Experiment of the adjustable trunnion successful ! / チャック式耳軸の実験、成功!

Relatively larger binoscopes will keep the good balance with weight systems. But in the case of smaller binoscopes such as 85mm or more compact version, weight system should be eliminated becasue “light and compact” is its worth. So, I thought I should develop the adjustable trunnion that can chack the base plate set on the side of the binoscope. The photo is experimented sample.

 80mmクラスの小型BINOは、軽量、コンパクトが命です。 大型BINOを縮小コピーしたように、ウェイトシステムをセットするのでは、面白くありません。 耳軸にチャック機能を持たせ、アジャスタブルに出来ないか?、実験してみました。 写真の実験パーツの形状素材は最終的な物ではなく、本番は真鍮製になります。 ひとまず、このチャッキング方式が可能であることが分かりました。(この機構は、今後あらゆる事に応用できそうです。)



Tlevue85-BINO in the making / Tlevue85-BINO製作中

The EMS-M on one of the OTAs is set to measure the back-focus.The back-focus of this OTA was about 135mm and proved to be 45mm lacking for using the helicoid connected EMS-UL that requies the back-focus of 180mm.This OTA should be cut short by 45mm, or the focuser should be repladed by the the low-profiled feather touch focuser.

EMS-Mで鏡筒のバックフォーカスを確認したところ、約135mmで、これは単体のEMS-S及びMには十分で、単体のEMS-Lには足りない数値です。 双眼用のEMS-UL(ヘリコイド仕様)では、余裕を見て180㎜のバックフォーカスが欲しいので、45㎜だけバックフォーカスを延長する必要があります。

 それには、45㎜鏡筒をカットするか、フォーカサーをフェザータッチ等の極短い物と交換しないといけません。 今回は必要に応じて鏡筒を切断することにご了解いただいていますが、もう一度依頼者の方に確認をしてから切断作業に取り掛かることにします。

 この2本の鏡筒はお客さまよりのお持込で、今日宅配で届きました。 鏡筒バンドが同梱されてませんでしたが、実はこのクラスでは、今後は鏡筒バンドは永久に使わないと思います。 お客様にはお伝えしていませんでしたが、以心伝心でしょうか。^^; 左右の鏡筒は、初期精度が十分に出ているメガネ型の一体フレーム(前後2枚使用)でがっしりと保持(スリ割クランプ)する予定で、これで、鏡筒の保持に起因する光軸ずれからは永久に開放されることになります。 つまり、鏡筒を初期組み立て、調整後はほぼ一体構造のBINOになるわけです。 



Muti-purpose plates for other use of the mount. / 汎用プレート

 150LD-BINOのマウント用の汎用プレートです。 中軸架台にBINO鏡筒以外の望遠鏡等をセットするための物です。片方のプレートにはVIXENのプレートホルダーを、反対側のプレートにはウェイト軸を取り付けるというご希望です。 プレートの着脱方法は、BINO用の鏡筒(150LD鏡筒)と全く同じです。

(並行して、BORG50mm-BINOとTELEVUE85-BINOの、それぞれ新型をプランニング中です。 追ってここに進捗状況をUPいたします。 どちらも全く新規な基本構造を目指しており、特にBORG50mm-BINOには、ピント移動がなく、かつ鏡筒が横にスライドしない目幅調整機構を予定しています。)



Another weight shaft added at the front / ウェイト軸追加

Another weight shaft is added at the front.

 手前がやや重くなる傾向が危惧されるので、前方にもウェイト軸を追加しました。想定外の加工となりましたので、リフォームで生じた不要パーツを利用してブラケットとし、軸の着脱はネジ込み式としました。

 スペース(フードとの干渉)を考慮し、真鍮製ウェイトは少し細い28φの丸棒を発注しました。(手前のウェイトは35φ)



Weight system preliminerily assembled / ウェイトシステム 仮組み立て

Quite successful in hiding the weight system between two OTAs.

