Cutting short of the eye-piece barrels (SWAROVSKI X95-BINO) / アイピースバレルの切除(SWAROVSKI X95-BINO) 

Low profiled 2″sleeves and shortening of the barrels of oculars are effective in making focus with the SWAROVSKI X95-BINO.

 Leica-Zoom等が裸眼(個人差あり)で無限遠にもうちょっとでフォーカスしないとのことで、追加工を施しました。右の2つは2インチスリーブ(短33mm(標準は58mm))に奥まで入り、左(P027)のバレルは8㎜ほど挿入しきれない部分が上に残ります。 この状態で、左の2つは同焦点になります。(PO27mmは、バレル先端が防塵フィルター枠に乗る状態で止まります。左の2つのアイピースのバレルはそれぞれ、6mmと11mmずつ切削トリミングしました。言葉使いの便宜上、タイトルには切除と書きましたが、このくらいの短縮ですと、切削が合理的です。慎重にジグを用いて加工したのは言うまでもありません。)

 一番右のLeica-Zoomは左2つのアイピースに対し、4㎜ほどピントが内に来ます。 追加工後も、強度近視の方は裸眼では合焦が厳しいかも分かりません。(追加工により2mm光路長を短縮) 上記は、全て防塵フィルターを付けた状態ですので、防塵フィルターを外し、より短い2インチスリーブ(28㎜)を用意すれば、ピントはさらに5㎜ほど余裕が出ます。



New slide mount in the making (CAPRI 80ED-BINO) / スライドマウント(1)(CAPRI 80ED-BINO)

Now, you will undersatand how simple and rigid the New sliding mount is!

 これで新型のスライドマウントの構造が大方お分かりになったと思います。初期調整をどうやるかは、まだお分かりでないまでも、このシンプルな構造により、BINOとしての光軸が狂う要素が全くないことに気付かれると思います。



Sliding OTA-Base(CAPRI 80ED-BINO) / 鏡筒ベース(CAPRI 80ED-BINO)

You might think it odd that one of the sliding pieces has a deep grove rather than a hole.This is a secret for this sytem to attain the perfect smoothness in sliding. If you insist on the two normal holes, you will suffer the unwelcome stick while sliding.

 これが今回のスライドユニットのハイライトの、スライド式の鏡筒ベースです。 前のポリアセタール製の軸受が、通常の穴の軸受ではなく、溝になっているのがミソです。 両方共穴にしたのでは、2本のシャフトのアライメント調整が極めて困難であり、スムーズな摺動が得がたいためです。 穴2箇所にこだわるのは、単なる固定観念であり、よく考えてみれば、片方の軸受はシャフトの幅のスリットで十分であることが分かるはずです。

 2軸のアライメントが難しいのは、リニアベアリングを使用しても同じことで、初期のBINO(第4世代までのSCHWARZ-BINO等)のリニア機構のシャフトのセットには、構造上の特別な工夫があったのですが、気付いておられる方はあるでしょうか。 今回の方式では、そうしたクリティカルな調整の要素がないので、ユーザーさんによるメンテがずっと楽(と言うより不要)になるわけです。 しかも構造が単純なため生産性が良く、納期も格段に早まる目算です。^^

 このスライドベースの上に鏡筒バンドを直接セットすることも可能ですが、今回は、スライドベースの板の両サイドに爪(&クランプネジ用ブラケット)をセットしてアリミゾにし、鏡筒側にはアリガタ式のブラケットをセットしようと思っています。 これは、スライドベースユニット単体を供給しても、ユーザーさんが簡単に利用できるためです。 これが私が意図します、モデュール化という意味です。(EMSとこのスライドユニットさえあれば、よほど工作が苦手でない限り、誰でもBINOが組み立てられることになります。)

 ベースプレートの上にアリミゾをセットする考えもありますが、そうすると、ベースプレート→アリミゾ→アリガタ→鏡筒と、鏡筒が3階建てのベースの屋上に乗ることになり、嵩高になってしまうため、ベースプレート自体をアリミゾに加工することにした訳です。 アリミゾの爪を初期アジャスタブルにしておけば、鏡筒の左右方向の初期調整に対応しますし、固定側のスライドベースの溝幅に余裕を持たせておけば、鏡筒の上下方向の初期調整にも対応させられます。もっとも、各所の機械的な精度が十分であれば、それらの調整機構すらも不要になるので、今後は組み立てながら細部の構造を決定して行くことになります。



