Vertical unit in the height of making / 垂直ユニット、佳境に入る

Left thread is made on the center of the main screw of the clamp.
クランプネジの先端にM3の逆ネジ切りを施工。

 

Preliminarily  assembled.
仮組み立て。 面押し機構にこだわると、これだけ工程が複雑になりますが、
見返りは十分にあります。

Finished clamp levers.

追加工が完了したクランプレバー

 



Clamp levers in the processing / クランプレバー加工中

Clamp levers are in the processing. The levers are already cut short to evade collisions with each other, and waiting for the next process of making the center left handed threading.

レバーの干渉回避のために、すでに10本とも切断短縮加工が終わっています。
当初はローレットノブを使用していましたが、重量級の鏡筒の固定には固定力が足りないことが分かり、その後は鏡筒の軽重にかかわらず、レバーで統一することにした次第です。市販品のクランプレバーにはこの短さの規格はなく、切断して使用することにしました。(短くても、レバーの回転力の強さは恐るべしで、丸ノブの比ではありません。レバーの角度は、真上に引いて回せば、ラチェットによって自由に選択できます。))
次の加工は、M8ネジのセンターに左ねじを切ること。面押しチップをセットするためです。



Et tu Brute? (And you too, Brutus?) / ブルータス、お前もか?

Those with a guilty conscience would be nervous at the title, or those who
can be brazen-faced to betray me would never care about such a post?
I am not sure which is right.
Anyway, I am declaring that I never deserve the shameless betrayal by my friends or  the client companies, because I can swear that I had been kind and honest to them all, toward my personal belief.
I will attach weight to the personal relationship with my clients from now on too, as a one-man-shop owner, and be honest, and never pretend to be a big company.

「ブルータス、お前もか?」というタイトルを見て、裏切った当事者はいささかでも動揺しているのか?、あるいは人を裏切っても何とも思わないような人間は、逆にこのタイトルを見ても何とも感じないのか、どちらが正解なのだろう??^^;
まあ、どちらにせよ、私は自分のポリシーにかけて、人の恨みを買って裏切られるような覚えは一切ないことを宣言しておきたい。 誠実と正直をモットーとするポリシーを今後も貫徹するのみだ。
サイトには、突っ込んだ技術情報を常に惜しみなく公開し、プライベートな日記まで公開していることに、友人から善意の忠告をいただくことさえあるが、それが自分のポリシーなので、仕方がない。
client の方々とは、いつでもプライベートに正直に向き合い、その信頼関係の元で仕事をする姿勢は今後も変えようがない。私は最後まで個人企業であって、会社を偽装するつもりも必要もない。
去る者は追わず、来る者は拒まず・・・・。



Vertical bearing rings in the making -2 / 垂直回転軸受けリング加工中(2)

A simple ring achieves the function of the most powerful clamp by the processing
of the slit and the screw hole machining. Isn’t it amazing?

単純なリングが、単なる軸受の機構に加え、スリット加工とネジ加工によって強力なバンド式クランプの機能を帯びます。
当たり前と言えばそれまでですが、私は今でも新鮮な感動と共に作業しています。



Got over the hardest work / 難関突破(垂直回転軸の加工)

Ten pieces of the hardest parts are almost completed.
One of the secrets of great success of this vertical unit is the “10mm shift” of the dovetail center from that of the vertical axis itself. It is simple but crucial factor of this Center Mount to be a great Success.

最大の難関の加工がほぼ完了しました。
この中軸架台の成功の秘訣の一つが、アリミゾの把握センターを軸センターから10mm下げたことです。 このことは、随分前から公開していますが、老舗のメーカーさんは、「軸センター=把握センター」という固定観念に今だに縛られているように見受けます。^^;
この部分の配慮が、その架台が天体用に使いやすい物になるか、ユーザーにひたすら苦痛をもたらす物になるかの重大な分かれ目になることに、気付いている人があまりにも少ないようです。(天頂ミラーを一切使わず、またファインダー等のアクセサリーも一切搭載せずに、主光軸上でのみしかアイピースや撮影機材をセットしないのであれば、”軸センター=アリミゾセンター”が正解でしょうが・・・。)



Bike tube for the Arm Training / アーム・トレに 自転車チューブ

I heard the bike tube is good for the Arm-Training. But how do you deal with the annoying nozzle?
Do you cut off the annoying part that includes the nozzle into a straight tube?
My decision is just to remove the nozzle and use the tube as the original ring shape.

