20cmAPO-BINO by the German client / 20cmアポ-BINO

I am introducing 20cmAPO-BINO recently finished by my German client.
He is a long period of repeater of my EMS, and he had made many binoscopes
in the last 17 years. The EMS SET used this time is not a newest one but it was
one of his stock of EMS he got years ago.

ドイツのリピーターの方が最近組み立てられた20cmAPO-BINO です。
10年以上前に、ご自宅主砲の90cmカセ(据付)の鏡筒に25cmAPO-EMS-BINOを同架されたのが最初でしたが、その時は写真の公開を躊躇されたため、ここには掲載していませんでした。
今回は、匿名で概略のみの紹介を条件に掲載をご承諾いただきました。
先述の、90cmの主砲(ドブじゃない)のファインダー用?に25cmAPO-BINOを同架されただけでも衝撃的ですが、20cmAPO-BINOがサブ機ということも、垂涎を超えて仰天しますね。^^;

(今回は、EMSは新規でなく、複数確保しておられた古いEMSを活用されたものです。)



15cmF5-BINO at the elevation of 1675m / 標高1675mでの15cmF5-BINO(V-10)


 昨晩、標高1675m地点で春から夏の星空を観察しました。
0時53分が月の出なので、21時~24時のあいだ楽しみました。
自宅から約30分、現地に到着してクルマのドアを開けると予想していなかったオオジシギのディスプレイフライトの羽音がして、こんなところにもいたのかとうれしくなりました。
 8×40双眼鏡でジョンソン彗星の位置を確認、淡いけれどなんとか視認できました。15cmF5-BINO-Ver.10(のっぽくん2号)を組み立て、しし座、おとめ座銀河群、おおぐま座の系外銀河をながめ、高度が増してきた天の川の星雲、星団を巡りました。
おかげさまで、星図を見るときに先日作っていただいたメガネで快適に読み取ることができました。
 この夜、一番美しく楽しめたのはM11 Wild Duck Clusterでした。散開星団だけどまるで球状星団のように細かく密集した星々がひとつひとつ分離してきらめいて、自分が宇宙空間をM11に接近して眺めているかのような素晴らしさ、いつまでも見あきませんでした。

山本ゆ

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント:

 山本さんより、素晴らしい写真とともに、高地(標高1,675m)での観望リポートのメールをいただいたので、無理を言ってほぼそのまま掲載させていただきました。山本さんは、初期の15cmF8-BINO(のっぽ君1号)の熱心なユーザーさんでもあり、今でも2台のBINOを完璧に管理して愛用してくださっています。
一昨年の秋にそのBINOに再会させていただき、感激しました。)
 のっぽ君1号(15cmF8)は主にご実家で活躍しているかと推察しますが、のっぽ君2号の方は、こうした遠征観測にはもって来いの機動性を持っています。鏡筒単体管理なので、モデュールパーツの軽量、コンパクトさは徹底しています。愛称の”のっぽ君2号”は、1号機(のっぽ君1号)(F8)の弟というような意味だったと聞いています。(2号機は”のっぽ”ではない。^^;)
 山本さん、この度はまた素晴らしい観望リポートをありがとうございました。
また続報を楽しみにしています。^^



Silver Mirror reformed 15cmF5-BINO / 銀ミラー化リフォームの効果

1 銀ミラー化リフォーム

2008年に松本さんに15cmF5-BINOを作ってもらってから,ずいぶん楽しませていただいておりました。暗い空を求めて遠征することはもちろん,街中の観望会に参加して一般の方に覗いていただいておりました。お子様の目幅は狭いので難しいのですが,大人の場合は低倍率にしておけば目幅調整もあまり必要なく,皆様感動してくださっていました。

そのような中,先日,銀ミラー化のリフォームについてHPの記載を拝見し,遅ればせながら銀ミラーに変えてみたいと思い,松本さんにリフォームお願いしました。EMS本体1組のみを緩衝材でくるんで宅配便でお送りしたところ,超多忙な中,とても迅速にご対応いただきました。ドロチューブ(目幅調整用クレイフォード)の動き等を細々とチェックしていただき,すばらしい操作感に仕上がって戻ってきました。松本さんの迅速丁寧なお仕事にはいつも感謝しています。

2 ファーストライトの遅れ

リフォーム後の2月と3月には加入している同好会の「メシエ観望会」が予定されていたので,暗い空に遠征して銀ミラーの実力を試したいと楽しみにしていました。15cm屈折にEMSを装着して昼間の遠方のアンテナで光軸もばっちり合わせていたのですが,両方とも悪天候で中止となってしまいました。その後年度末になっていろいろ忙しくてなかなか遠征に行けず,歯がゆい思いをしておりました。

4月末になって,やっとまとまった時間がとれそうになったので,また,確実に晴れそうだったので,週末に南三陸町まで遠征して,やっとファーストライトに成功しました。

3 ファーストライト

観望地に着いたのは夜半前で,ちょうど夏の天の川が昇ってくるところでした。やや水蒸気はあるようでしたが,さすがに暗い空で,水平線近くまで星が見える澄んだなかなか良いコンディションでした(レタッチなしの現地の写真を添付します。いかに良い空だったかがお分かりいただけると思います)。

私は最近星景写真も撮るようになったので,ポータブル赤道儀にカメラをセットして撮影を開始したのですが,昼間の疲れもあり,少しうとうとしてしまいました。気が付くと1時間ほど寝てしまったようで,慌てて起き出し,さらにカメラをタイムラプス用の自動撮影に切り替えた後,早速15cmF5-BINOを設置しました。

天文薄明が午前3時ころなのであまり時間がありません。既に天の川はかなり昇っており,いて座も良く見えます。

今回は時間もあまりないので,とりあえず23倍(EWV32mm)で観望することとし,まずは沈みかけたしし座のトリオ銀河を狙いました。西側にはやや光害があるのと低空なのでいまひとつでした。そこで,M81,M82のペア銀河に移りましたが,こちらは高度が十分だったのでなかなか良く見えます。低倍率にもかかわらず,不規則な銀河の形と楕円銀河の形がはっきり分かります。続いてM51(子持ち銀河)を見ると,今までになくはっきりと銀河の腕が分かる感じです。M97(ふくろう星雲)とM108のペアもコントラスト良く今までにない見え味です。くじら銀河銀河のペア(NGC4631,4656)もなかなかでした。銀河の中でもすばらしかったのが,マルカリアンの銀河鎖です。この観望地で前に見たときは,23倍(EWV32mm)ではコントラスト不足ではっきり見ることができなかったのですが,今回は違いました。すべての銀河鎖が23倍(EWV32mm)でもはっきり見ることができて,これには驚きました。

その後,さそり座のM4(球状星団)付近を眺めましたが,NGC6144も余裕で見えます。圧巻はその後に流した天の川の中心部でした。この観望地で何度も見て,天の川は見慣れているはずなのですが,明らかに星の数が増えて見えます。まるで口径がワンランクアップした様に感じます。天の川の複雑な構造や暗黒帯がはっきり分かりました。多くの星雲星団が次々と飛び込んできて,うなってしまいました。M8(干潟星雲),M20(三裂星雲),M17(オメガ星雲),M16(わし星雲),M27(あれい星雲)はコントラスト良く今まで以上に美しく見えましたし,M13(球状星団),M22(球状星団),M11(散開星団),M5(球状星団)は微光星まで分離していました。はくちょう座も高く昇ってきたので,網状星雲に挑戦したところ,フィルターなしでも存在が分かり,感激しました。

また,彗星が2つも来ていたと気づいて星図で位置を確認して探したところ,2つとも(ジョンソン彗星,パンスターズ彗星)簡単に見つかりました。眼視では尾までは見えなかったものの,コマの広がりはきれいに見えて満足しました。

というわけで,薄明が迫る中,アイピースを変えるいとまも惜しいと思って,結局23倍のまま星空散歩を楽しみました。

4 感想まとめ

銀ミラーを使ってみて,星の数が増えたこと,23倍という低倍率でもコントラストが上がって楽しめることを実感しました。2回の反射それぞれで反射率がアップする効果がこれほどだとは想像していませんでした。数万円の出費で口径アップと同等の効果が確実にあったので,お得感(失礼!)もすばらしいと思います。

これからさらに暖かくなるので,ますます銀ミラーBINOを使い込んで楽しみたいと思います。松本さん,すばらしい楽しみを与えてくださったことに感謝いたします。

5 後日談

この日撮影した写真を披露したところ,なんとBINO仲間のWさんも同じ観望地の下の駐車場にいらしたことが分かりました。前からWさんのBINOと見比べたことがあり,Wさんのものは11.5cmセミアポながらかなりの見え味だったのですが,これはセミアポの力のみならず,銀ミラーの威力だったのだと今更ながら納得しました。Wさんには,「今度パワーアップした15cmBINOを見てね」と予告しています。同じ銀ミラーにしたので,15cmの集光力で,目の肥えたWさんをうならせたいと楽しみにしております。(^_^;)

宮城県 S

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント:

宮城県のSさんには、2008年製の15cmF5-BINO(VERSION-7)を愛用していただいていました。完成時には遠路よりBINOと対面していただいたのが印象に残っていますし、納品後もしっかりと運用していただき、何度もリポートをいただきました。

15cmF5-BINO(2008年8月3日)

メシエマラソン(2016年7月3日)

SさんのBINOの1年後にはEMSが全面的に銀ミラーに移行したわけですが、実はそれまでの20年間の間、アルミミラーもそれなりに試行錯誤と変遷を経ておりました。アルミ時代の最後頃(SさんのBINOもそれに当たる)には、アルミながら増反射コートの入射角特性まで研究し、EMSの入射角60度に特化したコーティングを施しており、単純に数値だけで比較すると、現在の銀に(1面当たり)2~3%の反射率の差くらいまで迫っておりました。というわけで、Sさんのアルミミラーは、比較的若い世代の高反射率のタイプだったわけですが、それでも銀ミラー化の効果がこれだけ認められた、ということで、別の意味で非常に意義あるリポートをいただいたと思っています。
(別の方も、単体のEMSと1回反射の天頂ミラーを客観的に比較された結果をご自身のブログでリポートしておられます。)

ですから、15年以上古いVERSIONのアルミミラーをご使用の場合は、さらに著しい銀ミラー化の効果を体験いただけるものと思います。

望遠鏡業界は非常に保守的ですから、「わずか数%の反射率アップのために、銀コートの劣化?のリスクを踏む根拠はない・・・」というのが大方の業者さんの見解のようですが、そうではないことは、私がこの8年間で証明しています。EMSを全面的に銀ミラー化して、早8年が経過し、のべ2,000枚くらいの銀ミラーを供給していますが、経時的な劣化をきたしたミラーは1枚もありません。(誘電体コートは、レンズの反射防止コートの裏の発想で擬似ミラーを構成するものですが、波長によって反射と透過を別けるため、広い波長域を確保するのは苦手で、またEMSのように入射角が60度もあると、いろんな弊害が生じます。)