A base shaft (CAPRI 80ED-BINO) / ベースシャフト(CAPRI 80ED-BINO)

This single rod shaped part will act as the base plate of the traditional slide mount of a binoscope.The carrying handle that is set preliminerily will be spaced up to the rihgt height of the OTA, and a dovetail plate will be set on the bottom. A pair of 10mm stainless shafts will be penetrated through it acting as the both sides roosts for the mooving dovetail holders of the OTAs.

 このシャフト状のパーツが従来のベースプレートの役割を果たします。 運搬用ハンドルは、適当なスペーサーを介して鏡筒に合った高さに固定し、底部にはアリガタ(BINO全体用)が取り付きます。 横腹に開いた二つの穴は、10mmφのステンレスシャフトが貫通する穴で、両サイドに止まり木状に突き出し、それぞれに左右の鏡筒用のアリミゾパーツが可動状態で取り付きます。(左ユニットは初期調整後固定)

 この方法がうまく行きましたら、今後の比較的小型のBINOの定番のスライドマウントとなる予定で、EMS単体同様のほぼ即納体勢が整う目算です。かなり以前より目指して来ました、規格化、モデュール化の第一歩になりそうです。

 上記、底部のアリガタまでで一応の完成形になりますが、フォーク式架台であれば、耳軸付きのCRADLE、片持ちフォークであればL型ブラケットを用意するのは、従来の一般的な方法と同じです。



A sliding piece (CAPRI 80ED-BINO) / スライディングピース(CAPRI 80ED-BINO)

This is the sliding piece I have reached after long years’ studies. Polyacetal baring has proved to be perfect in smoothness for the stainless shaft, and the slit clamp is already proved to be perfect in the tightest hold.

 目幅調整用のスライディングメカニズムは、今日までにあらゆる方法を試しました。10年以上前、当サイト開設後間もない頃のリニアベアリングを使用した機構、その後に開発したクレイフォード方式、また最近はアリミゾ方式等々を試し、それぞれが理にかなっていた訳ですが、この度、初心にも立ち返りながら、よりシンプルで剛性の高いメカニズムを考えてみました。

 最初の頃のリニアベアリングを使用した自由スライド機構も優れた方法でしたが、クランプ機構が脆弱(実用上は問題ないのですが)だったことと、長年の使用で内部のネジが緩むとメカに弱い方はお手上げのようで、以後、構造上メンテフリーの機構を模索していました。 後続のクレイフォード式は送り機構付きで、より理想的のはずでしたが、やはりクレイフォードフォーカサーの調整が出来ない方が主流であるように、製作者の意図を汲んでちゃんと長年メンテして使ってくださる方ばかりではないことが分かりました。 今回はそうした過去の経験から、初心に立ち返りながら、よりメンテフリーで剛性が高く、よりシンプルで生産性も良い方法を考えてみたわけです。

 写真は、その機構のコアなパーツです。 この手のパーツは、単体では初めてでなく、すでに有効性が実証されているので、今回のスライド機構に組み入れても、良い結果が得られると確信しています。



Low profiled adapters for the Leica Zoom (SWAROVSKI X95-BINO) / ライカズーム用 アダプター(SWAROVSKI X95-BINO)

Being asked for making low profiled adapters for the Leica Zoom eyepieces, I hit on a universal solution rather than a specialized one.The result is the low-profiled normal 2″ barrel and the low-profiled 2″ sleeve.

