsuro Matsumoto in the way of investigating the observation by EMS-BINO.

Mario Muriel – Spain. “

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

Thank you very much for your second tribute to my website. Let me admire your craftsmanship and the right skill of adjusting the system.

 FS102-BINOのマリオさん(スペイン)が二度目の投稿をくださいました。写真の背景に模型飛行機が写っており、 マリオさんのCraftsmanshipに再度、納得しました。互いに外国語である英語を唯一の”communication tool”と しながら、お送りしたEMSセットを見事にBINOに仕立て上げておられます。

Sky90-BINO in Uighur, China

Total Solar Eclipse with Sky90-BINO in China

Okadaさんのウィグル(中国)皆既日食遠征記です。

 ご無沙汰しております。Okadaです。この度、再び皆既日食を観に、星ナビ協賛日通旅行「2008年中国シルクロード 皆既日食ツアー8日間コース」に参加して中国奥地の新疆ウイグル自治区 伊吾県に行きました。

【エアポート】

 丁度、北京オリンピック開催直前であったため、空港でのチェックは非常に厳しく、空港では、過去の旅行での経 験も含めて最も厳しい、手荷物も含めたすべての重量チェックが行われました。ツアーでの旅行であったため、グル ープチェックインという形で、多少の重量オーバーは大目に見てもらえたのでしたが、双眼望遠鏡の重量対策は大きな 問題であることを改めて感じ、さらなる軽量化を今後検討しないと行けないと思いました。

 また、中国国内線において手荷物チェックでアイピースとEMSが目にとまり、いろいろと聞かれることになりました。 望遠鏡のアイピースであると言っても、専門用語に近い単語であるためか、あまり理解してもらえませんでした。 百聞は一見にしかずと言いましょうか、以前何かで写真を見せればよいということを知っていたので、組み立てた 状態の写真を見せたところ、若い検査官の人は、目を大きくして、すごい望遠鏡だ!と驚きながらも笑顔で言ってく れました。

【EVE】

 バスでの長い移動でしたが、先にも記述した理由より途中公安による検問が何回もありました。翌日の期待が高まる 中、何だかな~という感じでした。しかもその前日までは天気が悪く、移動中雨が降るようなこともありました。 バスの中はあえて天気の話はしない雰囲気が漂いながらも、皆心の中でてるてる坊主をぶら下げていたのでした。

 我々のツアーの皆既日食観望場所は、政府指定の観測地で、日食城という名称が与えられていました。そこには夕 方18時過ぎに到着しました。ただ、18時と言っても、緯度が札幌並みに高いのと、北京標準時を採用していること から2時間ほど早いため、体感的には16:00ぐらいでした。そこには今回の日食のために、立派な建物やモニュ メントが建てられていました。しかし、風景を入れて写真を撮る写真屋さんもいることから、下見にてこの建物から 数100m離れた小高い何もない丘で陣取ることとなりました。

 これから夕食になるのですが、全日程を通してハズレは無く、食事面においては非常に良かったです。特にこの地方 特産のハミ瓜(メロン)は甘みがあって非常に美味しかったです。また、先日まで天気が悪かった空が、この時間あた りからみるみる回復していき、明日への期待が高まってきました。

 日食を観に世界各国から人が集まります。夕食後、お祭りムードのテント場にSky90双眼を出し、その場に脚を止め たフランス人や中国人の方々に木星やM13などを見て頂きました。日食に見に来るだけにオタクらしく、ETHOS (フランス人はエトスと発音していました)2本に驚いていたり、EMSに非常に興味を持っていました。私個人のHP は持っていないので、日本の双眼オタク紹介と勝手にEMS販売促進のためにマツモトさんのHPとBigBinoの服部さんの HPを記載したカードを渡すと、「ビジネスマンだ~」とその場に居合わせた者達で大笑でした。 

【雲と賭け】

 皆既日食自体は夕方のため、それまでは木立のあるテント場で参加者の方々と歓談し、期待を高めていました。そ して、日食開始数時間前にいよいよ移動開始です。

 前日下見をした場所は遙か遠くに天山山脈を望み、周りには全く何もない最高のロケーション。また砂漠地帯だけに 日本よりも空気が乾燥かつ澄んでいます。しかし、真夏の砂漠は過酷で、恵みなる太陽の光のはずが、まるで殺人光線 のように強烈でした。

 昼過ぎまでは快晴だったものの、第一接触前から太陽の周りにはいやな雲が湧いてきました。しかし、そのときは あまり雲を気にすることなく部分食は進み、いつの間にか灼熱であった気温が徐々に下がり、皆既がもうすぐだとい うことを肌でも感じていました。

 ところが!いよいよ皆既10分近くになりましたが、なんと雲が太陽を覆うじゃありませんか!!おそらく数千人 近くは居よう、少し離れた日食城からは祈りに近いような悲壮な声が聞こえてきました。

