魅惑の乗鞍天文遠征(20cmF7-BINO) by Ichiro-San

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
またまた、ご自身のブログに興奮の体験記(魅惑の乗鞍天文遠征)を掲載いただきました。

 前回も指摘しましたが、世界広しと言えども、20㎝のBINO(しかも屈折)をこれほどの頻度と”強度”で運用しているのは、Ichiroさんだけのはず。(”強度”というのは、自宅付近で妥協するのではなく、最高の空の条件まで遠征するという意味。)
 実際に運用している方の”言”は重い。

FOT104-BINO by Mr. M in Shizuoka prefecture

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
 4台目のBINOの、ベテランさんです。
5月に完成してから梅雨に入り、本格的な観測はまだ出来ておられないそうですが、雲間の月や早朝の土星に驚嘆しておられます。
 さっそくのご投稿、ありがとうございました。
  続報を楽しみにしています。

SED60-BINO completed ! 完成!

運搬用取手とアリガタを除くと、極めて少数のパーツで構成されていることがお分かりになると思います。

急遽、ファインダー台座を取手にセットしました。

TRANSFORMER-BINO/FC100DZ-BINO/ by Y & K in Japan/ トランスフォーマーBINO(FC100DZ)(現地合流BINO!)

§0  双眼ノススメ

 製作いただいたFC-100DZ双眼望遠鏡で観望して… 驚く事に、宙(そら)はより黒く観え、星はキラキラと息づき、星雲は宇宙空間にぽっかり浮かんで観えます!!

 双眼効果で脳内コンポジットされるおかげかS/N比は飛躍的に向上 ( 片目眼視による生理的ノイズからの解放? )しディティールの表現も爆上がりし、興奮を抑えきれず感嘆の声を上げるばかりでした。

さらにはEMSによる正立像の心地よさは、ヤミツキになります!

 普段、殆どの人は両目で見て日常生活していますが、その事に恩恵を感じる事はほぼありません。
 ところが何らかの理由で片目生活(眼帯等)をしいられる事になった途端、不自由な思いをします。
 天体望遠鏡の世界も正にその不自由な体験だったのです。「望遠鏡とは片目で覗く物」という固定観念を捨てると新たな世界に出会う事ができます。

 両眼で観ると、暗い対象をよりくっきり詳細に観られ、不思議な事にそこに空間・遠近感すら感じてしまいます。
 機会があれば、ご自分の目幅に調整してもらった(←コレ大切です) 双眼望遠鏡で宙を観せてもらってください。
 覗いた瞬間、宇宙空間にダイブできます!!

§1  マツモトEMS binoとの出会い・bino素人2人(私Yと友人K) によるbino計画

 2022/5月、友人K が知人の誘いを受けスターフォーレスト御園で開かれたディープスカイパーティ(DSP)に参加しました。
DSPでは、N氏のEMS-BINO(BORG 107FL)が観せてくれる宙に驚き、「メローぺ辺りの分子雲も観る事ができる」というN氏のセリフに、すっかり魅了されたようです。

友人K はDSPから戻ると、興奮した様子で私に話してくれました。

 私も「メローぺ辺りの分子雲❗️」という言葉と宇宙空間を感じたという話に興味が湧き、どういった機材なのかエントリーシートを見せてもらうと、2本の鏡筒を分離できる構造を持つbinoでのようでした。

 そして、その架台を調べてみると単眼正立EMSでお世話になったマツモトさんが手がける「中軸架台」であり、2本の鏡筒を左右のアリミゾで支えるbinoのキーデバイスである事が分かりました。

この事を友人K に伝えると….
友人K :「じゃぁ、Yと同じ望遠鏡(私Yが既に所有している鏡筒)を買ったら binoにできる?」と!…

直感的に、各人が単独使用している鏡筒でも2本揃えばbinoが組めると感じたのでしょう。
🔭x🔭= ∞

この一言から全てが動き始めました。

双眼使用も単眼使用も簡単にでき、気軽に使える軽量な双眼望遠鏡を実現したい!

早速、マツモトさんに相談し、私が既に所有している鏡筒と友人K が初購入の天体望遠鏡で、共有のBINOを目指す事になりました。

§2  案ずるより生むが易し

2022/06に友人K がオーダーした鏡筒の入荷予定時期は2022/11〜2023/01….
コロナ禍の影響もあり品不足で、binoを組むべく注文した鏡筒の入荷は当分先(T_T)

 この間、マツモトさんとの相談の中で
EMSの原理やbinoの構造、はたまた人の眼の生理的現象まで解説いただき認識を深めていきました。

BINO初挑戦の私達には固定観念による思い込みや疑問も多々ありました。

 そんな時、マツモトさんは直接教えて下さる事はもちろん、ご自身のHPでさり気なく問題に対する答えを提供して下さいました。
この、さり気ないタイムリーな情報提供には感謝するばかりです。

この鏡筒入荷待ちの時間はBINOに対する理解を深めたり、他の必要器材を選んだり、私と友人K にとってとても楽しくも重要な時間となりました。

 これからbinoを組まれる方にとって、ネットで完成品をポチッと購入する事も一つの方法かもしれませんが、唯一無二のオーダーメイドBINOを叶えてくれるマツモトさんに相談してみる事も、はじめの一歩として重要ではないかと思います。

「杞憂です」「案ずるより生むが易し」

この言葉は、マツモトさんより何度か投げかけていただいた言葉です。

BINOを手にした今では、まさにその通りと実感しています。

§3  いざ鳥取!!

