Lunt35mm-BINO in the making / Lunt35mm-BINO 製作中

 これも一般的なBINO受注とは別件で、1年以上放置してしまっていた件ですが、双望会に間に合わせないといけません。前回、単体用として正立化をやらせていただいた時は、鏡筒を切らない前提だったため、バローを使用した分、パーフォーマンスが落ちてしまっていましたが、今回は像質的にネガティブな要素は全く何も付け加えていません。 正立像の太陽面、素晴らしいです。 (非常にコンパクトにもなりました。)



Hybrid EMS-BINO; EMS-UXL completed!! / ハイブリッドBINO; EMS-UXL 完成 !!

EMS-UXL is completed, and the center-focus system is under planning.

 EMSが完成したとは言え、このBINOが完成したわけではありません。 持ち込まれた鏡筒部は、天体望遠鏡ではなく、市販の大型双眼鏡の対物ユニットであり、前回のSWAROVSKIのユニットのように都合良くインナーフォーカス機構が装備されているわけでもありません。末端もそっけない鋳物ハウジングのままで、後続のパーツを接続する足掛かりもほとんどありません。 つまり、フォーカシングシステムをゼロから構築しないといけないわけですが、設計はほぼ煮詰まりました。

(因みに、心配していたバックフォーカスですが、むしろ長すぎる(余る)ほどで、光路長に於けるEMSの優位性を再認識いたしました。ただ、予想外に鏡筒全長が長くなるため、LX200マウントのフォーク長では天頂時にEMSがマウントに干渉する恐れが出て来ました。しかし、このシステムでは、たとえ仰角制限を多少設けても(多分コントローラーでデジタル的に設定できるはず)、オリジナルのシンプルな外観を崩さないのが正解だと考えています。)



Hybrid EMS-BINO; Commercial 15cm Binocular Head and EMS !! / ハイブリッドBINO;市販大型双眼鏡対物ユニット+EMS !!

Here is another larger Hybrid Binoscope; Commercial 15cm binocular head and EMS.

 単体のEMS扱いかどうかの微妙な案件であり、BINO受注の系列とは別個に1年もお待たせしていたのですが、いつまでも放ってはおけません。^^;EMSの合体は簡単なのですが、LX200マウントに載せるのをお手伝いする”ハメ^^;”になりました。 乗りかかった舟、仕方ありません。 この素材の双眼鏡パーツは、笠井さんで扱っている15cm90度対空の双眼鏡の試作品?か何かの放出品だったそうです。 しかし、この前部だけでもとてつもなく重く(私が言っているので間違いありません。^^;)、力自慢の人でないと、使えないレベルだと断言できます。^^;

 しかし、私がお手伝いするからには、使えるようにしないといけません。写真のような強力アリミゾをCRADLEのベースプレートに作り付け、クランプレバーが下面から操作できるようにしました。 理想的な構造にしたつもりですが、これでも、装着時にはCRADLEが動き易いので、慣れが必要です。



APM80-BINO on an Equatorial almost completed / APM80-BINO赤道儀仕様、ほぼ完成

APM80-BINO on an Equatorial is almost completed. A handle with the adjusting weight is waited to be set.

 仮組み立てしてみました。 心配していた、鏡筒着脱時の各所の干渉等も問題ありませんでした。鏡筒は回転中心よりも重心が下に来るようにしましたが、それでもアイピースを装着すると、この段階ではトップヘビーになります。下部に操作ハンドル兼、調整ウェイトを装着して丁度良くなるはずです。(着脱方式)



Bracket of the APM80/500-OTA / APM80/500鏡筒のブラケット

Dovetail will be set at the bottom of the bracket just in the case of the CAPRI80ED-BINO.

 ブラケットを加工しました。 ブラケットは、鏡筒パイプとフランジで挟み込む形でしっかりと鏡筒を保持します。

底部にアリガタをセットする方法は、この前のCAPRI80ED-BINOと同じです。

(EMS-UL(ヘリコイド目幅調整仕様)はすでにお持込のセットが待機しているので、これでほぼ完成です。)



Gyroscope for the Equatorial Mount (APM80/500-BINO) / ジャイロのごとく(APM80/500-BINO)

The rotator for the equatorial is so successful that it turns as smoothly as a gyroscope!

予想通り、正にジャイロのごとく回転します。 この基礎構造は、すでに20年ほど前に達成していますが、今回は工業的なアルゴリズムを一緒に構築できたことに大きな意義があります。(製作者が嫌気が差さないために重要です。^^;)

こちらもご参照ください。



Rotator for the Equatorial Mount (APM80/500-BINO) / 回転装置 1(APM80/500-BINO)

Rotator for the equatorial mount is in the making.