1年ほど使用した筋トレ用の強力?ゴムチューブが一度切れ、結んで使用していたらさらに別の箇所が切れ、がっかりしていたところに、アームの先輩から”自転車チューブ”が良いと聞きました。
さっそく近所の自転車屋さんに頼んで、廃品の自転車チューブをゲット。
しかし、予想通り、ノズルが邪魔。この部分を切除して、一本の直線状のゴムチューブにしようかと思ったところ、待てよ?と思いとどまる。^^;
切るのはいつでも切れる。輪っかのまま使用した方が便利じゃないか? そして、ノズルだけを
何とか除去することに成功。^^

Here are the merits of the bike tube of no cut.
1: It is easy to set on the pillar.
2: You can make the tube length to your liking by gripping the crossing point
as shown in the diagram below.

まず、ピラー等につなぐのには、輪っかであれば、結ぶ必要はない。(下の図)
また、短く使いたければ、これもカットする必要はなく、下の図のように好きな
長さで交差させた部分を握れば良い。^^

えっ? あなたもそうしてた?? あちゃー^^;



Milling processing started / フライス工程開始(垂直回転軸)

Milling processing for the vertical axes is started. It is a long and painstaking task even the CNC machine helps me. But it is the most important core part that will give enough reward for the effort.

CNCフライスが助けてくれるとは言っても、単調で辛い作業です。加工の騒音を側で聞いているだけで疲れます。(切削油の噴射やツールの動向の監視等、目も離せません。何より、接客業ですから、来客のないタイミングを計らないといけません。^^;)

しかし、その労苦に十分に報いて余りある、中軸架台に必須なパーツなのです。



Vertical Axes (Center Mount) in the making/ 垂直回転軸加工中(中軸5台分)

5 sets of vertical axes for the Center Mount are in the making. The right and left handed dovetail holder that also serve as vertical axes will be combined with the bearing ring into a vertical unit of the Center Mount. In other word, a pair of the axes will sandwich the bearing ring.

軸受リングをこの垂直回転軸兼アリミゾで両サイトから挟む形で垂直回転部を構成します。従来的には、あり得ない方法ですが、実際に功を奏していることに、完成した現物をご覧になった方々は異口同音に驚嘆の声を上げられます。

 



15cmF5-BINO at the elevation of 1675m / 標高1675mでの15cmF5-BINO(V-10)


 昨晩、標高1675m地点で春から夏の星空を観察しました。
0時53分が月の出なので、21時~24時のあいだ楽しみました。
自宅から約30分、現地に到着してクルマのドアを開けると予想していなかったオオジシギのディスプレイフライトの羽音がして、こんなところにもいたのかとうれしくなりました。
 8×40双眼鏡でジョンソン彗星の位置を確認、淡いけれどなんとか視認できました。15cmF5-BINO-Ver.10(のっぽくん2号)を組み立て、しし座、おとめ座銀河群、おおぐま座の系外銀河をながめ、高度が増してきた天の川の星雲、星団を巡りました。
おかげさまで、星図を見るときに先日作っていただいたメガネで快適に読み取ることができました。
 この夜、一番美しく楽しめたのはM11 Wild Duck Clusterでした。散開星団だけどまるで球状星団のように細かく密集した星々がひとつひとつ分離してきらめいて、自分が宇宙空間をM11に接近して眺めているかのような素晴らしさ、いつまでも見あきませんでした。

山本ゆ

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント:

