SWAROVSKI ATX95-BINO completed!! SWAROVSKI ATX95-BINO、完成!!

SWAROVSKI ATX95-BINO is completed. But, one of the objective unit is kept by the client (not here) and this photo actually is the composite one of the left and the right unit.You can see how I have treated the annoying bayonet.

 SWAROVSKI ATX95-BINOが完成しました。 ただし、今回当方でお預かりした対物ユニットは一個のみでしたので、左の完成写真は、左右仕様でそれぞれ別々に撮影した写真の合成です。依頼者の方がBINOの上級者になられますと、こうした芸当も出来るようになります。

 左のアリミゾは前後軸で、右のアリミゾは左右軸に配置しており、従って左の鏡筒は前後のみに移動出来、右の鏡筒は左右のみに移動できるようになっています。つまり、簡易な目幅調整が非常にシンプルな構造で実現しています。 光軸の初期調整は、左のアリミゾが水平方向の微調整を、右のアリミゾが上下方向の微調整をそれぞれ受け持ちます。 運搬用ハンドルユニット(兼ファインダーベース)は今、アルマイトに出しています。 (多分、アルマイトは今日仕上がると思うので、今日中に発送できると思います。)

 今回のBINO作りでの最大の難関、かつ解決への核心は、いまいましい^^;バヨネットをどう扱うか、ということでした。理想的なのは、純正のオスのバヨネットに完璧に適合するメスのバヨネットを作ることですが、これは加工のハードルが高過ぎたことと、それだと構造的に十分にlow-profileに出来そうになかったため、それは早々に回避しました。

 そうなると、バヨネットの爪の奥の細い径の所に固定ビスを当てるのが常識的な考えかと思いますが、それだと、対物ユニットにEMSを圧着させることが出来ません。 そこで、私は、一見あり得ない方法に打って出ました。ローレットネジの先端ポリアセタールがバヨネットの爪の裏側ではなく、またバヨネットの爪の真心でもなく、爪の厚みの奥の角線に当たるようにしましたが、目算は適中しました。 こうすることで、バヨネットがテーパフランジと同じ役割を果たすわけです。

 さらに、バヨネットの爪を逆手に取り、上の画像の赤い矢印で示したアジャスタブルな突起を配置することにより、EMSの固定アングルに完璧な再現性を持たせることにも成功いたしました。

 黄色い矢印は、EMSの接続フランジを固定するものです。 ここを分解することはまずありませんが、アダプターの内部構造が見えるように分解して撮影しました。 実際には、アダプターはEMS側に常にセットして、接続の再現性を持たせます。



Customizing the EMS-US set adapting to the smallest IPD,”51mm”!! / 最小目幅51mmへの挑戦!!(EMS-US)

The standard housing of the EMS is 59mm in the outer diameter, and 50.8mm in the inner one.So, it seemed to be almost impossible for the standard housing to adapt to the smallest IPD of 51mm, or at least to be required the large trimming of the housing and the repainting afterward.In spite of the negative estimations, I found a good solution to get the minimum IPD of 51mm without trimming the housing at all. The answer is the eccentric 2-inch cap. Of course I should shift the mirror to some extent to the lower side in advance.That’s “Deceptively Easy” isn’t it?

「瞳孔距離 51mm の家族に双眼視の感動を味あわせたい!」 そんな真剣なご相談を受ければ、一肌脱がないわけには行きません。^^; さらに防塵フィルターも設置されたいとのことで、頭をひねりました。 まず、EMSの標準ハウジングの外径=59mmで、目幅方向対面部のトリミングが最初から施してあるため、 アダプターを少しトリミングすれば、57mm程度までのカスタマイズは簡単です。 ところがそれ以下になると、今度は塗装済みのハウジング自体を削らないといけません。ハウジングの内径は50.8mmあるため、一定の壁厚を残せば、54mmくらいまでが現実的なところです。 それにしても、トリミング部の補修塗装等、頭が痛いものです。