 この時点で、雲が流れて行くか行かないかはかなり微妙で、5分前近くには知り合いが居ても経ってもいられず、 機材を抱えて走り出しました。周りの方々と「移動するか!しないか!雲は抜けそうか!ダメか!」などと雲の行方 を眺めながら声を掛け合っていました。そして、皆の想いが通じたのか、わずか皆既直前2,3分前に「抜ける!」 と確信が持てたのでした。

 皆既約30秒前。誰かが「コロナが見えるぞ~!」とのかけ声に反応して覗いた時、2年前エジプトでもう一度会い たい、と想ったコロナに再会を果たしたのです。Canonの10x42IS防振双眼鏡でコロナの広がりを確認すべく覗くもの の、90mm双眼で覗いたらもう戻れません。EMS双眼で織りなすコロナは、90mmある口径のおかげで、分解 能高く流線が美しく見え、そしてEMSでしか達成できない82°という広視野且つ5.25°という広視界を両目 で観ることができるのです。プロミネンスは独特なピンク色に輝き、そのうちの一つは、まるでカモメが羽ばたくよ うでもありまた。

 しかし、今回の皆既は2分弱。もっと見続けていたいという思いとは裏腹に、時間はあっという間に過ぎ去ってしまい、 右端が明るくなってくるのが感じ取れます。そして、突然光り輝く太陽が現れた瞬間、それは世にも美しいダイヤ モンドリングなのです。しかし、無情にもそれは皆既の終わりを意味し、えぇっ~もう終わり~!?もっと観たいと いう欲をやむなく打ち払うかの如く、双眼から眼を離すのでした。

 そしてこの後迎えるのは、観られた!!という満足感が怒濤の如く押し寄せ、しかしもっとみたい、もう一度みた い!という気持ちが入り乱れた瞬間でもあったのでした。

 後から思うに、こうやって日食病に冒されるのだと思いました。

【北天】

 テント場に戻ったツアーの皆は、撮影した写真を見せ合ったり、もう来年の話で盛り上がったりしていました。 ところで、今回このツアーを選んだもう一つの理由として、真っ暗な夜空の下での天体観望がありました。それは期 待通りの夜空で、北天の天の川が光り輝く、日本ではもう味わうことができないような素晴らしい夜空でした。北 極星は普段見慣れた高さより遙かに高く、北斗七星が周極星となっていました。また天の川はその名の通り河のよう になって光り輝いていました。いて座付近が明るいのは既知ですが、はくちょう~カシオペアのあたりも非常に明る く、また暗黒帯の入り用がはっきりわかるほどでした。

 たった9cmの口径ですが、双眼視の効果は絶大で、ETHOS13mmとの組み合わせで観たM31は3°近くあるかの 如く見えたでしょうか、暗黒帯の入り方も素晴らしく、ベテランのドブユーザーの方もドブに迫る見え方だと喫驚 する見え方でした。もちろんもっと大口径の望遠鏡を持っていけたら、もっと見えたと思います。網状星雲はフィラ メント構造がわかるほど容易に見え、また真ん中部分の淡い星雲もノーフィルターで容易く見えるほどの素晴らしい ものでした。特に驚いたのが、ペリカン星雲の眼やくちばしの切れがはっきりわかるほどで、私を含めその場に居合 わせた者は驚いて観ていました。南天も素晴らしいですが、北天も負けたもんじゃないと見直しました。

 メジャーな天体、マイナーな天体などなどたくさん観ていましたが、緯度が高いゆえ夜明けまでの時間は意外に短 く、黄道光が見え始めたところでお腹いっぱいとなり就寝することとしました。

【See you Again!】

 個人で段取りを立てて、世界各地に日食や彗星、オーロラ、南天などを求めることができる方は、本当に素晴 らしいな~と思います。私などはトラブルがあったときの対応など到底で きないとわかりきっているので、ツアー参加にならざるを得ない状況です。個人でなんでもできる方からツアーを 見ると、大名行列的で融通が利かないかもしれません。

 しかしながら、ツアーも良いなと思えるのは、いろいろな人と出会えることです。天文業界では有名な方、日食が初 めての人、20年以上のベテランさん、ダイヤモンドリングのみ追い求める人、なんだか面白そうなので申し込んだ 人などなど。そして、何よりも、あっ前のツアーでお会いしましたね!と言える方々に会えることです。また、ツア ープログラムには載っていないオプションの数々など、陰ながらツアーを支える添乗員のおかげで、同じ目的をもっ て集まったツアーは、ある意味快適で本当に楽しかったです。

 来年の皆既日食は日本近海で起こるため、EMSを使用した双眼望遠鏡ユーザーに出会えるのではと思ってます。そし て彼の地で、あっ!また会いましたね!と言える日を楽しみにしています。 See you Again!

