MEADE-AZM90-BINO by Mr.YN in Tokyo

御社の「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」とミードの AZM-90 経緯台セットのAZM-90鏡筒で自作の双眼望遠鏡を作成しましたので紹介の写真を送付します。
これで「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」使用の双眼望遠鏡は7台目になりました。

AZM-90鏡筒は接眼部が31.7mmなので、2インチ接眼部に交換しました。2インチ接眼部が本体価格より高くなってしまいました。

AZM-90 鏡筒は 口径90mm、公称焦点距離600mm、実測焦点距離659mm(対物レンズ後面からの数値)、アクロマートレンズです。エントリーモデルとしてセット販売されています。

HF2経緯台にのせる双眼望遠鏡ユニットとしてはバランスウエイトが付いた状態で9.2kgの重量になりました。重量はあるものの10kg未満になり扱いやすいです。

HF2経緯台は以前から紹介と同じく複数台所有のHF2経緯台の使いまわしです。
また、「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」も使い回しです。標準の2インチ品を用いているので、これで対応できる範囲のいろいろな種類の双眼望遠鏡に対応できて楽しいです。

アクロマートですが、気持ち良く見える感じです。

以下、詳細について追加説明します。

(1) AZM-90 鏡筒は接眼部を2インチ接眼部に交換するとともに双眼望遠鏡用としてバックフォーカスを得るために68mm鏡筒を切断して、200mmのバックフォーカスとしました。品名ラベルのところで切断したくなかったので5mm伸ばしました。
ドロチューブとぶつかるので鏡筒内4枚の絞りの内の手前1枚を取り除きました。
焦点位置が段差の位置にある接眼鏡ではドロチューブの引き出し量32mm程度で無限遠に合焦しました。双眼鏡から転用の18mm接眼鏡ではドロチューブの引き出し量40mm程度で無限遠に合焦しました。尚、ドロチューブのストロークは70mmです。
AZM-90 鏡筒は 口径90mm、実測焦点距離659mmでしたので計算すると約F7.3となります。
尚、公称はF6.7(品名ラベル表示など)です。

(2) 鏡筒間隔D=160mmとして作成しました。
双眼望遠鏡ユニットの構造としては、これまで6台作成したものとほぼ同じです。
耳軸の位置は口径が小さくなり、鏡筒も軽くなり、接眼鏡交換使用時に接眼鏡重量や接眼鏡鏡筒の長さの変化によりEMS取付モーメントが変化し、この変化に少し敏感になり天頂付近に向けた時の垂直時のバランスの影響が大きくなりました。2インチ450g程度の例えばマスヤマ32mm接眼鏡を取り付けた時には、鏡筒径の中心から8mmにバランス位置があり、31.7mm100g程度の接眼鏡を取り付けた時には鏡筒径の中心位置にバランス位置との結果になったので、間をとって鏡筒径の中心位置から上に4mmの位置を耳軸位置にしました。
結果として、2インチ450g程度の接眼鏡を取り付けた時には若干バランスのズレが感じられますが、HF2経緯台のクランプの摩擦を若干増加させることににより対応可能範囲です。
31.7mm100g程度の接眼鏡を用いたときはあまりバランスのズレが感じられません。
尚、HF2経緯台もフォークを90度として垂直にして使用したときにはもともと天頂方向には向かないのでバランスのズレが感じられる角度範囲に入りません。

一応、気になるようになった時の対応として、追加できる補助バランスウエイトを作成してみました。耳軸にアルカスイスクランプを取り付け、ここに補助バランスウエイトを取り付け上下にスライドさせると垂直時のバランスも調整できます。1.2kgの増加になるので軽量化からは好ましい方向ではないですが、使用時は快適です。接眼鏡の交換使用をしない時には問題ありませんが、頻繁に接眼鏡を交換使用する時は、接眼鏡の交換の都度調整が、水平用バランスウエイトの調整を含め2つの調整となるので若干煩わしいです。
現状では天頂方向で完全バランスをしなくてもクランプの摩擦調整で運用可能範囲と思います。
補助バランスウエイトは自作で切断の端面加工ができていません。

(3) EMSの上下方向が調節範囲に入らなかったので鏡筒バンド取付プレートの片側に0.5mm厚のワッシャーを入れて、EMSの調節範囲内としました。

(4) これまでと同様に31.7mm接眼鏡と2インチ接眼鏡交換時の前後バランス調節用の約1kgの調節移動可能のバランスウエイトを取り付けています。
バランスウエイトを脱着する必要はなくスライドで対処できるので操作性が良いです。
また、現状構造ではバランスウエイトは鏡筒の下側に取り付けられているのでバランスウエイトを着脱しないことは天頂方向のバランス崩れの軽減になります。
31.7mm接眼鏡内でも重量にバラツキがあり、2インチ接眼鏡内でも重量にバラツキがあり、ドロチューブの繰り出し量によるバランスの最適調整にもストレス無く容易に調整できるので便利です。

(5) 自宅ベランダからの手軽観望の時には、ベランダが120cm幅と狭いのでHF2経緯台のような中心に鏡筒を載せるタイプが最大限にベランダスペースを有効に活用できて便利です。
今回の、AMZ-90 双眼では全長は約70cmとなりました。
HF2経緯台もフォークを90度として垂直にすると更に使いやすくなります。上空は上階のひさしにより見えないので必要ないです。今回のAZM-90 双眼ではバランスウエイトがHF2経緯台の基部にぶつかる高度60度まで可能です。
この程度の角度までは補助バランスウエイトは全く必要ありません。

(6) これまでと同様に操作棒は2本のストレートにしています。ストレートタイプで、両手で操作は私の好みでもあります。また、今回はジャンク三脚を分解して得たアルミパイプを操作棒として用いたので、安価(ほぼタダ)、軽量になりました。

(7) 耳軸のアルカスイス準拠クランプに自作の小型双眼望遠鏡も取り付けられます。この自作の小型双眼望遠鏡は口径50mm、焦点距離300mmのアクロマートで90度正立プリズムを使用し目幅固定のものです。約2kgと重量オーバーの感じもありますが、なんとか取り付きました。尚、この自作の小型双眼望遠鏡はもともとは単独で使用を想定したものです。
ファインダーとしての扱いでは無く、25mm接眼鏡で12倍などで使用し、架台を別にしなくても良い利点となります。しかし、横に27cm程度と大きく出っ張り、邪魔感などがあるので気が向いたときにしか使用しません。
耳軸のアルカスイス準拠クランプの取付には1/4インチネジの他にM4イモネジ用のネジ穴を開け、押しネジにして回転防止を行っています。
ファインダーのような視軸調整機能は無いので納得しての使い方になります。上下方向は
耳軸のアルカスイス準拠クランプの取付を回転調整固定することによりある程度はできます。水平方向は取付加工精度しだいとなります。
一応、低倍率の視野半径2度程度以内で同一視野内には入っているみたいです。
25mm接眼鏡で12倍、視野4.3度、32mmで9.4倍、26mmで11.5倍、23mmで13倍、視野4.8度、18mmで17倍、視野3.6度になります。その時の気分で選択使用します。
取付上下調整ができるので補助バランスウエイトの機能にもなります。

(8) 品名ラベルと注意ラベルは熱湯であたためたらなんとか鏡筒から剥がせたので鏡筒先端部分に貼りなおしました。

Comment by Matsumoto / 管理者のコメント;

YNさん、いつもながら詳細なご投稿、ありがとうございました。
7台目ということで、随分と手慣れて来られたのではないでしょうか。
今回は単焦点アクロマートということですが、DeepSky用ではアクロマートも侮れず、十分に楽しめることは私も15cmF5-BINOで認識していましたが、YNさんもこのリポートで発表されている通りです。フォーカサーの交換が鏡筒本体以上に高く付いたとのこと、まあこの辺りは製作者のこだわりと価値観にもよるので、同じ鏡筒で追随を目指す方は、ご予算に無理のない選択をされると良いでしょう。
YNさん、8台目のBINOを楽しみにしています。 ありがとうございました。

115ED-BINO by Mr.YN in Tokyo

御社の「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」と笠井トレーディング扱いの BLANCA-115EDTⅡ鏡筒で自作の双眼望遠鏡を作成しましたので紹介の写真を送付します。
これで「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」使用の双眼望遠鏡は6台目になりました。

以前、双眼望遠鏡にしてみようと BLANCA-115EDTⅡ 鏡筒(口径115mm、焦点距離805mm、F7、3枚レンズアポクロマート)を2台購入していたものをやっと作成になりました。
双眼望遠鏡にする場合、鏡筒の太さとヘリコイド付きEMSに必要な間隔でHF2経緯台のアーム横幅間にのせるにはギリギリで、やっとのせられる大きさです。