 いろいろ考えた結果、良い方法があることに気付きました。 それは、31.7ADの基部の2インチキャップの36.4φ,P=1ネジを偏心させることです。EMSのハウジングは、ミラーのセンタリング移動も出来るので、金物の偏心に即してミラーをシフトすることが可能です。(と言うか、ミラーのシフトでカバーできる範囲の2インチキャップの偏心で51mmが達成できるということです。)

 この手の加工はCNCフライスの真骨頂で、今回もヘリカル加工が功を奏したことは言うまでもありません。

 以前は、20年以上前に特注した36.4φ,P=1のタップを多用していましたが、それを使うよりもずっと能率的かつ正確です。 このタップ、数年前に見学に見えた(望遠鏡関係の)加工業者さんにお貸ししたきり返って来ませんが^^;、ヘリカル加工を習得してからはタップがなくても困らなくなりました。(停電時やマシンの故障時以外は^^;)



Angle-Adjustable Finder base for the ATX-95-BINO / フレキシブルなファインダー台座(ATX-95-BINO)

I have thought up a simple adjustable finder base on the carrying rod of the ATX-95-BINO.

 最終段階で、ATX-95-BINOにVIXENのファンダー台座を付けて欲しいというご希望を頂いたので、せっかくのシンプルなBINOのイメージを損なわないような方法を考えてみました。 完全気密構造のスコープ本体には手を付けられませんし、台座もコンパクトに徹したので、ファインダーを設置するような余分なスペースはありません。

 ただ、ごくシンプルな運搬用のハンドルロッドがあっても良いと考え、まずはロッドをセットし、そのロッドを止まり木にしてファンダー台座が取り付くようにしました。そしてついでに、ファンダーが中央と、左右に自由に振れるようにしました。 ロッドにファインダー台座を固定するためのアダプターは、D型のセットカラーその物の構造をしていますが、ネジスパン等がぴったりの規格品が無かったため、自前で製作しました。



TOA150-BINO completed!! / TOA150-BINO 完成!!

TOA150-BINO is completed. It will be the advent of the next stage of EMS-Binoscope making.

 難産でしたが、やっと完成しました。 この度はいろんな面で良い勉強をさせていただきました。今後のBINO作りに役立てさせていただきたいと思っています。

 今回は搭載重量の制限が厳しかったので、架台はほぼ無改造の方針で臨みました。 そのため、BINO本体は水平回転軸の真上ではなく、少しだけ右に寄っています。 左のウェイト軸ホルダーにスペーサーを噛ませているのは、そのためで、三脚とウェイトが干渉しないようにしたものです。これは当方での架台の動作チェックのためで、納品時にはスペーサーは撤去します。(納品先ではピラーになるので、スペーサーは不要) 

 架台のメンテ等で、鏡筒を下ろす必要が生じた場合は、鏡筒を1本ずつ抜き取ります。 もちろん、先にEMSや合焦機構、さらに鏡筒末端のフランジを撤去しておかないといけません。 バンドの内面にはテフロンテープを貼っていますので、コツさえ覚えれば、鏡筒の抜き取りも前後バランスの初期調整も比較的楽です。 フレームの精度剛性は十分なので、光軸の再現性は万全です。

 

(同日追記) 今回のセンターフォーカス・システムで、左右の視度に差がある場合にどう対処するかについて、どちらからもご質問がないので、先回りしてご説明します。^^; 結論から申しますと、目幅調整用のヘリコイドを用います。 通常の眼幅調整は、リンク画像のように、左右同時対称的にヘリコイドの転輪を回します。 次に、右眼の近視が強い(遠視が弱い)不同視の方は先ほどの作業に続けて、左右のヘリコイドを今度はそれぞれ反時計回り(同方向)に同量回します。(←同量回すことで、目幅の変化を相殺します。) 左の近視が強ければ、当然その逆に回します。

「そんなことをしたら左右のアイピースの高さがずれてしまいます。」・・と、おっしゃいますか? それでは、私からの質問です。 「市販の90度対空双眼鏡では、左右の視度をどう補っているでしょう?」お分かりでしょうか。 市販の双眼鏡も(直視、対空に限らず)、アイピースを前後(上下)させて合焦させています。 つまり、不同視(左右の屈折度が違う方のことで、視力の差は無関係です。)の方は程度の差こそあれ、左右のアイピースに段差が付いた状態で双眼鏡を覗きますが、眼鏡で補正出来る程度の不同視なら、全く問題なく覗けることはご承知の通りです。