 山本さんより、素晴らしい写真とともに、高地(標高1,675m)での観望リポートのメールをいただいたので、無理を言ってほぼそのまま掲載させていただきました。山本さんは、初期の15cmF8-BINO(のっぽ君1号)の熱心なユーザーさんでもあり、今でも2台のBINOを完璧に管理して愛用してくださっています。
一昨年の秋にそのBINOに再会させていただき、感激しました。)
 のっぽ君1号(15cmF8)は主にご実家で活躍しているかと推察しますが、のっぽ君2号の方は、こうした遠征観測にはもって来いの機動性を持っています。鏡筒単体管理なので、モデュールパーツの軽量、コンパクトさは徹底しています。愛称の”のっぽ君2号”は、1号機(のっぽ君1号)(F8)の弟というような意味だったと聞いています。(2号機は”のっぽ”ではない。^^;)
 山本さん、この度はまた素晴らしい観望リポートをありがとうございました。
また続報を楽しみにしています。^^



Vertical bearings (Center Mount) / 中軸架台の垂直回転軸受

Another 5 sets of vertical axis bearing rings for the Center Mounts are in the making.

There is a critical balance in classifying the parts between farming out and processing by myself.  Too much farming out will compress the management and too much self processing will harm my health and consume time for thinking.

So, I am processing mainly the core parts,the vertical units, and am farming out for the simple parts such as the horizontal units.

写真は、加工中の中軸架台の垂直回転軸受けリング(5台分)です。 最近は、より独創的な仕事や思索のための時間を大切にして、極力外注に出すようにしていますが、適材適所に自前加工は残しています。この辺の振り分けは重要で、あまりに外注ばかりしていると経営が破綻しますし^^;、自前加工ばかり続くと、集中力を消耗し、独創的なアイデアが出なくなります。意外に思われるかも知れませんが、加工が難しい部分が自前加工になることが多く、外注のメリットが大きいのは、単純な形状で消費量の大きいパーツが主になります。

水平回転軸ユニットはすでに一定数アルマイトまで仕上がった物を確保しているので、この5台分の垂直回転ユニットを早く完成させて、一時停滞してしまったBINO製作の工程を加速させたいところです。

(2台目のAPM140-BINOは、5/17に国際光器様にお引き渡ししました。)



Next Stage for EMS-UL / 限外次世代EMS-UL 完成間近

EMS-UL is coming into the next stage with still less light path by “2-mm” at the joint tube than the current model. EMS-UL is originally made minimum in light path,150mm, in general sense, but I am pushing it to more crucial limit to “148mm”(before:150mm).  For showing off the apparent shorter light path by choosing just a shorter 2-inch sleeve or less sized mirror; is a sneaky trick, “Hattari” in Japanese.

You can detect such shameless display easily by checking the minimum width of the housing,shown “d” in the photo above. The root light path will increase according to the “d” and the height of the joint tube.

If you see the “d” wider, that means the longer root light path.

EMS発売以来30年近くが経過し、初期投資も回収した今、恩返しの意味で、EMS-ULの光路長(150mm)をさらに2mm短縮することにしました。同時にジョイント環の接続の強度アップも兼ねています。

2-インチスリーブを2mm短くするのではありません。(それはインチキというものです。^^;)

スリーブ長を短くすると、2インチアイピースが根本まで挿入できなくなるケースが頻発して、条件付の効果しか得られません。今回は、もともとミラーの組み込みの能率化のために十分な余裕を見ていたジョイント環を2mm短くする挑戦です。ミラーの組み込み作業がシビアになりますが、それはEMS-UM等で日常的にこなしていることです。

総光路長を議論する際には、基礎部分(上の写真では20+50+20=90mm)とアイピース用スリーブ部分とに分けて議論する必要があります。そして、突き詰めると、EMSの光路短縮のポテンシャルはハウジングの最小幅(上の写真の”d”)に依存することが分かります。自作品やコピー品だと、どうしても”d”が加工技術上の制約から間延びし、長くなってしまうものです。

最近登場したEMSのコピー品のweb広告の写真を見ると、予想通り、”d”が間延びしたデザインでした。そして当初の光路長表記が156mmだったように記憶します。ところが、最近そのスペック表を見たら。何と、”149.2mm”に表記が変わっているではないですか。( .2mmに笑った。^^;)これは、もう消費者保護の点からも看過できませんね。即刻表記を元に戻されるようご忠告します。(あるいは正当な表記であるなら、根拠をサイトで示されるなり、写真を差し替えるなりされるべきでしょう。改善が見られない場合は、より具体的に指摘します。)

