ZenithStar80ED-BINOその後(2008年10月19日)

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ZenithStar80ED-BINO on NexStar Mount

 お久しぶりです。大阪の赤澤です。

 その後もZentithStar80ED-BINOの架台についてあれこれ試行し、やっと私に 合ったスタイルが出来上がりましたのでご報告させていただきます。

 写真にてお分かりいただけるかと思いますが、Celestron NexStar5の架台を 少し改造する事で、片持のBINOを取り付ける事ができました。架台に対し BINOが重量オーバではないかと思いましたが、思った以上にしっかりした 架台で、ちゃんと自動導入してくれています。倍率を高くしないBINOなので 問題なく使えていると申した方が正確かもしれません。

 架台ですが、NexStarの経緯台にアリガタが付くように改造しました。また、 NexStar純正の脚は高くて開き幅がせまく、低い星を見るのが辛いし、不安定 で転倒しそうだったので、短く開く脚に交換しました。今の脚はビクセンSP 赤道儀のものです。この脚ですが、アルミ脚の中にコンクリートを流し込ん であり重量は3キロ以上あるため転倒の心配もなくなりました。

 早いものでBINOを使い始めて半年以上経ちます。BINOにて美しい2重星団を眺 めているだけで心が癒され、BINOを所有した事に大変満足しておりましたが、 さらに、星の素人の私でも、他の皆様のように、この自動導入BINOにていろ いろな季節に、いろいろな美しい星を楽しみむ事ができると思います。

 最後に、このような楽しみを与えていただいた松本さんに大変感謝しております。 ありがとうございました。

では失礼いたします。
 (ご参考)ZentithStar80ED-BINO架台の開発経緯

・2008年2月:1号機完成(ポルタ延長型:木製)  前回レポートさせていただいた物です。この時の材料は大半が木でした。

・2008年3月:2号機完成(垂直型:木製)  これも木で作りました。そこそこ使えましたが、アルミ化を検討すると、  重量面、コスト面で難がある事が分かり開発を中止しました。

 この時点で、ポルタの微動装置の強化方法を思いつき、1号機のアルミ化 を決断しました。参考までに、ポルタの微動装置ですが、中のワッシャ類 を取り去ってしまい、中心部にある軸受け面をケースの外周に変更するこ  とでBINOの重さに耐えられるようになりました。
・2008年5月:3号機完成(ポルタ延長型:アルミ製)  1号機を完全にアルミ化した微動経緯台です。10mmのアルミ板を日曜大工 の工具で加工したのですが、手が痛かったです。4号機登場まで主力でし  たが、最近は稼動していません。

・2008年9月:4号機完成(Celestron NexStar自動導入機)  今回ご紹介させていただいた物です。参考までにCelestron NexStarの経緯  台にアリガタをつけるにあたり、・インチ規格の6角レンチセット・かなり大きなモンキーレンチ・ドリル ・タップが必要です。全てホームセンターにある物なので何とかなります。

 また、アルミ製の脚にコンクリートを流し込む技ですが、脚の開き止めの 金具を留めてあるネジ穴が腐食して、ネジが全て抜けてしました。危ない 技なのでご注意ください。おそらく、最近のビクセンの脚であれば、危険 な技を使う必要は無いと思います。

 Celestron NexStarの経緯台ですが、パソコンとの接続が可能であり、ステ ラナビゲータ等で操作できます。私も繋いで動くところまでは確認しました が、機材が多くなり面倒なので、実戦で使った事がありません。おそらく BINOは大らかに星空を眺める物であり、PCコントロールまでする必要はない のではないかと思います。

 以上、なにかのご参考になれば幸いです。

大阪市 赤澤

管理者のコメント;

赤澤さんより、進化を続けるZenithStar80ED-BINOの最新リポートをいただき、興奮が冷めやりません。

 BINOユーザーの方を大別しますと、BINOのメカに全く無関心で、ブラックボックスのまま使用しておられる方と、 細部に渡るまで、製作者の意図を理解し、さらに必要に応じて自身のニーズにカスタマイズしながらBINOを育てて行かれる 方の2種類に分かれます。(もちろん、その中間的な方もおられますが) 赤澤さんは、後者の中でも際立った方です。

 さらに付け加えますと、自作マニアには、器用で何でも作ってしまうが、見掛けはどうでも良いという、美意識に 欠けた方も少なくないのですが、赤澤さんの美的センスには驚嘆させられます。熱意が問題であって、「工作手段が 無いから・・・」などと言うのは言い訳です。^^; アマチュアの自作の強みは、採算性(特に時間)を全く考えなくても 良いこと、その点でプロはアマにはかなわないことを、私は自分自身の経験から断言できます。 私自身が半ば諦めかけていた片持ち架台を、 遂に華麗な形で実現されました。(4枚目の写真の背景のシャッターの横線から、BINO本体がたわんでいないことが分かります。)

 実は、私も、小型BINOの中軸架台等を含めた抜本的な軽量化、コンパクト化のアイデアが最近閃き、その実現に向けて準備を 進めているところです。 ”双望会”も近いですが、どうも去年同様、この時期は私にとって鬼門のようで、 新たなアイデアに翻弄されそうですが、バックオーダーに支障にならないように、新しい物を産み出して行きたいと 思っています。

 赤澤さん、この度のご投稿は、EMS-BINOの新たな”Breakthrough”のきっかけになるような予感がしてなりません。 素晴らしいご投稿、ありがとうございました。