 SWAROVSKI X95-BINO用のライカズーム 用アダプターのご依頼を受け、当初は当BINOに特化した物を考えましたが、一般的な解が見付かりました。

 それは、ライカズーム側に、EMS純正の31.7→50.8ADを追加工したアダプターを、瞬時の着脱を前提に取り付けるもので、この方法ですと、そのまま他の望遠鏡にも共用できます。 EMS用の2インチスリーブは、当然ながら、ライカズームの挿入部先端が防塵フィルターに触れない最小限の高さ(33㎜)にし、上記50.8㎜ADも防塵フィルター枠と干渉しないぎりぎりの(挿入長)15㎜にしました。 アダプターが短いですが、浅い溝があることと、2インチスリーブが真鍮バンド式クランプになっているので、問題ありません。

 同時に、PO27㎜用のアダプターもご依頼いただきましたが、こちらは上記33㎜高のLOW-PROFILE 2インチスリーブが共用でき、ピントもほぼ同焦点になることが分かりました。



Making a start on Capri80ED-BINO / Capri80ED-BINOに着手

 構想はずっと頭の片隅で他の仕事中も練って来ましたが、いよいよ Capri80ED-BINO に着手します。 福島県の W 様、今日まで寛大にお待ちくださいましたことに厚くお礼申し上げます。

 この鏡筒も、昨今の重厚仕様流行の中にあって、珍しくシンプル、軽量ですので、その特長を活かした、意表を突く設計を考えています。 鏡筒平行移動タイプの今後のスタンダードになるかも分かりません。

 TOA150-BINOは、6月9日に新潟県のY様に引き取りにお見えいただき、無事、お持ち帰りいただきました。現物で確認しながらピラーの高さを設定されるとのことで、実働するまでには今少し時間がかかりそうですが、ファーストライトのリポートを楽しみにしています。



Swarovski X95 EMS-BINO

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最近のスポッティングスコープの高性能化はめざましいものがあります。これらのスコープの対物レンズ系の高性能化も すごいけれど、アイピース、特にズームアイピースの進歩は本当に凄いものです。なかでもライカのズームレンズはジックリ 使わせていただきましたが、まぁこれなら単焦点アイピースは要らないかもと思わせる像質でした。これほどの高性能のズーム アイピースが出現したらそれに一本化され、さらには接眼部にズームアイピースを組み込むメーカーが出てきても不思議では ありませんでした。それが、Swarovski X シリーズだと思っています。

先日その Swarovski ATX95 で友人と一緒にと昼の景色を見たり、星を見たりしていたのですが、そのよく見えること、 M81/82についてはそのコントラストも含めて驚きました。しかも、このXシリーズの対物ユニットにはフォーカサーも組み込まれ ており、とても軽量にできています。そして松本さんに連絡、相談、そして完成したのが Swarovski X95 双眼望遠鏡です。

コンセプトは「心と体の贅肉をそぎ落とした小型軽量お手軽双眼望遠鏡、ついつい使用頻度が高くなる双眼望遠鏡」でした。 双眼化において対物ユニットとEMSの接続アダプターが一番の難所でした。バヨネットマウントの攻略は難物でしたが、 このマウントを逆手にとってEMS取付角度の再現性が担保されたアダプターが完成しました。詳細は 松本さんのHPを 参照して下さい。これは画期的なアイディアです。

小さくて軽い10cm 級双眼望遠鏡ですが、今一歩の点もあります。まずは光学性能。スポッティングスコープとしての純正 接眼部仕様の場合、焦点内外像はほぼ対称です。しかし純正のプリズムを使用しない場合、焦点内外像は非対称になります。 明らかに負修正、つまりプリズム光路による補正も考慮した設計をしていると言うことでしょう。
問題は球面収差がある程度残った 状態を許容できるのか・・・ということです。私の場合、少なくともこの双眼望遠鏡の限界倍率である158倍は許容範囲と思います。 この倍率で土星を見ると本体の縞やカッシーニの間隙もしっかりとしたコントラストで見えます。これは人それぞれですが、 ハイランダー・プロミナーやミヤウチのフローライト/EDシリーズその他の双眼鏡では高倍率はなかなか得られないし、得られ たとしても左右の光軸の問題があります。SwarovskiX95 双眼では球面収差のわずかな残存はありますが、倍率の自由度は高い し光軸の問題は事実上ありません。私はこの望遠鏡の光学性能は十分及第点をあげられると思っています。なんと言ってもF5.8 ですから。