 APM80/500-BINOの回転装置です。 基本的には今まで作って来た物と同じような構造ですが、今までの経験を活かして、より再現性や生産性の良い設計にしました。(CNCフライスで可能になったのですが。) ご説明するまでもなく、底部の2箇所にもベアリングの対が取り付きます。 端部を直角に尖らせてベアリングを2個ずつ取り付けます。

 垂直プレート(写真では横になっている)には両サイドにアリミゾ機構を組み立てます。 鏡筒は、左右単体で着脱管理できます。(つまり、経緯台との往復使用が可能ということ。)



130EDT-BINO(中軸式架台仕様)

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 こんにちは、昨年130EDT-BINO(中軸架台)及びファインダーBINOを作製頂きました 東京の奥田と申します。2012年秋のケアンズ皆既日食の報告をさせて頂いて以来、 すっかりご無沙汰しております。
 まだまだ残暑厳しい日々が続きますが如何お過ごしでしょうか。私は日頃の不摂生が 祟ってしまい、すっかり夏バテ状態で困っています(^^;

 さて酷暑や大雨など色々全国で自然被害が発生しているこの夏ですが、先日、ペル セウス流星群極大日の前日に長野県小諸市の標高2,000mの山の上にある温泉宿 (ホテル)へ、星見を兼ねて避暑に行ってきました。
下界(!)では軒並み気温40℃越えを各地で記録した週末でしたが、標高も2,000m だと正に別世界。 日中でも気温は25℃前後、夜は15℃程度で、快適天国の時間を過ごすことができま した。
ただその天国気分を体感した後に下界へ降りた時のショック・ダメージは相当大き なものでした(@_@;

 この避暑旅行は、松本さんに作製・納品して頂いてから丁度1年の間、部屋の片隅 で「熟成」(?)させてきた130EDT-BINOのフィールドデビューの日でもありました。 危うく「宝の持ち腐れ」「部屋の肥やし」となりかけていたBINOが始動する良い キッカケにもなりました。

 130EDT-BINOは、自分にとって2台目のEMS-BINOです。 既に手元にはありませんが1台目のCAPRI-102ED-BINOは、東京に転勤するまで関西 のフィールドで大活躍してくれました。関西では車を1時間も走らせれば素晴らしい 星空に逢える場所がいくつもあって、それこそ「月の無い週末、晴れてさえすれば」 CAPRI-102ED-BINOを後部座席にヒョイと載せて星見に出掛けていました。
 しかし空の明るい東京(関東)に転勤してからは、「星空に逢う為には長時間車 を走らせないとならないので気楽に星見に行けないだろうな」という思いもあり、 回数が減るかわりに「高い質で満足できる遠征にしたい」という考えのもと 130EDT-BINOの作製をお願いしました。

 そんな130EDT-BINOを使って標高2,000mで楽しむ「夏の天の川クルージング」や 東の空から昇って来る「秋の空の淡い銀河」等々、一言で表現すると「濃く」見る ことができました。
 例えば、夏の定番”M8/M20/M16/M17″はこれ迄見たことも無い程にガスが大きく広がる 様子やその濃淡の詳細迄クッキリ見ることができ、また”M31″は正に写真の様に、 “M33″は渦を巻いている様子がハッキリと確認できました‥と、使い古された表現 ばかりで恐縮です。

 この星見には一寸興味深い話があります。 この度の避暑旅行には、「流れ星を観てみたい」という星見素人のメンバー3人も 同行していました。
 そのメンバーにBINOで幾つかの星雲・星団を導入して観てもらい「何に見える?」 と聞いたところ、その問いに返ってきた各人のコメントにびっくりしました。

M8 :「白っぽいモクモクした靄の中に、黒い川が流れているみたい」
M20:「割れたクッキーかなぁ?」「花の様にもみえる」
M13:「辛子明太子の輪切りみたい、ツブツブが美味しそう」
M17:「これ、昼間に見た榛名湖の白鳥(遊覧船)がひっくり返っている」「いや オマルに見えるけど(笑)」
M31:「宇宙戦艦のマンガでみたことある宇宙みたい」
M33:「グルグルしてる!」
M57:「あ~、星空の中にドーナツが浮かんでるぅ」「(某水族館の)いるかの リングだ」

表現は様々でしたが、初めて望遠鏡というものを覗くメンバーのこれらの感想や コメントは、このBINOの実力を正直に伝えたものではないかと思います。 いやホント素晴らしいものでした。

また私自身は、松本さんオリジナルの「中軸架台」の実力に興味がありました。 1台目のCAPRI-102ED-BINOの時はV社のHF経緯台を利用していました。CAPRIの軽量 鏡筒にもかかわらず、いつ迄も微振動が治まらず星像が揺れているのが気になって いました。
そこで130EDT-BINO作製時には、以前より「製作状況速報」で紹介されていた オリジナルの「中軸架台」に期待して作製をお願いしました。

 実際に使ってみての感想は「中軸架台にしてよかった」というものです。 決して軽く無いアポクロマートの鏡筒2本を載っけても、その微振動は最初の僅か です。そして一瞬のうちに揺れが治まります。各軸のホイール・軸受けを大きく 作って頂いたこともあり、上下水平の粗動(元々微動はありませんが‥)は極めて スムーズ。それこそ音もなく「スーッ」と動いて「ピタリ」と止まります。 「スーッ」と動くのは当たり前としても、この「ピタリ」と止まる(止める) ことはフリーストップ架台のとても重要なポイントだと思っています。
天の川をクルージングしていても、対象が視野に入ってきたら導入ハンドルを 握る手の力をそっと緩めるだけで「ピタリ」と視野の中心にストレス無く導入ナきます (HF経緯台はバックラッシュが発生してしまい、よくイライラしていました)。

