神奈川県のDamyanさんが投稿してくださいました。

178ed
MEADE178ED-BINO

 百武彗星がきっかけで久しぶりに天文に復活し、偶然入手した2本の鏡筒を天頂ミラーにより双眼化して 1997年から使っていました。当時は架台を赤道儀にしておりました関係でBATTやPCまで含めると総重量は 200kgくらいあったと思います。 鏡筒回転機構のせいで極軸から距離があり、結果ウエイト軸にありったけのオモリをぶら下げている ことも災いしていました。それでも若かったせいか、ハァハァ言いながらもあまり気にせず使い続け ていました。(写真に写っている車にピラー脚以外は積みっぱなし)

 このところ体力の衰えというか、慢性的な運動不足とモチベーションの低下で稼働率が 下降線をたどり、昨年はとうとう2回となりました。「このままではイカン」と重い腰を上げた次第です。 自動導入はとりあえず諦め、軽量化のために経緯台とし、経緯台にはやっぱ専用のEMSだよなぁと、 4月末に松本さんにコンタクトをとりました。

 比較的軽くて丈夫な架台ということで構想当初からLB150用の経緯台と決めていました。CAD上で確認すると、 重心位置の関係で架台と鏡筒バンドの干渉が発生し、鏡筒ピッチが272mmとなってしまうことが分かり焦りま した。松本さんにまた怒られるかなぁ。。。と心配しながらも発注してしまいました。 (実は仮に架台側の制約を廃してもレンズセル径が10インチありますので、大して鏡筒ピッチを縮める ことは出来ないのですが) 今回の改造はほとんど市販品を用いており、とても簡単な工作で済みましたのでEMS到着の週末には 組み上げてテストすることができました。総重量も計算値で約100kgとなり、気合いを入れなくても稼働 できそうです。

EMS制作依頼時の仕様表

鏡筒側仕様
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・鏡筒ピッチ 272mm(固定)
・接続部 M89P1メス(ボーグHV1)、回転機構有り
・バックフォーカス 243-274mm
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EMS仕様
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・仕様 EMS-XL 大型第1ミラー仕様
・目巾調整 Pentax67接写ヘリコイド
・接眼フォーカス 接眼部ラック&ピニオン(短め)
・EMS(鋳造部) 白色塗装
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EMSは鏡筒と同じ白色、目幅調整は実物を比較して決めた67用ヘリコイドと少しわがままです。 (汗

良かった点
・接眼部フォーカーサー
 最も気に入ったのがこの機構です。フォーカスを手元(目元)で操作できることがこんなに便利だとは思い ませんでした。それから、あとで気付いたのですが、フォーカス調整による重心移動がほぼ皆無となります ので、アイピースの重量だけ統一してやれば観望時にバラストで調整を行う必要がありません。指一本でスル スルと鏡筒が向きを変えますので、操作ハンドルも廃しました。とにかく非常に快適です。

・鏡筒接続部の大口径化
 EMSでは鏡筒からのシフト量と2インチアイピースの重量によって常時かなり大きな回転モーメントが発生していますので、これを支えるには径で対応するのが一番だと思います。大口径化したことで観望中にEMSが回ってしまうこともなくなりました。 加えて脱着部を既製品(BORG)としたことで、脱着によってEMS自体に傷が付く心配がないので力いっぱい ネジを締めて固定することも出来ます。

・第一ミラーの大型化
 見た目のバランスもそうですが、2インチ長焦点アイピースを用いた場合でも周辺減光がほとんど感じ られない快適な視野を提供してくれます。

気になった点
・バヨネット脱着部のガタ
 実は大したことではなく、EMS上部を持って鏡筒を振り回すようなことをしなければいいだけのことです。

今後の課題
 改造後3回ほど観望に持ち出しました。架台により不動点が高くなってしまいましたので、ピラー脚を少し 短縮することを考えています。それから恒星追尾が手動なのでやはり高倍率での長時間観望はストレスが たまります。当初の軽量化の目的とは違ってきますが、将来的に電動化しようと妄想中です。水平軸はハーモ ニックギヤを使うことで機構全体を架台に内蔵できるのですが、垂直軸はクラッチを搭載するスペースが 無く面倒そうです。

最後に
 いろいろ注文をつけて松本さんには大変ご迷惑をおかけしてしまいました。 それでも、結果とてもいいものが出来上がって満足しています。 また機会がありましたらよろしくお願いします。 どうもありがとうございました。ございました。

神奈川のDamyanさん


管理者のコメント;
 DamyanさんのEMS-XL(6X7ヘリコイド仕様)は2004年の8月に紹介させていただいて いましたが、ついに完成したBINOの姿を見せてくださいました。Damyanさん、お見事です!   極めてシンプルで美しいスタイルです。 Fujinonの大型双眼鏡の架台を利用されたのでしょうか。  鏡筒間隔を広めに設定された理由も納得しました。