Sさん、この度は15cmF5-BINOの銀ミラー化の効果について、詳細にリポートくださいまして、本当にありがとうございました。 また続報を楽しみにしておりますので、今後共よろしくお願いいたします。



130F7-APO-BINO (self assembly) / 自作

Dear Mr. Matsumoto,
For you info this was finished recently. I personally checked it out and it is fabulous.
It is saddled on a behemoth fluid head: Vinten Vision 30.
The objectives are also made by United Optics, tubes and clamps same as the recent 140ed binoscopes. 3.0 inch focuser by FT.
Pics atttached.
Regards,
Range
Comment by Matsumoto:
Congratulatinos on finishing another fine binoscope, and thank you for your timely posting!
Very simple frame-work, but sticking to the basics that promises the rigid and reliable structure.
Splendid!!
基本に忠実で、奇をてらわない設計が功を奏しているように見えます。
  いつもながらお見事です。


APM140APO-BINO / 自作

14rg1 14rg2 14rg3 14rg4 14rg5 14rg6 14rg8 14rg9

Dear Tatsuro,
Attached are pictures of a newly made 140F7 binoscopes. You have permission to post on your site.
It’s a 140F7 FPL 53 doublets with CNC tubes and ULS, total weight 19kg.
Regards
Range, China
Dear Range,
Congratulations on finishing a fine BINO, APM140-BINO!
Let me extend my biggest applaud to your feat!
Regards,
Tatsuro
Comments by Matsumoto;
This report is posted by Range, but this Binoscope was made by his friend.
 毎度ながら、見事な作品です。言語の壁を越えて、当サイトをよく学習してくださっていることが分かります。
(逆に、国内の方の一層の活躍を激励したいと思います。「言葉の壁はないのに・・」と、いつも苦言を秘めています。(言ってしまいました。^^;)
 そして、すぐに天狗になる方が目立ちます。安易に起業しても、失敗は目に見えていて、BINOの普及に貢献するどころか、混乱と妨害にしかなりません。 世界のレベルに目を向けてください。)

 

 

 



130EDT-BINO First Light / ファーストライトの感動

ny2016
 こんにちは、吉田です。昨日初めてこちらで BLANCA130EDT-BINO を地上用として使いましたので早速ご報告いたします。
 まずは明るい時間帯にきれいな風景の広がる河川敷に行きました。
● いきなり暗い夜空で初トライされるのではなく、最初に明るい昼間の地上風景にトライされたのは大正解です。

 

nyrv1
 現地に着くと、慣れない手つきながら、無事組み立てることができました。
 早速アーチの形をした鉄橋に向けてピントを合わせます。アイピースはハイペリオン31mm。BLANCA130EDT はF7なので倍率29.35倍。鉄橋にピントを合わせると、アイピースの左右の位置が若干ずれています。あれっ、と思ったら、鏡筒の右が左の鏡筒より少し後ろにずれていました^^;慎重に同じ位置に合わせ直します。もう一度ピントをしっかり合わせ、ここでEMSの垂直、水平方向の調整。平行法を駆使して合わせます。最初だけ、あれっ、よく合わないな、とちょっとだけうまくいきませんでしたが、すぐにうまくできるようになりました。
 そのピントの合った時の感動と言ったら。なんといっても立体感が凄い!( ゚Д゚) この日双眼鏡を持ってくるのを忘れてしまったのが残念でなりません。Σ(゚д゚lll)ガーン ただ、双眼鏡よりも遙かに立体感がありました。なんというか、目の前に迫ってくる感じです。(後日その場所を8倍の双眼鏡でもう一度見てみましたが、やはりBINOの圧勝です。)
 立体感のレベルは 「(BINO のD(中心間隔)/ 観察者の眼幅)× 倍率 」と松本さんの過去のメールにあったのを思い出しました。
● 地上物の立体感、空気感が何とも言えませんでしょう?^^
 以前のメールで松本さんが 、「BINO は星を正立でしかも双眼で見るために作った ものであるのだが、本当の醍醐味は天体よりも、至近距離の地上風景です。←意 外でしょう??^^あのくどいまでの立体感、臨場感は、地上の至近距離ならで はです。また、山の稜線からの月の出、低い黒い雲間をよぎる月等、身震いしますよ。地上の息吹と天体を同時に感じられるのが EMS-BINOの特権です ね。」と語ってあったのを思い出しました。(メールの記録を探し出したらありま した。去年の7月14日のメールです)
● 地上風景観察の楽しさについてのコメント、覚えていてくださって光栄です。^^;
 本当、天体を見るだけではもったいない、EMS-BINO は地上を見るには 最高の望遠鏡ですね。さて、次にもっと近くにある木を見てみます。何の木かは わかりませんが、枝が密集した木が何本か、たぶん20mくらい先に生えています。落葉樹のようで葉は一切ありません。面白いことが起きました。木の後ろ の方の枝と前の方の枝ではピントが同時に合いません。先ず木の後ろの方を見て みました。おおっ、木の枝などいつも見慣れているものがこんなにも美しく見えるのか。次に木の前の方にピントを合わせます。これも複雑に蜘蛛の巣が絡み 合ったような、何とも言えない不思議な世界です。おおー、と声をあげながらし ばし見入ってしまいました。

 