HF2経緯台にのせる双眼望遠鏡ユニットとしてはバランスウエイトが付いた状態で15.5kgの重量になりました。私にはかなり重たい感じで、HF2経緯台へ載せたり、降ろしたりや運搬にはバランスウエイトや「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」を外して行うことが多いです。外した状態では13.3Kgです。この差の2.2kgは小さいようですが腕力的に私には大きく感じられます。
ただし、以前に作成したSE-120L双眼望遠鏡の15.2Kgより若干重いですがスライド式フードや焦点距離が短いことにより鏡筒が短くHF2経緯台へ載せたり、降ろしたりや運搬は若干扱いやすいです。
HF2経緯台は以前から紹介と同じく複数台所有のHF2経緯台の使いまわしです。
また、「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」も使い回しです。標準の2インチ品を用いているので、これで対応できる範囲のいろいろな種類の双眼望遠鏡に対応できて楽しいです。

アポクロマートでもあり、気持ち良く見える感じです。
低倍率から高倍率まで良く見える感じです。個人的にはプロフィールド双眼鏡の接眼レンズ部分を取り外して31.7mmスリーブを取り付けた焦点距離18mm、見かけ視野59.5度、アイレリーフ19mmの転用接眼鏡で約45倍の使用が一般星空観望に好みです。通常はゴム見口を
折り曲げて使用しています。周辺の光の目への侵入が煩わしいときにはゴム見口を立てて遮断しています。ゴム見口を立てた時には、若干見口が高い感じがして煩わしいときがあります。接眼鏡の重さも100g程度で扱いやすいです。ただし、31.7mmスリーブ内側と接眼鏡本体の隙間をゴムパッキンなどで挟み込んで摩擦で固定しているだけなので、無理な力を加えるとスリーブ部分が外れてしまうので取り扱いはそれなりの注意が必要です。
実視野としてはオリオン座の三ツ星の内の2つが視野の端にギリギリ見える程度です。
もし、2インチの広角のマスヤマ32mm接眼鏡を用い約25倍とするとオリオン座の三ツ星の3つが中心と視野の端にギリギリ見えるようになり楽しいです。

以下、詳細について追加説明します。

(1) BLANCA-115EDTⅡ 鏡筒は双眼望遠鏡用として販売店でバックフォーカス30mm延長改造を行い結果として195mmのバックフォーカス品を購入しました。また1本の鏡筒のマイクロフォーカス部を左側に付け替える追加工も販売店で行っています。
焦点位置が段差の位置にある接眼鏡ではドロチューブの引き出し量32mm程度で無限遠に合焦しました。双眼鏡から転用の18mm接眼鏡ではドロチューブの引き出し量38mm程度で無限遠に合焦しました。尚、ドロチューブのストロークは87mmなので余裕があって良いと思い
ます。

(2) 鏡筒間隔D=155mmとして作成開始しましたが鏡筒バンドの形状により若干内側に傾くらしく、鏡筒中心では結果的にD=152mm程度になってしまったようです。
これで眼幅最大可能範囲は68mm程度になった狭くなった模様です。私は眼幅が66mmであり、何とか使用可能範囲なので、とりあえずこのままで良しとしました。

もし、不満足な状況となれば、例えば片側の鏡筒バンド取付プレートの取付穴位置を2mm程度少しずらしたプレートを再作成などすればあと2~3mm程度は捻出できそうな気配です。
最もネックは鏡筒バンドの外側の蝶番部分の出っ張りのHF2経緯台のアームとの衝突です。
鏡筒バンド間隔が十分広く、蝶番部分がアームより十分離れた位置にあるものでは出っ張っても衝突はありませんが、今回はアーム近くにあるので、出っ張ると上下に振った時に衝突します。
例えばスライド式フードを伸ばしっぱなにして縮を諦めれば鏡筒バンド間隔を300mmとかにでき、鏡筒バンド位置の出っ張りがHF2経緯台のアームとほとんど衝突しない状況になるので、出っ張りの大きな鏡筒バンドクランプ摘みを外側に配置する方式でも対応できそうです。

双眼望遠鏡ユニットの構造としては、これまで5台作成したものとほぼ同じです。
耳軸の位置は鏡筒径の中心にしました。今回もほぼこれで天頂付近の垂直時のバランスがとれているようです。軽い31.7mm接眼鏡を用いると若干ズレる感じもしますが、HF2経緯台のクランプの摩擦を若干増加させることににより対応可能範囲です。

鏡筒バンド位置は鏡筒間に集めたクランプノブがぶつからない様にするためと、スライド式フードを縮した時にも鏡筒バンドとぶつからない位置とするために、左右で取り付け方を変えました。尚、スライド式フードは133mmスライドします。結果として、左側鏡筒の
鏡筒バンド間隔を87.5mmと狭いものとしました。もし、安定感が悪く感じられるようなことがあれば例えば手前側に鏡筒スペースがまだあるようなので数cm伸ばした鏡筒バンドプレートを再作成で対応できるかもしれません。
BLANCA-115EDⅡ 鏡筒は「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」を取り付けても対物レンズ側が重く、収納したスライド式フードの直ぐ後ろに鏡筒の前後のバランス位置があります。

(3) EMSの上下方向が調節範囲に入らなかったので鏡筒バンド取付プレートの片側に1.6mm厚のワッシャーを入れて、EMSの調節範囲内としました。
尚、水平方向は実視しながら鏡筒をネジ穴余裕分で左右に振ってネジ締め位置を探して固定することで調整できます。相手プレートM6ネジタップに対してプレートを6mm径をドリルで穴あけしていますがこの余裕範囲で対応できています。

(4) これまでと同様に31.7mm接眼鏡と2インチ接眼鏡交換時の前後バランス調節用の約1kgの調節移動可能のバランスウエイトを取り付けています。
バランスウエイトを脱着する必要はなくスライドで対処できるので操作性が良いです。
31.7mm接眼鏡内でも重量にバラツキがあり、2インチ接眼鏡内でも重量にバラツキがあるのでバランスの最適調整にもストレス無く容易に調整できるので便利です。
ギリギリで経緯台プレートの上面にバランスウエイト軸を取り付けられました。バランスウエイトの縦位置はできるだけ中心軸から離れないようにするほうが、天頂へ向けた時のバランス崩れが軽減されます。

(5) 自宅ベランダからの手軽観望の時には、ベランダが120cm幅と狭いのでHF2経緯台のような中心に鏡筒を載せるタイプが最大限にベランダスペースを有効に活用できて便利です。
今回の、BLANCA-115EDⅡ双眼ではフードを伸ばした使用状態では全長は約90cmとなりました。
HF2経緯台もフォークを90度として垂直にすると更に使いやすくなります。上空は上階のひさしにより見えないので必要ないです。今回のBLANCA-115EDⅡ双眼ではバランスウエイトがHF2経緯台の基部にぶつかる高度57.5度まで可能です。

(6) これまでと同様に操作棒は2本のストレートにしています。ストレートタイプで、両手で操作は私の好みでもあります。

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
YNさん、6台目のBINOの完成、おめでとうございます。いつもながら、ご工夫の詳細を公開してくださり、これからBINOを計画している方の良い参考になると思います。ありがとうございました。

8cmF15-BINO by Mr.YN in Tokyo

STL80A-MAXI鏡筒(口径80mm、焦点距離1,200mm)に適合する2インチ接眼部2個を格安で購入できる機会があり、その時保有のSTL80A-MAXI鏡筒にもう1本追加購入して双眼望遠鏡にしたくなり作成しました。

HF2経緯台にのせる双眼望遠鏡ユニットとしてはバランスウエイトが付いた状態で11.1kgの重量になりました。10kgオーバーとなり少し重たい感じですが、それよりも長さが125cm程度と長いので、HF2経緯台へ載せたり、降ろしたりや運搬にはぶつけやすく注意が必要です。
また双眼望遠鏡ユニットとしては細身なので自立で立てておくのは不安定で、横にするか、ストッパーをつけてたてかけるなどの転倒防止措置が必要です。
HF2経緯台も以前から紹介と同じく複数台所有のHF2経緯台の使いまわしです。

アクロマートですが長焦点でもあり、気持ち良く見える感じです。明るい星を高倍率で見ると色収差を感じますが、6mm接眼鏡使用の200倍でも十分使える感じです。
長焦点鏡筒ですが2インチ50mmの接眼鏡で24倍の低倍率が得られます。2インチ26mmの広角、ハイアイレリーフの接眼鏡では46倍となり散開星団など迫力が増して見やすいです。このくらいの倍率になるとトラペジウムも分離して見えるようになり気持ち良いです。通常は裸眼で使用していますが眼鏡使用でも使えて快適です。

以下、詳細について追加説明します。

(1) スコープテック STL80A-MAXI鏡筒はオリジナルでは31.7mm接眼部なので「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」使用には2インチ接眼部への交換が必要で、交換しました。
今回交換した2インチ接眼部に対して、鏡筒を95mmカットして、バックフォーカス198mmとしました。絞りの位置が奥まっていたので、95mmカットしても影響はありませんでした。
また今回の接眼部のストロークも80mmあるので十分です。繰り出し33mm程度で無限遠合焦します。