アイピースの選択。どのようなアイピースでも使えるわけではありません。推奨はテレビュ ーのアイピースになります。しかも視野環の位置が「6mm OUT」のものです。ただし、ナグラーズ ームはダメ。首から下が長すぎる。手持ちのアイピースで比較すると、デロスの像質が一番良いよ うです。でも、いかんせんデカイです・・・。倍率の色収差を考えると今のところナグラー type5: 16mmが私のデフォルトアイピースです。2インチアイピースも使用可能です。上手くいけ ば4.5度程度の実視界が取れます。専用アダプターで無限遠のピントが確保できるアイピースは 確認している中ではEWV32mm、テレビュー・パンオプテック27mm、ライカズーム8.9-17.8mmです。

Swarovski X95 EMS-BINO を星空の下で使ってみました。いつもの南会津のフィールドです。

設営は2,3分。Pelican 1550 caseから本体を出して、Gitzo 2380に載せるだけ。取っ手に等倍ファイン ダーを付ければ、後はキャップを外してアイピースを挿入すればOKです。しかも軽いので、この状態で 一式担いでウロウロできます。
写真三脚はスリックのプロフェッショナルデザインIIを使っています。 これのよいところは重さとエレベーター。エレベーターを調整することで、天球上のどの対象もほぼ同じ 姿勢で見ることができます。本体の全長が短く軽いし、倍率も高いわけではないので、何ら問題はあり ません。
傍らにはK&Mのマイクスタンドに載せたiPad2 があります。これはファインディングチャート用の 星図ソフトを表示させています。これは星仲間のKさんのやり方をマネさせていただきました。ただし、 望遠鏡と星図ソフトのWi-Fi接続はしていません。星をたどって導入する古式ゆかしき方法ですが、 この導入過程が意外に面白いのです。望遠鏡の実視界は2度以上あるので、M天体をはじめとするメジャー どころは瞬時に視野の中に導入することができます。多分光害まみれの空だと無理でしょうね。 これも十分美しい星空と広視界アイピースのおかげです。

組み合わせるアイピースは前述のごとく視野環の位置が「6mm OUT」のテレビュー製が中心です 。星空の下ではいろいろ試してみましたが、Nagler Type5: 16mm (x35@2.4°)がデフォルトでときおり Nagler Type6: 9mm (x61@1.4°)に差し替えるくらいでした。双眼なので惑星もNagler Type6: 7mm (x79@1°)くらいで十分楽しめます。最高倍率は経緯台の操作性も考慮するとNagler Type6: 5mm (x110@0.7°)だと思います。
上記アイピースのいずれをSwarovski X95 EMS- BINOと組み合わせても視野 周辺まで星は「点」です。これは非常に気持ちがいい。もちろん中心像も満足。見つめても、眺めても 楽しめます。「あのアイピースなら星の色がもう少しよくわかるかも・・・」などとも思いますが、 システムとして考えると、この組合せが最適解かもしれません。
今回は2インチを試していませんが、 ライカズーム8.9-17.8mmの場合はx31@2°とx62@1.3°になります(最低倍率と最高倍率しか使いません)。 もしかしたらこれが最小のセットかもしれません。

Swarovski X95 EMS-BINO の実際の見え味はどうであったか?バカバカしいくらいによく見えました。 視野一杯の星像も美しいし、抜けもいいし、これといった欠点が見つかりません。

M13、M3、M22、M11はザラザラではなくツブツブです。コントラストが高く星像が小さいので本当に 美しい。

M8、M20は圧感でした。特にM8は立体感のある微光星の集簇を取り巻くように星間ガスの存在が認識され ます。高コントラストと双眼視がなせる技なのでしょう。まるでKトレーディングの宣伝文句のようですが、 そうなんです。

M27は「亜鈴」ではなく「ラグビーボールです」出っ張った部分の濃淡がよくわかります。

M81、M82もいい感じ。M82の複雑な濃淡がおもしろい。M51は伴星雲に腕が伸びているのがわかります。

そしてはくちょう座の網状星雲。フィルターなしでハッキリと認識される。特に東側の星雲はまさに 「横顔」です。これには驚きました。

実際の星空を覗いた感想ですが、このBINOの特徴は抜けと高コントラストかもしれません。Swarovski の レンズコーティングとEMS ミラーの銀コーティングとの相乗効果でしょう。この美しい視野の星々を眺めて いると多少の球面収差や色収差の残存はもうどうでもいいことだと再認識しました。