 ウェイトシステムを鏡筒の間に隠したいというご希望の通りになりました。ただ、後のご報告で、いろいろとアクセサリーを同架されるとのことなので、前方にもウェイトシステムを設ける必要がありそうです。



Weight shaft holder / ウェイト軸ホルダー

I am going to make the weight shaft for the New 150LD-BINO in such a way that it can be easily put on and taken off, because I hate to spoil the compactness of the Central Axis Mount.

 ウェイト軸を完全に固定しまっては、せっかくのコンパクトな中軸式架台が台なしです。 クランプレバーにより、ワンタッチでウェイトシステムが着脱出来るようにします。 写真はウェイト軸ホルダーです。 前回の物と同じ考え方です。



Reform of 150LD-BINO almost completed / 150LD-BINOのアリガタ着脱リフォーム

Eliminaing the bands, 150LD-BINO has come to look unbelievably simple. I also carved my logo on the mount in memory of this innovation.

 アルマイト加工が完了し、本組み立てをしました。 鏡筒バンドが一切排除でき、非常にシンプルな外観になりました。今後は鏡筒が前後に移動できないため、ウェイトシステムをこれから加工、設置します。

 曖昧なフェルトを介した鏡筒バンドを排除し、アリガタを鏡筒に直接固定したことで、外見的な効果とは別に、光軸の再現性も飛躍的に向上するはずです。 この節目を記念してロゴを彫りました。(中央の写真)



115ED-BINO セカンドライト

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  ~秋のメシエ天体めぐり~

 SE115ED-BINOの「ファーストライト」をなんとか無事(?)終了し、興奮冷めやらぬその週末の夜。好天を待ち切れず、前回同様の仙台泉ケ岳にて「セカンドライト」してしまいました。以下レポートします。

 2011年7月10日(日)時刻は23時すぎ。出動する時間帯を変え、夜半過ぎからの観望としました。この日は、月齢9近い上弦すぎの月が出ており、光軸調整などセッティングを終えるとすぐに月の観望から開始しました。使用したアイピースは、EVW32mm(25倍)とナグラー16mm(50倍)、それにマルチショートバロー(×1.75倍)です。上弦すぎなので、豊かの海や静かの海などは「のっぺり」として見えていましたが、コペルニクスやエラトステネスなどクレーターの欠け際の方がとても美しく見えました。色収差も出ないので、低倍~中倍率でずっと月の全体像ばかりながめていました。一日のつかれも癒えるようです。朝からうだるような暑さで、仙台の日中は「最高気温」を記録する真夏日。夕方にはざっと夕立もありましたが、もうすぐ梅雨明けを予感する天気でした(翌日、東北地方全体がやっと梅雨明けしました!)。夜半過ぎの到着でしたので、土星はすでに西へ沈んでおり、この晩は観望できませんでした。

 前回ファーストライトが、アンドロメダ座M31で終わっていましたので、ここからの再スタートです。はじめ目が慣れていなかったせいか、伴銀河M32やM110が確認できませんでした。しかし、時間がたつにつれてはっきりと見えてきます。(前回の興奮がだんだんとよみがえってきました!)。さっそく、アンドロメダ座ミラクからさんかく座方面へ向かいM33を探します。しかし、なかなか見つからず。「空の状態がよくないのでは?...」と天頂をながめると、ファーストライトほど天の川は見えていませんでした。このBINOなら淡い天体でも見つかるものと思っていましたので、すこしガックリ。気をとり直して、一気にペルセウス座の「二重星団hχ」へ向かいます。「いたーっ!」(あった!という意)。このBINOでぜひのぞいてみたい天体の一つでした。なんと(!)恒星一つ一つに生きているような「ゆらぎ」を感じます。その透明な立体感と星々の色のちがいが、本当に生きているようで素晴らしい眺めでした(まずは目標一つ達成です!)。