【写真解説】■01 今回の荷物(スーツケース×2、リュックサック)
■02 日食城
■03 ハミ瓜(哈密市内にて撮影)
■05 日食前のSky90双眼 (遠く天山山脈を望む)
■06 皆既日食
■07 皆既中の観望風景

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 Okadaさんより、オーストラリア南天観望エジプト日食→に続いて、 中国での皆既日食遠征のリポートをいただきました。渾身のリポートで、私を始め、現地に行けなかった者にとりましては、何よりのお土産です。 実際に体験なさった方の何分の一いや、何十分の一かも分かりませんが、リポートを読ませていただきながら、手に汗を握っていました。

 それにしても、これだけ世界中を旅したEMS-BINOも数少ないことでしょう。お荷物の写真がありますが、大荷物にも 見えますが、むしろ、よくこれだけコンパクトにまとめられたものだ、と驚かされました。 大きな荷物を持っての移動は 大変かと察しますが、EMS-BINOで観る皆既日食には、その苦労が報いられるだけの感動があるのだということを、Okadaさんは身を以って証明してくださっています。 海外の方から”Businessman”と揶揄されてもくじけないで^^;、常にSky90-BINOをお供にしてくださってありがとうございます。

 Okadaさん、今回も貴重なリポートをありがとうございました。

Megrez80-BINO

 お送りいただいたEMSセットと目幅調整台座、短縮済み鏡筒等を、先日組み立て、Megrez80-BINOを 完成させることが出来ました。 以来、こちらは天気が悪い日が続きますが、晴れの合間を見て具合をみました。 右側に妙な金色の棒が付いてますが、重りの付いた棒を前後に移動させて全体の前後重量バランスをとってます(重りを変えたりもします)。 添付写真のように難なく組み立て、アイピース他納入品の不具合品はありませんでした。 光軸合わせは右の鏡筒を振って出来るだけ行い、EMSの調整ノブは最後に使うという松本さんのアドバイスでちゃんと出来た気がします。 合焦状況は問題無く、下の通りで鏡筒の切断した長さは適切だったです。          ドローチューブ繰り出し量      2倍バーロー時
EWV-32mm        14 mm            5 mm
イーソス13mm       22 mm           4 mm
WO-6mm           15 mm            6 mm
気になった点は以下ですが大きな問題ではないです。

● 片持ちの「Easy Touch」に積んだのでモーメントが大きいので傾く。 もう片方に適当な望遠鏡を積めば勾配は軽減されると思いますが、トータル重量が気になってきますが... 望遠鏡を購入してバランサー兼用させようかと考えてますが何かアドバイスあればお願いします。 曇りでしたが、雲間から顔を出す月や木星、天の川の付近を観望しました。 感想は「やはり全然違う、松本さんから購入して良かった~」と思いました。 いったんセッティングしてしまえば、ストレスを全く感じずに気持ちよく観望できました。 上下左右に鏡筒を楽に自在に振り、視界の先の星野は、非常に広視界で明るシャープな像で感動的です。 これまでは大体Megrez80に双眼装置を付けて(バローを使わないと合焦しないので好きな低倍率が無理)天体観測してました。 これだと視野周辺はケラレるし視野は狭い・暗い(特に高倍率)、双眼装置は重いので天頂付近はドローチューブがズルズル落ちるし、 双眼装置自体も回転し易いしストレスのたまる天体観測でした。 「Easy Touch」のような片持ちは少数派で、重量が片側に偏る不利はありますが天頂も楽々見れるし、 ストレスなしに操作出来るのは経緯台式と変わらないと思います。
 曇りがちでしかも月夜に一度天の川付近を短時間流した位ですが、プリズムを使わないEMSでの双眼システムの実力は充分感じました。 これからは有名な球状星団や新月時の晴れた夜に天の川付近をじっくり流すのが楽しみです。 Megrez80はバックフォーカスが短くて、色々対策はありましたが松本さんへ送って、鏡筒の切断短縮の完璧な仕事をして頂き正解でした。 納期や配達も非常に気をつかっていただき恐縮しました、良いものをありがとうございました。                                       K:(オランダ在住)             

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 Kさんは同胞ながらオランダ在住で、ご見学はもとより、事前のパーツ類の往復にも大きな制約がありました。 Megrez80鏡筒とT字型架台はすでに所有しておられましたが、荷物の安全と軽量化のため、鏡筒パイプ(フランジ付き) のみをこちらにお送りいただき、切断、短縮加工をした物を、目幅調整台座とEMSと一緒にご返送しました。  にもかかわらず、写真のような見事なEMS-BINOを完成されたことに、まずは敬意を表したいと思います。 さらに、独自のウェイトシステムは非常に合理的に出来ていると思います。

 片持ち架台に搭載した際の傾斜傾向は、私も以前にZenithStar80-BINOで経験していました。アリガタ取り付け用のブラケットを ソリッドな10mm厚のアルミ板にして対策にしたつもりでしたが、やはりそれでもタワミ傾向が出るようですね。

 タワミは、片加重による架台のタワミとBINOの台座のタワミの合算だと 思いますが、後者の対策としては、ブラケットとベースプレートが作るL型の部分に筋交いを設置するか、タワミ分を見越してL型の角度が少し鋭角に なるようにシムを入れればほぼ解決すると思います。