Swarovski X95 EMS-BINO は小型軽量による易運用性、十分な集光力、短焦点による広視野、そして美しい星像、 これらが高次元でバランスされたすばらしい双眼望遠鏡でした。おそらく10cm 級の双眼望遠鏡では最高傑作だと 思います。やっと「青い鳥」を見つけたのかもしれません。最後にこの双眼望遠鏡の具現化に多大なる御尽力を いただいた松本さんに深謝申し上げたいと思います。

黒木嘉典 (Kuroki Yoshifumi)
栃木県宇都宮市

管理者のコメント;

This binoscope is definetly the advent of the new concept of the EMS-BINOSCOPE in that it is an ideal combination of the Objective Unit of a Spotting Scope(SWAROVSKI X95) and the EMS.
I must give Mr.Kuroki, who had the foresight of the marvelous results and the courage to take it into practice, my biggest applaud.
You can see my processing reports in the link quoted below.
Binoscope Making Report,dated 4/27,28; 5/2,15,16,25,31; 6/2.

BINO製作情報速報で何度かご紹介しておりました、SWAROVSKI X95-BINO について、黒木さんよりさっそく詳細なユーザーリポートを いただきました。 今回までにご報告いただいている内容も含めた集大成とも言える、価値あるリポートです。  ご計画の動機から実際に使用されたご感想まで、非常に懇切におまとめいただきました。

筆者の今日までのEMS-BINOや広範なご自作経験を含めた各種光学機器とのかかわりの深さが、今回のリポートの説得力を高めています。   趣味の世界では、マニアは独自の一面的な 判断に陥り易いものですが、筆者は対極の選択肢も知り尽くした上で今回の選択をされたことが、本文からも、 また過去のリポートからも分かります。

スポッティングスコープは純粋に光学的に見れば、天体観望に特に適した光学系でないことは、黒木さんも本文でご指摘の通りですが、 その生産台数の桁違いの多さからか、工業製品としての成熟度は一般的に言って天体望遠鏡よりも格段に高いということが言えると思います。 その成熟度とは、軽量さ、コンパクトさ、また使い勝手、メカとして、また光学的な性能や外見の美観までを含めた総合的なものを指します。 そして、ごく最近になって SWAROVSKI とごく一部のメーカーがユニット分割構造のスポッティングスコープを生産し始め、EMS-BINOへの利用が 可能になったということです。

今回の黒木さんの革新的な挑戦の成功が、天体望遠鏡業界の今後の製品開発に何らかの好影響を与えることを願っています。 スポッティングスコープよりもシンプルな光学系の天体望遠鏡が、現行のスポッティングスコープのような 軽量化、コンパクト化、そしてモデュール化を達成できないはずはない、と私は考えます。 天体望遠鏡業界では 、唯一BORG(トミーテック)だけが、かなり以前より各部パーツのモデュール化や軽量化の先駆けを成してはいるものの、私に言わせれば、 まだまだ「天体望遠鏡」としてのステレオタイプの範疇からは脱却していず、今後の開発に期待したいと思います。

なぜスポッティングスコープはあんなに” Cool”、格好よいのか? 天体望遠鏡の生産台数では、あの流線型の鏡筒ラインはコスト的に 本当に無理なのか?等々、天体望遠鏡業界も真剣に考えるべき時期に来ているのではないでしょうか。
ステレオタイプや面子は合理的な思考を破綻させます。先端の客観データをいくら示されても、未だに銀蒸着へのアレルギーが治癒しないことや、 アイピースのピント位置の統一が出来ない天体望遠鏡業界の現状を見ると、悲観的になってしまいますが、早く目を開いて欲しいものです。

黒木さん、この度はまたタイムリーに素晴らしいリポートををご投稿くださり、本当にありがとうございました。 他の件も含めまして、追加リポートがございましたら、 またよろしくお願いいたします。