(2) 鏡筒間隔D=160mmとしました。
双眼望遠鏡ユニットの構造としては、これまで4台作成したものとほぼ同じです。
耳軸の位置は鏡筒径の中心にしました。今回もほぼこれで天頂付近の垂直時のバランスがとれているようです。軽い31.7mm接眼鏡を用いると若干ズレる感じもしますが、HF2経緯台のクランプの摩擦を若干増加させることににより対応可能範囲です。

(3) 当初、EMSの上下方向が調節範囲に入らなかったので片側に1.0mm厚のワッシャーを入れて、調節範囲内としていましたが、使用しているうちに原因不明で範囲外になったので、現在は調節用ワッシャーを外して調節範囲内として使用しています。
加工精度などだけで、EMS調節範囲に入れられているのは尊敬します。私の自作能力では無理と思われます。

(4) これまでと同様に31.7mm接眼鏡と2インチ接眼鏡交換時の前後バランス調節用の約1kgの調節移動可能のバランスウエイトを取り付けています。
バランスウエイトを脱着する必要はなくスライドで対処できるので操作性が良いです。
所有工具の加工能力からバランス用ウエイトは55mm径黄銅丸棒として12.5mm径の12mm径ウエイト用の軸穴を開けています。クランプネジを含めて1,040gになりました。ウエイト軸は12mm径アルミ丸棒です。
所有ボール盤のチャックの最大は13mmなので、12.5mm径の穴あけは限界に近いです。黄銅丸棒への12.5mm径ドリリングは最後の少し貫通したところでドリルが噛み込みうまく穴あけできなかったので、反対側から筍ドリルで穴を大きく追加工して対処しました。
ウエイト軸は12mm径アルミ丸棒なので、脱落防止ねじ取付用のM5の穴を両端に開けています。12mm径に対してM5用の4.2mm穴を開けるので、多少加工誤差があっても大丈夫です。
本来は、クランプネジによる傷の対応などではステンレス棒が良いのでしょうが、1kg程度のウエイトにはアルミでも十分な感じです。

(5) 自宅ベランダからの手軽観望の時には、ベランダが120cm幅と狭いのでHF2経緯台のような中心に鏡筒を載せるタイプが最大限にベランダスペースを有効に活用できて便利です。
T型経緯台だと回転半径が大きくなり、鏡筒の短い機種でないとスペース不足になり易いです。
HF2経緯台もフォークを90度として垂直にすると更に使いやすくなります。上空は上階のひさしにより見えないので必要ないです。今回のSTL80A-MAXI双眼では高度60度まで可能です。
また、ベランダ手すり高さは約130cm~135cmなので、HF2経緯台の耳軸位置も約130cmの高さでの運用としています。地平線に近い低空の対象物のときは高さ30cm程度の踏み台を用いて上から覗き込む姿勢となります。
ドブソニアンは耳軸位置が低いので、台の上などに載せないと、手すりを超えての視野確保が難しくなります。

(6) 操作棒は2本のストレートにしています。ストレートタイプで、両手で操作は私の好みでもあります。

(7) 接眼部は2インチ寸法がEMSとギリギリのようで、EMS取付を慎重に回転しながら行わないと挿入できませんでした。いったん挿入できるとガタなどほとんどなく快適です。
接眼部の回転機構のクランプが弱いせいか、EMSを回転させようとしたときに接眼部が回転してしまうことがあります。

(8) 接眼部のクレフォードは、あまり重量物には対応できていないもののようですが、調整でEMSと2インチ接眼鏡でも一応使えています。

(9) 今回、スコープテック STL80A-MAXI鏡筒はバックフォーカス延長のために鏡筒カットを前提にしており、オリジナルでは接眼部近くの鏡筒に品名ラベルが貼られていることから、販売店のスコープタウンに依頼して品名ラベルを貼らずに、添付してもらい、当方で好みの位置に貼り付ける対応としました。
既所有のSTL80A-MAXI鏡筒では、熱湯につけて品名ラベルの剥がしを試したところ、運良く破損せずに剥がせたので、接着剤で鏡筒前方位置に貼りなおしました。

(10) 追加購入したSTL80A-MAXI鏡筒で鏡筒カット時に切断位置目印に全周にわたって電工ビニールテープを貼り付けたが、剥がしたときに塗装が弱い部分があったらしく、塗装が剥がれた箇所が発生しました。軽微で性能にも影響しないのでそのままにしています。

(11) 追加購入したSTL80A-MAXI鏡筒では照準パーツが取り付けられた仕様に改良が行われていたが今回必要ないので取り外しました。ネジ穴は黒色のビニールテープで穴をカバーして塞いでいます。

(12) 既所有STL80A-MAXI鏡筒ではファインダー取付アリ溝を取り付ける改造をしており、活用できる可能性もありそうだったのでそのまま右側鏡筒として使用しています。

Comment by Matsumoto / 管理者のコメント

YNさん、5台目のBINOの完成、おめでとうございます!
昨今では大変珍しい、長焦点(F15)のBINOへのご挑戦に敬意を表します。
私が天文や望遠鏡に興味を持ち始めた頃(50年ほど前^^;)は、屈折望遠鏡の標準のF値は15で、それより短い物は、低倍用に特化した特殊なスペックだと認識されていました。久しぶりに当時の標準スペックの鏡筒を見ると、随分と長く感じます。
長い鏡筒なりの困難があったようですが、見事に克服されました。
また、6台目のBINOを楽しみにしています。
ありがとうございました。

 

TS80-BINO by Morteza in France / フランスのMortezaさんのTS80-BINO

Dear Tatsuro

I finally finished my TS80/480 binoscope with your EMS-UL system. It works perfectly. No vignetting at all even with my 36mm hyperions. Adjusting for image superposition is very easy. The image quality is breathtaking both in day and night. Orion Nebula was extraordinarily brilliant, Andromeda galaxy is completely in the field… With available eyepieces I went up to x60 and think we can go up to 100-120 without having any problem. A PERFECT SET! To reach into focus with all my 2″ eyepieces I used the shortened eyepiece holders that you kindly made for me with 1 cm shorter length. They are sufficiently long as the eyepiece is totally inserted into them. The whole set of binoscope (excluding the fork mount and the tripod) weights 7.4 kg. Would you like more pictures?

Thank you a million time

Regards
Morteza

 

Dear Morteza,
Congratulations on your fine TS80-BINO completed!
Nothing is more thrilling to hear from the users of their joy with the finished Binoscope.
And I am looking forward to seeing your further report.

Best regards,

Tatsuro

 

BLANCA-80SED-BINO by Mr.Ebi

今年3月に製作していただいた13cmF7APO-BINOをメインに、2年前より使用してきた10cmF5-BINOをサブに使用していますが、以前から小型軽量でバードウォッチングにも使用できる機動力のあるBINOが欲しかったため、8cmF7APO鏡筒を使ったBINOを組み立ててみました。ボール盤やタップ立てなどの工具を使用していないので製作ではなく組み立てです。すでに手元にある機材や部品を利用してコスト減を最優先にと、完全に割り切った考えに基づいての製作ですので他人にお勧めできるものではありませんが、工作機械無しでもBINOを製作できた例として報告いたします。

☆製作の動機と鏡筒の選択
13cmF7APO-BINOは当然として10cmF5-BINOもHF経緯台がかさばるため、小型軽量、かつそこそこの光学性能を持ったサブ機が欲しいと常々考えていました。スペックに必要な条件は、晴れるかどうかあやしい時に念のため持ち出すことができる機動力とベランダや玄関先での月や惑星のちょい見に使える光学性能の両立。さらには秋から冬のシーズンにはオオヒシクイの越冬地でのバードウォッチングにも使用できる性能です。これらの条件をクリアするバランスの取れた鏡筒が8cmクラスのAPOと考え、価格的にリーズナブルな笠井トレーディングのBLANCA-80SEDを選択しました。

☆コンセプト
以前から7cmや10cmクラスの対空双眼鏡をギア式エレベーター付きのカメラ三脚とビデオ雲台で運用しており、その使いやすさに慣れていたため同じくカメラ三脚とビデオ雲台での運用を絶対条件としました。また完全なサブ機としての使用であり、自分専用のBINOとするので、使い勝手や堅牢性、汎用性は二の次とし、徹底的にコストを抑えること、簡単に製作できる(工作機械を使わない)こと、そして気軽に持ち出せる機動性を第一義としました。

⭐︎製作(組立て)に到るまで
13cmF7APO-BINOと10cmF5-BINOを使用してわかったのですが、BINOの製作の根本は極めてシンプルです。松本さんの販売するEMSのLRペアを使用すれば、2本の鏡筒をキッチリ上下左右を平行に揃えて固定するだけでBINOが出来上がるのです。特にヘリコイドの目幅調整機能を備えたEMSペアであれば、90度正立機能と目幅調整機能、そして光軸調整機能を内包しているために、それだけでBINOを形成する要素を満たしています。つまり適当なアルミプレートに穴を開けて(きちんと平行になるように)鏡筒を2本固定してEMSペアを取り付ければBINOが出来上がるわけです。なんとシンプルで素晴らしいことでしょう!