 ピラーを短縮されるご予定とのこと、私も賛成です。 一般に、ピラーや脚を必要以上に高めに設定される方が 多いように見受けます。 なるべく水平近くまで、踏み継ぎなしで覗ける高さに設定されることをお勧めします。   天頂付近は、座布団(それに近い低い椅子)を敷いてあぐらをかいて見るスタイルでも良いのです。

  規格外品の製作には結構時間と集中力を消耗するもので、標準規格品の順番待ちの方のことを思うと どうしても気持ちが焦ってしまい、Damyanさんには無意識に結構小言を申し上げていたのかも分かりません。  私こそ気を付けないといけませんね。^^;

  今度は観望リポートをお願いします。

 (6X7ヘリコイドのバヨネット(雌)はラチェットの位置が調整できますので、ガタも治ります。ただ精密な 作業なので、注意して行ってください。ただ、発送時の状態がキープされていれば、問題ないレベルだと思いますよ。)    



静岡県の村井さんからメールをいただきました。

mued
BORG150ED-BINO
 松本様、山内様こんばんは、村井です。@’04.10.18 購入までの経緯と、思いと、タイミング、、いろいろありすぎてうまくお伝えできませんが、 とにかくサミットにて、のっけから最高の一晩でした、有難うございました。  長文、雑文失礼につき、暇なときにでも読んでくださいませ。。。^。^/

【ボーグΦ150ED双眼、製作有難うございました】   ほんっとうに最高です、感謝いっぱい、大感激\^o^/!!  サミット間に合った上に、満天の星空のもと、ファーストライト成功!!   こんなことってあるのでしょうか、幸せ感じています。

  お世話になりました筆頭;松本様、製作と我侭聞いて下さりありがとうございました、  製作運搬他、親身にアドヴァイスいただきました山内様、ありがとうございます。   山内様の初期後押し無ければ、やはり気後れのままだったかもしれません。

 山内様からご紹介で当日にお世話になりました、服部様、岡本様、、  暖かい皆様のお力添えで、無事、ファーストライト成功の運びとなりました。  まずは最初にこのことをお伝えしたいと思います。   ありがとうございました、そして、これからもご指導よろしくお願い申し上げます。

【サミットにて】   そもそも松本様には今年2月に初めてTELして以来、お世話になりっぱなし。  当方素人ゆえに、惑星、星雲あれもこれも見たい、と多分訳もわからぬご迷惑な相談に、  愛想尽かさずいろいろお付き合いいただきました。    (見捨てないで下さったのが不思議なくらい、、、)

 なおかつ、作成日程ご無理お願いして10/16 15:30、  スターフォレスト御園、双眼鏡望遠鏡サミット本番の受付開始直後に、  宅配にて現品現地で受け取り成功となりました。

  (ここでは詳細述べませんが、ある事情=仙人殿HP参照で、運搬編にご登場いただく予定の山内様、筋金入り潜水艦乗りの山内様 に自称15年アマチュアダイバーの村井は、強い興味を抱くのでした)
  少し心配しました。私自身が自分の機材持つのが35年ぶり、ましてBINOとなると、  全く見たこともない初物難物で、はたして夜までに観望できる状態になるのか、、、?。   もちろん私ひとりでは無理なわけでして、仙人山内様口利きバトンタッチの、  服部様→岡本様ご指導で組み立て、調整ご教授いただき、素人ゼロ号→1号として、デビューする ことができました。

 p.s 現地に向かう途中のカーショップでバッテリーと配線を購入し、到着後に配線を仕上げ、 山内様ご紹介の横田様よりあらかじめ購入の露避けヒータと組み合わせました。 バッテリ充電状態も間に合わせにもかかわらず明け方4:00ころまでは作動していました。 目的のひとつでしたので、濡れずに機材回収できたのも嬉しいです。 (もっとも、ある程度風もあって、ヒーターの必要もなかったようですが。)

   
【ファーストライト インプレッション】  すみません、素人ゆえまっとうな言及はご容赦お願い致します。
   @アイピースは(トラ殿の強いお勧めもあって)N4-22mm
   これも、先週届いたばかり。
    ちなみに服部様にからかわれ?ました『これ買ったら、もう上がりだよ!』

  ①.練習;山の稜線の鉄塔@開梱組み立て終了、16:30~
     松本様HPの調整法、服部様からのバトンタッチ岡本様ご指導で鉄塔を相手に四苦八苦、 本当に調整できているのか定かではありませんが、手前の山の木々とのすさまじい限りの立体感に しばし唖然、、、というか、断然気に入った次第です。天体望遠鏡って、定義は何なのでしょうか、、、。 帰宅後、じっくり調整取り組みます。それにしても、眼幅調整スライドブッシュのなんとスムースな ことか、、、。ここまでスムースだとちょっと調整狂うと×になる?、、、なんて余計な考えが頭 をよぎります。