 しかも、(ここからが極めて重要なところ^^;)EMSの場合は、目幅ヘリコイドの軸(つまり第1反射光線)がアイピースの光軸と60度の角度を持つため、同量の不同視で生じる 左右のアイピースの段差は、同軸のヘリコイドで補正する市販の双眼鏡の1/2にしかなりません。(cos60°=1/2)(つまり、不同視補正時のアイピースの段差は通常の双眼鏡の1/2しか生じないということです。)

 この方法は、左右の視度差を先に補正してしまい、最後は双眼視のままピントを追い込むというものですが、どうしても片眼をつぶりながらダイレクトに合焦操作をしないと気が済まない方もおられるかも分かりません。 しかし、それは単なる習慣であり、むしろ、単眼視での合焦操作は、眼の調節が入りやすく、どうしても近視寄りのピントになり勝ちです。 実際、検眼(屈折度測定(視力検査ではありません))に於いても、最後には両眼開放で行った方が調節の介入が起こりにくいことが分かっています。



Top flange of the pillar for the LX80 Mount(TOA150-BINO) / LX80をピラー(150φ)に固定するためのフランジ(TOA150-BINO)

Here is the flange of the pillar top that holds the LX80 Mount.

 TOA150-BINOのパーツのアルマイト加工が全て完了しました。 いよいよ最終組み立てですが、ちょっと深呼吸をしてから、じっくりと組み立てたいと思います。(邪魔が入るといけないので、閉店後にします。^^; それにしても、今、メガネ店の店内は足の踏み場もないほど、とんでもない状態になっています。^^;)

 写真は、ピラー(すでに依頼者の方のドームに設置してある)トップに取り付ける、LX80用のフランジです。

(他の仕事も並行して進めていますので、どうぞご理解くださいませ。 SWAROVSKI-ATX95-BINOはもとより、市販の15cm双眼鏡(90度対空)の前部ユニット(放出品)にEMSを組み込む件を始め、複数ののっぴきならないご依頼が頭の中でぐるぐると回っています。^^; 年中無休でやっていますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(決して放置してはいません。))



Anodizing parts of the TOA150-BINO / いよいよアルマイト工程(TOA150-BINO)

The left is the parts for the framework and the right is for the binoscope itself.Isn’t it miraculously simple for the structure of the large binoscope?

 いよいよアルマイト工程です。 左はフレームのパーツで、右はBINO本体のパーツです。今回は重量制限も厳しく、徹底してシンプルな構造を目指しましたが、こうしてパーツを並べてみて、我ながら善戦したと感じます。^^; 右の写真の合計6個のパイプ部品と2本のロッドは全て、純正フォーカサーの代わりに用意した物なので、純粋にBINOの基礎部分を構成する部品は、2枚のメガネプレートだけということになります。



TOA150-BINO preliminerily assembled / TOA150-BINO、仮組み立て!

TOA150-BINO is preliminerily assembled and proved to be quite successful.The repeatability of the optical axes is also superb on the new framework.

 記念すべき仮組み立てです。 基本、大成功です。 当然ながら、TOA150-BINOは地上物を見ても凄まじい見え味です。新型フレームの光軸の再現性も完璧でした。(初期調整すら不要)合焦機構は、昨日も触れたように、もう少し手を加えます。(リニアベアリングを併用します。) これからが最後の正念場です。(鏡筒は、予想したよりもずっと前に出せることが分かりました。仰角による接眼部の上下移動の量が大分緩和されそうです。)



Linear Bearing is added / リニアベアリングの追加

 無負荷の段階では極めてスムーズだったために、良い気になって省きましたが、EMS、アイピースと負荷が増すと、やはりこれ(リニアベアリング)は必要でした。手持ちがありますので、至急対応します。 まだ追加加工がありますが、今度こそ、一両日中に仕上がるはずです。(仮組み立て後にアルマイト工程に送ります。)



TOA150-BINO almost completed!! / TOA150-BINOほぼ完成!!