ところが現実にはいくつかクリアしなければならない課題が立ちはだかります。
ざっと思いついたところで、以下のような事柄が挙げられると思います。

①鏡筒のバックフォーカス不足
市販の状態でのバックフォーカスがBINOの作成に不十分な鏡筒は当然として、それ以外に2本の鏡筒の間隔=Dが広がると光路長が伸びるため、鏡筒のバックフォーカスが不足するケースが発生します。これは鏡筒バンドの形状などによりDを広げざる得ない場合や、目幅調整用のヘリコイドを装着した場合にその可能性が高くなります。実際松本さんの過去の製作状況を見てもバックフォーカス不足の事例が多く、市販の鏡筒、部品等に加工を施さずに済む組み合わせを見つけるのは大変そうです。

②ヘリコイドを使用しないEMSペアを使用した場合には、目幅調整を鏡筒移動方式にするわけですが、その機構を考える必要があります。

③鏡筒の架台への搭載方法
市販品をベースに考えると、ビクセンのHF経緯台、各種経緯台+L型プレート、ビデオ用大型雲台などが考えられますが、いずれにしろ鏡筒の固定と経緯台との組み合わせ方法に悩まされます。

今回の製作に要する構成部品ですが、EMSは手元にEMS-UMのペアが1組余っていたのでそれを使用することに、そして鏡筒は前述の通りBLANCA-80SEDを選択しました。また、機動性を重視したためビデオ雲台+エレベーター付き大型カメラ三脚を使用することも決めていましたので、この組み合わせをベースに②の問題をクリアした上で、できる限り軽量シンプルなシステムにするすることを念頭に部品集めを考えました。ちなみに私のEMS-UMペアは2インチアダプター付きなので31.7EP使用時の光路長は本来138mmですが、2インチアダプターを52.5mmに短縮したもの(標準はおそらく58mm)を使用しているため、光路長は133mm程度になっていると思われます。従ってBLANCA-80SEDのバックフォーカスは145mmですので①の問題はクリアしている計算です。

⭐︎製作(組立て)
最初に鏡筒の固定と目幅調整機構ですが、松本さんのサイトにいくつかのアルカスイスのプレートとクイックリリースクランプを組み合わせての事例がありましたので、概ねこれに類似した方向を模索していました。そんな折、ヤフオク!で非常に安価な(1万円少々、原稿執筆時も出品されています)部品が目に留まりました。ビクセン規格のアリガタプレートにスライド式の台座が2個付いており、この価格ならダメ元で試す価値ありと思い購入したのですが、結果的に問題ありませんでした。おかげで低コストの目的は十分達せられました。架台は手元にマンフロット503HDV(ビデオ雲台)と475Bアルミ三脚が余っていましたので、鏡筒を載せたこのアリガタプレートを503HDVのプレートに固定するだけで完成してしまったのです。

手順ですが、まずBLANCA-80SED付属のアリガタ金具をスライド式台座にネジ2本で固定します。幸いBLANCAのアリガタ金具に適度な間隔のネジ穴が2本並んでおり、加工無しでスライド台座に固定できました。あとは鏡筒の載ったスライド台座をアリガタプレートに搭載するだけです。アリガタプレートはあらかじめ503HDVのプレートに固定しておきました。ちなみに503HDVのプレートはロングタイプ(501P LONG)に交換してあります。アイピースの変更に伴う前後バランスの調整はこのロングタイプを採用した事により、プレートの前後スライドのみで十分対応することができました。プレートのスライドも数秒で完了します。

肝心の光軸ですが、上下はBLANCAの鏡筒バンドとアリガタ金具の接続面にスペーサーを入れて調節しました。左右はBLANCAのアリガタ金具とスライド台座の固定用のネジの遊びの部分で調節できました。あとは2本の鏡筒を載せたスライド台座をアリガタプレートに固定するときに2本のローレットネジを締め上げていくのですが、この時にガタが出ないように注意するだけです。目幅調整はこのスライド台座を左右に移動させることにより行います。左右の鏡筒バンドの隙間の関係から最少目幅が64mmとやや広めですが私自身は目幅66mmなので無問題です。64mmよりも狭くしたい場合は左右の鏡筒バンドの位置をオフセットさせれば可能ですが、前後重量バランスが取りにくくなることと見た目が多少見苦しくなる可能性があります。また、このスライド台座を左右に移動させるのにローレットネジを計4本操作する必要があるため、普通の双眼鏡のように簡単に目幅調整はできません。少なくとも観望会等で複数の人々に見てもらうには無理があるシステムです。あくまで個人専用のBINOとしての使用が前提かと思います。

⭐︎完成に至るまで
鏡筒、架台以外の部品は前述のヤフオク!購入品のほかは、鏡筒固定等に必要なネジとナット類をホームセンターで購入しただけです。組み立てと光軸調整に要した時間は2時間以下という短さであっけなく完成しました。しかし、構想期間中は色々と悩み、思い立ってから計画実行までは随分と時間がかかりました。

一番頭を悩ませたのは架台(503HDV)への搭載方法と目幅調整機構です。ビデオ雲台に載せるにはアルカスイスのプレートとクイックリリースクランプの組み合わせが使えそうな気はしていたのですが、どの部品を組み合わせれば良いのか、実物を見ないで(ネット上での情報のみで)選択するのは難しかったです。前述のヤフオク!で購入した部品はプレートとスライド式台座がセットになっており、商品説明の写真も非常にわかりやすかったため、完成時の姿が容易にイメージできたため助かりました。この部品の発見が成功の大きな要因と言っても過言ではありません。

次に問題となったのは、BLANCA-80SEDを2本並べて固定した時の間隔=Dの寸法でした。使用するEMSはUMペアですので適合するDの寸法の範囲は決まっています。鏡筒を2本並べた時に左右の鏡筒バンドがぶつからない時の「D」が大きすぎるとEMS-UMでは対応できなくなります。その場合はEMS-ULを使用すれば良いのですが、そうするとBLANCA-80SEDのバックフォーカスが不足するため新たな問題が発生します。この問題の解決に関しては、半ばバクチでした。BLANCA-80SEDを先ずは1本だけ購入したのです。(1本だけなら失敗しても他に使い道は有ります)そして先に入手していたアリガタプレートとスライド式台座に鏡筒を固定して(EMSも装着して)2本並べた状態のクリアランスをシミュレートしました。その結果、眼幅66mmなら大丈夫との予想ができたため2本目の鏡筒を購入し組み立てに至りました。

光軸の追い込みは今までの経験のおかげで作業時間は1時間程度でできました。1.5kmほど先に100m以上の高さの工場煙突があるので、その先端を利用しての調整です。松本さんご推薦の平行法を駆使したのは言うまでもありません。スペーサーの厚さ調節(縦方向)と鏡筒固定のネジ穴の遊びを利用した調整(左右方向)を何度か行い完了です。調整を繰り返し、うまく左右の像が一致した時の快感はたまりませんでした。

⭐︎運用
実は6月初旬には完成していた本機ですが、完成以来6月7月と天候不良のため観望のチャンスは皆無でした。8月初めに1日だけ絶好の夜があったのですが、あまりに久しぶりのため主砲の13cmF7BINOを優先しました。結果、いまだに本格的に星空観望はできておらず、自宅からの月惑星と光害まみれの星野観望のみなのですが、「晴れるかもしれない」レベルの週末には何度か車に載せて持ち出しています。つまり、持ち出し、運搬、現地での組立てなどの機動力に関しては実験済みで、これに関しては期待通りの結果となっています。ハンドルも装着していないのですが、鏡筒2本とプレート、EMS-UMペアの組み合わせで約6.5kgしかなく、雲台の503HDVへの着脱も非常にスムーズで問題ありません。ケースはネット通販で適当なバッグを購入して、廃品利用で簡単な型枠を内部に形成して型崩れを防止しました。BINO本体とアイピース数本、ファインダーを入れても片手で持てますので三脚架台を入れたケース共々一度に持ち運びでき、市販の対空双眼鏡と同レベルの機動性を有しています。

使用鏡筒は80mmF7APOですが、単眼で使用する場合と観る対象はほぼ同じと考えられます。20倍から30倍前後での天の川流しをはじめとした星野と主なメシエ天体の観望、70倍から140倍くらいでの月と惑星の観望に向いているかと思います。APO鏡筒のおかげで星像は非常にシャープですしコントラストも高くすっきりとした見え味です。月や惑星の観望も余裕でこなし、土星のカッシーニの間隙や木星の大赤斑も綺麗に見えます。双眼視のため長時間の観望も苦になりません。また、雲が風に流され月の前をたなびいた時の立体感は単眼では感じられない迫力です。本機の製作までこのクラスの機材は市販の対空双眼鏡(ビクセンBT-ED70S-A)を使用していましたが、90度対空と2インチアイピースの使用、あと一息の口径アップが得られたので満足しています。