 ただ、片持ち式はもともと、総合的に軽量で、シンプル、コンパクトが売りのシステムなので、強化対策で重量が増したり構造が複雑化するのであれば、 最終的にはやはり両持ちのフォーク式架台に分がありそうですね。
 搭載機材の下に自由空間が広く確保される片持ち架台の開放感には、確かに大きな魅力はありますが、 EMS-BINOに関する限り、90度対空のメリットにより、通常の両持ちフォークでも 天頂付近の観察に何らの障害もありません。
 実は、この度供給させていただいた目幅調整台座は、 一般用と共通な規格を採用していますので、耳軸部を設置するだけで即、両持ちフォーク架台に対応できるように 配慮しています。      

15cmF5-BINO

1 購入の決め手

 約1年半ほど松本さんのホームページを拝見させていただいていたのですが, 思い切って2007年1月に15㎝F5-BINOを注文しました。このタイミングで お願いしたのは,概ね次の理由です。

 まず,15㎝F5-BINOそのもの評判のすばらしさですが,これは言うまでも ないと思います。次に,私も今年「不惑」の年を迎えるということで,体力や視力 に余裕があるうちに15㎝F5-BINOで存分に観望を楽しみたいと思ったこと です。また,僭越ながら,松本さんの15㎝F5-BINO開発がたいへん高水準に 安定してこられたように感じたからです。さらに,原油高など物価が上がって くる中,松本さんの経営努力で価格が維持されているうちに購入しようと思った 次第です。迷われている方はぜひ参考にしていただき,ご決断下さい。(^_^;) なお,注文してからオプションを決めるに際しては,松本さんからいろいろと 有益かつ適切なアドバイスをいただきました。そのおかげで15㎝F5-BINO そのものにしたことを含めて,私にとってベストな選択ができたと思っており ます。

2 訪問

 EMSの光軸調整のレクチャーを受けるために,宮城県から鳥取市までうかがい ましたが,とても有益で価値ある体験でした。松本さんが「一度は現物を見て調整 方法などのアドバイスを受けられた方がいいですよ」とおっしゃる意味がよくわか りました。EMSを鏡筒からはずしてからとりつけ,光軸調整をするところまで, 手取り足取り丁寧に教えていただきました。また,像が傾いたときにそれを修 正する方法なども教えていただきました。やはり,百聞は一見にしかずです。 おかげさまで,ファーストライトでも光軸調整に手こずることなく,星空を満喫 できました。
 また,開発にまつわる苦労話など興味深いお話をうかがうことができ,大変 楽しいひとときでした。松本さん,完全な文系で素人の私にいろいろとご教示 いただきまして,ありがとうございました。m(_ _)m

3 観望

 私は天体写真はまったくやらず,眼視専門ですし,これまで大口径の望遠鏡 は持ったことがないので(タカハシFS-102のみ所有しています),他と比べて どうこう言える立場にはありません。しかし,15㎝F5-BINOの使いやすさ, すばらしさはファーストライトで実感しました。

 ファーストライトの観望地は仙台市内から車で30分程度のところで,天の川は はっきり見えるのですが,それでも仙台市内の光は気になります。肉眼では 5等星がやっと見える程度です。

 私のものはEWV32㎜と2インチマルチショートバローを備えただけのシステム ですが,夏のメシエ天体,天の川めぐりは息をのむ美しさです。最初にのぞいた ときは,「なんじゃこれー。星がありすぎる!」という感じでした。「宇宙船の窓から 星を見ている」という表現がぴったりです。また,バローを使うとコントラストが 上がり,球状星団のつぶつぶもはっきりしてきて絶景です。クレイフォード接眼 部のなめらかさのおかげでピント合わせも簡単で,シャープで美しい星像を楽し めました。M11,M13,M22,ペルセウス座の二重星団は特にすばらしい眺め でした。M27や干潟星雲などもよく見えましたが,星雲用にフィルターが欲しく なってしまいそうです。(^_^;)

 幅広改造HF経緯台の性能もすばらしいです。ガタは皆無で高度軸の堅さの微 妙な調整も自由自在です。三脚とHF経緯台,15㎝F5-BINOの相性もばっちり で,風が吹いてもほとんど揺れず,安定した観望ができました。 松本さんが勧めてくださったドットファインダーも大変便利で,15㎝F5-BINOの 正立,低倍率と相まって,目的の天体が指差し感覚で簡単に導入できます。 ちょっと暗い天体の場合は5㎝正立ファインダーと併用することでよりスムーズ に導入できます。

 ファーストライトの日はみずがめ座流星群がたくさん飛んでおり,15㎝F5-BIN Oの視野の中で流星を3つほど見る幸運がありました。(^_^)v 流星にも色の違 いがあるものだと思いました。広視界の賜ですね。

4 機動力

 15㎝F5-BINOの機動力もすばらしいと思います。写真のとおり,自宅では 和室に無造作に立てています。三脚の下端には雑誌を置いて畳を傷つけ ないようにしています。先日震度5弱の地震がありましたが,無事にその まま立っていてくれました。HF経緯台の60度加工のおかげです。