真似るならちゃんと真似なさい。まずは Spirit の部分で間違っています。ハッタリはいずれメッキが剥げますよ。

同日追記:問題のサイトにミラーの詳細図面が掲載されていたので、真相を探ってみました。すると、基礎部分の光路長=26.5+53.7+23=103.2mm。これは予想通り。これにスリーブ長の46mmを加えると、確かに149.2mmになる。^^;

しかし、2インチスリーブが異常に短い(46mm)。挿入可能深さが35mmしかない。これだと、アイピース単体でも奥まで入らないケースが多く、バレル先端にフィルターをセットすれば状況はさらに厳しくなる。スペック表記のトリックのために、どたんばでスリーブを7mmほど短縮したことが見え見えだ。これは、やはり悪質じゃないかね? 因みに、このトリックが当方にも許されるなら、防塵フィルターも撤去して、EMS-ULの総光路長=137mmと言えることになる。^^;(基礎光路長とスリーブ長を明記せよ。)



EMS-UXL (for 125ED-BINO) completed / EMS-UXL(125ED-BINO)完成

EMS-UXL is the ideal choice for rich-field Binoscopes of larger apertures, such as 13cm,15cm or more.
There are other EMS choices of lower costs for 12cm or less apertures, but most of the Binoscope planners have chosen the EMS of the maximum capacity to exploit their OTAs for the maximum performances.

13cmクラス以上の短焦点屈折には、EMS-UXLクラスが理想です。 12cm程度以下であれば、もちろん、より安価な選択肢(EMS-ULSやUL)もありますが、鏡筒のポテンシャルを最大限に引き出したい場合は、最終的にEMS-UXLを選択される場合が多いです。 鏡筒平行移動式のマウントに載せればヘリコイドの価格分(左右セットで税抜き6万円)が浮きますが、スライドマウントのコストで相殺、もしくはかえってコストがアップするでしょう。

 

EMS-UXL is equipped with the IPD HELICOID(helical extension tube for IPD adjustment) , along with the X-Y image shifter on the right unit which is commonly set on all the EMS series.

It means EMS-UXL fulfills all of the requirements for realizing a Binoscope in combination with a pair of the OTAs.

EMS-UXLは、EMSのBINO用シリーズ全般に装備されているX-Y光軸調整装置(リミッター付※)の他、目幅調整の機能も装備されており、双眼望遠鏡実現の条件を、EMSだけで全て網羅していると言えます。 適当な鏡筒を組み合わせるだけで、即、BINOが構成できるわけです。

(※2014年10月以降、全てのBINO用EMSセットのX-Yノブにリミッター機構を装備しており、以後、ノブの回し過ぎによるトラブルが解消しました。従来のノブでは、未熟なユーザーさんが1回転以上回すことで調整原点を見失うトラブルが頻発していました。)



EMS-UXL for 125ED-BINO in the making / 125ED-BINO用EMS-UXL

The glare of the inner surface came from the wet paint just after painting.

内面が光っているのは、塗装直後で塗料が乾いていないから。(指摘される前に、念のために説明しておきます。^^;)

標準ハウジングの塗装が完了し、ようやくEMS-UXLの組み立てに入りました。 あと、中軸架台の垂直回転部の在庫が払底しているので、次の5台分の材料を発注しています。 APM140-BINOのお引取りが遅れていて、作業場が確保できないことも影響して、125ED-BINOの製作が少し停滞してしまいました。

中軸架台が完成すれば、125ED-BINOの製作も加速し、遅くとも7月中にはお引き取りいただけると思います。

 

 



Silver Mirror reformed 15cmF5-BINO / 銀ミラー化リフォームの効果

1 銀ミラー化リフォーム

2008年に松本さんに15cmF5-BINOを作ってもらってから,ずいぶん楽しませていただいておりました。暗い空を求めて遠征することはもちろん,街中の観望会に参加して一般の方に覗いていただいておりました。お子様の目幅は狭いので難しいのですが,大人の場合は低倍率にしておけば目幅調整もあまり必要なく,皆様感動してくださっていました。