ところで、所有する主なアイピースの中で唯一バックフォーカスが足りなかったのは賞月観星XWA20mmのみでした。私は視力0.1以下の強い近視なのですが、同じく2インチのXWA13mmとMasuyama32mmはギリギリ無限遠で合焦します。(ドローチューブの余裕約1mm)ここで前述の52.5mmに短縮した2インチアダプターが功を奏しました。アメリカンサイズのアイピースはほとんど問題がなく、比較的光路長の長いビクセンLVW17mmで4mm、ペンタックスXW20mmで6mm程度の余裕です。2インチアダプターを使用しない標準のEMS-UMの光路長は122mmですので、アメリカンサイズのアイピースのみの運用でしたらバックフォーカスの余裕はさらに大きくなります。

☆まとめ
前述のように計画を思案中は実現できるか不安でしたが、あっけなく、しかも加工作業を一切抜きで狙い通りのBINOが完成しました。眼幅調整に手間がかかる、取って(ハンドル)が無いといったネガティブな面もありますが、冒頭にも記したように個人使用を前提とした割り切ったコンセプトですので自分的には満足です。もともとEMS-UMペアとビデオ雲台、三脚が余っていたせいもあり、非常に低コストで作ることもできました。成功の要因はちょうど良い部品が見つかったこともさることながら、松本さんのサイトにたくさんのヒントや情報が記されているおかげかと思います。常々松本さんはご自身のホームページはマニュアルも兼ねているとおっしゃていますがまさにその通りだと思いました。これからも素敵なアイディア、情報の発信を楽しみにしています。

Comment by Matsumoto / 管理者のコメント;

海老さんより、また新たなBINO(BLANCA-80SED-BINO)の渾身のレポートをいただきました。 まさに”Simple is Best.”の模範のような作例ですね。次回のレポートも楽しみにしています。^^

BORG-125ED-BINO by DIY of Mr.M in Saitama pref. 埼玉県のMさん自作

<BINO製作背景>
今回、BORG125EDでEMS-BINOを製作する事になった背景は、
何度か同市内にお住いのYさんのお宅にお邪魔してEMS-BINO
での惑星観望や、フィールドへ出て150mmBINOでのDeep-Skyを堪能
させて頂き、両眼で見る臨場感、開放感の魅力に完全に心を奪われ
ぜひ、自分としても、EMS-BINOを所有したいと考えるようになり、
その思いは日に日に強くなっていきました。
せっかく作るのであれば、軽量かつ出来るだけ大口径で、気軽に
フィールドへ連れ出せる事が出来る機材が欲しいと言うことと、
手元に1本、BORG125EDを所有しており、125mm Apoとしては、
類まれな軽量級の鏡筒だったことが決め手となり、BORG125EDで
EMS-BINOを製作する事を決意した次第です。
Yさんの紹介で、松本さんへメールさせて頂き、突然のEMS製作の
依頼を快く引き受けてくださり、そこから私のEMS-BINO製作が
スタートしました。

依頼内容としては、EMS製作及び、BORG鏡筒の切断とFC100用
フォーカサーの取り付け。
当初、鏡筒へのフォーカサー接続はアダプターを介す事を
検討していましたが、松本さんからのご提案で、φ115mmの筒に
直接M114ネジを切り直付けする事となり、バックフォーカスを
10mm近く稼ぐことが出来るなど、何度かのメールのやり取りを
させて頂きながら、きめ細かなアドバイスを頂戴し、EMSと鏡筒
が完成しました。

そして、松本さんからEMSが届いてから、遅れること3週間。
ようやく架台のパーツが届きました。この間、EMSを装備した
鏡筒は目の前に2本揃っているのに、架台が無いために、
何も出来ずに指を咥えて見ているだけのお預け状態は
とても長く感じました。
架台到着後、早速、組み立ててみました。
松本さんHPのユーザーレポートや、先輩BINOユーザー Yさん
のアドバイスを基に、見よう見まねで設計した架台です。
くみ上げてみると、やはりと言いますか、素人設計なので
あちこちに設計ミスがあり(^^;、一部、妥協しなければなら
ない部分も出てしまいましたが、組み立てられない様な
致命的なミスは無く、何とか形にする事が出来ました。

架台に本体(EMSを除く),ファインダー,ウェイト(1kg)
を取り付けた状態で13.9kgと、片手でも余裕で持ち運べる
重量で、中々のライト級に仕上がり、自分の思い描いた
BINOを完成させることが出来ました。
鏡筒は、アリガタアリ溝式としたため、取り外せば
個々の重さは5kg以下となり、機動性は抜群に良いです。

<架台構造>
架台の基本構造は、松本さんのアドバイスの通り、プレート下側から
固定ボルトへアクセスできるようにし、調整の都度、アリガタを
取り外さず調整出来るようにしました。
また、Yさんの150mmBINO用に松本さんが改造して追加した機構を参考に
させて頂き、アリ溝をサイドからマイクロゲージで押して、左右の
筒の平行を調整する構造としました。
当初、機構的に複雑にして調整可能にするか、単純な機構にして
調整レスにするか悩んだのですが、有り合わせのパーツを多く
使ったので、ポン付けで平行が出るとは思えず、調整機構を
採用する事としました。

一部設計ミスがあり、架台の横幅(内寸)に対し、2本並べた鏡筒の
横幅がギリギリで鏡筒を斜めに傾ける事が出来ないため、アリ溝への
取り付けが上からの落とし込みで出来ず、スライドさせないと取り
付きません。
これは、設計ミスと言うよりは、HF経緯台の物理的な寸法によるもので、
単純に設計段階で気付かなかっただけなのですが(苦笑)、このスライド
させる作業が意外と煩わいです。
また、左右それぞれの筒を個々に取り外し、光軸の再現性を確認した
のですが、残念な事に、位置の再現性が低いことが分かりました。
再現性は、その後の原因解析で、ある程度改善の見込みが立って
来ておりますが、取り外しが煩わしいとなると、再現性が改善出来た
としても、最終的には架台と一体型での運用となりそうです。


<筒平行出しとEMS光軸調整の練習>
架台の完成翌日、早速近くの河川敷の広場に持ち出し、筒の平行出し
とEMSの光軸調整の練習をして来ました。
すぐにでも、星空の下に連れ出し、煌めく星々を堪能したかったのですが
ぶっつけ本番で暗がりの中での調整に不安があったため、まずは練習です。

遠くの鉄塔のてっぺんに照準を合わせ、まずは筒の平行出し。
調整用のマイクロゲージを使って、像が一致するまで追い込みます。
ただ、仮締めしたボルトを本締めすると、どうしてもわずかに動いて
しまいます。
そこで、EMSの光軸調整の登場です。
筒の平行出しで追い込めなかった、ほんの僅かなずれをX-Yノブで
追い込みました。
調整ノブは非常に軽く回り、イメージとしては指先の皮膚をノブの
ローレットにわずかに引っ掛けて回す感じで調整出来、200倍(手持ち
のアイピースで最高倍率)でも、難なく調整出来ました。
HPの「400倍オーバー!の高倍率でも常に完璧な光軸が維持されます。」
のコメントは、決して誇張ではない事が実感できました。

平行法での光軸調整は、2つの絵を重ねて立体視することを
昔から良くやっていたので、松本さんHPのユーザーレポートや
日記を読んで勉強した時から、なんとなくこんな感じかな?の
イメージを持っており、そのイメージと実機とがほぼ一致し
違和感なく行えました。ただ、最後の追い込みで、直前まで
2つにズレていた像が、スッと重なってしまいます。
それは眼球の回旋で、眼をアイポイントから30cmほど離すと
輻輳は完全に廃除できると松本さんからご教示頂き、現在は、
意識的に目を離して調整が出来るよう、練習中です。

<DEEP SKYデビュー>
お盆以降、中々天候に恵まれず、月齢との関係もあり
ファーストライトは、EMSを受け取ってから丁度1ヶ月が
過ぎた、9/6でした。

週末には台風15号が関東を直撃すると言う情報の中、
久々の青空。
金曜日でしたが、仕事を終え、ファーストライトの
場所に選び、向かった先は、三峰と言う秩父の山奥です。
到着は22時ちょっと過ぎ。月没は22時半頃なので、
慌ただしく光軸調整に取り掛かりました。
この時、日中に光軸調整の練習をしておいた事を
良かったと実感することとなりました。
と言いますのも、平行法で調整する際、まずは左右の
アイピースの輪郭が重なるように目の焦点を奥へ奥へと
ずらしていたのですが、暗がりの中、アイピースの輪郭が
見えないのです。
どこに焦点を置いて良いのか、感覚を失っていました。
この時、ふと思い出したのです。日中に調整をしていた時は
アイピースの輪郭の向こう側に、足元の砂利が見えていた事を。
これがヒントとなり、あえて足元を照らすライトを点灯。
これにより、アイピース輪郭が浮かび上がり、また
偶然にも、蛍光色の黄色いスニーカーを履いていたことが
功を奏して、スニーカーを見た焦点を固定したまま、
アイピースの中の星を見つめる。その時、視野の端の
スニーカーを意識(直視ではない)しておく。
正しいかは分かりませんが、何とかこの方法で
光軸調整を終える事が出来ました。