 双眼正立なので以前よりカンタンに(ストレスなく)天体が導入できます。BINO上部に星図をのせて(赤の)ヘッドライトで位置を確認しながら導入目標を探します。星図はS&Tの「Pocket Sky Atlas」を使用しています。この程度の重さならBINOもバランスをくずさないので、今後さらによい導入方法を探していきたいと考えております。

 次に、ペガスス座の「秋の四辺形」へ向います。エニフからその鼻先にM15を発見!再度「いたっー!」。小ぶりな球状星団が分解していてとてもきれいに見えます。片目ずつ目をつぶってみましたが、なぜか片目だけでは分解しないのです(両目で見てはじめて分解!)。松本さんが「双眼視だと2~3割の倍率アップがある」とメールで書いていましたが、これがまさに「双眼効果」なのでしょうか。小型の球状星団などではその効果が顕著です。調子が上がってきたのでそのまま南下し、みずがめ座の「三ツ矢マーク」からM2を経由し、さらにやぎ座のM30へ。いよいよ球状星団めぐり開始!です。

 秋の星座では基準とする星が少なく、手持ちの25cmドブソニアンではこの付近のメシエ天体(特に70番代前後)の導入を苦手としていました。しかし、このBINOではEMSと星図によって、見た通りのまま導入ができるのです!まさに鬼に金棒!試しにM72とM73を導入した後、M75とM55を観望しました。さらには、南斗六星の下方に位置するM69~M70~M54まで全部確認できました!西天に沈む直前でしたので、「待っていてくれたんだね」とひとりごと(!)を発し、星団たちと闇夜の対話!です(笑)。

 前回、いて座付近で「迷子」となったので、あらためて星図を見ながらの復習です。お気に入りの球状星団M22のすぐ近くにはM28を確認。さらにM8からヘアピンカーブで上がったM20の近くにM21が隠れていました。さらにM18~M17~M16へと遡上し、M11とM28のスモールスタークラウド付近までは迷わず到達できました。ファーストライト時に気づけなかったメシエ天体がたくさんあります。さらには、夏の球状星団であるM56やM92まで導入することができました。前回あまりに興奮しすぎで、冷静な(?)判断ができず、導入していても見えていなかったようです。これで天体導入のレパートリーが一気に加速しそうです!

 午前1時すぎ、東天にはもうすでに「木星」が出現していました。BINOを東側へ向けるとBINOの像が少しダブってみえていましたので、あわてずEMSを再調整しました(調整ノブでみごとに像が一致します)。このような暗がりでも落ち着いて望遠鏡が操作できるのは、なにより「鳥取訪問」の成果なのだと思います。松本さんには、光軸調整のみならず素朴な疑問(~森羅万象?)まで親切にご指導いただき本当に貴重な機会でした(これからBINOをつくられる方々は、絶対「鳥取訪問」をオススメします。必須です!)。 ガリレオ衛星が4つ一直線上に並び、昨年まで1本だった木星の中央の帯が2本はっきり確認できます。そんな季節の移り変わりを肌で感じるひとときでした(蚊もかなり増えました...)。
 そして午前2時すぎ。東の空からプレアデス星団M45がいよいよ登場し、今晩のクライマックスです。「おーっ!」またもや声にならない深夜の奇声。ずっとこの瞬間を待ち望んでいました。低空なので雲に少し邪魔されていますが、キラキラ輝く「すばる」の星々は、まるで「天使のウインク♪(‘85年/作詞・作曲:尾崎亜美/歌:松田聖子)」。心地よい興奮と眠気やらなんともいい気分で、しばしその光景に見入ってしまいました。多くのメシエ天体を導入し、BINOの操作にも少しずつ慣れてきたところで撤収し、薄明近づく午前3時過ぎに「泉ケ岳」をあとにしました。