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 とここで気づいたのですが、これは双眼鏡でも同じ ですね。双眼鏡はとっても遠い距離はピントをいったん合わせると、ある程度近い方、遠い方同時に見ることができますが、かなりの至近距離になると細かくピ ント調整が必要です。つまり、極めて近い距離はちょっとでも離れるとピント調整をしないとピントが合わない。これは EMS-BINO でも同じことだなと。
● EMS-BINOを初めて地上物に向けた時の感動を、本当に素直に表現してくださいました。 BINOを納品して、 製作者が本当に待っているユーザーさんの反応は、実はそうした単純な感動なのです。 まずは双眼視できる感動、 像が正立であることの感動、それこそがEMS-BINOの本領なのですから。
 さて、北の方に洋館風のマンションがありましたのでそちらを見てみます。な んちゃって洋館風、です^^これも面白い風景でしたが、もしかして警察が近くに来てますと覗きで捕まるかもしれません((*_*;)さすがにちょっとの時間で やめました^^; 今度は東の方向、ゆめタウン久留米店という大型ショッピン グセンターがありますのでここを見てみます。下の方は鉄橋が邪魔して見えませ ん。なので屋上の方を見てみます。屋上には『 屋上P入口 』と電光の 看板があります。点滅などしていない看板です。そこにピントを合わせてみます。
 ”P”を中心にして平行法で合わせます。平行法を駆使すればピントが合う までの時間は一瞬です。ホントあっという間。縦方向にはちょっとでもずれているとすぐにわかります。
● この辺の意味が一般にはほとんど理解されていない、EMS-BINOユーザーさんでもマスターできていない方が多いことが残念です。 特に専門家と目されるような方で理解していないことが多いように感じています。光学機器の専門家(製造者、販売者共)になるほど、 光学器械のハード的な精度、剛性だけに注意が向き、より重要なソフトの要素に全く目が向いていません。EMS-BINOビギナーである吉田さんが 発せられたこの言葉の意義は極めて重要です。
 ただ、横方向は人間の眼の輻輳の関係でちょっとずれた だけではわからない。そこで覗いたまま光軸を合わせることはできないものか、 と疑問に思いました。そこでアイピースから目を離さず、覗いたままで水平方向 にノブを少し多めに回すと横方向に像がダブって見えます。まだ覗いたままここ で合っている、と思う位置までノブを回しました。次に目を離して平行法を駆使 して光軸を合わせようとしましたが、もう全く回さないで光軸は合っていまし た。
どういうわけか、水平方向のずれも結構敏感になった、といえばおかしいのですが、わかるようになった?のかもしれません。ただ、ここで天狗にならずに 基本に立ち返って平行法を使った方がいいでしょう。次に縦方向、水平方向、少 しばかりわざと光軸をずらしてそのまましばし風景を眺めていました。どちらも なんだか頭が混乱する、というか気持ち悪くなり、ずっと覗き続けていられませ んでした。もっとも、水平方向にずれた方が気持ち悪さはありませんでした。 やはり縦方向にずれている像はホント気持ち悪い。
● はい、PCのモニターを数時間見ていてもさほど疲れませんが、その時、私たちの視線は片方で5度くらい、 両方で10度くらい輻輳していますが、その意識は当人には全くありません。未熟なユーザーさんだと、そのくらい光軸が内寄り になっても不思議はないのです。(最近はX-Yノブにリミッターを装備しているので、実際にはそれは起こらなくなりましたが。)
まとめますと、右のEMSに光軸調整機構があるという前提ですと、視線平行に対して右の像は右にはそのまま動きますが、 左については、輻輳が伴うと、全く動かないか、動いてもわずかしか動かないのです。輻輳という、生活に必須な能力が、 正しい調整の邪魔をするわけで、その眼の反射(本能)を制御するコツさえ覚えれば、私たち自身の眼が測定(調整)原器となるのです。
当初は苦手な方でも、訓練次第で誰でも身に付けられる技術です。唯一いつまでも出来ない方は、自分が出来ないことを認めない方だけです。
  また、X,Yノブは恐る恐る動かすよりはちょっと大きめに動かした方がか えって合わせやすい、とのことも実感できました。
● 良い学習をされましたね。 天体望遠鏡を門外漢の方に覗かせると、器械を壊すのが怖いのか、合焦ノブを超スローで回すので、 ピントの山が全く掴めないのと似ていますね。光軸調整も同じで、むしろ大胆に素早く、大きく動かすのが輻輳を排除するコツです。視軸ロックのコツさえつかめていれば、オーバーとアンダーが明瞭に分かるので、調整は瞬時に終わります。その意味では、「EMS-BINOのXY調整は、高倍率になるほど楽だ」、ということも言えます。この点、EMS-BINO未経験の方は、憶測から全く逆の情報(「倍率が高くなると光軸調整が大変だろう・・・」)を流布させています。(市販の光軸固定の大型双眼鏡の価値観だとそれが常識ですがね。)
 ここで至近距離だとXノブを大きく動かす、チルトさせることになりますが (ええっと、どっち方向だったかな?時計回りか反時計回りに回したか、忘れま した)あまり回しすぎずに近くを見る場合はストレスと感じない程度に輻輳させ て見た方がよい、と松本様はおっしゃっていたと思いますが間違いなかったで しょうか?
● はい、至近距離になるほど、Xノブを反時計回りに回すことになります。 それは、内(左)に寄り過ぎた右鏡筒の像を右に戻す操作です。 しかし、私たちの日常生活がそうであるように、BINO で至近距離を見る時は、必ずしも平行視線にこだわる必要はなく、 適当に輻輳して見れば良いのです。 当然、その時、視野円は目標の近さに応じて雪ダルマ状にだぶるのが正常です。
 あと、PST-BINO がこの光軸調整に関して大きくプラスになったように 感じられました。PST-BINO はいつも太陽を見る前に両方とも左眼で(私 は左眼が利き眼)片方ずつ太陽が同じ位置にあるのかチェックする癖がついてい るのですが、これをずっとやっていると以前はあまりわからなかった水平方向の ずれも敏感になりました。(つまり、左の鏡筒は真ん中に太陽があるとする、そ のとき右の鏡筒は太陽がやや右か左に偏っているとする、この場合、そのずれも 気づくようになりました。その場合は最初から両方いっぺんに覗いてみてなんだ か違和感を感じるようになった、以前はほとんど気づかなかったのに)それの延長線上として BINO を覗いた方の水平方向のずれもなんだか違和感を感じるようになった?のかもしれません。素人の浅はかな考えかもわかりませんが。
● そうですね。これまで使用して来られたPST-BINOのご経験も確実に役立っていると思います。
 ここまでやってきて光軸調整は少しも難しいものではなく平行法を使えれば一 瞬にしてできるものだと心底納得できました。人間の眼が測定原器となると松本 さんのHPにありましたが本当に凄い!ことです。
● よくぞ言ってくださいました。 そこなんです、お伝えしたいことは。
 それはいったいどういった感覚 か、と例えるならば、1000ピースの大きなジグソーパズルがあるとしましょ う。そのパズルは右上、左上、右下、左下の四つに均等に四分割されています。 その間のピースは縦1列、横1列、まだはまっていないものとする。そのきれい に四分割されたジグソーパズルの水平方向のピース、垂直方向のピースが一瞬に して埋まるような感覚、とでも言えましょうか。まぁ、抜けたピースはなくてそ のまま上下、左右方向四つが組み合わさる、といってもいいかも知れません。も しそれができたら大変面白いことです。今回それと似たようなものを感じました。あまりの簡単さにアッハッハッ、と笑いが止まりませんでした。
● ジグソーパズルですか、面白い例えですね。
 不思議に思いましたのは、双望会などで約半分のBINOは光軸が狂ったまま になっていた、とかいう記事を松本さんのHPで見たことです。(まだ初期の双望 会だったと思いますが半分くらいは狂っている、だったかな、確かそのような記 事があったような気がします。実際にやってみると水平方向に少しずれていても 私は違和感を感じたので本当かいな、と思わず疑ってしまいました。なんだか比喩が入っているような?)つまり、BINOのオーナーの方でも調整技量があまりない方だと、水平方向にかなりずれていても違和感を感じない、ということだと思いますが間違いないでしょうか。
● 間違いありません。 BINO の光軸調整は、先天的なセンスのようなものが確かにあります。 BINOユーザーになった 最初から平行法が出来る方が一定の割合(印象的には10人中5人くらいか?)あり、同様に苦手の方もあります。 当初は苦手であったも、その意義を素直に認める方はいずれ出来るようになります。 一番厄介なのは、光学知識に 自信がある専門家や、アマチュアの指導的な立場にある方で平行法ができない場合です。意識がハードばかりに向いているため、 自分自身の眼のソフトの面の重要さを認めようとせず、機材の未熟さや欠点のせいにしようとします。そうした方は何十年経っても調整 に関しては初心者のままです。
 さて、いろいろ地上風景を見るうちに日も暮れてきました。そろそろ上に鏡筒を向けてみましょうか。午後7時ごろでしたが、木星が南の方向にまばゆく輝いていました。(この日、傾斜センサーは使いませんでした。ちょっと時間がないので、もうちょっと時間がある次の機会で)さて、ドットファインダーのお出ま しです。習った通り右の鏡筒に取り付けます。(私は左が利目だったので右に取 り付けるように、とのことだったので)電源を入れると赤の点が中央に見えました。そこを木星に合わせて覗いてみると。おおっ、ど真ん中に木星が来ているで はないですか。なんと簡単なのか、と笑いながら感動しました。これいいです ねぇ、病みつきになります(笑)
● ドットファインダーも両眼解放で(平行法)使用するのが正解で、それをマスターしておられることが 分かるコメントです。古参マニアでも片目で覗く方が意外に多く、困ったものです。 両眼解放で見るコツを覚えれば、 覗き窓の大きさの制約など全く関係なくなります。 空の視野全体の一点に視差なく赤いドットが投影(虚像)されるのですから、 導入は瞬時に可能になり、本当に感動します。 また、ドットファインダーが両眼解放で覗けるようになれば、BINO の平行調整も免許皆伝とも言えるのです。
 ピントを合わせていきます。最も点が小さく なったところでフォーカサーのノブを止める。しかしそれにしてもクレイフォー ドというのはすごく使い勝手がいいですね。鳥取訪問時に詳しくご説明頂きあり がとうございます。こうやって詳しく仕組みを知ることができると、まぁ、知ら なくても使えるのでしょうが、やはり感動もひとしおです。木星は30倍なので そんなに大きくは見えませんでしたが、それでもこんなに明るく見えるのか!と 大いに感動しました。本当に望遠鏡とはわくわくさせてくれる道具ですね。双眼 ですからその感動も倍以上!になります。
● 双眼だと、倍率は3割くらい大きく見えます。
 中軸式架台のスムーズさにもびっくり!です。思った以上にスムーズに動き、 とても使いやすいです。松本さんがいままでとてつもない苦労をして私たちの目に 見える形に具現化された究極の形である、といえるのでしょう。(製作の合理性 や鏡筒の運搬の負担の軽減、光軸の整合度、スムーズさなどありとあらゆるもの を含めて)
● ありがとうございます。 重心が垂直回転軸と極力合致するように配慮しました。 いくら軸がなめらかでしっかりしていても、仰角によって重心が移動すると、非常に使い勝手が 悪いですから。
 ハイペリオンアイピースの覗きやすさにも驚きました。アイレリーフが長くて 本当に覗きやすい!価格もそんなに高くないのでもっとこんなアイピースを他のメーカーさんも出してほしいですね。とにかくハイペリオンさまさまでした。
● ハイペリオンをご予約、確保させていただいた後で、MASUYAMA32が出てしまいました。 それぞれ個性があるアイピースなので、いずれ両方共試してみられてはいかがでしょう。
光害地なので明るい星しか見えませんが、それでも望遠鏡で見ると見えない星 がいくつも見えます。本当に暗いところで見たら、いったいどのくらい星が見え るのだろう。ワクワクしますね。ここで、その望遠鏡でしか見えない星で平行法 をやってみました。地上風景でできたのだからできないはずはないと思いまし た。やってみると本当に簡単で水平方向、垂直方向、いずれもEMSのX,Yノ ブで簡単に合わせることができました。むしろ、地上風景より簡単に感じたくら いでした。
● 吉田さんが平行法を確実にマスターされたことが分かって、大変嬉しいです。
 忘れ物がないように慎重に、BINO を撤収しました。BINOの周りを忘れ ものがないか何度も何度も確かめました。よしっ、忘れ物はない、帰ろうっと。
帰りの車の中でグレゴリオ聖歌とある映画のサントラのオペラのアリアを聞きま したが、これまでにないほど美しく聴こえたのは言うまでもありません。きっ と、BINO の感動の体験が心に深く刻まれたのでしょう。
● 久しぶりに素直な感動をストレートに表現されたリポートをいただいたような気がします。
 まだ興奮冷めやらぬ状態です。まだ正式なレポートをお送りするのは文章も含 めてきちっとしたものを出したいのでもうちょっとかかると思います。お待ちください。
● 編集していない最初の感動のメールも、それはそれで意義があると、私は思います。 でも無理強いはしませんので、当サイトに掲載の件、ご検討くださいませ。
  今年も残りあとわずかとなりました。松本さんもやんごとなき立場、で本当に大 変だと思いますが、くれぐれもお体にはお気を付けください。『メガネのマツモト』さんのより一層のご活躍をお祈りします。(2016年12月31日)
                                        福岡県  吉田直樹

 

ありがとうございます。これからも頑張り続けるエネルギーを充填していただいた気がいたいます。 続報を楽しみにしております。 この度は素晴らしいファーストライト-リポートをありがとうございました。

 

★ 後記 by 松本;
 吉田さんは、福岡県出身で、33歳、自称望遠鏡初心者ということですが、むしろ新鮮な感性を持っておられ、 当方の説明を常に海綿のように吸収されます。吉田さんには、BINOのご検討中の2015年の夏と、130EDT-BINOが完成後の2016年12月後半に(合計2回)ご訪問いただきましたが、完成BINOと初対面いただいた12月には、当方との交換メールを分厚いファイルにして持参され、大変感銘を受けました。
 ここで、自称エキスパートの方々には、このリポートで再発見というか、 再確認していただけるものがあるのでは?と思う次第です。 今一度原点を振り返っていただくのも、またEMS-BINOの 醍醐味を再発見していただく良いきっかけになるのではないでしょうか。
(ご説明は重要ですが、未消化のまま情報だけを多く取り入れられても弊害の方が多くなります。懇切にご説明するほど、逆に「EMS-BINOは面倒くさいものなのか?」と誤解されることを恐れています。実際、業界の方の中にも、「私は星が見たいのであって、光軸調整がしたいのではない!」と当方のBINOに対して誤解に基づいた辛辣な中傷をしている方がいるのを知っています。実際には、EMS-BINOのX-Y調整ノブは、上下と左右の調整が完全に独立しているため、個々のユーザーさんが納得の行く眼位に瞬時に簡単に持って行けるのです。 ですから、ここで延々と議論する必要もないほどなのです。 ただ、未熟なユーザーさんが納得している状態が必ずしも他の人にも快適な光軸状態ではありませんよ、ということを知る謙虚さも持っていただきたいと思うのみです。)


160mm Apo-BINO by Mr.Thomas Möller / 16cmアポBINO(自作)

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Dear Tatsuro,

After several modifications my binoscope now seems to be (almost) complete. Here is a short summary of the main features:

  • 160 mm f/6.5 apochromatic, oil spaced triplet lenses

  • EMS-UXL-Premium light erecting systems

  • telescope built with lightweight carbon components, total weight 11.8 kg (whole telescope)

  • stiff single arm centre mount

  • stiff lightweight carbon tripod

The total weight of the instrument of ~ 16.2 kg (telescope, mount and tripod) allows easy use and transportation to a dark site. For me it is the final telescope. Some more detailed information can be found here:

http://www.cloudynights.com/topic/542819-a-160-mm-63%E2%80%9C-f65-binocular-telescope/

Thanks a lot for all your support, the EMS units were a fundamental ingredient for building it.

Best regards

Thomas

http://www.cloudynights.com/page/articles/cat/articles/a-160-mm-63%E2%80%9C-f65-binocular-telescope-r3059

Comment by Matsumoto;

Dear Thomas,

Thank you for your mail. I am very happy to hear from you after a long time. Congratulations on your splendid binoscope finished. Actually speaking, I had noticed your binoscope in the Internet. I would love to put your News on my web page, Thank you!