そしていよいよファーストライトです。
真っ先に狙ったのは二重星団hχ。
これまでの主力機材では、視野からはみ出してしまう対象
でしたが、BORG125ED-BINOなら、視野の中にピッタリ収まり、
宝石を散りばめた様な美しさに、しばし時間を忘れ、見入って
しまいました。
EMS-BINOは、hχを見るために入手したと言っても過言では
ないくらい、真っ先に見たい天体でしたが、実際にその美しい姿を
目の当たりにし、我が手中に納めたことの満足感に気持ちが高揚
しました。
hχとの別れを惜しみながら、次に選んだのは、アンドロメダ銀河。
3.4度の実視界(Masuyama32mm85度)では、伴銀河M110や腕の淡い部分
までもが余裕で同一視野に収まり、宇宙空間にぽっかりと浮かんだ
アンドロメダ銀河を見ているような感覚です。

しかし、面白いものです。
片目では十二分に広く、ぐるりと見廻さないと全景を見られなかった
85度の視野が、EMSを介し両目で見た途端、中央を見つめただけで
視野の隅まで認識出来、狭ささえ感じてしまうほど。
そう、「まるで宇宙船の窓から覗いている様だ」とのEMSの使用した
感想を多く見るように感じますが、まさにその通り。
(宇宙船に乗った事はありませんが(笑))
あたかも自分が、宇宙船の丸窓から宇宙を覗いているかのような
感覚を味わうことが出来、その臨場感に圧倒されるのです。
なぜ、今まで、あんなにも窮屈な道具(単眼、倒立)を使っていた
のだろうと、まじまじと感じさせてくれる、開放感、臨場感。
そして何よりも、見る事(覗く事)がこの上なく楽なので、
ずっと見ていたいと思える満足感がたまりません。
以前、友人と星見の間の談笑で、アイピース(単眼)を覗くときは
片目を閉じる(ウインク)か、覆い隠すか?を話した事があります。
私はウインク派。友人は覆い隠す派。
ウインクは長時間続けていると、顔の筋肉がピクピクと痙攣
し始めます。効き目の右では、慣れもあり長時間見続ける事が
出来ますが、痙攣が始まり左目に移行すると、慣れない右目を
瞑る頬の筋肉に力が入り過ぎ、すぐに顔が疲れます(笑)
友人は、鍛錬が足りない!!と言いますが、中々、顔面の筋肉を
鍛えるのは至難の業。
友人はと言うと、覆い被せた手が何となく気になり、出来れば
視力検査のお玉杓子(名称不明)が欲しい等と笑い合った事が
ありましたが、EMSを使えば、アイピースの覗き方など議論する
必要はありません。
ごく自然に両眼を見開けば、そこにある絶景を味わえると言う事が、
EMSならではの唯一無二の醍醐味であると、実感しました。

ファーストライトの晩は、スタートが遅かった事とロケーション
の関係で、さそり座や射手座付近の天の川は観ることが出来
なかったのが残念でしたが、秋の夜空では数少ない球状星団M15や
ぎょしゃ座の散開トリオ、惑星状星雲、系外銀河を楽しみ、
最後に、オリオン大星雲を見ました。
Yさんが良く、「逆さを向いたオリオン星雲は何だかなぁ。」
とおっしゃいます。
確かに、羽を広げた鳥の姿が逆さ向きでは、何か違和感があり、
飛び立つどころか墜落する鳥に見えてしまいますが(笑)、EMSなら
フェニックスが翼を大きく広げた雄大な姿に見え、これもまた
EMSの醍醐味の一つだと言えると思いいます。
今回は、あいにくフィルターを忘れてしまい、M42では真価を
発揮出来ませんでしたが、それでも、フェニックスが翼を広げた
様なその姿は圧巻で、特にトラペジウムを取り巻くガスの
ディテールはまるで写真を見ているような感覚で、鳥肌ものでした。

深夜3時を過ぎたころから雲が多くなり、ファーストライトは
幕を閉じることとなりましたが、やはりEMS-BINOは素晴らしいです!!
YさんのBINOを何度も覗かせて頂いていたので、EMS-BINOが
素晴らし事は十分に分かっていたはずなのに、改めてじっくりと
覗いてみて、やっぱり良いです。
色々無理をした部分はありましたが、それを帳消しにしてくれる
素晴らしい相棒を手に入れることが出来ました。


この度の、私のEMS-BINO製作にあたり、お忙しい中、EMS製作
及び鏡筒切断や取付けアダプター製作を快く引く受けて下さった
松本さん。そして、私をEMS-BINOの世界に導いて下さり、製作に
あたっても、親身にアドバイスを下さったYさんに、この場を
お借りし、お礼申し上げたいと思います。
本当にありがとうございます。

今回完成したEMS-BINOは、末永く星見の相棒として付き合って
いきたいと思っております。

Comment by Matsumoto: 管理者のコメント:
今回いただいたレポートでは、BINO製作のご工夫やご苦労のみならず、
初期(製作段階)の光軸調整や、使用段階での光軸調整について、
非常に詳しく、実体験に基づいて説得力あるご説明をいただきました。
これからBINOを自作される方、あるいはユーザーになられる方には、
とても良い参考になるかと存じます。
Mさん、この度は、大変有意義なレポートをありがとうございました。
続報も楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。

 

SE102-BINO by DIY of Mr.YN in Tokyo

御社の「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」とケンコーのSE-102鏡筒にエクステンダーレンズを組み込んだ自作の双眼望遠鏡を作成しましたので紹介の写真を送付します。
これで「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」使用の双眼望遠鏡は4台目になりました。
尚、「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」は使い回しです。

先に紹介のSE-120鏡筒(F5、焦点距離600mm)でのエクステンダーレンズを組み込んだ自作の双眼望遠鏡をSE-102鏡筒(F4.9、焦点距離500mm)に展開したものです。SE-102鏡筒を持っていたのでこちらではどのようになるのか興味があり作成してみました。

EMSは使い回しで対応しています。汎用性の高い2インチ取り付けの「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」にしておくと、興味を持った双眼望遠鏡を自作して試したいときにコストや保管スペースなどで便利です。

SE-120鏡筒使用のときと同様にSE-102鏡筒のF4.9の短焦点のアクロマートにエクステンダーレンズを追加した方式で、収差を好まない人もいると思いますが、それなりには見えているので実用範囲と思います。エクステンダー無しに比べても悪化した印象はありませんが、収差増大による解像度の低下はあるようで中倍率までの使用になると思います。

また、同じくエクステンダーレンズにはステレオ顕微鏡用の補助対物レンズ0.75Xを転用して、更に対物側がレンズ凸面、接眼側がレンズ凹面になるように逆方向にして組み込みました。
HF2経緯台にのせる双眼望遠鏡ユニットとしては9.9kgの重量になりました。

SE-120双眼望遠鏡よりさらに軽くなり扱いやすいです。また既設接眼部を使用できるのでコストアップが少ないです。ただし、小さくなっても、EMSやバランスウエイト重量、経緯台への取り付け部品は大きさはほとんど変わらないので、それほど軽量になるわけではありませんが重量が10Kgを下まわり容易にHF2経緯台に載せたり降ろしたりできる感じです。
対物レンズが少し軽量になり前後バランス位置がほとんど接眼部近くの位置になったので鏡筒バンド位置が経緯台上下軸より前方になりました。

HF2経緯台も以前から紹介と同じHF2経緯台の使いまわしであり、天体の導入支援補助としてはGPS機能付きタブレットなどの星座アプリで目標天体のその時の方位と高度情報を入手して方位環とデジタル傾斜計を用いて導入します。1度以内程度の誤差範囲で導入でき
てそうな感じで便利です。もちろん等倍目視LEDドットファインダーで直接導入できる人はそのほうが速いです。
その時の気分で使用する鏡筒を選択して、HF2経緯台を使いまわして載せて楽しんでます。
それでも、HF2経緯台もアームを垂直に設定状態にしたものや45度に設定状態にしたもの、HF経緯台を含め複数台所有になっています。