 セカンドライト中に、松本さんに初めてメールしてからこの観望に至るまでいろいろな思いがよみがえってきました。今回の震災では大切な友人を亡くしたり、実家を失ったりいろいろな経験も思い出しました。なくしてしまったものはもう戻ってきませんが、新たにこのBINOと出会うことができました。これからもこのBINOを通して、素晴らしい人々と出会っていけるような気がします。「今できることを先延ばしせず、今やろう!」という思いが、今回のファーストライトにつながったものと考えております。このような出会いを与えてくださった松本さんに深く感謝し、これから周囲にBINOの素晴らしさを伝えていければと考えております。今後ともご指導よろしくお願いします。本当にありがとうございました

仙台市 渡辺 利明

管理者のコメント;

 渡辺さんより、神速の続報をいただきました。 秋から冬の天体までじっくりと観察された感動を素直におまとめくださり、 興奮を分けていただきました。  渡辺さんはBINO初心者を標榜される謙虚な方でしたが、リポートいただいた観望記録を読ませていただくと、少なくとも、ちゃんと年季の入った観望家でいらっしゃったことが分かります。 

 光軸調整についても、徐々に、途中で再調整される必要もなくなって行かれることと思います。 渡辺さんにはすでにご紹介していますが、EMS-BINOのことを一通り理解された段階で、BIG-BINO(服部さん)のサイトの ”光軸調整”の「5:松本からのメール」をお読みになると、よりご理解が深まると思います。 むしろ上級者になられるほど、剛体としての BINOの光軸精度の方に注意が向くものですが、私たちの眼の自律的な動き(輻輳)こそが桁違いの齟齬を産む”くせもの”であると言えるのです。

 渡辺さん、感動的な続報をご投稿くださり、本当にありがとうございました。 またぜひ、よろしくお願いいたします。



50mm finder by EMS-L / EMS-Lで50㎜ファインダー

As I have expected, the objective lens should come directly at the entrance of the EMS.

 F3強(50mm)のファインダー対物は、予想通り、バレルを撤去したEMS-Lの第一ハウジングぎりぎりで無限遠に合焦しました。 通常のファインダー脚の使用は論外のようです。 さあ、これから知恵を搾らないといけません。 銀ミラー化で余った旧アルミミラーを使用し、EMS-Lのペアを作って2つのファインダーと小型BINOを往復使用するという野心的なご要望なので、結構難題です。 なかなか本来の仕事に集中できません。^^;



Preliminery assemble quite successful! / 仮組み立て成功!(150LD-BINOリフォーム)

Today will be the historicl day for my binoscope making career. The specioal dovetails set directly on the OTA will give unprecedentedly rigid connection to the mount and perfect repeatablility of the alignment.

 アリガタの仮セットをしてみました。 危惧していた剛性も再現性も完璧で、大成功でした。今回の成功は、当方のBINO作りで一つの節目と言うべき意義あるものでした。

 鏡筒の着脱は極めて安全かつ容易に行えます。

 それにしても、鏡筒バンドすら無い、鏡筒が空中に浮かぶイメージのBINOとなります。 今年の双望会で3度目の再会ができるかも・・・。



Dove-tails to be attached to the OTA / アリガタ(150LD鏡筒)

Dove-tails for the reforming 150LD-BINO are completed.The next point is how precisely I can set these dovetails on the 15cm OTA.

リフォーム中の150LD鏡筒に直接固定するアリガタです。R加工部は当然ながら、R=89mmです(鏡筒径=178mm)。 ここはCNC加工ならではです。(X軸とY軸が連動して所定のRを加工するCNCマシンの動きは、今でも新鮮に見えます。 同じ加工技術で、両側面Rの(地図の銀行マーク)パーツを用意すれば、極めてシンプルに光軸ずれが無縁のBINOが構成出来ます。)

 次は、これらのパーツをいかに正確に鏡筒に固定するかです。 失敗は許されないので、ここはじっくりと腰を据えてやらないといけません。



Reform of the central axis Mount, preliminarily assembled / 中軸式架台のリフォーム(仮組み立て)