BORG60N-BINO(2008年10月15日)

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「トラベルBINOユーザーレポート」

 出張や家族旅行に持って行けるBINOが欲しくて、「トラベルBINO」を作りました。 マツモト式EMS-M+BORG60nを利用しました。最大の特徴は軽量コンパクトです。 フルセット重量(三脚やアイピースを含む)はわずか6kg、片手で楽々持てます。 架台セットで収納した縦横サイズはA4以下、アタッシュケースの中に納まります。 飛行機の中にも持ち込み可能です。

 自作にあたりEMS-LとMどちらにするか迷いましたが、バックフォーカスと小型化 に有利なMを選択しました。EMS-M でも2インチアイピース(30mm, 70°クラス)が 使用可能です。

 架台は色々と検討した結果、西田氏のアルミ経緯台がジャストフィットでした。 軽量かつフリーストップの操作感は抜群です。

 先日北海道出張があり、仕事道具と一緒にトラベルBINOを持っていきました。 仕事の後、ホテル近くの公園に持っていってセットアップ。旅の後で調整は必要 ですが、EMSのおかげで調整はすぐに終わりました。マツモト式EMSのX-Y調整機 構は素晴らしいできばえです。これ無しに快適な双眼望遠鏡は考えられません。

 北海道ではすでに紅葉が始まっていました。風に揺れる紅葉は美しく、見ていて あきませんでした。トラベルBINOは地上風景にも予想以上の性能を発揮してくれ ました。

 常用アイピースはWilliam Opitcs UWAN16(見かけ視界82°、倍率×20)、相性は バッチリです。アイカップをカメラ用に交換したおかげで、顔に吸い付くような 快適さです。まるで裸眼をそのまま20倍ズームアップしたような感覚でした。

 そのまま公園に置いておいて、夜いよいよファーストライト。 すばるがすっぽり視野におさまります。おそらく実視野は3°弱でしょう。h-χ など秋から冬の散開星団をひととおり流しているうちに、あっというまに一時間 が過ぎました。ストレス無しに長時間眺めることができるのはBINOの最大の強み ですね。

 一方、正直言って 6cmの限界も感じました。ギャラクシーには力不足です。 トラベルBINOの用途は、天の川を流しながらM35やM42などメジャーな星団星雲を 楽しむことですね。小型軽量ならではの使い方が楽しみです。仕事がら地方出張 が多いので、これからも出張先に持っていこうと思っています。登山に持ってい って、アルプス山頂からの星も楽しみです。

 これからアイピースやフィルターを増やすのが楽しみです。なお目幅調整機構が まだなので、近いうちにLMガイドで完成させる予定です。

自作に当たってアドバイス頂きました松本さんほか皆様、本当にありがとうご ざいました。

杉本

管理者のコメント;

 杉本さんは、EMS-Mを利用されて、総重量わずか6kgの超コンパクトBINOを実現されました。   西田さん作の架台も見事です。

  EMSのX-Y調整機構についてコメントしてくださいましたが、自作のキャリアがある方ならではの 着眼だと思いました。EMSの双眼セットとしての機能として、このX-Y調整機構は欠く事のできないものです。

 単体用のEMS-SやMを2個調達すれば、あるいは自作されれば、素材コストは随分と安くつくわけですが、BINOとして 満たすべき機能を自作で補完するためには、余分に相当な努力と投資を強いられるわけで、トータルのコストと仕上がりに関して、 どちらが有利なのかは簡単には評価できません。  杉本さんは、これらの点を良く理解してBINO用に特化したEMSセットをご利用くださったものと思います。

 EMS-MによるBINOの作例は、今日まで意外に少なく、私の記憶が明確なのは、今回の杉本さんの他には、 YamauchiさんとSakamotoさんだけですが、今後はコンパクトなBINOへの要求と共に使用例が 増えてくるかも分かりません。

 1989年に初めて天文誌に紹介されたEMSは、正立ミラーシステムという名称で、一体ケース構造でした。 当時は36.4mmのネジ込み式が一般的には最大のアイピースで、2インチアイピースはまだ広く 普及していませんでした。そのような当時の背景から、最初のEMSは、36.4ネジ込みのエルフレ32㎜(60度)クラスが ケラレなく使用できることを前提に設計していました。その当初のEMSの役割(キャパ)を後継した現行のEMS-Mの構成ミラーは、その初期型EMSよりも一回り大きく、 杉本さんも指摘しておられるように、2インチの32㎜クラスの広角アイピース(EWV32でもケラレはさほど気になりません)まで 使用できるわけです。(ただし、optionの2インチスリーブは必要) 

 光路長については、ミラーサイズで決まると思っておられる方が多いのですが、それはミラー同士の干渉の回避等で二次的に 関係するだけであり、実際には、ミラーケースのサイズと構成ユニットのジョイントの長さ、それとアイピースを 挿入するスリーブの長さで決まりす。 従って、EMS-MとEMS-Sは、同一のケースで同構成ですので、光路長は 全く同じです。EMS-Lとの光路長の差も、ケースは同一ですので、ジョイントパイプの長さとアイピーススリーブの長さ の差に過ぎません。 たとえば、EMS-LにEMS-M用の31.7ADを装着すれば、その光路長の差は14㎜しかありません。

 場所を借りて、EMSのことに少し触れさせていただきました。 杉本さん、トラベルBINOのご成功、おめでとう ございます。さっそくのリポート、ありがとうございました。