 持ち出すときはEMSとアイピースのついたままの鏡筒を自動車の後部座席 にポンと載せ(緩衝材は何も無し),三脚とHF経緯台はトランクにそのまま 入れます。もちろん,安全運転はしますが,普通の振動などは全く気にせず, そのまま運んで,観望地で組み立てればすぐに使えます。15㎝F5-BINO の鏡筒も男性なら1人で簡単に経緯台に載せられます。屈折なので温度 順応に神経質になることもありません。こんなに簡単にすばらしい星空を観 望できるのですから,なまけぐせがつきそうです。(^_^;)

 最近は車の後部座席に積んでおいて,仕事帰りにちょっと郊外に観望に いこうかとたくらんでいます。

5 最後に

 このようにバランスのとれたすばらしい双眼望遠鏡を持てて大変うれしく 思います。最近は天候不順でストレスがたまる日々ですが,晴れ間を ねらってお気軽観望をしたいと思います。

 仙台市では7月に新しい天文台がオープンして,連日多くの市民が天文 台に足を運んでいるようです。素人に毛が生えたくらいの私が言うのも おかしいですが,天文ファンが1人でも増えてくれればいいと願っています。

 松本さん,私の素人的な質問にも丁寧にお答えいただき,また,調整方法 についても懇切丁寧にご教示いただき,ありがとうございました。また, わからないことなどご相談させていただくかも知れませんが,どうぞよろ しくお願い致します。m(_ _)m                              宮城県 S

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 宮城県のSさんより、大変懇切なリポートをいただきました。 また、車でBINOを受け取りに見える方は比較的多いのですが、Sさんは空路でわざわざ出来上がったBINOを見に 来てくださり、BINOは後日宅配便でお送りしました。”初心者”を自認していらっしゃいますが、このご姿勢には感服し、 感謝の気持ちで一杯です。 また、”PROGRESS REPORT(製作情報速報)”もずっと見てくださっていたようで、 この点も、とかく固定観念で捉えやすい老練マニアや一般業界人よりも客観的に見てくださっていたようです。

 振り返りますと、鏡筒が黒かったSCHWARZ150S-BINO(ちなみにschwarzはドイツ語で黒のこと)の第一世代から始まり、 第二、第三、第四世代に至り、さらにフォーカサーをオリジナルの大径クレイフォードにし、目幅調整を鏡筒固定のヘリコイド 目幅調整方式から、IPDクレイフォード方式へと進化して来ました。BINOに有害なイメージシフトの要素を 一つずつ潰して来たわけで、ここに至って全ての阻害要因を排除できたわけです。

 Sさんには、観測リポートもしっかり書いていただきました。分かりやすい言葉でご感想を飾らずに的確に書いてくださっています。 マニアも古参になるほど光学系の机上データにうるさくなるという一般的傾向があるのですが、15cmF5アクロマートというスペック の従来的な常識を覆すものが、この15cmF5-BINOにはあります。製作者が言うのでは説得力に乏しいので、 こうしてユーザーの方が証言してくださるのは大変ありがたいことです。

 私の地元の友人も、15cmアポの単体鏡筒は別に持ちながら、この数年はもっぱら15cmF5BINOでのdeep-skyにはまっていて、前者の アポ鏡筒はたまに惑星や二重星観測をされる時しか出番がないそうです。 主観的な表現ではありますが、ざっと、

従来の(短焦点アクロマートに対する)一般常識
                  < 15cmF5(アクロ)単体鏡筒
                           << 15cmF5BINO


  ということで、最後の(<<)は体感して初めて理解できる部分だということです。

 Sさん、素晴らしいリポートをありがとうございました。 またBINOを作る元気が湧いて来ました。

FS102-BINO

FS102-BINO(最新型)

 マツモトさんにBINOの製作を依頼し、ゴールデンウィーク明けに完成して新型台座に乗った、 FS-102BINO のすばらしさを紹介させていただきます。このBINOを受け取ってまだ1ヵ 月半ですが、 特に新型台座の使い勝手の良さ・完成度の高さを未熟者ですが報告いたします。

導入経緯

 私は小学生の頃、ちょうどアポロが月に着陸した頃に初めて望遠鏡を買ってもらい、その後10年くらいは 一生懸命に星を追いかけておりましたが、いつの間にか星を見なくなり忘れておりました。
 ところが5年位前にふと本屋で天文ガイドを手に取り投稿写真を見ると「なんだこれっ!!」。望遠鏡の広 告をみても「自動導入???」驚きのあまり「おもしろそう」とこの世界に戻ってきてしまいました。 それからは機材を買い・買い替えを繰り返し、25センチニュートンと自動導入赤道儀にある程度満足し、 落ち着いたつもりでした。

 しかし、現在の観望仲間と出会い、またまた衝撃を受けてしまいました。 その仲間たちの30~40センチドブソニアンは銀河や球状星団が写真のように見え、ついには50センチまで 登場し銀河の腕がぐるぐる見えるのには卒倒しそうでした。