 そんな優れた中軸架台ですが、鏡筒の脱着については一寸だけ改良ポイントが あるように思います。
松本さんが苦心して開発された一体型のアリミゾ。この一体型アリミゾその物は 大変優れたものです。しかしアリミゾを縦付することにより「メリット」と「デメ リット」が同居しています。
鏡筒取付け時にはそれほど気にならないのですが、取外し時はトップヘビーの鏡筒 のバランスを相当意識して作業しないとアリミゾからうまく外れずに架台・三脚 ごと持ち上がってしまいます。
つまりアリミゾに対してしっかり平行を維持した状態でアリミゾからアリガタを 抜く必要があります。これは慣れの問題ともいえますが、長時間の観測で疲れて ボ~っとした頭の状態では、ついつい無意識に引き抜こうとしてしまいます。 今後、少しでもスムーズに作業ができるように改良・工夫を検討したいと思って います。

最後に‥

 アポクロマート鏡筒を利用したEMS-BINOとしては、この130mmあたりが日常の移動 用としては最大級ではないかと思います。この度もエステートワゴンのトランクに のせて移動をしましたが、ハードケース入りの鏡筒2本と架台・三脚、アイピース やその他必要機材を積むとトランクはほぼ満杯です(最初は積めないのではないか と心配もありました)。
また重量もそれなりにあり、常に気合をいれて(気をつけて)運搬や組立をしない と腰を痛めてしまいそうになります。将来このクラスのEMS-BINOを作製される方は、 是非運搬や保管のことも考慮して検討されることをお勧めします。
ただこれらの課題(?)を背負っても、その何十倍何百倍の素晴らしい星見時間を 提供してくれるツールであることは間違いありません。そういう意味では、どの サイズ/どの鏡筒を選択するか悩ましいと思います。

 この度の星見を機に、これからは積極的に130EDT-BINOと共に素晴らしい星空に 逢いに行きたいと思います。その星見を更に楽しませてくれるEMS-BINOを短期間に 作製いただいた松本さんに感謝しております。ありがとうございます。

以上、納品から1年越し(?)の報告とさせて頂きます。

東京都 奥田浩

管理者のコメント;

 奥田さんが去年のファインダーBINOに続き、今となっては懐かしくも感じられる130EDT-BINO(中軸式架台)のリポートを くださいました。

 中軸式架台は、一見単純なようで、エンコーダの内蔵や鏡筒の単体着脱の条件を課しますと、一挙に製作が難しくなります。 こうした特注架台を手掛けたことが、BINOの納期を極端に遅らせてしまった反省から、「中軸架台はもう作らない・・」という 決意を固めたのですが、こうして喜んでいただいているのを知りますと、またいつか、より合理的な設計での再開もあり得るのかな?と 思ってしまいます。^^;
 130EDT-BINO(中軸式架台)の製作記事は、BINO製作情報速報の2012年5月23日、6月9日~30日、7月2日~6日、13日、17日~19日、22~28日、8月1日~2日 に掲載しています。
 奥田さん、この度はご多忙の中、ずっと楽しみにしておりました130EDT-BINOの素晴らしいリポートをありがとうございました。 初心者の方の感想、新鮮で初心に立ち返らせてもらう気がしますね。
続報がありましたら、またよろしく御願いいたします。



Another Swarovski ATX95-BINO / Swarovski ATX95-BINO 3台目

The two oculars this client had sent to me in advance seem to be the best match for this binoscopoe, in my opinion.Koenig 32mm offers specially high contrast and the calarity of the field. Though there was some distortion to be seen, it would be no problem in the night sky.

Swarovsky’s Zoom was superb with this binoscope. No distortion could be seen and gives very clear image to the edge of the field through the full range of the magnifications.The barrels of the both should be cut short so that they would not touch the mirror edge.(See the right photo.)

 今回持ち込まれた2種類のアイピースは、(私の感触では)このBINOに最高のマッチングだと思いました。ケーニッヒ32mmは、視野のごく周辺の崩れや糸巻き状の歪曲等はあるものの、その単純な光学系(レンズ枚数が少ない)ならではの抜けの良さが際立っています。

 Swaroのズームは、さすがに同一メーカーのマッチングのせいか、それ自体が優秀なのか、視野の全域で均一な結増性能を示していて、素晴らしいです。倍率の全ストロークで光軸もピントも微動だにしません。 ビルの直線もほとんど曲がらず、歪曲がほとんどありません。 複雑な光学系のはずですが、それを感じさせないヌケの良さがあります。低倍時の見かけ視界が狭い点はあるものの、アイレリーフも十分で、全ての焦点距離でメガネ装用の私が余裕で覗けました。

 両アイピースとも、EMSのスリーブ類とアイピースのバレルを加工しないとこのBINOでは合焦しません。 防塵フィルターも観察時には撤去します。左の写真はSwaroズームのカスタマイズの図です。バレルが単体で外れないので、切断には周到な準備が必要でした。