>For me it is the telescope I was dreaming of for many years. You may be surprised, it is the only telescope I own. It shows me all I like to see
in the most beautiful way, open star clusters, the milky way, galaxies
with spiral structure (M31, M51, M33..) the moon and planets. Thanks a
lot for helping me to realize such nice  project.

I am extremely happy to hear that. And I am amazed by your planning sense and craftsmanship. You did a splendid job!!

best regards
Tatsuro

見事なBINOです。EMS-UXLのみを求められて、後は架台を含めて全て自作(外注含む)された物ですが、言語の壁を乗り越えてEMS製作者の意図を十分に汲み取り、機能的にも美観的にも卓越したBINOを実現されました。 Thomasさんの技量と美的センスに最大限の拍手を送りたいと思います。

http://www.cloudynights.com/page/articles/cat/articles/a-160-mm-63%E2%80%9C-f65-binocular-telescope-r3059



12cmF5-BINO on the smaller Center Mount / 軽量中軸架台仕様&目幅スライド

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12cm F5 BINO  レポート    愛知県 てる

 まず初めにこの度はこの素晴らしい双眼望遠鏡の製作をして頂いた事に深く感謝いたします。

又受け取りの際にはせっかく鳥取まで行くとの事で、小旅行を兼ねて夫婦でお邪魔させて頂き、申し訳ありませんでした。

以前より双眼鏡ファンであった私は、雑誌等で松本様のEMSを使った双眼望遠鏡が非常に気になっていて「一度覗いてみたい」と思っていたところ、「双望会」の存在を知り参加する事にしました。

初双望会で事もあろうに初めて覗いたEMS双眼望遠鏡が「TOA130+ナグラータイプ4 22mm」という素晴らしい組み合わせで、覗いた瞬間 「凄いクリアーな視界! 星々の色がめちゃくちゃ美しい」今までに経験したことが無い美しい視界に目から鱗が落ちる思いでした。

これ以後、言うまでもなく恐ろしい病にかかってしまい、寝ても覚めても「EMS双眼望遠鏡がほしい・・・」とかなりの重傷ぶりでした(笑)。

今回のオーダーに当たって使用する鏡筒は迷いなく決めていました。 観望の対象は「彗星」と決まっていましたので、倍率は低めで広視界が前提となるので、F5のアクロマートで十分と考え決めました。(彗星が無いときは星雲・星団にも使いますよ~)

もちろん予算の関係もありますが、高倍率で見るのは主に「惑星」となる為、こちらの方はアポクロマート屈折+双眼装置に任せるので問題なしです。

口径については所有の双眼鏡が「フジノン40×150ED」と「ミヤウチ20×100」が有りましたので、大きく重いフジノンは稼働率が低く又、10cm以下はプリズム双眼鏡に任せるという判断で 12cm と決めました。もちろん7~8cmも気にはなりましたが、こちらは今後の楽しみという事にしておきます。又、架台の方は出来るだけ稼働率を上げる為少しでもコンパクトにしたかったので小型中軸式架台としました。

出来上がりの主な仕様は

・軽量中軸架台

・左右鏡筒一体搭載方式

・右側鏡筒スライド式目幅調整

・EMSはULS

・3インチフォーカサー

・架台延長筒+ハンドルユニット(兼カウンターウエイト)+ドットファインダー、といった感じで、オリジナルのケンコー120SEはあまりカッコ良いとは言えませんが、出来上がりはなかなか精悍になっていて ほっとしました。

まず初めに実際に使ってみての感想・気が付いた事(主に操作性)を箇条書きにしてみました。

①高度軸径が小さいのでクランプの効きが弱く、鏡筒の前後バランスをしっかりとっておく必要がある。

②右側の鏡筒が目幅調整の為スライドするので、こちら側の鏡筒ハンドルを持って向きを変えると視線方向がわずかにズレ、その都度ミラーの微調整が必要。

③予想より結構重く、一体搭載としては私にとって限界的な重量か。

12cm F5 BINO 12kg

フジノン40×150ED 18.5kg+27kg+8.3kg=53.8kg

ミヤウチ20×100 5.7kg  (本体)

参考ニコン20×120 16kg(本体

④ガタ無くスムーズに動く架台は気持ちがいい!

⑤当たり前ですが90度対空は疲れ知らずに長く観察出来る。(フジノンの直視での天頂付近は地獄です)

⑥優秀な現代の2インチアイピースが使えるメリットは計り知れない!

以上揚げましたが、①は初めから予想出来た事であり、②はフロント側にもクランプを追加する事で解決しました。 又③は使用頻度を高くする為の許容重量という点での感想であり、私個人が鍛えれば良いだけ?  の話で、いずれも「欠点」とは考えなくて、「特性」と捉えています。

つぎは気になる光学面、つまり見え方ですが、私はこのBINOに「どこまでフジノンに迫れるか」を期待していましたので、倍率と視界がなるべく同じにして観察してみたいと思っていますが、なかなか天気にも恵まれないまま日にちだけが経過してしまいましたので取り敢えずは第一報とさせて頂きます。

次の機会は下記の対決❓を報告させて頂きます。

フジノン 40×150ED   実視界:1.7度 見掛け視界:68度

12cm F5  EMS BINO 実視界:1.8度 見掛け視界:68度   (使用アイピース:SE社 16mm)

Comment by Matsumoto;

てるさん、12cmF5-BINO(特別仕様)のリポートをありがとうございました。

ご希望に従って、この口径クラスでは微妙に判断が分かれる、一体構造BINOでかつ鏡筒スライド式、かつ軽量中軸架台仕様という、何重にも冒険的な仕様に挑戦してみました。 何とか仕上がった、という意味では成功でしたが、工作の手間と見返りを考えると、微妙な結果となり、少なくとも定番として継続仕様とするに至っていません。 難点も多く残してしまいましたが、上手に使いこなしてくださっているようで、嬉しく思います。 また続報を楽しみにしています。^^

当BINOの製作記は、製作情報速報の2015年12/52015年12/30頃まで掲載しております。



FC100DF-BINO(Self Assembly) / 自作

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Dear Tatsuro,
Finally, I completed the 4″ refractor FC-100DF binoscope assembly,
It’s a view of fantasy, nothing can be compared.
I took apart of it and taught my friend (the binoscope’s owner) how to assemble it by himself today, it took me half a day, much longer than my expectation, then I finally aware of something 🙂
let me share it with you…
People with some basic understanding or experience, only very basic is enough to learn quickly. but if people are lazy or hesitate to try or people with strong subjective (generally it’s wrong), they are really hard to learn new, they can not master binoscope well for sure.
However, I completed the “technical transfer” and my friend did adjustment pretty well at the end.
I have to thanks for your very good instruction in Web, and your great product.
Thanks
Regards
Ted W. , Taiwan
Comment by Matsumoto;
Thank you Ted for allowing me to introduce your e-mail report in my website.
Congratulations on your finishing the fine binoscope, and I am much appreciative of your effort in sharing your experience with your followers in your country.

 



傾斜センサー0N C8-BINO (YAMANEKOさん、北海道) / Altitude Sensor on C8-BINO

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北海道のヤマネコです。
数年前に四国のYさんにシュミカセC8、2本とEMSを譲っていただきました。
最初は、TG経緯台やGP赤道儀を経緯台に改造したものに載せていました。
しかし、数ヶ月前にロスマンディのAZ8経緯台を入手しましたので、シュミカセ2本が搭載できるように改造してみました。
また、シュミカセも現行のものに変更いたしました。

しかし、垂直のエンコーダがどうしても取り付けることができなかったため、傾斜センサーについて、松本さんにご相談いたしました。
自分がアストロデバイス社のNEXUSを手持ちしていたところから、当初、NEXUSと傾斜計を接続するつもりでいました。
しかし、松本さんからはNEXUSを使用しないで、新しい傾斜計を使用することをご提案されました。
そこで、新しいタイプの傾斜計をお譲りいただきました。
架台は写真のようにアルミ板を加工し、傾斜センサーとエンコーダも無事に取り付けることができました。

ロスマンディのAZ8経緯台は、G8赤道儀と同様に、フリーストップで微動が使えますので、非常に快適です。
さらに、傾斜センサーとエンコーダとSkysafariの連携は、同期、導入ともにすばやく非常にグラフィカルなので、快適です。

C8鏡筒は筒外焦点距離をかなり引き出しているため、F=12くらいになっているでしょうか。常用アイピースはXL40で、約60倍、視野1°だと、M81、M82が同一視野に入り、M8やM33もちょうど、視野内に収まります。

月や惑星では、XW20やXW10、ナグラーズームに換えます。もしかすると、20cmの口径が生かされていないかもしれませんが、双眼で見ると大迫力です。

また、シュミカセで2度反射、またEMSがアルミメッキなので、光量のロスがあると思います。近いうちに、EMSを銀メッキをお願いしようと思っています。

その他にも少しずつ手を入れて、使いやすくしていこうと思っています。

北海道、ヤマネコ

Comment by Matsumoto;

The Altitude Sensor is set on the center of the base plate in the first photo.

The Sensor, I have developed with my friend, includes WIFI system; and it offers the perfect PushTo System with SkySafari on iPhon or iPad.

この傾斜センサーは、私(ケース加工担当)と友人(電子回路担当)の手作りで対応しており、生産台数が少ないために積極的に宣伝して来ませんでしたが、このご投稿のように、将来に向けても、大きな可能性を秘めたシステムです。当初は、NEXUS等のWIFIアダプターと併用するものでしたが、AAS-2以降、そのWIFI機能まで包含し、単体で水平軸エンコーダと併用することで、SkySafari(Pro or Plus)が使用できる仕様となっています。

(共用する水平軸エンコーダは、当方の中軸架台用の10,000ステップがデフォルトの設定になっており、それ以外のステップ数のエンコーダを使用される場合は、SkySafari側の設定の他、傾斜センサー側の設定(やや複雑)もマニュアルCDに従って行っていただく必要があります。)

進取の精神にあふれたヤマネコさんらしく、C8-BINO と傾斜センサーを上手にコラボさせられました。架台の使い方もお見事です。 ご投稿、ありがとうございました。

 



FC100-BINO (by Mr. James Witt, in Pine Arizona USA.)

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Comment by Matsumoto:

Here came a report of FC100-BINO after over several years.

The photo of the old EMS sets brings back memories of the former specs.

Anyway, I am very happy to hear from you after a long time.

Congratulations on finishing your fine binoscope. I hope this binoscope will serve you for many years to come.