以下、詳細について追加説明します。

(1) SE-102鏡筒のバックフォーカスは127mmで「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」の光路長を確保しようとして鏡筒をカットすると大きく対物レンズ口径がケラレることになる。そこでエクステンダーレンズを組み込んで、バックフォーカスを長くして対応することにした。SE-120鏡筒と同じバックフォーカス量だった。
以前に紹介したSE-120鏡筒(F5、焦点距離600mm)エクステンダーレンズ版と同じ、エクステンダーレンズにステレオ顕微鏡用の対物補助レンズ0.75Xを使用しました。尚、私が入手したものは中国製で実売単価2,000円程度で対物補助レンズ0.75Xは2枚貼り合わせの凹レンズであった。レンズ径は39mm径。試用してみたところ、凸面を対物側にしたほうが見えが良かったので、対物側をレンズ凸面、接眼側をレンズ凹面として使用することにした。

SE-120鏡筒(F5、焦点距離600mm)エクステンダーレンズ版と同様にレンズセルの外形50mm径にビニールテープを巻きつけてドロチューブ内に押し込み、更にラックギアの手前側にM3イモネジで押し固定した。

光路としてはEMSの対物側にエクステンダーの凹レンズを入れた単純な構成です。一般のバローレンズのバローレンズ本体とアイピース間が長いタイプで、EMSの2インチスリーブの長さ30mmにEMS-UL+IPDヘリコイドの光路長最大180mm程度を足した最大210mm程度の長さになります。

(2) ドロチューブの繰り出し量でエクステンダーとしての倍率も変化し、ドロチューブの繰り出し量を除いた接眼部からのバックフォーカスも変化する。
バックフォーカスやエクステンダー倍率はSE-120鏡筒のときと同様程度と思われる。
通常の無限遠合焦もドロチューブ繰り出し量45mm程度となっている。
アイピースの瞳径を測って計算したところでは1.6倍程度のエクステンダーとしてはたらいているようです。従って500mmx1.6=800mm 程度の焦点距離になっているようです。
6mmアイピース使用時の133倍でも使える感じですが、木星の縞を見たところコントラストなどが低くなり見えづらくなり、この辺の倍率が実使用限界と思われ、低・中倍率での使用に割り切ったほうが良いと思います。

(3) エクステンダーにより焦点距離が800mm程度と長くなり、瞳径7mmの最低倍率15倍はほぼ実現できなくなりましたが、40mmアイピースで20倍、瞳径5.1mm、32mmアイピースで25倍、瞳径4.1mm、26mmアイピースで31倍、瞳径3.3mmであり私には十分です。
老人になっているので瞳径は5mm程度も開けられているかかどうか判りませんし、白内障手術での眼内レンズの直径は6mmとのことで、瞳径5mm対応できれば十分と思います。

蛇足ながら31.7mm規格アイピースで私がよく使用するのは、ケンコーのプロフィールド7×32双眼鏡の接眼部分を取り外して、31.7mmスリーブを取り付けた焦点距離18mm相当のアイピースです。今回だと44倍で瞳径2.3mmになります。
アイレリーフが19mmと長く眼鏡を使用した場合でもアイカップのゴムを折り曲げれば気持ちよく使用できるとともに、アイカップも柔らかく裸眼でも見やすいです。見かけ視野も60度で、構成は3群4枚でガラス非球面レンズも含まれており優秀な部類だと思います。
普及型の双眼鏡という量産品からの流用であり、更に、ジャンク品では格安となり1個1,000円程度で作成できるときもありコストパフォーマンスが良いです。当然、双眼鏡なので1台から2個のアイピースが取れます。光軸ズレなどの不良品で返却できないプロフィー
ルド双眼鏡があり、興味があれば是非自作を試して見て下さい。尚、31.7mmのスリーブは別途入手ください。重量も85gで扱いやすいです。2インチアイピースは一般に300g以上なので31.7mmアイピースに比べ重量や保管スペースで扱いづらいです。また、結果的に焦点位置がマイナス側(アイピースのスリーブ段差の対物レンズ側になる)に3mm程度余裕に
なったので、バックフォーカスが不足ぎみの厳しい機器でも合焦可能性が高くなります。
特に近眼の人で裸眼で見るときには重要です。自作で31.7mmスリーブをゴムなどの緩衝材をはめこんで固定しているだけなので注意して扱わないと分離して脱落しそうになる時があります。8×40や10×50の双眼鏡は焦点距離18mm相当のアイピース部分を用いているものが多いようです。
また、31.7mm規格アイピースで低倍率を用いるときはケンコーのPL25mmもよく使用します。
アイレンズがギリギリに浅い位置にあり、アイレリーフも長いことから眼鏡を使用した場合でも見やすいです。
焦点位置のチェックの時はアイピーススリーブ段差の位置にアイピースの焦点位置のあるケンコーのPL20mmをよく用います。PL25mmでは目視で焦点位置をつかむのに範囲が広く感じられ合焦の山の頂点を見つけづらくバラツクからです。特に私は近眼なので裸眼で長焦点アイピースで合わせるとズレが大ききなりがちです。

(4) 鏡筒が短いので鏡筒バンドとHF2経緯台のアームとの衝突を避けるために、鏡筒バンド固定つまみを内側とし、鏡筒径が小さくなったことから左右鏡筒バンドつまみが同位置でも重ならないことが可能になった。
かえってぶつからないように鏡筒間隔D=162mmに広げた。

(5) バランスウエイトは31.7mmアイピース使用時は手前側とし、2インチアイピース使用時は対物側に移動で前後バランスはとれる。31.7mmアイピースや2インチアイピースも重量が変わらないことから、必要バランスウエイト重量も同じとなる。
バランスウエイトの取り付け位置もSE-120鏡筒使用のときと同じく、アイピース交換時に操作しやすく、接眼部側を短縮できる手前側設置とした。対物側重量不足の万一のときのためにバランスウエイトシャフトは対物側にも伸ばしており、取り付け可能なようにしてある。

(6) EMSの上下方向の調節範囲に入らなかったので片側に0.5mm厚のワッシャーを入れて、調節範囲内とした。

(7) エクステンダーレンズに使用のステレオ顕微鏡用の補助対物レンズについて、入手した0.7Xのものを試したが、0.75Xと光学仕様はほとんど変わらないと思われるのに、SE-102の対物レンズとの相性が良くなかったせいかわからないが、倍率を上げていくとピン
ボケのような解像度の無い見え方が顕著に感じられ、SE-120鏡筒で使用した0.75Xの補助対物レンズをSE-102鏡筒でも使用することにした。入手した0.75Xの補助対物レンズ使用だと0.7Xに比べそれほど悪化が感じられない。

(8) ケンコーのSE-120L、SE-120、SE-102鏡筒 で双眼望遠鏡を作成してきて、アクロマートではあるが SE-120L がやはり好みではあるが、私には重く、長く扱いづらく感じられ、
どうしても使いたいと思うとき以外は使用しないことが多い。102mmのED双眼望遠鏡に比べ色収差により透明感やスッキリ感などは劣るが見え味はかなりいいとこまで迫っていると思うので、既存接眼部がそのまま使え、鏡筒のカット程度の工作で対応できるので、コストパフォーマンスも良く、重さや、長さをそれほど苦にしない人には良いと思います。
SE-120、SE-102鏡筒では接眼部を短いものに交換してバックフォーカスをEMS使用できるように長くするか、素人では手が出ない程度の接眼部の改造をしてバックフォーカスをEMS使用できるように長しなければならない。
簡易的にエクステンダーを追加してバックフォーカスを長くする方法があり、ステレオ顕微鏡用の補助対物レンズ0.75Xを用いて実現できることがわかった。ただし、倍率を上げたときに性能低下に簡単に気づく。
私の個人的な印象ではSE-120Lは200倍程度まで、SE-120は150倍程度まで、エクステンダー追加版は100倍程度までの運用範囲が良いのではないかと思います。
個人の好みや目的にもよりますが100倍程度まででも惑星などを除けばかなり楽しめると思います。これでも一般の大型プリズム双眼鏡よりは90度であることなど使いかってが良いことや見え味、2インチアイピースを含むアイピース交換による倍率変更、見かけ視野
変更などで勝っていると思います。
そのうちEDレンズなど使用の双眼望遠鏡にグレードアップしたくなれば作成する仕様範囲
にもよりますが現在使用の「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」は転用・兼用使用できるの
でコストパフォーマンスは良いと思います。

(9) Amazon で使用できそうな安価な2インチ接眼部がありましたので参考に紹介します。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PRXB2MQ/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o01_s00?ie=UTF8&psc=1
私が購入したときは1個5,360円でした。現在、在庫切れになっているようです。
これぐらの金額で使えそうな2インチ接眼部が入手でき、適合できれば、エクステンダーが1個2,000円ほどなのでエクステンダーを選択しなくてもよさそうですね。
全長137mmのドロチューブの先端を37mm程度切断加工して100mmに短くすればF4.9鏡筒でもギリギリ使用できそうな感じです。先端開口は55mm径です。尚、商品説明記述には誤り記述もあります。
SE-102で焦点位置をあてがって簡易に試してみたところIPDヘリコイドの最短から最長でドロチューブ繰り出し量23mm~7mmで無限遠合焦したので、ドロチューブのストロークが37mm切断したとして70mm-37mm=33mmであり適合しそうです。ただし接眼部は鏡筒内径より小さいので接眼部の取り付け方法、取り付け位置で少し変動します。鏡筒の切断は必要なしです。クレフォードの動作域での切断なのでネジ取り付けなどでのストッパーが必要に
なります。クレフォードでのストッパーの取り付けは経験がないので検討が必要です。
現在作成したSE-102双眼望遠鏡にこれを適用して更新改造することは今のところはまだ予定していませんが試してみるかもしれません。