2023/01 友人K が待ちに待った鏡筒がいよいよ入荷!!

早速、マツモトさんに送り最終調整。

そのさなか、友人K の目幅がEMS標準調整下限の60ミリを下回る59ミリである事が発覚(^^;

急遽、EMSフランジ部とアイピースの側面を可能な限り削って、目幅許容範囲に合わせる必要が出てきました。

用意したアイピースの中でも気合いの一品でしたが、binoの為に用意した物ですので躊躇なくスリム化を依頼。

程なく、マツモトさんの技術とアイデア満載のbinoが仕上がり、いざ鳥取へ!!

2023/02マツモトさんのお店では、友人K と私、マツモトさんと席を並べ楽しい談笑の中、binoのレクチャーを受けます。

マツモトさんの奥様にもお会いでき、本当に楽しい時間を過ごす事が出来ました(^^)

楽しすぎて、事前に考えていた組み付け位置のマーキング作業を忘れてしまうところでした(^^;

§4  ファーストライト

BINOを受け取った後は、組み付け手順を確認したり、それぞれの目幅に素早く変更する為のゲージを工夫したりで、本格的なファーストライトには日数を要してしまいました。

中軸架台のアリミゾに、それぞれの鏡筒をセットしEMS側で僅かな調整をするだけで光軸はピタっと一致!

精度の高い中軸架台の光軸再現性のおかげですね。

 軽い輻輳傾向のある私は、マツモトさんに教えていただいた通り「左右の視野に見える像を敢えて左右に散った位置から調整し始め、す〜っと融像したところで止めて深追いはしない」方法で調整します。

 逆に、友人K の眼は私よりハイスペックらしく、微妙なEMSの平行度の傾きも「脳が疲れる(^^; 」と見抜いて再調整! 頼もしい相棒です。

 そして、いよいよ中軸架台オプションで選んだエンコーダーによるPushToファーストライト!

 実は、私は手動ガイド時代からの浦島太郎でして、「導入は星図とファインダーだろ!」派だったのですが。。。

撤回させていただきます‼️

エンコーダー + AAS_2R2(傾斜センサー)  x  SkySafari = PushTo

超楽です!!

どんどん効率的に導入できます。

観えるか観えないか確信が持てないような対象でも、確実に探しあてる事ができました。

ファインダーによる導入でコレができるようになれたら良いのですが…(^^;

そして、天体望遠鏡初購入の友人K も

次から次へとスイスイ導入していきます。

ワクワクのメシエ・NGC天体、

美しい彩りの二重星、

ゆかいなアステリズム、

2人の口からは「おぉぉーーー!!」やら「わおっ!」「うあぁーーー居るいるっ!」やら、感嘆の声しか出ません‼️

 EMS-BINO による正立双眼視のおかげで、じっくりと天体鑑賞する事ができ、至福の時間を過ごすことができました。

 目幅は、あらかじめ2人の目幅に印をつけておいたので、観望者が代わってもスムーズに目幅調整が可能です。

そしてpush toを確実なモノとする中軸架台の滑らかな動き。

天頂方向だろうと水平方向だろうとスイスイと動き狙った場所でピタリと止める事ができます。

 EMS、中軸架台、AAS-2 R2エンコーダーシステムが三位一体となって観せてくれる宙はとても快適で、これまでに経験したことのない体験でした。

おそらく、マツモトさんの想定には入っていなかったと思われる友人K の発想。

 友人K と私が、普段別々に運用する鏡筒を中軸架台にセットしEMSの僅かな調整のみで双眼望遠鏡にトランスフォーム!

この共有 BINO を叶えて下さった

マツモトさんに感謝!!です。

友人K の単独使用時
私(Y)の単独使用時
2人揃えば‼️ FC100DZ bino 中軸架台仕様(^^)

そして2023/05/19、スターフォーレスト御園で開かれた「DSP 2023」には、友人K と共に参加してきました。
 オリジナリティ満載の望遠鏡の数々、バイタリティ溢れる参加者の方々。
binoの大先輩の方々も多く参加され、とても楽しい時間を過ごす事ができました。

まずは、これまでの報告とさせていただきます。

まだまだ相談に乗っていただく事が多々あると思います。

これからも、よろしくお願いいたします。

FC100DZ bino   Y&K

Comment by Matsumoto/管理者のコメント;
 最近いただくリポートは、写真のみとか、簡単なフレーズのみが多かったのですが、久しぶりに渾身の詳細なリポートをいただき、私も吸い込まれるように読ませていただき、感動を新たにしました。
 実は、現地合流式のBINOの構想は、中軸架台の開発当初からありましたが、今まさに、YさんとKさんが見事に具現してくださいました。
 さらに、日ごろ私が感じていることを完璧に代弁してくださり、付け加えることもないくらいです。Yさん、Kさん、素晴らしいリポートをありがとうございました。続報を期待しています。^^