8年くらいのタイムラグが生じてしまいましたが、初めて、完成したFC100-BINOの写真を送ってくださいました。

旧タイプ(8年くらい前か?)のEMSセットも懐かしく見せていただきました。 クレイフォード式の目幅調整、当時が思い出されます。

 



BORG55FL and 71FL-BINO

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Hello Tatsuro,
Thanks for your great product,
In January, I started my first EMS-Binoscope, a pair of mini Borg 55FL.
everyone in my local astronomy club were amazed by its outstanding performance.
People in here were all unfamiliar with EMS-Bino,
that’s my pleasure to intruduce the great product to them.
last month, I try to assembly a Borg 71FL Bino in EMS-US, that even better a lot than 55FL.
Attached are the pictures of my 55FL and 71FL BINO and some sketch by 55FL EMS.
Regards
TS Wang,Taiwan
Comments by Matsumoto:
Dear Ted,
Congratulations on finishing your fine binoscope and mastering it for the field use!   I was amazed by your fine craftsmanship and the good aesthetic sense.   I am very proud of you!
Best regards,
Tatsuro


APM123APO-BINO follow-up report-1

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I’ve attached some recent pics of the binoscope.
The project is slowly coming to its fruition.
Regards,
Range, China
Comment by Matsumoto:
 I will introduce the follow-up report of the APM123APO-BINO by Mr. Range, China.
 *******************************************
Dear Range,
Thank you very much for the additional photos.
They look more impressive than the ones I watched before.
This time, I noted the custom made 65mm end adapter. It is so fabulous!
May I introduce them in my website as your new post?

Best regards,
Tatsuro

 



Won in the Messiah-Marathon / 双眼望遠鏡でメシエマラソンに参加してきました!(宮城県S)

1 初めての参加

2016年4月9日(土)から10日(日)にかけて,福島県田村市にある星の村天文台でメシエマラソンに初参加してきました。110個のメシエ天体のうち107個を指定され,一晩でどれだけ見えるかを試みるものです。メガネのマツモトさま制作の双眼望遠鏡の威力を改めて実感したのでご報告します。

このイベントは見えたかどうかは自己申告なので,お気楽なマラソンです。宮城のBINO仲間のWさんから誘っていただきました。本来,午後4時には開会式があったのですが,私は午後6時30分頃,遅れて参加しました。

天文台の砂利敷きの駐車場が観望会場となっており,私が到着して受付を済ませた時にはみなさんセッティング済みでした(写真1)。私はWさんが確保してくださっていた隣のスペースに愛機(15㎝双眼望遠鏡,非銀ミラー)を出しました。Wさんも11.5㎝双眼望遠鏡での参加で,二人とも双眼鏡部門にエントリーしました(他に,自動導入望遠鏡部門,手動導入望遠鏡部門があり,全30名程度エントリー)。

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<写真1> セッティング風景: このとおり南東方向の見通しは良好です。広々した駐車場にみなさんゆったりと陣取りました。

2 宵の口

まずはウオーミングアップ,夕焼け空の月齢1.9の月を導入です。地球照が美しく,すばらしかったです。Wさんからその下あたりに水星があると教えてもらい,探し出すこともできました。

あたりがだんだん暗くなってきたので,最初にM31(アンドロメダ大銀河)を探してみたのですが,これが見つかりません。西方には分厚い雲が残っていたのを割り引いても,薄明の中では見つかりませんでした。当然さんかく座のM33もM74も無理でした。M77は厚い雲のため断念しました。次に,カシオペア座のM52を探してみたものの,既に北西の山の端に隠されていました。薄明の中,出だしからずっこけたのですが,気を取り直して,M103,M34,M45(プレアデス)等を眺めてM76(小亜鈴星雲)に挑戦しました。これは難物でしたが,薄明も終わった頃,何とか頼りない姿を確認できました。

 

3 冬の星座

午後8時頃からは冬の星座のメシエ天体を片っ端から見ようとしたのですが,西からけっこう雲が流れてきています。しかし機動力ある経緯台・手動のおかげで,雲が去るのを待ちながら観望できました。低空の雲に阻まれたうさぎ座のM79とおおいぬ座のM93を除き,冬のメシエ天体は概ね見つけられました。

このころからは少し余裕が出てきて,お隣に陣取った方とも歓談しつつ,いろいろなメシエ天体を見ていただきました。また,Wさんの双眼で木星を一緒に拝見しましたが,好シーイングとさすがセミアポの解像度!ガリレオ衛星はもちろん,大赤斑も縞模様も美しく眺められました。

 

4 北天

夜半前は北天しか晴れておらず,北斗七星からりょうけん座にかけての銀河を見ました。広視野でのM81とM82のペアは見応えもあり,お隣さんにも喜んでいただけました。これに気を良くして,他の貧弱な銀河を「押し見せ」してしまったのですが,関東からわざわざマラソンに参加された方だけあって,快くつきあっていただけました。

 

5 夜半

その後,残念ながらほぼ全天が曇ってしまい,身体もかなり冷えてきたので,Wさんと一緒に休憩することにしました。天文台内に入ると,うれしいことにお湯や味噌汁,コーヒー,紅茶等が用意されていました。配給された菓子パンで燃料補給しつつ,他の参加者のみなさまとも交流できました。

1時間ほど休んで外に出てみると,雲が少なくなっているではありませんか。元気も出たので,早速探索を再開です。春の銀河がたくさんあるので,ここからがなかなか骨の折れる作業でした。特に,おとめ座銀河団を一つ一つ特定していくには時間がかかりました。しかし,実視界が3度以上ある正立双眼で,星図と比較することが容易でしたので,順調に特定できました。空の暗さもまずまずで,南の低空に光害があるものの,メシエ以外の暗い銀河(くじら銀河やエッジオン銀河など)も結構楽しめました。

 

6 夏の星座

午前2時過ぎには雲が消えてほぼ快晴となりました。夏の星座も昇ってきて,夏の天の川に沿ったメシエ天体もどんどん見つけられました。しかし,南東低空には雲が居座っており,いて座あたりは断念していました。

お隣さんにはM13,M8,M11,M27などの有名どころを見ていただきつつ,私は受付時に配られたメシエ天体表(エントリーシート)を見ながら,見逃したものがないか,Wさんと声をかけあいながら慎重にチェックしました。WさんはタブレットPCの星図と双眼の視野とを同期させたハイテク装備でしたので,メシエナンバーを聞いても即答してくれました。チェック漏れがないことに安心して,記念撮影をする余裕も出てきました。コンパクトデジカメを三脚に固定して,愛機と天の川を一緒に写せました(写真2)。

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<写真2> 愛機と天の川: Canon PowerShot S120 星空モードで撮影

また,へびつかい座にリニア彗星があったと気づき,双眼望遠鏡で探したところ,かなり明るくてすぐに見つかりました。急いでポータブル赤道儀(TOAST TP-2)とカメラを出して観望の合間に撮影しました。視直径が割に大きく,彗星らしい緑色が印象的でした(写真3)。

 

7 ラストスパート

午前3時頃には東の稜線からM15が昇ってきましたが,午前3時30分過ぎには早くも天文薄明が始まります。その後にM2,M72等も昇ってくるのですが,夜明けとの競争です。何とかこれらをこなしていたところ,Wさんが南東低空が晴れていると教えてくれました。薄明が進んでいるものの,いて座の球状星団を見るチャンス到来です。見える!見える!M69,M70,M54,M55,M75と次々と捉えることができました。球状星団は銀河と違ってかなり明るい芯があり,薄明中でも十分見つけられました。他の方々が撤収を始める中,Wさんと夢中で探索しました。しかし,ついに明るくなったのでM30は断念しました。そして撤収ですが,シンプルな作りなので楽なものです。所要時間は5分以内です。

 

8 結果と感想

結局,夕方と明け方の薄明で見えなかったものが8個,雲に阻まれたものが2個で97個を観望できました。天文台に97個のチェックを入れたエントリーシートを提出し,予約していた仮眠布団に潜り込んで爆睡しました。

3時間弱の仮眠後,午前8時から閉会式が始まりました。結果発表があり,私が全体(自動導入望遠鏡部門も含む)の1位,Wさんも95個で2位となり(大野台長より「確認証」までいただきました!),双眼望遠鏡の探索力を裏付ける結果となりました。見つけるだけなら,広視野で明るく,両目で正立像が得られる双眼鏡が圧倒的に有利です。もちろん,倍率を上げればM天体を美しく眺められます。私は賞品としてビクセン製50㎜双眼鏡までいただいてしまいました。

仲間とワイワイ観望でき,好成績も残せ,賞品までいただけて,とても楽しいイベントでした。星の村天文台のみなさまには心づくしのおもてなしをいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。探索と観望の楽しみを与えてくれたメガネのマツモトさまにも改めて御礼申し上げます。また機会があったらぜひ参加したいと思います。

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<写真3> リニア彗星: Canon EOS kiss X7 改造  デジボーグ55FL 望遠レンズセット  ISO3200 120秒×5枚コンポジット

 

管理者のコメント(Comment by Matsumoto)

宮城県のSさん、そしてWさん、メシエマラソンでのお二人同時ご受賞おめでとうございます。 また、素晴らしいご体験の感動を共有させていただき、ありがとうございました。

SさんWさんには、今までにも何度かこのコーナーにご投稿いただいていますが、また久しぶりにお元気でご活躍のご様子が伺え、大変嬉しく思います。 今後ともよろしくお願いいたします。

 

 



APM123APO-BINO(self made) 自作

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Good news to report! The 123 apo binoscope has been finished and it is just awesome. I thank you for your wonderful products and helpful guidance throught my making!

Range,  China

Comment by Matsumoto / (管理者のコメント)

Congratulations on your finishing such a fine binoscope!

I would like to extend my best admirations on your excellent craftsmanship and effort in conquering the language barriers.

(The author is posting his reports in “Cloudy nights forum“.)

EMS-ULSセット(ヘリコイド目幅調整仕様)のみを求められて自作されたBINOですが、非常に完成度の高い、見事な作品です。CLOUDY-NIGHTSフォーラムにも詳細を投稿しておられるので、ぜひ参照してみてください。

 



Borg100-BINO (self made) 自作

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I have just received a hot report from my client who had successfully assembled his BORG100-BINO with the EMS-UL set. (Matsumoto)

EMS-ULセット(時間差で左右をお求め)を使用して、BINOを自作された方から、完成のメールを頂き、当コーナーへの掲載を快諾いただきました。

BORG100(アクロ)BINO(自作)

先般、一月以上前ですがEMS-UL (R用、X-Yノブ付き)を購入したものです。
以前いただいたアドバイスに従いBINOの作成、稼働ができましたのでお礼も込めご連絡させていただきました。その節はいろいろごお教えいただきどうもありがとう ございました。

BINOにつきましては画像のように製作というほどのものではない、ただアルミプレートに穴をあけて2本の望遠鏡を固定しただけのものではありますが、シンプルな構造ゆえ操作的に不安がない剛性十分なものになりました。
取り付け穴の余裕を利用し64mm-65mmの範囲で目幅調節が可能で、かつ光軸水平方向の調節もうまく行うことができております。
垂直方向の光軸は鏡筒の脱着を行ってもほとんど狂うことはなくとても軽快な構造です。

光軸調節についてはともかくX-Yノブでの微調節がとても分かりやすくそのおかげで鏡筒の着脱などもストレスなく行うことができているとつくづく感じます。

多少不安な点としては、主にBORGパーツに起因しますが、EMSユニットを固定するのが現状2点止めで接眼側の重みをどこまで受け止められるかがあげられます。
いずれこのパーツに穴をもう一つ加え、3点で止められるようにしようと考えています。