追記: ななつがたけ北天文台の”天文台日記”にもリポートを投稿されていますので、こちらもご参照ください。

2013年6月9日
2013年6月5日
2013年6月3日

追記2: SWAROVSKI-X95-BINOの製作記は、
当サイトのBINO製作情報速報の、 2013年、4月/27,28; 5月/2,15,16,25,31;
6月/2 に掲載しています。



SWAROVSKI ATX95-BINO completed (4)!! / SWAROVSKI ATX95-BINO、完成!!(4)

 引き続きリポート2をいただきました。 私たち天文マニアは、より上の光学性能を目指す内に本来の目的を忘れ勝ちで、「星像ばかり見て星を見ず。」の傾向に陥りやすく、時に Nit-picker にさえなり得ます。

 ところが、 今回のオーナーさんは、光学的にシビアな見識を持ちながら、最終的に観るべき対象を見失うことなく、合理的な判断を下されたところが、特筆すべき点ではないかと思います。優先度の低い部分を切り捨てる英断が得させた今回の快挙ということでしょう。 これは一見簡単なようで難しいこと。 私も見習いたいものです。^^



SWAROVSKI ATX95-BINO completed (3)!! / SWAROVSKI ATX95-BINO、完成!!(3)

 さっそくに追加リポートをいただきました。 今回の設計の意図が十分に達成されたようで、大変嬉しく思います。 また、このスコープの応用にいち早く気付かれ、さらに躊躇なく実行に移された依頼者の方の先見性と勇気に敬意を表したいと思います。

 今回は、単に「軽いユニットパーツを組み合わせて格別に軽量なBINOを作った。」というのではありません。「”モデュール(module)化”を徹底させた初めてのBINO!」という格別の意義に気付いていただきたいと思います。

 このコーナーは、単にBINOの製作情報を製作依頼者の方々にお届けする場のみではなく、肉眼で観るための観察機材に関する理想の形態を広く一般マニアや天文業界ご提案する場でもあると、私は常々考えています。 しかし、意外に世間の反応は淡白であり、一般の”気付き”の遅さに落胆することが多いというのが、正直な感想です。  反発を覚悟で、気付きの遅さのランキングを想定すると、以下のようになります。

目の開けた天文マニア < 保守的な一般マニア ≦ 比較的目の開いたdealerさん                                <<老舗(ブランド)光学メーカー

一番左に属すのは、このサイトの常連さんを含む、進取の精神に富んだマニアの方々で、右に行くほど気付きの遅い方々になります。^^;

 ”モデュール化”に戻ってご説明します。 今回のSWAROVSKI ATX95-BINOは、構成パーツがそれぞれ完全に独立しており、完璧な再現性を前提にして構成パーツ個々の運用と合体を可能にしたことが、新規性の所以です。 対物(&インナーフォーカス)ユニットは、本来の目的である望遠レンズ等として瞬時に使用でき、単体保管、管理が可能です。 ですから、本当は、”BINOとしての総重量”という概念も存在していません。 想定される極端な例を挙げますと、Aさん、Bさん、Cさんという仲良し3人組がいて、日常はAさんとBさんがそれぞれATX95の対物ユニット(1本)を望遠レンズとして使っていて、 EMSを持っているCさんを含めた3人が遠征先で合流してBINOを構成して楽しむ、ということさえあり得るわけです。

6月4日追記: SWAROVSKI ATX95-BINOの記事は、4月27日、28日; 5月2日、15日、16日、25日、31日; 6月2日にも掲載しております。 全文を読みいただくと、よりご理解が深まると存じます。



SWAROVSKI ATX95-BINO completed (2)!! / SWAROVSKI ATX95-BINO、完成!!(2)

 少なくとも天体望遠鏡を使用した10㎝クラスのBINOと比較して、常識破りの軽量、コンパクトさを達成した SWAROVSKI ATX95-BINO ですが、私自身は双眼に実際に組み立てた状態を見ていませんので、実際の見え味や使い勝手が非常に気になっていました。

 しかし本日、”ななつが岳天文台”でご紹介いただいた記事を拝見し、安堵いたしました。^^ 追って詳しいレポートがいただけるそうで、楽しみです。