The linear bearing lastly added has drastically enhanced the performance of the focuser.

 フォーカサーは、どたんばでの設計変更が功を奏しました。 これでフォーカサーは完璧です。^^写真でお気付きと思いますが、第1第2プレート共、初期の設計を上下逆に用いました。

 設置予定だったスタビライザーシャフトを元の位置で手前に延ばすと、EMSと干渉することが分かったからでもありますが、この方がややこしいメカが隠れるので、怪我の功名でした。^^; フォーカシングノブも、上から手を突っ込むのを止め、写真のように、EMSの手前下から操作することにしました。 この方がより自然に操作できるようです。 細部の仕上げの後、いよいよアルマイトです。



Innovative Center-Focusing System, quite successful!! (TOA150-BINO) / センターフォーカス機構の成功!!(TOA150-BINO)

The core part of the Center-focusing System is perliminerily assembled and I found it quite successful.It moves not only silky smooth but also has moderate friction enough to prevent the system sliding down of itself.Another stabilizer will be added to the second plate as the one already set on the first plate.

 お待たせしましたが、本日やっとセンターフォーカスの主要部分を組み立てて動作確認をしました。結果は期待以上で、まずは安堵しました。 目下設計中の15cmF5-BINOのVERSION9にも同じ方式を採用することにします。

 操作は実に滑らかで、駆動速度も眼視に理想的です。これだけの規模の左右のドローチューブが同時並列的に正確に前後することに、我ながら感動に浸っています。(通常のネジだとこうは行きません。) 滑りネジ機構が滑らか過ぎると自重でスライドダウンしてしまうことを懸念しましたが、前もって施した対策が功を奏し、適度なフリクションがちゃんとシステムを保持してくれています。

 現段階でも、中央の滑りネジ機構部と左右のボールローラーとの3点支持により、第2プレートの平面内の回転方向の安定性はすでに万全ですが、プレート面と直角(左右端を前後)方向に故意に捻る外力を加えると、構造上少し前後に揺れるので、第2プレート側にも、これから第1プレートにセットしたようなスタビライザーをセットする予定です。

(現状でも、敢えて接眼部を握らなければ問題はありませんが、スタビライザーの追加によってより剛性がさらにアップするはずです。これは、中央シャフトがたわむのではなく、滑りネジのゆとりによるもので、想定していたことです。シャフトネジの手前側にも同軸の延長棒をセットし、第2プレートに固定したスタビライザーがそれを軸にしてスライドするようにします。)

(接写ぎみなのと、該当部のズームアップの構図のため、メカがやや大袈裟に写真に写ってしまったのが残念です。 実際には、この写真で見るよりもずっとシンプルでコンパクトなシステムです。 追って、撮り直した画像をお見せします。^^;)



The simple mount for the SWAROVSKI-ATX95-BINO / SWAROVSKI-ATX95-BINO用マウント

 SWAROVSKI-ATX95-BINO用のマウントがほぼ完成しました。左のアリミゾは左右の初期調整を、右のアリミゾは上下方向の初期調整を受け持ちます。 今回は、SWAROVSKI-ATX95の対物ユニットには全く手を加えずに、純正ブラケットがそのままマウントに取り付くようにしました。最もシンプルな構造で、EMS-BINOが要求する全ての要素を備えています。 目幅は半固定ですが、右の鏡筒の固定位置で自由に設定できます。(使用中の光軸微調整は右のEMSで可能なことは、他のEMS-BINOと同じです。)



The ball roller installed (TOA150-BINO) / ボールローラーをセット。(TOA150-BINO)

 本来なら今日は仮組み立てしたTOA150-BINOをお見せできる予定でしたが、ちょっとしたハプニングで明日以降に持ち越すことになりました。外注した滑りネジのシャフトの両端のネジ加工が、一般的なM6ネジのつもりだったのが、特殊な細目ネジ(P=0.75)でした。 急遽該当するタップを発注した次第です。(確かにメーカーのwebカタログにもそう記載してあり、私の不注意でした。(しかし、なんでわざわざ特殊なネジを切るのだろう??^^;))



The bearing tube attached to the first plate(TOA150-BINO) / 第1プレートにスタビライザーパイプを取り付けてみました。(TOA150-BINO)

This polyacetal tube will keep the sliding screw mechanism to be perpendicular to the plates.