また今使用している雲台はビデオ用のもので古いものではありますがとても快適に操作できているもののこれ以上倍率を上げる場合には(今のところ倍率をあまり上げることは考えていませんが)は剛性の高いものに変える必要があろうかと感じております。

以上、このたびは双眼正立での快適な観望へお導きいただいたこと大変感謝しております。
またなにかご相談することなどあろうかと思いますがよろしくお願いします。

静岡県御殿場市 江村

管理者のコメント;

目幅調整機構を省いたシンプルなBINOです。 機能を欲張らずに、的を絞ったプランが功を奏した好例かと思います。

簡単な工作手段でも、ちゃんと使えるBINOが実現することを改めてお示しくださいました。 ツボを押さえさえすれば、BINO作りは難しくありません。 より多くの方がBINOの自作に挑戦されることを望みます。(いずれ、当方もEMSの供給のみに業務を絞る予定ですので。^^;)

江村さん、この度はタイムリーなリポートをありがとうございました。 また続報がありましたら、よろしくお願いいたします。^^

 



Borg100 achromatic-BINO(self made) / 自作

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昨年11月末にBorgの100mmアクロマートレンズ(F6.4、セルのみ)の中古品が廉価(1万円強/枚)で2枚同時に出ていることに気づき、いけないいけないと迷ったあげく、買ってしまいました。ひと月ほど紙に包んだままほったらかしにしていましたが、ついに年末からbinoにするべく部品の調達に取りかかりました。今回もひとつを除いてすべて市販の良さそうなパーツを組み合わせる、自作ならぬ「編集」です。最近完成しましたので(写真1)以下、パーツを選ぶ際に考慮したことと、それらのパーツを選んだ決め手に絞ってレポートいたします。それぞれの部品を選ぶ際にはGoogleのの画像検索に大いに助けられました。つたない内容ですが、どこかのどなたかの参考になることがあれば幸いです。

鏡筒固定部の選定

手に入れたのはレンズセル部分だけだったので、まず鏡筒を完成させたくなりました。しかし他のパーツ、特に鏡筒固定部の径が合わないと後々苦労しそうなので先に鏡筒固定部を決めることにしました。精度がよさそうな軽量な鏡筒バンドとして三基光学館さんのものとK-ASTECさんのものが候補にあがりました。鏡筒単体ならどちらもよさそうです。しかし2本の鏡筒の光軸維持のためには後者を選びました。それはアリガタ(DP45-125)に段差があり光軸に対して直角に鏡筒バンドが固定できるようになっているからです。この有効性は黒木様が71FLのケースで報告されています。ただ、このアリガタのバンド固定用の穴にはネジが切ってあります。段差にバンドを押し当てて直角を出すには、ここはバカ穴になっているほうがよいのでは?と思います。

鏡筒の選定

DP45-125にはBorgの115φと80φの鏡筒に適合するバンドがありますので、手軽なBorgの鏡筒を使うことにしました。調べてみると鏡筒は太いほうがいいようなのですが、115φはすでに生産中止です。10cmアクロマートの標準鏡筒が80φだし、なぜ太いといいのかという理屈が分かっていないレベルなのだし、ということで80φ鏡筒を選びました(バンドはTB-80)。レンズセルと80φ鏡筒の接続には「メタルラッパ」と「アルミ延長筒」が必要です。「アルミ延長筒」はすでに生産中止で情報はほぼなく、Borgさんにどこかに在庫ががないかと尋ねてみると、「倉庫にB品でも厳しいものがあるので、お譲りします」とのこと。メタルラッパとアルミ延長筒はなんと無料で入手できました(中川さん、ありがとうございました)。

フォーカサーの選定

フォーカサーの光路長がわからないと鏡筒の長さを決められません。80φ鏡筒ならばEMSはULでいいでしょうとのことで、入手しやすい笠井トレーディングさんのBorg用2インチマイクロフォーカス接眼部を選びました。松本さんのHPにあるアイピースの焦点位置の情報によれば、標準的なアイピースでの繰り出し量が20mm程度以上あれば、たいていのアイピースで合焦しそうです。当初は鏡筒間間隔154mmと考えて鏡筒などの選定を始めました。この辺りで鏡筒間間隔やEMSの光路長などについて計算が合っているか松本さんに確認していただきました。すると「計算は合っていますが考え方が間違っています」とのこと。つまり計算上ぴったり、ではだめで、不測の事態に備えるために余裕をもって設計を、との助言をいただきました(後述のように、早速不測の事態は起こりました)。そのことを念頭に置きつつ、鏡筒は135mmと50mmをつなげばよさそうです。図面上は一番奥まで繰り入れても口径がけられることはなさそうで、これに決定しました。

鏡筒購入

白鏡筒は品薄とのことで黒鏡筒を選択。メタルラッパとEMS-ULの白がアクセントとなるモノトーンになりました。メタルラッパはスプレーで再塗装、アルミ延長筒は確かに傷などがひどかったので、イーノックスさんのカッティングシート(ブラックマット)を貼り、新品同様になりました。ここは色見本用のサンプルを無料で送って頂けるので、色を選ぶ際に重宝します(HP上出見える色とはかなり違った印象でした)。ちなみにカッティングシート貼りの作業は学生時代に看板屋でアルバイトをしていたときに教えて頂いたことが役にたちました(中性洗剤のごく薄い水溶液を接着剤面に塗って貼り付けると空気が入らず、貼り直しができるのでやりやすい)。世の中なにがどこで役立つかわからないものです。鏡筒内部には絞り環はなく、植毛紙貼付ですませています。フォーカサー到着後、早速鏡筒に接続して確認、と思ったところで問題発覚。HPには”80φ鏡筒にそのまま装着可能”と書かれてあるのですが、実際には変換リングを一つ噛ませないと接続できませんでした。。。変換リングを追加購入し、無事装着。変換リング分のバックフォーカスが短くなってしまいましたが、結果として標準的なアイピースの場合約25mm程度の繰り出し量で合焦しましたので、たいていのアイピースが使えると思われます。これで鏡筒ができあがりました。次はこれをのせるマウントを選ばなければなりません。

架台の選定

シンプルで軽い仕様にしたかったので、ヘリコイドによる目幅調整式としました。ユーザーリポートを拝見すると、ほとんどの方がHF経緯台を使われているようです。しかし今回は汎用プレートの横幅が足りません。そこで笠井トレーディングさんのBino Forca経緯台を選びました。この架台にどうやって鏡筒をマウントするか、が次の課題です。ここについては特注の台座を準備するつもりで、アリミゾを横並びに置く方式と垂直に立てて置く方式を検討しました。

アリミゾの選定

台座の寸法を出すためには、まず使えそうなアリミゾを選ぶ必要があります。アリミゾは1)精度のよい、2)面押しタイプのもので、3)円形ではなく、4)側面に突起物がでていないものを探しました。しかしブロックで押すタイプのものはともかく、面押しタイプのアリミゾは意外に見つかりませんでした。ひとつ見つけたのですが、これは加工精度が均一でなく(寸法に1mm単位での個体差があった。これがどこのどの商品だったかについては差し控えます)、単独で使用するならまだしも、binoでの使用には耐えないと思い返品。星見屋さんにGEOPTIKのものの黒色仕様を紹介いただきました。ただこれを横並びに配置した場合、適切な鏡筒間間隔を維持しつつクレードルの幅内に2本の鏡筒を収めることができませんでした。これはノブのネジ部分が必要以上に長いことにもよります。ここは短いものに交換すればよいと思っていましたが、ネジ先端の加工が必要のようで、私の手に負えませんので横並びの配置はあきらめ、縦に配置することにしました。

凸型台座の製作

今回のbinoの一番の特徴がCOSMO工房さんに作っていただいた凸型台座かと思います。これをクレードル部に取り付け、その左右をアリミゾで挟めばシンプルかつ水平・垂直・平行が勝手に出てしまうマウントができると考えました。垂直に置くことでアリミゾのノブもアクセスしやすいところに来ます。念のために接眼側の垂直面にはリムを設け、ここにアリミゾを押しつけるようにしました。この構造では、凸部の最薄部の厚さによって鏡筒間間隔が決まります。当初の予定の154mmではこの部分の厚さは計算上3mmになってしまいます。さすがにこれでは剛性不足でしょうから、たわまない程度でできるだけ薄く、左右のアリミゾのノブが干渉しないぎりぎりの幅で、鏡筒間間隔をできるだけ短く、といういくつかの要因が折り合うのは大体7mmかなと思い、計算上の鏡筒間間隔は158mmとなりました。しかしこの薄さでは両側からアリミゾを台座にネジ止めすることはできず、ボルトとナットで両側から台座を挟みこまなければなりません。通常のナット径はアリミゾの座繰り穴径よりも大きく、また高さは座繰りの深さよりも高いので、COSMO工房さんにナットの径と高さを削っていただいて座繰り部分に収めることができました。今回の成功はこの台座によるところが大きいと思います。COSMO工房さん、無理なお願いに対応いただき、ありがとうございました。到着後、台座をM6ネジ5本でクレードルに取り付け、早速確認です。EMSのXY調整のノブの矢印を接眼側に向け、両鏡筒を取り付けると、左右方向では調整ノブの微調整は不要。ただ、やはり垂直方向の光軸はシビアなようで、最初の段階では右鏡筒がわずかに下を向いていました(あとで気づいたのですが、これは台座の加工精度というよりも私の鏡筒バンドの取り付け方が歪んでいたことによるものらしいです)。そこでこの台座の右側のアリミゾと台座の垂直リムの隙間に厚さ0.2mm程度の紙片をはさみ、右側鏡筒をわずかに上向きに傾けました。するとほぼ調整ノブの原点位置で像が重なりました。と同時にこれほど微妙なものだったのかと驚きました。台座の剛性はこれで充分でしたが、アリミゾのノブは間隔が狭くて少し締めにくいです。ともあれこれで主要部分は完成しました。鏡筒着脱による光軸のズレもほぼありません。

操作ハンドル

ストアポリゴンズさんというカメラ用品のwebショップで15φのカーボンロッドクランプを見つけ、操作ハンドルを作りました。右側のロッドは長く、クレードル末端を超えて対物側まで伸びています。ここにバランスウェイトを取り付けるためで、これは松本さんのbinoのウェイト兼操作ハンドルの受け売りです。グリップ部分にはホームセンターでスポンジカバーというのを見つけて取り付けました。

フード

アルミ延長筒(鏡筒径が太くなっている黒い部分)は一見フードに見えますが、実はレンズセルは接眼側から最も遠いところにねじ込む方式になっていて、それより先にさらにフードをつける必要がありました。このパーツを探していたときにはすべての円柱がフードに見えるという病気にかかりましたが、「ハイパック容器」というプラスチックケースがみつかりました。これの底を抜き、内側に植毛紙を貼れば、立派なフードの完成です。元々容器ですので、ねじ込み式の対物キャップもついています。しかもわずかにテーパーがかかっていましたので、運搬時にはフードを短縮させ、使用時に引っ張りだせば植毛紙の摩擦で丁度いいところで固定されます。ただこのテーパーのせいでカッティングシートの展開図を作るのが難しく、スプレー塗装ですませました。このため鏡筒の黒と色目が微妙に異なっているところが不格好です。