 架台部の改造はアルマイトを残して完成です。(当然ながら、アルミ合金の地金が見えている部分が追加加工部です。) これから、いよいよ難関のアリガタの製作と鏡筒へのセッティングに着手します。 アリガタは、1本の鏡筒につき2本、左右合計で4本必要です。

 画像をご覧いただくと、各所の干渉の回避等も含めて、この手の加工が一筋縄では行かないことがお分かりになると思います。また、通常の横に通しのアリガタが使用できないこともお分かりになると思います。(鏡筒間隔が開きすぎる。)



115ED-BINO ファーストライト

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 仙台市内から車で約40分。市の北西部に位置する泉ケ岳の駐車場(標高約550m)にて今回BINO(SE115ED-BINO)のファーストライトを迎えることができました。松本さんを鳥取へ訪ねて早一週間。こんな早期に自分のBINOを持つことができるとは夢にも思っていませんでした。BINO製作をご依頼して以来、ずっとこの日が来ることを待ち望んでおりました。松本さんのここまでのご指導に深く感謝申し上げます。

 梅雨空続く6月下旬、製作を依頼しているBINOの完成を見に行くため、仙台から夜行バス(仙台~大阪)+JR(大阪~鳥取)を乗りついで鳥取市を訪れました。松本さんは、ご多忙にかかわらずご夫婦で(!)私の訪問を快く対応してくれました。松本さんに会うまで「いったいどんな人(?)なのだろう」「光軸調整など難しい話は理解できるかな」等心配しておりましたが、それらは一気に吹っ飛び、長時間に渡り有意義な時間を過ごさせて頂きました。BINOの調整方法のみならず、これまで松本さんが歩んできたBINOの貴重なお話を伺うことができました。これは本当に勉強になりました(大収穫でした)。
 BINO製作中は、松本さんから多くのご提案を頂きながら、異例の早さで進行しました。松本さんとのメールのやりとりはいつも率直で、未熟なわたしのいろいろな誤解をときほぐしてくれました。また「メイキングレポート」でも掲載されたように、(私が持ち込んだ)KenkoのSE115EDはカサイのBLANCA-115EDTに外見がそっくりですが、BINO用にはバックフォーカスがかなり不足ということでやむなく短縮加工してもらいました。また長年使用してきたHF経緯台についても心得るべき点などいろいろとご指導を頂きました。スタート時点から松本さんには本当にご苦労をおかけしました!

 鳥取訪問も無事終了し、翌週自宅にBINOが届きました(箱5つ)。箱からBINOを取り出し再度ご対面!。ご指導受けたばかりの「うろ覚え」の光軸調整を行い、ベランダから地上の建物や電線で「像」を確認しました。初めはなかなか「像」が重ならず焦り(?)ぎみでしたが、なんとか合った(?)ので、いてもたってもいられず、BINOと三脚を後部座席に積み込み、近くの山(泉ケ岳)へ向かってしまいました。
 現地は、雨上がりで地面が少し濡れていましたが、BINOの設置をして観望をさっそく開始しました。泉ケ岳は仙台方面(南東)が街明りでかなり明るいのですが、テストとしては十分な空で、晴れた日には天の川まで見ることができます。今回使用したアイピースはEWV32mm(25倍)とナグラー16mm(50倍)。さらに松本さんに加工してもらったマルチショートバロー(加工後1.75倍)を使用しました。

 時刻は2011年7月5日(火)20時過ぎ、ついにファーストライトの瞬間です。はじめの対象は西天に沈みつつある月齢4の月でした。地上で合わせた(と思っていた)光軸はみごとに(!)ずれていて、はじめ月が二重に見えました。鏡筒のねじれを確認し、眼福とミラーを微調整して像が一致した時、地球照が美しい月がついに観望できました。流れる雲の合い間から月が見え隠れし、周辺部のクレーターがはっきりと立体的に見えました。しだいに西の空に見えなくなっていきました。
 つづいて観望シーズン終了間近の土星。はじめその明るさが気になりましたが、タイタンや他の衛星までくっきりと確認できます。おとめ座の空域に浮遊する土星と衛星は、他の星々と調和し「一枚の絵」を見ているようでした。しばらくそのライブに見入ってしまいました。まさに「窓からのぞくような感覚」です。