 このポリアセタールの支持棒(パイプ)がスライドネジ機構の(プレートに対する)直角をキープする大事な役目を負います。プレートに前もってヘリカルネジ加工を施した所以です。

 本来なら、今日にもBINOが組みあがる予定でしたが、不足の材料が届くのが明日以降になりそうで、もう一日ほどお待ちください。^^;(連休や土日に悩まされます。 当方は年中無休ですが。^^;)



The first plate preriminerily set up (TOA150-BINO) / 第1プレートを取り付けてみました。(TOA150-BINO)

The tubes seemingly look like the outer tubes of drawtubes are not actually the ones.The tubes do not directly hold the inner tubes, but the ball rollers that will be installed in the outer tubes will sustain them.

 一般的なフォーカサーの外筒に相当するパイプをフランジにねじ込んで、第1プレートを写真のような位置に固定します。ただし、前回もご説明したように、EMSが取り付く第2プレートと一体となった2本のドローチューブは、上記外筒とぴったりと接触して互いに摺動するのではなく、敢えて少し隙間を持たせ、外筒の末端の厚肉部にセットするスクリュータイプのボールローラー(ネジの先端に回転するボール(ポリアセタール)がセットしてある物)で第2プレート(+ドローチューブ)を保持し、最終アライメントも可能にします。

 第2プレート(+ドローチューブ)の軸方向の動きは、前回ご説明した通り、第1、第2プレートをリンクする4条の滑りネジ機構が受け持ちます。 (つまり、この部分でも、上下方向の光軸の微調整を追い込むことが可能です。第2プレート(+ドローチューブ)とEMSを含む接眼部全体は上記滑りネジ機構と外筒のボールローラーで支えられます。)(便宜上、ドローチューブ、外筒、という名称を使いましたが、一般的なそれらとは役割が違うことは、前回ご説明した通りです。)



The second plate of the center focusing system (TOA150-BINO) / 第2プレート(TOA150-BINO)

The standard Takahashi Focuser should have been replaced for lower profiled one, such as 3.5-inch Feather Touch, unless this original center focusing system was not developed; to get enough back-focus to use EMS-UXL with the OTA span of 212mm. Imagine the weight of a pair of 3.5-incn Feather Touch Focusers along with its high price. This is a good solution for keeing light and cost saving.

 センターフォーカスシステムの採用は、EMSの第1ミラーの一体化で光軸の安定性が向上する以前に、鏡筒を切らずに必要なバックフォーカスを確保するという大きな意図がありした。

 純正のフォーカサーを low-profile な3.5インチフェザータッチと交換すれば手っ取り早くバックフォーカスが確保でき、精度剛性も万全ですが、これだと、もともと重量級の純正鏡筒がさらに重くなり、コストも肥大します。

 このセンターフォーカスシステムでは、軽量化とバックフォーカスの確保と、さらにコストダウンを目指しました。(実際、BINO製作用に追加確保させて いただいた鏡筒は、メーカーさんに無理を言ってフォーカサーなしで供給してもらい、依頼者の方に喜んでいただきました。)



Draw-tubes and the end parts (TOA150-BINO) / ドローチューブと末端スリーブ(TOA150-BINO)

BINOのどの部分のパーツかがよく分かるように、前回の125SD-BINOの画像でご説明します。Aは大型のEMS-UXLを接続する末端リングで、内径=90㎜です。Bは一般的に言うドローチューブで、外径90㎜です。Cは大型のEMSの接続バレル(90㎜φ)です。125SD-BINOで、外見上どの部分に対応するかを、右の画像でお示ししました。