 その仲間の1人に12センチの双眼望遠鏡を使っていらっしゃる方に覗かせてもらい、大口径とは違う「楽に 見る楽しさ」を教えてもらいました。そしておおたさんのCAPRI-BINOを覗かせていただき、私の腹は決まり ました「手元に1本あるFS-102を生かしてBINOをつくってもらおう」と。

 もう1本を譲っていただける方をスターベースさんでご紹介いただき、早速マツモトさんとメールで打ち合 わせをさせていただき、「65φバレルであとはおまかせで」なんていい加減な依頼をしてしまいました。

 ゴールデンウィークごろの製作状況速報で進行具合が分かるようになりマツモトさんから「新型の台座にし ますのですごく良いですよ」とのご連絡をいただき、完成品は「目幅調整機構は、今まで製作して来た中で も最高の滑らかさと操作性で、もちろん最高の剛性も兼ね備えています。」とのことで、早速鳥取へ引き取りに向かいました。 その場で基本的な調整法や使い方を2時間ほど習い、帰宅後一度ばらして組み上げ構造を理解しました。

実際に手にするまでは、調整が難しいとか、光軸はどうするんだろうといろいろ心配をしておりましたが、 「なにも難しいことはありません」「案ずるより生むが易し」そんな感じでした。

新型台座

 今回マツモトさんが開発された目幅調整スライドユニットの使い勝手が「誰にでも簡単に扱えて」すこぶる 良いものです。
 写真でもわかるかと思いますが、クレイフォード微動の要領で5kg強の鏡筒が実に滑らかにスライドし、 まさに最高の滑らかさと操作性で、最高の剛性も兼ね備えたというのが良く分かりました。そしてその 微動ハンドルが接眼側と対物側両方にあり、接眼側は自分で調整するときに使い、対物側のハンドルは例え ば子供が覗いているときに楽に調整をしてあげることができます。この機構は微妙な目幅の調整に絶大な 威力を発揮します。

 これは常に現状に満足することなく研究開発に時間をかけておられた成果が生んだものだと思います。 耳軸も真鍮製のものでバランスにこそ敏感ですが、これもバックラッシュもなく非常に使いやすいもの です。私の場合はバランス用に手首・足首用のトレーニングウエイトの500gと1kgのものを用意し ました。

アイピースと木箱

アイピースはハイペリオン 3.5mm 234倍 実視界0.29度
        ミードUWA    6.7mm 122倍 実視界0.67度
        イーソス    13mm  63倍 実視界1.59度
          EWO     30mm  27倍 実視界2.52度

 これらのアイピースでピント位置も問題はありませんでした。 ただ、ハイペリオンを2インチで使おうとすると防塵フィルターにあたってしまうので、31.7mm で使わなければなりません。車の積み下ろしや室内の移動の事故を考え、木箱を桐で作りました。 軽い箱ですが、深く考えずに作ってしまい、非常に持ち運びにくい大きさになってしまいました。

 天気に恵まれず暗い空に出会えておりませんので、早く夏の天の川あたりや普段あまり見ることがない月 を見てみたいと思います。 仲間からも「BINOさえ持ってくれば他の機材はもってこなくていいから」とも言われております。

 記念すべき新型1号機を私にいただけたことを感謝し、一生ものとして自分で手を加えつつ大切に使ってい きます。ありがとうございました。

                                  そら

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

「そら」さんはBINO製作を思い立たれてから、かなり早いテンポでプランニングの決定から素材 鏡筒の確保、当方への発注をこなされ、遠路にもかかわらず、完成したBINOを当方まで受け取りにお見えいただきました。

 ご注文いただいた頃、ちょうど中小口径用のシステムの設計を根本的に洗い直していたところで、多くの 方を随分とお待たせしてしまった主因にもなったのですが、こうして、リポートの形で、製作者の意図を 完璧に代弁していただくと、製作の苦労が完全に報われる気持ちがいたします。

 新型のスライド台座は、中小口径のBINOの基本構造を構成する部分です。旧型の自由スライド、クランプ方式から、 微動送り機構へと進化しました。原理は極めて単純で、クレイフォード・フォーカサーと酷似しています。 コストや重量が肥大しないことにも配慮し、成功を納めたと思っています。 依頼者の方々のニーズは 多岐に渡りますので、汎用性に富ませることも重視し、構成パーツ(のネジ穴配置等)は極力対称性を 持たせ、プレートパーツは都合によってリバーシブルに再構築できるようにしています。逆に、旧型でこだわった プレートパーツの角のアール加工は、機能に 関係ないので、生産性(納期短縮)を優先させるために割愛し、直線的な トリミングにしました。そうした製作者の隠れた腐心に ついて、「そら」さんがユーザーとして完璧に理解して発表してくださり、大変喜んでいます。