 初日だから調整程度までにしておこうと思っていたのですが、ここまで来るとさらに欲が出てきます。さっそくおおぐま座のメシエ天体めぐりへ出かけました。はじめはM81とM82です。2つの銀河が同一視野に飛び込んできた時、思わず暗闇で声を出してしまいました「キターっ!」。これだけの広視野で見たのは初めてです。2つの銀河の特徴が対比されはっきりと見えます。なんと不思議な感覚なのでしょうか。
 つづいてM97、M108、M109、M106、M101、M51を次々と導入。ミザール(A・B)とアルコルもきれいに分離して見えています。正立像なので面白いように順番に導入できました。当日の午後、仙台ではいわゆる“ゲリラ豪雨”があり、“ひょう”まで降りました。直後から急に晴れだし、空気中の塵が落ちたので空のコンディションも良かったのだと思います。しだいに天頂に天の川も見え出しました。

 東天から天頂にかけて夏の大三角が見えています。次はそこへBINOを向けました。こと座のベガを導入後、そのままM57へ。リングははじめはっきりしませんでしたが、時間がたつにつれ、濃淡がはっきり見えるようになってきました。つづいてアルビレオ。「おーっ!」その美しいこと。少し下がって、コートハンガーとや座を確認し、こぎつね座M27へ向かおうとした時、思わずBINOを止めてしまいました。それまでM71はぼんやりしたイメージのマイナー天体でした。しかしその夜は「球状」に、さらに「分解」して見えるのです。この天体がこのように見えるのは初めてでした。マルチショートバローの効果でしょうか。「ここまで見えるとは...」しばし沈黙。じわじわと感動がこみ上げてきました。
 15㎝BINOオーナー先輩の宮城のSさんもファーストライトのレポートに書いていましたが、本当に「星がありすぎ」です。いままで見えなかった星々が「双眼効果」によってよけい見えるようです。BINOで天の川をさっと「流し見」し、その美しさを十分に堪能しました。

 ここまで来るともう止まりません。つづいてさそり座~いて座方面です。アンタレスを導入したのち、球状星団M4とM80を確認すると一気に下降します。すもうとり星付近を抜け、さそりの尾(シャウラとレサト)を経て、ついにM7へ到着。明るい散開星団の恒星一つ一つが前後に立体的に見えます!こんなことってあるのでしょうか?。そう思いつつ全速(?)で南斗六星付近へ向かいます(まるでジェットコースターですね)。
 いて座で導入してみたかった天体に球状星団M22があります。この日は透明度もよく、M22がキレイに分解して見えました。この晩M13やM5も見ましたが、なぜかM22が一番キレイに見えました!つづいてM8干潟星雲(おーっ!)M20(あーっ!)M24(げっ!)へ天の川「上り」です。見える見える(あたりまえですが)、M17&M16のガスの様子までくっきり見えます。このあたりでたて座からわし座に向かいましたが、あまりに興奮しすぎで目標のメシエ天体を見失ってしまいました。「キターっ!」「おーっ!」「あーっ!」「げっ!」「ギャーっ!」コトバにならないコトバを暗闇で発しつづけ、もうすでに3時間経過。時刻はすでに23時近くをまわっていました。(どこにも通報されませんでしたが...)