ウェイト

長焦点の重いアイピースを使った場合、鏡筒バンドの最も接眼側をアリミゾに取り付けてもまだ接眼側がやや重いため、対物側にウェイトが必要でした。これはスカイメモS用に作られたステンレスウェイトをネットオークションで見つけました。ただし穴の径を勘違いしていたようで、金属加工屋さん(中途半端ネットさん)に頼んで15mmφまで穴を広げていただきました。これで大体のアイピースで垂直回転軸のクランプは緩く締めるだけでバランスするようになりました。

これでだいたい完成、先日志摩方面への家族旅行に車で持参し、2時間程度ですが初めて夜空に向けました。やはり口径100mm、55FLに比べるとだんぜん明るく倍率も上げられます。月は周辺に色がつきあまり快適ではありませんがこれは他の鏡筒にまかせるか、フィルタも有効かもしれません。ハイペリオン36mmでは実視界4度弱で、M46 & 47が印象的でした。55FLと比較すると、プレセペはこちらに軍配が上がります。一方ヒアデスは視野の広い55FLのほうが有利で、55FLのよさも改めて実感しました。今回は大小色々なメーカー、ショップの色々なパーツがそれぞれの特徴を発揮したオールスターチームのようなbinoになりました。これらのパーツを製作いただいた方々、レポートなどで有益な情報を提供いただいた方々に感謝いたします。

京都 畑

管理者のコメント:

畑さん、素敵なBINOのご完成おめでとうございます。 非常に懇切、詳細にご報告いただき、これからBINOを計画される方には、大いに参考になることでしょう。

「自作というよりも”編集”」と謙虚に書いておられますが、非常に上手に多くのパーツをコーディネートしておられるので、胸を張って「自作した・・」とおっしゃってください。 それにしても、優秀なパーツが入手しやすい、良い時代になりました。 そろそろ私もEMSの製作に専念できそうですね。^^

 



55FL-BINO (自作-その2)

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EMS本体部分をのみを作っていただき、binoを組み立ててから1年弱が経ちました。普段観望している自宅のベランダからは天頂から東側しか見えませんので、1年前のリポートではヒアデスやオリオンの中心部、プレセぺの眺めに感嘆したことまでしかお伝えしていませんでした。その後空が1周して、や座、いるか座、こうま座などの小さな星座や、ファインダーでは狭すぎる大きな星団(かみのけ座そのもの(きれい!)、Melotte20(ペルセウス座αのアソシエーション、動きが感じられてヒアデスより凄い!)だけでなく、流星(数時間で数個は見られます)や人工衛星(小学5年生の息子がなぜか人工衛星が気に入ったようで、偶然視野に入ってきた人工衛星を追尾しては喜んでいます。SkySafariでは人工衛生の動きも名前もリアルタイムでわかって、すごい世の中ですね)までもが観望対象になっています。光害地でのdeepskyといえば明るいメシエ天体がせいぜい、という思い込みがありましたが、そうではありませんでした。

ところで、はじめに組み立てたものはとりあえず見られるようにはなったというだけで、重心がかなり高く、天頂付近に向けるとビデオ雲台のカウンターバランスでは足りずに、垂直回転軸のクランプを思い切り締めても筒先がゆっくりと天頂を向くというような状態で、パン棒を常に握っていなければなりませんでした。そこでこの間は主に架台の改善に取り組んできて、最近ある程度満足できるものになりました。以下はその変遷です。

0. フォーク式 未遂
まず思いつくのはフォーク式架台です。しかし運搬時のコンパクトさ(小さなカメラバッグと三脚ケースにすべてが入る)が台無しになってしまうため、この方法は試さずに通り過ぎました。

1. カウンターウエイト/バランス方式 失敗
そうなると次に思いつくのは、鏡筒を載せている台座から筒先側に,垂直回転軸を取り囲むようにコの字状のアームを出し、先端に(ペットボトルを利用した)カウンターウェイトをつけるということでした。これによってバランスはましになりましたが、EMSの精悍なイメージには全く似合わない残念な外観になってしまうのと、重さを打ち消す目的で反対側に重いものをぶら下げるという過剰な感じが気に入りませんでしたので、1~2回ですぐにやめてしまいました。次にバネやゴムなどで筒先側に力をかけようといろいろ試してみましたが、かなり強い力が必要だったのと、やはりスマートさに欠けますので、早々にあきらめました。

2.中軸式架台もどき 失敗
その後、接眼側の重さを筒先側に負荷を掛けることで打ち消すという「しつこい」やり方ではなく、垂直回転軸近くに鏡筒の重心をもってくるという、まっとうな方法はないものかと思案していたところ、K-ASTECさんの「レボルビング装置」というものが目に止まりました(写真1)。本来はカメラの画角を回転させるための装置だそうですが、どうも中軸式架台に見えて仕方がありません。写真のように台座を固定すれば、鏡筒移動式の中軸式架台もどきができそうです(台座がある時点で本質的に違うような気も・・・)。また簡単な水平回転部にレボルビング装置を固定すれば、ビデオ雲台部分は不要になり、全体のコンパクト化と軽量化にもつながりそうです。かなり期待しながらこのパーツを手に入れて少し試してみましたが、重心が高くてうまくバランスがとれません。また、55FLは焦点距離が短く、重心を下げると今度はレボルビング装置のリング部分とEMSが干渉してしまいます。これには未練が残りながらも、既存の三脚と雲台ももったいないし、いったん置いておいて、また別の方法を考えることにしました。

3. “Aspended”式 成功
今ある三脚と雲台を前提として、長い台座の上に二本の鏡筒を配置する以上、どうしても重心が垂直回転軸から遠ざかります。しかし台座の下に鏡筒を配置すれば重心が垂直回転軸に近づくし、手のひらの上に傘を立てているような上載せ式とは違って、安定感もありそうです。しかし目幅を確保しつつ上載せ式と同じように左右対象に配置することは、鏡筒やEMSと雲台が干渉するためにできません。そこで台座(上にあるので鴨居?)の片側に鏡筒を寄せてしまい、もう片側をクイックリリースクランプで固定するという配置にしてみました。そのために鴨居の部分は以前のものより長いもの(SUNWAYFOTO, DPG-3016)に交換しました。ただこれでは当然左右のバランスが相当崩れてしまいます。そこでささやかながらウェイトの役割を兼ねて、鏡筒の反対側に小型の自由雲台を経由してSkySafari閲覧用のiPadを取り付けました(写真2~。これも「しつこい」やり方なのでは?いや、ウェイトのためのウェイトでなくiPadがたまたまウェイトになっていると考えることにしてセーフと判定)。これでもまだまだアンバランスなので、雲台とクランプには負担をかけてしまっていますが、いまのところなんとか持ちこたえてくれています。何より水平回転軸はもちろんのこと、垂直回転軸のクランプをほとんど締めなくても天頂までスムーズなフリーストップが実現できており、快適に眺めることができるようになりました。鴨居部分には傾斜センサなどのアクセサリを取り付ける余地も十分にあり、発展性もありそうです(水平軸回転のエンコードはどうしたものか・・・)。このような方法は既にどなたかが考案なさっているのだろうと思いますが、使い勝手もよく気に入りましたので、”アスペンディッド式”(aspended=asymmetrically suspended)、つまり”非対称懸垂式”架台などと名付けて一人で悦に入っています。これに慣れてしまうと以前のマウント方法が異様なほど腰高で、不格好に見えてきました。一定レベルより大きな口径のbinoでは左右の重量バランスの崩れが許容範囲を超えますが、小型binoの前後の重量バランスを解決する手段として、aspended式はひとつの選択肢になりそうです。

これも松本さんのHPの内容がヒントになっているような気がしますが、どこに書かれていたどんな内容なのは思い出せません。。。

 
管理者のコメント;

今年の1月19日にレポートをいただいていた55FL-BINOの続報をいただきました。トップヘビー(今回は鏡筒と直角(天地/高さ)方向のトップヘビー)はBINOを自作する際の一つの大きな課題なわけですが、試行錯誤された上、合理的な解を見つけられましたね。 自作派の方々には良い参考になるのではないでしょうか。 これからさらに到達されるであろうところを、楽しみに見守らせていただきたいと思います。



130EDT-BINO(中軸式架台仕様)続報

 こんにちは、以前130EDT-BINO(中軸架台)を作製いただきました奥田と申します。 大変ご無沙汰しております。その後お変わりはございませんでしょうか。 「製作状況速報」で紹介され、次々に新たな技術や工夫が実現されていく中軸架台 について「まだこんなにも進化する余地があったんだ」と楽しく見せてもらってい ます。

 さて私の方は、大型双眼鏡(←この架台も松本さんに作製いただきました)や大口 径ドブソニアン等に浮気しながらも、たまに(!)星見遠征をしています。 この3連休(10/10-/13)も星見遠征をしようと思っていたのですが、どうも生憎の 曇天続きになりそうだったので、思い切って金曜日(10/9)の深夜に片道3時間弱 をかけてとある山の中の星見スポットの駐車場へ出かけてきました。相棒は久しぶ りの出番となった130EDT-BINOです。

 仕事から帰ってからバタバタと無理して出かけた甲斐もあり、大変満足できる星空 に出会えました。これまで幾つも感動をもたらしてくれた130EDT-BINOですが、この 夜の遠征は今まで以上に「光学性能」及び「双眼視」の素晴らしさを感じることが できました。‥というのも、きっと集光力や解像度に関しては130EDT-BINOの何倍も 高性能と思われるドブソニアン(単眼視)との比較を体感できたからだと思います。

 西の空には夏の天の川の残骸、東の空は冬の勇者が昇って来る前という、賑やかさ という点では一寸さえない秋の星座でしたが、そんな中130EDT-BINOは威力を発揮し てくれました。

《M33》

「明るく大きな銀河なのに望遠鏡で見るとがっかり」という表現の多い渦巻き星雲 ですが、実はこの夜はじめて腕をウネウネ(?)しながら渦を巻く様子が確認でき ました。たまたま現地でお会いした方にも見ていただいたのですが「これ程ハッキ リと渦を巻く様子は初めて見ましたよ」と高評価 ^^)v 事実、以前ドブソニアンでも見ましたが、その時は大きく広がっている様子は確認 できるものの渦を巻く腕を確認するには至ってませんでした。これは双眼視による 効果が大きな気がします。