 今回は、「そら」さんには、新型スライド台座のメカについて重点的に発表していただきましたが、 梅雨が明けて夏のdeep-skyを堪能されましたら、またぜひ観望リポートをお願いしたいと思います。  「そら」さん、すばらしいリポートを本当にありがとうございました。

15cmF5-BINO

 2007年5月に満を持して注文をしてから2008年1月におかげさまで無事納品されました。冬の間は、年齢?の ためか寒くてとても観望する勇気が出なかったので冬眠?状態でしたが、ようやく暖かくなった4月から 観望を再開しようと思い15cm双眼のファーストトライを実施しました。トライ当日は、少し光軸調整を実施 し、しし座、おとめ座、かみのけ座、からす座と春の系外銀河を総なめ。
 特に長い?星見人生で初の観望となった“おとめ座銀河団やかみのけ銀河団”の素晴らしいこと!しかも、 この銀河団を自分の所有の望遠鏡で見ることの嬉しさといったら何と言って良いやら、言葉になりません!

 今回、GW中にセカンドトライを三重県で実施したので簡単にインプレッションをしたいと思います。

 使用したアイピースは、ナグラ17mmで約44倍です。 まずは、4月に引き続き、おおいぬ座、りょうけん座、ヘルクレス座、しし座、おとめ座、からす座、かみ のけ座、さそり座、いて座、たて座、こと座、こぎつね座と春の系外銀河や春夏の球状星団、散開星団、 散光星雲、惑星状星雲を流しました。GWということもあり空が少し腐り?ぎみでしたが夜半過ぎからは 透明度も増しよく見えました。

 系外銀河は、M65、M66、NGC3628、M81、M82、M51、M101、M104と見て、 最後にはおとめ座、かみのけ座の銀河団!望遠鏡を向けたら系外銀河が次々と飛び込んできます!凄い ・・・球状星団もM3、M5、M13と見て、特にM13は周辺も星が分解している!その後、夏の星座が上が った後は、M4、M7、M8、M11、M17、M27、M57、M80、そしてとどめは、UHCフィル ターを借りての網状星雲!この春の空で肉眼で見えるとは思っていませんでした。15cmという口径の威 力もありますが、やはり“両目“で見るという“双眼“の威力の凄さを再度、目の当たりにしました。。。

 特にM7やM11の散開星団は、双眼望遠鏡で見ると“空の宝石”のようでとてもきれいでいつまでも見 ていたくなりました。

 さて、今後ですが、実はナグラ17mmを付けるとアイピース側が重くバランスを崩すためマグネット式 などのウエイトを探そうと思っています。

 いずれにしても、天文歴20数年の中で今までにない素晴らしい買い物が出来ました。今後、BINOの購入 を計画されている方がいるのならぜひ迷わずにご購入されてはいかがでしょうか?楽しい星見生活が待って いることは間違いないと思います。

 最後に松本さん、本当にありがとうございました。今後もいろいろご相談することがあると思いますが、 どうぞよろしくお願いいたします。

                                       鳥羽山     

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 鳥羽山さんは、確か、アストロメカニカ(イタリア)製のBINO(3回反射の裏像)を使用しておられ、 望遠鏡サミットにもそのBINOと共に参加していらっしゃったように記憶します。

 他社製のBINOを愛用しておられた方が当方のBINOをお求めくださることは大変光栄で、嬉しいことでした。 実は今月18日にイタリアの方に納品させていただくEMSセットも、同社製の15cmBINOのリフォーム(正立化)でした。( 同社はBINO作りから撤退されたようですね。)

 さて、’07年の秋頃までの受注分が特に納期が延びてしまい、鳥羽山さんもご指摘のように、異例にお待たせ してしまいましたが、寛大にお待ちくださいました。
 同年はいろいろなアイデアが噴出した年で、新規開発の誘惑に勝てませんでしたが、 先日来、バックオーダーの消化に全力を尽くしておりますので、よろしくお願いいたします。

 臨場感溢れるリポートをいただきましたが、もう夏の天体を楽しむ季節になりました。私も頑張ってBINO を作らないといけません。^^;

 15cm-BINOの醍醐味を簡潔におまとめいただき、かつストレートにご推薦くださり、本当にありがとうございました。

 

       

15cmF5-BINO

Hello Tatsuro,

finally last week I had the opportunity to test the new binoscope under good and dark skies. I have been in Tuscany (center of Italy) on the top of Amiata mount (about 1800 m over see level) for a very nice Star Party dedicated to deep sky visual observation and imaging. More than 100 people in the field with impressive setups. Here you are an example :

(Italian:)

Salve Tatsuro,

finalmente la settimana scorsa ho avuto l’opportunità di provare il mio nuovo binoscopio sotto cieli veramente buoni. Sono stato in Toscana sulla cima del monte Amiata (1800 m sul livello del mare) dove ho partecipato ad uno Star Party dedicato alla osservazione visuale ed alla ripresa del profondo cielo. Più di 100 astrofili hanno partecipato a questo importante evento con una impressionante strumentazione al seguito. Ecco qui un esempio:

(Japanese:)

 ついに先週、すばらしく暗い空の下で出来上がったビノをテストする機会を得ました。 トスカーナ州(イタリア中部)のアミアタ山(標高1,800m)の頂上で、ディープスカイの眼視と撮像 のための素晴らしいスターパーティが催されたのです。 100人以上のマニアが、自慢の機材を携えて集いました。下の写真はその一例です。

but also big dobs up to 20″ were on the field. Unfortunatelly the fork mount for the binoscope was not still ready so I had to “put together” some mechanical parts to be able to preliminary use the bino. Any case the instrument, and in particular your wonderfull EMS system, attracted a lot of curious people:

(Italian:)

ma anche diversi grossi dobsson erano presenti per l’osservazione visuale con diametri fino a 20″. Sfortunatamente la versione definitiva della forcella che sosterrà il mio binoscopio è ancora in fase di sviluppo e per riuscire comunque a provare lo strumento è stata rapidamente preparata una forcella provvisoria. Nonostante quindi qualche vicissitudine meccanica il binoscopio, e in particolare il suo fantastico set di EMS, ha subito attratto la curiosità di molti astrofili presenti:

(Japanese:)

会場には、50cmくらいまでの巨大なドブまで参加していました。 残念なことに、最初、ビノの自作経緯台がまだ完全でなくて、現場で機械パーツの一部を 組み立てないといけませんでしたが、ともかく、取り分け、素晴らしいEMSは多くの会衆を魅了していましたよ。

during the night a long queue of people was waiting to look in the binoscope and the general comments were enthusiastic. General opinion was that the wide and deep view of the binoscope was probably the best compared to all the other visual telescopes. The adjustment of both IPD and focus was easy and nobody had problem to merge images (at 25X and 57X with 30mm and 13 mm Widescan eyepieces):

(Italian:)

durante l’osservazione notturna molte persone aspettavano il loro turno per guardare attraverso il binoscopio e il commento generale era di entusiasmo. Il commento ricorrente è stato che l’ampia e profonda visione offerta da questo strumento era probabilmente la migliore in confronto con tutti gli altri strumenti visuali presenti. Estremamente semplice per tutti l’aggiustamento della distanza interpupillare e la messa a fuoco e nessuno ha avuto problemi a fondere le immagini dei due tubi (a 25X e 57X utilizzando oculari Widescan da 30 e 13 mm)

(Japanese:)

深夜まで私のビノの順番を待つ長蛇の列が続き、多くが絶賛していました。「視野の広さと抜けの良さに於いて 、(このビノは)この会場の眼視用の望遠鏡の中で一番良く見えるだろう。」というのが、このビノを体験 された方の標準的な感想でした。目幅調整もフォーカシングもやり易く、(左右の)合像についても 誰も問題ありませんでした。(30mm、25倍;13mm、57倍使用)

I have been also impressed by wonderful views like the Markarian’s Chain in Virgo or the Milky Way across Cygnus, Sagittarius and Scorpius regions.Very good job Mr. Matsumoto, I think you have gained new enthusiastic fans here in Italy !!!Thank you very much again and best regards, Antonio.(Italian:)Io stesso sono stato molto impressionato dalle fantastiche visioni fornite dal binoscopio, in particolare la Markarian’ s Chain e le regioni del Cigno, Sagittario e Scorpine attraversate dalla Via Latea. Ottimo lavoro Mr. Matsumoto, io penso che Lei abbia guadagnato nuovi entusiastici fans anche quì in Italia !!!Ancora molte grazie e cordiali saluti, Antonio.
Antonio Marcelli
(Japanese:)また、おとめ座のマルカリアンチェーンや白鳥座を貫く銀河、いて座とさそり座の領域の素晴らしい眺め にも私は目を奪われました。 松本さん、素晴らしいビノをありがとう。これできっと、イタリアにも新しいEMSファンが たくさん出来たと思いますよ。^^
改めて、本当にありがとう。 では、また。          アントニオ

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

Dear Antonio,
I am thrilled to read your hot report, as if I were at the very place of the star watching party. Thank you very much for your wonderful report. You have given me not only the energy to keep up with my enthusiasm in the BINO making but also the motivation to start studying Italian language. Let me give you my sincerest admiration for your seccess in making such a nice binoscope utilizing my EMS set with a limited information against the language barrier.
Give my best regards to your friends who have generously allowed me to use the photo, too.
Your friend,
Tatsuro

鏡筒のカラーは異なりますが、当方で製作している15cmF5-BINOと同じ鏡筒のようです。 当方で製作しているメインのクレイフォードフォーカサーを含めた完全セットをお求めいただきましたが、 各所の接続や調整を見事にクリアーされ、写真のような立派なビノを実現されました。 アントニオさん、素晴らしいリポートを投稿してくださって、本当にありがとうございました。

(18日には、日本公演で来日される世界的に有名なイタリアのmusicianの方にほぼ同じ完全セット を手渡すことになっています。)