 東の空に秋の星座がのぼってきました。そうだM31が見えるかもしれないぞ。そう思い東にBINOを向けました。アンドロメダ座ミラクから上に恒星を2つ上がると...「でたっー!」M31です!伴銀河M32とM110まではっきりくっきり見えます!写真のようには見えませんが、230万光年はなれた天体を自分のBINOで見ているんだと思うと、感無量でしばらく見入ってしまいました。「もう単眼倒立には戻れないなあ...。」そう思った瞬間です。充実感と次回の期待を胸に撤収し、家に着いたのは1時近くでした。しばらく興奮で寝つけませんでした...。

 これまで DOB(25cm)での観望が主に行ってきましたが、BINOはちがった切り口(双眼正立の世界)で宇宙を見せてくれます。短時間でこれだけ見ることができたのも、ずっと手動で天体導入を苦労(訓練?)してきたからなのだと思います。星図を片手に倒立像であることを想定し、なにかカンのようなもので常に導入していたような気がします。それでも25cmで星雲星団や銀河をとらえた時の感動はひとしおでした。
 しかし、BINOの場合その感動とはちがっていて、天体の位置が星図の通りなのです(あたりまえですが...)。BINOの平面上部に星図を載せて(こんなことは従来の望遠鏡ではできませんね)、正立ファインダーでそのまま天体位置が容易に特定できるのです。このあたりまえのことに深く感動するのです。なにより導入自体がとても楽しく感じられました。
 このBINOによってますます観望機会が増え、より多くの天体も導入できそうな予感がします。これから秋や冬の天体シーズンが本当にまちどおしく感じられました。

 この日をなんとか迎えることができたのも松本さんはじめ、周囲の多くの人々たちのおかげと考えております。これからは、機会あるごとにBINOのすばらしさを周囲に伝え、もっと自分の時間を大切に過ごしていきたいと考えております。また次回レポートします。本当にありがとうございました!

仙台市 渡辺 利明

管理者のコメント;

 渡辺さんより、115ED-BINOのファーストライトのご一報をメールでいただき、当リポートコーナーへのご投稿をお願いしたところ、快く詳細にまとめてくださいました。  初めてEMS-BINOでじっくりと天体を観察された感動を素直におまとめいただき、初期の感動を呼び覚ませていただいた感じがいたします。

  お持込の115ED鏡筒(KENKO)が(恐らく同じOEM供給元と思われながら) 、想定していたBLANCA115EDT鏡筒とは仕様が大きく異なっており、最初はご心配をおかけしましたが、最終的にはBINOに特化したカスタマイズによって課題は全てクリヤーできました。 その都度、問題点を率直に申し上げましたが、素早いご反応をいただき、速やかに作業を進めることが出来ました。

 渡辺さんには、この度の御地元の震災被災にもかかわらず、遠路をご訪問くださったことにつき、深く感謝いたします。 これより、秋~冬の天体も115ED-BINOに覗かれることを心待ちにしていると思います。 その節には、またぜひ追加リポートをよろしくお願いいたします。 
 さっそくの臨場感溢れるリポートをありがとうございました



The main part of the dove-tail holder / アリミゾの主要部

Additional milling is waiting, but this is the main part of the dove-tail holder.

 まだ追加加工を多く残していますが、これがアリミゾ部分の主要パーツです。 中軸式架台の垂直回転プレートの両端にぞれぞれ取り付けます。



The reforming plan of the 150LD-BINO / 150LD-BINO用架台のリフォームプラン

The two end parts will be replaced for the new dove-tail holders.

中軸式架台の初期のモデルで、現行のモデルとは大きく異なっています。ただ、久しぶり(2年ぶり)に見てみますと、我ながら要所はうまく押さえており、機能的にはよく出来ていると改めて思いました。 エンコーダのセットを諦めていたため、構造がシンプルで剛性も十分です。 またCNC加工の手段を持たなかった頃の製品であり、デザイン的に現在の仕様には及ばないのは仕方ありません。

全面的な作り直しでなく、最短路でご希望に添うため、垂直回転プレートの両サイドのパーツ(黄色の×)をアリミゾ仕様(黄色の□)に変更することにしました。設計も完了し、材料を発注しています。 鏡筒側には、両サイドのアリミゾの位置に合うように、鏡筒に2本の縦型のアリガタを直接固定する予定です。