そのような中,先日,銀ミラー化のリフォームについてHPの記載を拝見し,遅ればせながら銀ミラーに変えてみたいと思い,松本さんにリフォームお願いしました。EMS本体1組のみを緩衝材でくるんで宅配便でお送りしたところ,超多忙な中,とても迅速にご対応いただきました。ドロチューブ(目幅調整用クレイフォード)の動き等を細々とチェックしていただき,すばらしい操作感に仕上がって戻ってきました。松本さんの迅速丁寧なお仕事にはいつも感謝しています。

2 ファーストライトの遅れ

リフォーム後の2月と3月には加入している同好会の「メシエ観望会」が予定されていたので,暗い空に遠征して銀ミラーの実力を試したいと楽しみにしていました。15cm屈折にEMSを装着して昼間の遠方のアンテナで光軸もばっちり合わせていたのですが,両方とも悪天候で中止となってしまいました。その後年度末になっていろいろ忙しくてなかなか遠征に行けず,歯がゆい思いをしておりました。

4月末になって,やっとまとまった時間がとれそうになったので,また,確実に晴れそうだったので,週末に南三陸町まで遠征して,やっとファーストライトに成功しました。

3 ファーストライト

観望地に着いたのは夜半前で,ちょうど夏の天の川が昇ってくるところでした。やや水蒸気はあるようでしたが,さすがに暗い空で,水平線近くまで星が見える澄んだなかなか良いコンディションでした(レタッチなしの現地の写真を添付します。いかに良い空だったかがお分かりいただけると思います)。

私は最近星景写真も撮るようになったので,ポータブル赤道儀にカメラをセットして撮影を開始したのですが,昼間の疲れもあり,少しうとうとしてしまいました。気が付くと1時間ほど寝てしまったようで,慌てて起き出し,さらにカメラをタイムラプス用の自動撮影に切り替えた後,早速15cmF5-BINOを設置しました。

天文薄明が午前3時ころなのであまり時間がありません。既に天の川はかなり昇っており,いて座も良く見えます。

今回は時間もあまりないので,とりあえず23倍(EWV32mm)で観望することとし,まずは沈みかけたしし座のトリオ銀河を狙いました。西側にはやや光害があるのと低空なのでいまひとつでした。そこで,M81,M82のペア銀河に移りましたが,こちらは高度が十分だったのでなかなか良く見えます。低倍率にもかかわらず,不規則な銀河の形と楕円銀河の形がはっきり分かります。続いてM51(子持ち銀河)を見ると,今までになくはっきりと銀河の腕が分かる感じです。M97(ふくろう星雲)とM108のペアもコントラスト良く今までにない見え味です。くじら銀河銀河のペア(NGC4631,4656)もなかなかでした。銀河の中でもすばらしかったのが,マルカリアンの銀河鎖です。この観望地で前に見たときは,23倍(EWV32mm)ではコントラスト不足ではっきり見ることができなかったのですが,今回は違いました。すべての銀河鎖が23倍(EWV32mm)でもはっきり見ることができて,これには驚きました。

その後,さそり座のM4(球状星団)付近を眺めましたが,NGC6144も余裕で見えます。圧巻はその後に流した天の川の中心部でした。この観望地で何度も見て,天の川は見慣れているはずなのですが,明らかに星の数が増えて見えます。まるで口径がワンランクアップした様に感じます。天の川の複雑な構造や暗黒帯がはっきり分かりました。多くの星雲星団が次々と飛び込んできて,うなってしまいました。M8(干潟星雲),M20(三裂星雲),M17(オメガ星雲),M16(わし星雲),M27(あれい星雲)はコントラスト良く今まで以上に美しく見えましたし,M13(球状星団),M22(球状星団),M11(散開星団),M5(球状星団)は微光星まで分離していました。はくちょう座も高く昇ってきたので,網状星雲に挑戦したところ,フィルターなしでも存在が分かり,感激しました。

また,彗星が2つも来ていたと気づいて星図で位置を確認して探したところ,2つとも(ジョンソン彗星,パンスターズ彗星)簡単に見つかりました。眼視では尾までは見えなかったものの,コマの広がりはきれいに見えて満足しました。