(10) 蛇足ながらSE-120の双眼望遠鏡で使用した接眼部は笠井の蔵出品放出で1個8,000円で2個を以前に購入できたものを用いました。正規品だと高くて購入はしていなかったと思います。
エンビパイプを切ってスペーサーにして位置安定と遮光に使用しました。固定は鏡筒フランジにM4ネジを切って、接眼部の回転固定部分の溝を3本のM4ネジで押して行っています。
旋盤を扱える環境の人だと簡単にアルミでアダプターを作成するところでしょう。

(11) ほかに、80mmF7EDレンズ使用の双眼望遠鏡の作成は私の中で先に行いたいことが多く後回しになり遅れています。
80mmEDレンズはM89/P1.0内ネジで鏡筒にねじ込むレンズセル構造になっているのですが、旋盤の環境が無く、90mm径鏡筒外周に外ネジを作成できないので、エンビ継ぎ手を加工してレンズセルを取り付けて、この継ぎ手を介して90mm径鏡筒に接続しようと加工中です。
当初はSE-102の対物レンズ部分を外して、残りをまるごと鏡筒バンドなど含めて使用と思っていましたが止めて90mm外径鏡筒使用に変更しています。

(12) 私は実際に天体を見るのも楽しいですが、どちらかというといろいろな機器を持つのが楽しく感じられています。作成自体は面倒なのでそれぼど楽しく作業してるわけではありませんが、それなりには楽しめています。できるだけお金をかけないようにコストを抑えるために自作で作成しているものが多くなっています。当然、欲しい状態の品で完成品で販売しているものは、完成度が高く、手間も省けるので完成品で購入しています。私の自作品は完成品には及ばないレベルであり、外観など完成品に近づけようとも思っていません。機能が果されれば十分満足です。結果的にトータルで結構な出費となってしまいました。
もう、私と同じ年代の年寄りは終活を考えたり実施している人も多いと思います。私の場合、機器が多くなってきているで終活だけでなく、そのうち整理が大変になることは予想していますが着手は当分先の気持です。
だらだらと私的感想を含めて長文になってしまったことご容赦ください。

SE120-BINO by Mr.YN in Tokyo

「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」とケンコーのSE-120鏡筒で自作の双眼望遠鏡を作成しましたので紹介の写真を送付します。

SE-120鏡筒の仕様のF5(焦点距離600mm)のままで既設接眼部をEMSでケラレなく使用できるようにする方法が見つからなかったので、入手して持っていたドロチューブの短い接眼部に交換しました。それでも120mmが117mm程度に若干ケラレましたが、程度が軽いので良しとしています。

F5の短焦点のアクロマートでもあり、収差を好まない人もいると思いますが、それなりには見えて実用範囲と思います。なんしろSE-120L鏡筒使用に比べ鏡筒が短いので、扱いやすいです。HF2経緯台にのせる双眼望遠鏡ユニットとしては12.5kgの重量になりました。
EMSやバランスウエイトをとりはずさ無くても、私ひとりでHF2経緯台に載せたり降ろしたりできるレベルの重量です。取り外せば時間はかかりますが更に容易となります。

天体の導入支援補助としてはタブレットなどの星座アプリで目標天体のその時の方位と高度情報を入手して方位環とデジタル傾斜計を用いて導入します。1度以内程度の誤差範囲で導入できてそうな感じで便利です。もちろん等倍目視LEDドットファインダーで直接導入できる人はそのほうが速いです。この程度の双眼望遠鏡では倍率のある光学ファインダーは口径50mmのものでは重量が500g程度あり、バランス調整の面倒さもあり必要ないと思います。

以下、詳細について追加説明します。

(1) SE-120鏡筒のバックフォーカスは127mmで既設接眼部のドロチューブ長さが158mmで先端開口が52mm径で「EMS-ULセット+IPDヘリコイド」の光路長を確保しようとして鏡筒をカットすると大きく対物レンズ口径がケラレることになる。入手していた接眼部はドロチューブ長さが97mmで先端開口が51mm径でケラレが若干でおさまるものであり、これに交換して使用することにした。

(2) ケラレを少なくするために鏡筒間隔D=154mmとした。最大眼幅は制限されるが、私の眼幅の66mmは範囲内にあり70mm程度までは対応できるみたい。
アイピースのスリーブの段差の位置にアイピースの焦点位置のあるアイピースを用いる通常の無限遠合焦はドロチューブを25mm程度引出した位置であり、この位置で120mmが117mm
程度に若干ケラレるものになった。測定方法が正しいかは判らないが、接眼部のアイピース焦点位置にレンズを外した安価な1灯LED懐中電灯のLED部分をセットして点光源とし扱い対物レンズ側に紙を置き投影して透けた光円で計ってみた。
尚、鏡筒のカットは行っていません。

(3) 鏡筒が短いので鏡筒バンドとHF2経緯台のアームとの衝突を避けるために、鏡筒バンド固定つまみを内側とし、左右鏡筒バンドつまみが重ならないように位置を前後にずらした。

(4) バランスウエイトは31.7mmアイピース使用時は手前側とし、2インチアイピース使用時は対物側に移動で前後バランスはとれる。

(5) 交換した接眼部の取り付け誤差もあり、EMSの上下方向の調節範囲に入らなかったので片側に0.5mm厚のワッシャーを入れて、調節範囲内としました。

(6) 接眼部を交換したのでその分コストアップになってしまいました。大きさによる扱いやすさや、低倍率になりずらさをいとわなければ、先に紹介したSE-120Lのほうが見えが良いと感じますがSE-120では扱いやすさは格段に良くなり、ちょい見には使用頻度は多くなります。重量や大きさは物理寸法からはそれほど差が大きくはありませんが、私にとってはこのあたりに一つの壁があるように感じます。
蛇足ですが、光学性能に満足できない人はEDレンズなど使用の高価格品を使用するしかないと思います。特に高倍率になっても鮮明な像となることを望む人はEDレンズなど使用品を使用がストレスが少なくて良いと思います。

Comment by Matsumoto / 管理者のコメント;

東京のYNさんより、また自作双眼望遠鏡(EMS-ULセット使用)のリポートをいただきました。
20年前くらいと比べると、自作マニアの方の数が減って来た印象がございます。 その中でも、こうして果敢に自作に挑戦さえているご様子を拝見し、頼もしく思いました。
今回も鏡筒のバックフォーカスの確保に腐心されたようですが、市販鏡筒の実情、30年前と少しも変わっていませんね。

方位メモリを水平回転軸に設けられ、デジタル傾斜計を鏡筒にセットしておっれる写真に注目しました。SkySafari等の天文アプリと連携すれば、強力な導入支援が實現しますね。
YNさん、今回も素晴らしいユーザーリポートをありがとうございました。

ZenithStar80ED-BINO by Aoi-Hoshi-San / “蒼い星”さんのBuruko(8cmED-BINO)

現在の私の8cmBINO(Buruko)の画像を久しぶりに添付します。
手前味噌ですが特筆すべきはEMSユニット以外はすべて市販の汎用パーツで構成されていて、加工もビクセンのHF用汎用プレートにネジ穴を12箇所加工した以外は、全て通販などでパーツを揃えて加工なしで組みあがっています。

鏡筒ユニットはHF汎用プレートにアルカスイス規格の台座クランプで取り付けています、ここで鏡筒の前後バランスも可能ですし、左右EMSのキャブレーション調整も松本さんの推奨(?)のEMSシフト調整ネジ1/4回転以内の精度なら、遠方を覗きながら10分以内で可能です。
画像ではHFフォーク架台に取り付いていますが、取っ手を固定する底板プレートにジッツオ-マンフロット規格の雲台プレートを使いましたので、ビデオ雲台での運用も可能です。

自前の加工がHF汎用プレートへのネジ穴加工だけなので、組みあがった全体像も素人自作っぽさが少ないです。
松本さんの組み上げるBINO完成品には遠く及びませんが、私個人としてはこれで十分満足していますし、何より松本さんにお願いするより早くて安いです(笑)

青い星

Comment by Matsumoto / 管理者のコメント;

「蒼い星」さんのEMSの修理を承った機会に、久しぶりにご愛用の8cmBINOの”BURUKO”の近況をご報告いただきました。
市販品パーツの組み合わせでも、これだけ洗練されたBINOが構成できるという好例だと思います。これから自作を考える方にも大いに参考になると思います。
蒼い星さん、この度は、また素晴らしいリポートをありがとうございました。 今後共よろしくお願いいたします。