鏡筒の横腹に固定ネジ用の穴を開けるわけで、失敗が許されないので、気の重い仕事です。^^; アリガタは通常の、鏡筒の軸方向に長い物をセットしたのでは、鏡筒間隔が広くなり過ぎてアウトなので、中軸式架台の垂直回転部に干渉しないように、2本のアリガタを前後に縦向きに配置します。リンク画像は鏡筒バンド式ですが、この写真の向きで使用するアリガタです。



BINOSCOPE on the Equatorial mount / BINOを赤道儀に搭載する方法

For the binoscope to be loaded on the equatorial mount, the rotative device is the necessity.Just rotatable is not enough. The OTAs should be alined on the rotative axis along with achieving the parallel of the two OTAs.

links of the binoscopes mounted on the equatorial mount.

まだ着手してはいませんが、最近になって、海外を含めて、赤道儀仕様についての問い合わせが増えて来ましたので、少しずつ情報をUPしておきます。

以前より触れておりますが、16年前頃に少しの間、続けて製作した赤道儀仕様でしたが、当時の水準を越えていたためか、その後はそれ以上に広まることなく、今日まで製作を休止しておりました。.

赤道儀用の回転装置は、ただガタなく滑らかに回れば良いのではなく、左右の鏡筒のそれぞれを回転装置の軸と合致させないといけません。 また、当然ながら回転クランプも必要です。 それらをいかに合理的に、シンプルに作るかが問題です。写真は、少なくとも16年以上前に自分用に作った物で、今でも店に展示していますが、まだまともな機械加工手段を持たなかった頃に良く作ったものだ、と我ながら思います。^^; (当時の”若さ”ですね^^;。今、当時の加工手段に戻ったら、とても作れません。).

BINO作りは、最初の数年で写真の赤道儀仕様まで到達後、敢えてハードルを下げ、(納期の関係もあり)経緯台仕様に徹して今日に至っています。「まずは、双眼視の意義や醍醐味を手軽に知っていただこう。赤道儀等による自動追尾はその延長線上・・・。」と考え、また2軸制御の汎用経緯台が光学メーカーより発売されることも予想していました。 しかしながら、光学各メーカーは、ドイツ式赤道儀の呪縛から一向に逃れる気配はなく、そのような製品は出現していません。.

一回り大きな赤道儀を新たに購入してまでの挑戦は勧めませんが、すでにEM200クラス(もしくは上)の赤道儀をお持ちで、10cmクラスのBINOを搭載されたいのであれば、ご要望に応えて行かないといけないのかな?と考え始めた次第です。(いろんなお問い合わせが来るのはありがたいのですが、いつになったらBINOの即納態勢が整うやら??^^;).



15cm-Semi-Apochromatic Bino waiting for the reform / リフォーム待ちの150LD-BINO

This binoscope is made in September ,2009.At that time, I could not attach the dove-tail on the OTA because of the OTA being too fat.The diameter was 178mm and putting the dove-tail on the base of the band meant the OTA span too long. So, I had to use four bands for putting on and taking off the mount.This time, the client requested me to put the dovetails directlly on the OTA eliminating the bands.

 一昨年の秋に完成した150LD-BINO(銀ミラー仕様)です。このBINOは、2009年と2010年に続けて双望会に参加されました。 今回当方に里帰りした理由は、リフォームです。 この鏡筒は、鏡筒径が異例に太く(178mmφ)、鏡筒バンドベースにさらにアリガタをセットすると、鏡筒間隔が非現実的に広くなり過ぎたため、アリガタによる着脱を諦め、鏡筒バンドの開閉によって鏡筒を着脱する方式を採用していました。

 この度、鏡筒バンドを廃して、アリガタによる着脱方式に変更するリフォームを承りました。今度は鏡筒の横腹に穴を開けてアリガタを直接固定することになるので、慎重に進めないといけません。 当然、架台もアリミゾ仕様にするために、かなりの追加加工が必要になります。まずはオリジナルの状態に組み立てて、十分に検討することから始めます。