  ②.星空;天の川の存在を久しぶりに意識しました@18:00~23:00驚いたのは、 かろうじて自分で導入できた2重星団とアンドロメダ。これはもう写真のレベルに近い!!眼視ではどうやっ ても光量蓄積のできる写真と比較しようもないのでしょうが、つぶつぶの星が不思議な立体感、 皆様のHPなどでお聞きしていた通りの迫力を感じました。 M31も、しっかりした腕の広がりと伴星雲の星雲らしさをもって、素人なりに納得のいくひと時となり ました。

  ③.あれ?夜半過ぎころからか見にくる方のなかに調整の狂いを指摘される方が数人、、、。      私にはなんとも、、、?でしたが、気がついてみると左右EMSの間隔が斜め、、。EMS固定ね じ2箇所は締まっていてOK、暗闇では気付きませんでしたが、明けてから鏡筒本体側ねじが緩んでいるの に気が付きました。締め付け後、ご指摘なくなりましたので、多分大丈夫なのだと思います。

  ④.夜半過ぎ、オリオン。上記の状態にもめげず、というか、私の目幅がN4-22口径いっぱい 近くまで狭くて、固定OKの左に対して、緩みのある右が接触して、結果EMSの倒れが無かったのかもしれ ません。上がってきたオリオン大星雲を3:00すぎまで堪能しました。本当にすごい光景です、 鷲のくちばしも羽の根元の模様も、羽の先も、言い古された表現=鷲そのものの姿で、魅了されてし まいました。
  これも、不思議と星やガス部分の立体感をはっきりと感じるのです。眼の訓練無しで、 なおかつ写真見て妄想のみ育ててしまった私の目にすら、何の言い訳の必要もないほどの圧倒的説得性 で迫ってきます。(明日持って帰って、かみさん&子供に見せるのが楽しみです)
 木々の陰から上ってくる瞬間の立体感に始まり、天頂に近付いてからは、イスに座っての楽チンさ含め、 予想外の冷え込みに震えながらも臨場感楽しむこと4:00すぎまで。。(参加前はせいぜい2:00すぎ に惑星見て寝るつもりでした)

 ⑤.同夜半過ぎ;土星
      気流が悪いのは感じていましたが、ものすごく悪かったようです。      雲こそまったくない晴天なるも、ベテランの皆様ですら、こんなに悪いのは、       本当に初めて!!と言われるくらいの状態だったようです。       確かに土星見ても、環こそ認識できるものの、感動無し。      ある人いわく、空に卵があると、、、。      そういえば星像も点ではないような。、、、。←^^;わかってませんね、、、。       皆様に慰められました、せっかくのアポなのに残念だね、、、、。      そう言われて、ますます、当所目標の惑星、月見る日が楽しみです。

  ⑥.すみません、機材紹介
    口下手ゆえ、お二人のこと、うまくお伝えできませんでした、、^^;

 以上、またまた、うまいことお伝えできないのが心残りですが、寝不足解消にいたっていないので、 申し訳ございませんが、これにて失礼致します。 本当に、有難うございました。

村井 聡太
Sota Murai


管理者のコメント;
 村井さんより、ご帰宅直後でお疲れにもかかわらず、さっそくに詳細なメールをいただき、 当コーナーへの掲載も快諾してくださいました。
 BORG150EDは、BINOの素材鏡筒としては鏡筒最大径(フード、セル部径)が小さく、軽量でもあり、好適な鏡筒なので すが、やはりこの口径でEDとなりますと、相対的にはリーズナブルな価格設定とは言え、やはりハードルは結構高い ようで、今回の村井さんのBINOで初めて採用させていただきました。
  フード径、鏡筒径共、SCHWARZ150Sとほぼ等しいので、同規格の台座が利用でき、好都合でした。 ただし、F6.7と、焦点距離がF5の(SCHWARZ)より25cmほど長いことで重心位置の設定に少し勝手が異なり(鏡筒を 手前に引く必要あり)、操作ハンドルと接眼部の干渉等があって、どたんばで慌てました。

  サミット会場に直接発送という綱渡りをしてしまいましたが、BINOは無事届き、好天に恵まれ、 会場では双眼エキスパートの方々の親切なアシストもあり、村井さんはBORG150ED-BINOを立派に組み上げてくださり、 感激のファーストライトを体験されました。 これは製作者としてもこの上ない幸せです。
  このBORG150ED-BINOが村井さんの天体観測の友として、末永くお役に立てることを願っています。
 そして、また後続のリポートをいただけましたら幸いです。
ありがとうございました。