ただし、ドローチューブ(B)の目的と使い方は、一般的なそれとも、また前回の125SD-BINOとも異なります。 今回は、以前にお示しした精密同軸伸縮ユニットが主に軸上の動きを規定しますので、元来のフォーカサーのように、ドローチューブその物が伸縮の精度を負っているわけではありません。 役割からしますと、Bはドローチューブと言うよりも、遮光チューブと言った方が当たっています。また、今回のBは、前回の125SD-BINOのような収納用ではなく、純粋に合焦用なので、Bは普通、外筒にほぼ収納された状態(繰り入れた状態)で使用することになります。 前回ご紹介した第1プレートに垂直に同軸伸縮ユニットがセットされますので、その伸縮ユニットに垂直に連結される第2プレート(これから製作) は第1プレートと常に平行を保つわけです。

左右のEMSを共通のプレートに固定する方法は、今回が初めてではなく、以下のBINOですでに実績を得て、好評をいただいています。

BORG50-BINO

C5-BINO

BORG-FL71-BINO

BORG-125SD-BINO

この方法ですと、左右のEMS自体の光軸が常に平行を担保されているわけで、ユーザーさんの不適切な管理、調整が介入する要素の大半を最初から排除できるという意味で大きな意義があるわけです。 ところで、今回はセンターフォーカス仕様であり、かつ直前の125SD-BINOのように、左右に個別のフォーカシング機構を装備していません。左右の視度の違いに対応できるのでしょうか。 それは全く杞憂で、当サイトをよくお読みいただいていれば多分ご推察いただけると思いますが、個別にお尋ねいただけばご回答します。(もちろん、完成時には、ここで使い方の詳細をご説明しますが。)



The first plate of the Center-Focusing System (TOA150-BINO) / センターフォーカス用第1プレート(TOA150-BINO)

One of the two plates of the center- focusing system is completed.

 センターフォーカス機構を保持する2枚のプレートの内の1枚です。このプレートは鏡筒フランジに固定し、EMSを保持するもう1枚のプレートが前後に伸縮することになります。当然ながら、2枚のプレートが常に平行を保つ必要がありますが、このプレートに垂直にセットされる伸縮機構のプレートに対する直角度の精度(と剛性)維持にかかっています。このプレートの中央上部に施工したネジ穴はその直角度を担保するものです。

An example of thread milling

 このセンターフォーカス機構は、2011年に製作したC5-BINOのピント補償機構とも少し似ています( よりシンプルですが)。 今回のBINOは、バラバラに分解してお送りし、ユーザーさんで観測ドーム内に組み上げていただかないといけませんので、当方での製作段階より、一緒に作るという気持ちでしっかりと工程を消化していただきたいと思います。 原理構造をご理解いただいている、という前提で進めますので、少しでも疑問な点がありましたら、その都度お尋ねいただけましたら幸いです。



Another break through in the project of EMS-SWAROVSKI combination;”17X95mm”!! / SWAROVSKI、EMS仕様に新たな展開!; EWV32mm使用可!!

The objective unit of SWAROVSKI-ATX95 is proved to be compatible with also EMS-UM, not only with EMS-US.That means, most of the 2-inch size of the oculars can be used such as the popular EWV32mm-85deg.17X of low magnification and nearly 5-deg of the actual field of view has been achieved!

SWAROVSKI-ATX95の対物側ユニットにEMS-USが使用可能なことが分かり、BINO化の準備を進めていましたが、接続ロスを極限まで節約すれば、EMS-UMでも使えることが分かりました。 これは、視野環がレンズ系の外にある正のレンズ構成であれば、大方の2インチアイピースが使用できることを意味します。

さっそく、EWV32㎜用の専用スリーブを作って試したところ、余裕で合焦することが分かりました。視野のケラレもほとんど目立ちません。純正の接眼ユニット(45度)は、30倍~70倍のズームになっていますが、アイレリーフが短い(私の基準で言っています)のと、低倍側の見かけ視界が狭いこと、また最低倍率そのものが高すぎるのが天体用としては致命的だと思いました。

その意味で、今回ほぼ17倍の最低倍率を確認したことには大きな意義があり、EMS仕様の優位性がさらに際立ちました。

右の2枚の写真が、この度のEWV32mmのカスタマイズを示しています。 標準の2インチバレルを外し、専用スリーブを取り付けます。専用スリーブは内径2インチになっており、EMSのフィルターフランジに取り付きます。 (どうしても裏像(倒立像)が見たくなったら^^;、元に戻せば良いです。)