《M31(M32、M110)》

これも超メジャーな割に、いま一つ望遠鏡を通して見ても「感動」が少ない対象の 一つです。少なくとも個人的にはそう思っています。きっとネット上にアップされ ている素晴らしい写真とどうしても比較してしまうことがその原因であると思いま す。しかしこの夜、130EDT-BINOで見たM31はこれまでのものとは全く違いました。 中心部分の明るいところだけでは無く、どこまでも星雲が広がる様子や暗黒帯(?) そしてその暗黒帯に沿ってガスがモワモワと波を打つような様子もくっきり見えま す。また伴銀河であるM32やM110も濃く見ることができ、御本尊(M31)単発ではな く3銀河まとめて楽しめました。

《NGC7293》

水瓶座ということで、ただでさえ低空の上に時間的にも厳しい条件の中、ぽっかり 漆黒に浮かぶ様子は「幻想的」の一言に尽きます。またネビュラフィルタを使って 見ると、大きな光芒だけでは無く濃淡がよく確認できます。 過去色々な機材で見てきたましたが、正直「ドーナツ」な様子を確認するに終わっ ていましたが、実は見応えのある対象であることを再認識できました。

 その他

、薄明までの短時間でしたが色々な対象を視野に入れて楽しんだのは言うま でもありません。ただメジャーでありながらもこの夜改めて大きな感動を受け、こ れまでの印象がガラリと変わった対象を紹介させていただきました。

 当然のことですが、球状星団や暗い銀河に関しては大口径ドブソニアンに軍配が上 がるのでしょう。ただ「星々の合間に”自然”に浮かび上がる星雲・星団」を眺める のは絶対”双眼望遠鏡”であり”正立像”であると思います。何より「綺麗」で何より 「楽しい」と感じざるを得ません。

 決して「手軽」とは言えないサイズのBINOではありますが、やはり元々期待してい た、”一寸運搬に苦労しても、現地で「高い質で満足できる遠征」” という目的を キチンと達成していることに改めて喜びを感じています。

 長文となってしまいましたが、この夜の遠征成果、そして喜びをどなたかと共有し たく、久しぶりにメールをさせて頂いた次第です。
失礼いたしました。

追伸; あと、一点コメントし忘れていたことを思い出しました。 前回の130EDT-BINOのレポートで、鏡筒の取り付け方法に関して、 「鏡筒の脱着については一寸だけ改良ポイントがある」 旨のレポートを書かせていただきました。 しかし実際にはこれは完全に”慣れ”の問題であり、現在全く問題 無い上に、「安全」かつ極めて「スムーズ」に鏡筒の脱着が行え ていますことも報告させていただきます。

東京都 奥田浩

奥田さんの過去の投稿;
ケアンズ日食と90度対空双眼鏡 (2012年11月16日)
130EDT-BINO(中軸式架台仕様) (2013年9月8日)

管理者のコメント;
 奥田さんが2年ぶりに130EDT-BINO(初期中軸式架台)の続報をくださいました。
 このBINOの製作記事は、製作情報速報の2012年5/23~8/2の間に掲載しております。 CNCフライスを導入してから比較的日が浅く、アマチュア的な、労苦を厭わない^^;発想で製作した、最後頃の製品と言えると思います。 長期間を 要した、苦心の作品でした。 それだけに、長期間に渡って愛用してくださった証の続報をいただきますと、感動ひとしおで、またBINOを作り続ける エネルギーを充填いただいたような気がいたします。
 これが、中軸式架台の垂直回転部にエンコーダを仕込んだ最後のモデルとなりました。 現在の中軸式架台は、傾斜センサーの開発により、垂直軸の エンコーダが省け、ずっとシンプルな構造になっています。
 奥田さん、この度は、また、素晴らしい続報をありがとうございました。 続々報もお待ちしていますので、またぜひよろしくお願いいたします。



77EDⅡ-BINO(自作)F2W経緯台(スカイツアー付)

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2015年6月

【眼視にハマる】

 昨年頃から星見に双眼鏡をよく使うようになりました。C8EX+双眼装置(95倍)、 77EDⅡ+双眼装置(38倍)等、眼視に目覚めたと言いましょうか、きれいな星を観る のが楽しいんですね(^o^)
   双眼装置では低倍率で天の川をなめまわすこともできず、裏像でもあり、松本さん のEMSしかないと思った次第です。もちろん既成の双眼鏡の候補もあったのですが、 2インチのアイピースが使えないということで没となり ました。
 
2015年9月

【77EDⅡ-BINO 自作】

77EDⅡ-BINO を作るにあたり考慮したこと

・重量は6kg以下→軽い→稼働率UP!。
・15倍で天の川くだり。
・F2W経緯台(スカイツアー付)に搭載。
・F2W経緯台-簡単な脱着。
 
【EMS等の発注】

   上記をを考慮してEMS-ULセット(ヘリコイド付き)を発注しました。何日かしてEM S-ULセットを受け取りに鳥取に行き、鏡筒の平行の出し方、EMSの調整法等を 松本さんから教えていただいて帰りました。
 発注していたボーグの直径80mm-長さ150mmの鏡筒とヘリコイドMも届き、組み立てに入りました。
 
【組立手順】

1.F2W経緯台にビクセンのプレートホルダーを90度回転して取付(1/4ビス1本)。
2.アリガタに左鏡筒を載せ直角に固定(1/4ビス1本)。

3.160mmの間隔で右鏡筒を載せました。

4.鏡筒の平行度は松本さんから勧められた傾斜計を購入し、0.1度以内に収まるよう何度も調整し直しました。

5.EMS、左右を2インチアイピースホルダーSに固定。
  このアイピー スホルダーS【7508】は挿入端部内径の不要なネジ部が長く(その分、ローレット止めネジが想定位置よりも随分奥になる)、EMS固定しても安定が悪かったのですが、松本さんがその場で不要なメスネジ部を5mmほどと削って(削除して)くださいました。目の前で旋盤にセットして削って頂いた訳ですが、いやいやその早さ、技術の高さには感服した次第です。
  もちろんEMSの固定強度も増しグラグラもありません。松本さんその節はありがとうございました。

7.木製のハンドルも自作し取り付け、バランスを見ると思ったとおり取れていませ  んでした。松本さんとも改造の話しもお教えいただいたのですが、ここは私なりにバランスウエイト(ありあわせ)をアリガタの下に載せてみました。これが大当たりで見事にバランスしてしまいました。ただ、重いアイピースを載 せると手前が重  くなってしまいます。

6.EMSの調整を行いました。33mmアイピースをセットし山の木を導入し後、教わったとおりにアイピースから眼を離し、 上下、左右の調整を行いました。調整はあっという間に終わってしまいました。 銀ミラーも素晴らしいのですが、EMS調整の簡単さにも感激です!

7.コスモ工房さんに依頼していた特注アリガタが出来上がりましたので、組み付けました。 鏡筒を直角に1/4ビス2本で止めるようにしたものです。もちろん幅は160mmです。

8.組み立てが終わり重量を測定してみますと、アリガタから上の重量が当初の目標6kgより1kgも軽い5kg(アイピースなし)でした。 5kgってひょいと持てる重さなので、今でも取っ手の必要性をまったく感じません。
  また、アリガタを横配置にして鏡筒を載せただけの単純な構造なのですが、思っ  たより強度があるようでひずみ等はまったく感じません。

9.最初はEMSで自作など出来るのかなと思っていましたが、案ずるより産むが易しで、 当初の目標も達成でき、楽しみながら組むことが出来ました。
  将来的には対物レンズ口径のUP、ヘリコイドMをマイクロフォーカス接眼部に交換等を考えています。

  最後に松本さんをはじめUSER’S REPORTを書いてくださった皆様、コスモ工房様、 この場を借りましてお礼を申し上げます。
 
【ファーストライト】

 9月18日夜、いつも行く備前市八等寺にてファーストライトしてきました。  この日観望した星雲星団で特に綺麗だったもの

   15倍 ウイリアムオプティクス 33mm 72°アイレリーフ25mm
 二重星団(広視野の中に全体が見渡せ、ひときわ鮮やかで気持ちが良い)
 M31アンドロメダ大星雲(どこまでも広がっている様相で宇宙の不思議を感じる。
 また、伴星のM101、M32もしっかり見え、うっとりしてしまいます)  天の川を振り回していると、宇宙酔いしそうになりました(笑)
  24倍 ペンタックス XL20 20mm 65°アイレリーフ20mm
 二重星団(星に遠近がある ように感じました)
 NGC 457(ET)おどけた形がかわいい。
 ビックリ!網状星雲がノーフィルターで何とか見えました。  (見えない人もいました(笑)
  48倍 ペンタックス XL10.5 10.5mm 65°アイレリーフ20mm
 アレイ状星雲(ぽっかりと浮かんで見える)
 アルビレオ やっぱ美しい!
 M13球状星団の分離ができないのはちょっと残念!
 
10月2日

102倍 ペンタックス XW5 5mm 70°アイレリーフ20mm

 この日、特に美しかったものはアルビレオとM22でした。
 アルビレオは色がすばらしく際立って特に青はいままで見たこともない濃さのブルーでした。  まるで色付けしているみたいに・・・ん?ひょっとしてアイピースで色づけ?ってないですよね。
 M22はかなり低位置だったのですが、し っかりと分離しキラキラ光ってみえました。 でも、ちょっと暗いのが・・・
   NGC457(ET)は目の前にデーンと大きくきれいに見えました。
 M57ドーナツ星雲は中央が抜けていてちゃんとドーナツ状に見えました。感激!
 M13はザラザラ感はあるものの分離は何故か今一(^^;
 
10月3日

 まだ明るい時間帯にXW5 102倍で土星を見ることができました。さすがに低い位置 なのでゆらゆらが止まりません。でも土星の縞模様は見ることができました。もっと 高度が高ければカッシニも見えたと思います(^o^) 

岡山県 横田

筆者のサイト 星空・風景フォトギャラリー

管理者のコメント;
Acknowledgment of Matsumoto;

 最近、国内の方も自作をされる方がまた増えて来たようで、嬉しく思います。 自作の方では珍しく、仕上ったEMSを当方で受け取りにお見えいただきました。

 ご訪問時には、丁度仕上っていたBINOでEMSのX-Y調整の練習をしていただきましたが、眼をアイポイントから 数十cm離して視軸を平行にロックするテクニックをすぐにマスターされたのが印象に残っています。
 横田さんは、この度EMSを採用されるまでは、やはりご自作の裏像(天頂ミラーによる1回反射)のBINOを愛用なさっていたとのことで、 EMSに改宗^^;してくださったことを嬉しく思っています。 単眼の場合は、裏像は像が鏡像になるということ(のみ)ですが、 双眼視では、正常な立体視が破綻するという深刻な副産物も甘んじることになります。 裏像(3回反射)のBINO(実際にヨーロッパで市販されている)の信者の中には、 「天体は無限遠なので、裏像はもとより、立体視も関係ない。」と強弁する方もいますが、山の稜線から出て来る(沈む)月や、月の前をよぎる 雲の迫力を知らないのでしょう。
 何度か観測してくださったようですが、こらから いろいろと体験されることと思います。 続報を楽しみにしております。 今回はタイムリーなリポートをくださり、 ありがとうございました。