というわけで,薄明が迫る中,アイピースを変えるいとまも惜しいと思って,結局23倍のまま星空散歩を楽しみました。

4 感想まとめ

銀ミラーを使ってみて,星の数が増えたこと,23倍という低倍率でもコントラストが上がって楽しめることを実感しました。2回の反射それぞれで反射率がアップする効果がこれほどだとは想像していませんでした。数万円の出費で口径アップと同等の効果が確実にあったので,お得感(失礼!)もすばらしいと思います。

これからさらに暖かくなるので,ますます銀ミラーBINOを使い込んで楽しみたいと思います。松本さん,すばらしい楽しみを与えてくださったことに感謝いたします。

5 後日談

この日撮影した写真を披露したところ,なんとBINO仲間のWさんも同じ観望地の下の駐車場にいらしたことが分かりました。前からWさんのBINOと見比べたことがあり,Wさんのものは11.5cmセミアポながらかなりの見え味だったのですが,これはセミアポの力のみならず,銀ミラーの威力だったのだと今更ながら納得しました。Wさんには,「今度パワーアップした15cmBINOを見てね」と予告しています。同じ銀ミラーにしたので,15cmの集光力で,目の肥えたWさんをうならせたいと楽しみにしております。(^_^;)

宮城県 S

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント:

宮城県のSさんには、2008年製の15cmF5-BINO(VERSION-7)を愛用していただいていました。完成時には遠路よりBINOと対面していただいたのが印象に残っていますし、納品後もしっかりと運用していただき、何度もリポートをいただきました。

15cmF5-BINO(2008年8月3日)

メシエマラソン(2016年7月3日)

SさんのBINOの1年後にはEMSが全面的に銀ミラーに移行したわけですが、実はそれまでの20年間の間、アルミミラーもそれなりに試行錯誤と変遷を経ておりました。アルミ時代の最後頃(SさんのBINOもそれに当たる)には、アルミながら増反射コートの入射角特性まで研究し、EMSの入射角60度に特化したコーティングを施しており、単純に数値だけで比較すると、現在の銀に(1面当たり)2~3%の反射率の差くらいまで迫っておりました。というわけで、Sさんのアルミミラーは、比較的若い世代の高反射率のタイプだったわけですが、それでも銀ミラー化の効果がこれだけ認められた、ということで、別の意味で非常に意義あるリポートをいただいたと思っています。
(別の方も、単体のEMSと1回反射の天頂ミラーを客観的に比較された結果をご自身のブログでリポートしておられます。)

ですから、15年以上古いVERSIONのアルミミラーをご使用の場合は、さらに著しい銀ミラー化の効果を体験いただけるものと思います。

望遠鏡業界は非常に保守的ですから、「わずか数%の反射率アップのために、銀コートの劣化?のリスクを踏む根拠はない・・・」というのが大方の業者さんの見解のようですが、そうではないことは、私がこの8年間で証明しています。EMSを全面的に銀ミラー化して、早8年が経過し、のべ2,000枚くらいの銀ミラーを供給していますが、経時的な劣化をきたしたミラーは1枚もありません。(誘電体コートは、レンズの反射防止コートの裏の発想で擬似ミラーを構成するものですが、波長によって反射と透過を別けるため、広い波長域を確保するのは苦手で、またEMSのように入射角が60度もあると、いろんな弊害が生じます。)

Sさん、この度は15cmF5-BINOの銀ミラー化の効果について、詳細にリポートくださいまして、本当にありがとうございました。 また続報を楽しみにしておりますので、今後共よろしくお願いいたします。



40 housings ready to be painted / EMS標準ハウジング 塗装工程へ

Drilling and tapping process of 40-pcs of EMS housings is over, and ready to be painted.

ハウジング40個の追加工が完了しました。(機械加工入門後、苦節30年、毎回仕事が速くなる。^^;) 連休に入るので、下地仕上げと塗装(外注)の仕上がりがずれ込むかも分かりません。(世の中の人たちは、土日、連休とよく休みますね。 いつ働くのかな? なんの因果か、休日というものを知らない人生を歩んで来た私には理解できません。)