Coaxial Focusers, prefect! / 同軸フォーカサー、完璧!

Now,  I will announce the epoch-making coaxial focusing system!

昨日の対策を施し、完璧になりました。^^

同じクレイフォード式でも、ドローチューブではなく、シャフトの方を押しネジでロックするタイプのフォーカサーには、この方法での視度差補正は利用できません。 また、ラックピニオンタイプもこのロック&スリップの方法は利用できません。しかし、それらには救いがないかと言えばそうではなく、IPDヘリコイドでも視度差補正は完璧に行えます。(IPDヘリコイドによる視度差補正が見口の高低差に反映される量は、一般的な見口ヘリコイドによるフォーカシングの影響の1/2に過ぎません。それは、IPDヘリコイドが視線に対して常に60度の角度をなしているからです。(COS60°=1/2))

(もちろん同軸アダプターにクラッチ&ブレーキ機構を設ける方法もありますが、ちょっと工作が複雑になります。)

10cmF10ED-BINO completed / 五藤10cmF10ED-BINO 完成

The largest F-numbered, F10, binoscope is completed.  The coaxial device on the focusers will be added in a couple of days.

最長F値(F10)のBINOの完成です。地上風景を見ると、確かに、「Fが長いことのアドバンテージはこんなにも・・・」と久しぶりに驚かれるコントラストの高さでした。また、初期の光軸もはるかに合わせやすいと言えます。(一般には逆に誤解されているようですが)

二枚玉でヘッドが非常に軽く、EMSとアイピースをセットすると、予想以上に鏡筒を前にセットでき、長筒による振り回しの不便さ(具体的には仰角による接眼部の高低差)は払拭できました。もちろん、ウェイト(&ハンドル)システムも功を奏しています。

アルマイトが予想より早く仕上がったので、30日の納品までにじっくりとフォーカサーの同軸化に取り組むことが出来ます。予測では、この加工が一番簡単なはずです。^^

同日追記:

フォーカサーの同軸化、あっさりと成功しました。同軸化後に片方だけのマイクロフォーカサーで左右のドローチューブが同時に正常に動くかどうか心配していましたが、杞憂でした。右ノブ、左ノブ、中央の太いジョイント(これからローレット加工の予定)、どれを回しても機能します。

ただ、ここで一つ問題が発生しました。それは、このフォーカサー自体の出来の問題です。クレイフォード式の原理を理解している方が上の写真をご覧になれば、おや?と気付かれると思います。ドローチューブを直接ロックするローレットネジの位置が明らかにおかしいのです。設計ミスか施工ミスと思われます。この目的のクランプネジであれば、反対側の4個のベアリングの中間辺り(水色の矢印)にセットすべきなのですが、何と、4個のベアリングからほとんど外れそうな端っこ(赤い矢印)に配置されているではありませんか。

メカに暗い方は理解できないと思うので、例え話をしましょう。キャスター付きの机があるとしましょう。キャスター自体にはブレーキは付いていないとします。その机が床面上を自由に滑らないようにするには、何らかの方法で机を床に強く押さえ付ける必要がありますね。あなたは、どこを押さえますか。当然、出来るだけ机の中央を押さえますよね。もし、脚よりせり出した机の端を押さえたらどうなりますか? そうです、反対側が持ち上がりますよね? ちょっと回りくどくなりましたが、当フォーカサーは、クランプネジを締めると、ドローチューブは昔の粗悪なフォーカサーよろしく、張子の虎の首のように首を振るのです。これが部品メーカー(台湾)はもとより、国内の老舗のメーカーのチェックをスルーしたことが信じられません。

さて、解決策ですが、クランプネジを水色の矢印の位置に移動すれば、万事解決するはずです。 これには、依頼者の方の合意が必要です。納品時に相談してその場で対処しても良いですが、奥様同伴のようですので、作業を待たれるのは退屈かと察します。大至急ご回答いただけましたら幸いです。

今回のフォーカサーの同軸化ですが、原理的には大成功でした。クランプさえ改善すれば、視度差補正も完璧です。(現状でも視度差補正は可能ですが、先述のように、不快なドローチューブの振れが生じます。)

最後に繰り返しますが、クレイフォード・フォーカサーの原理は極めて単純明快なもので、原理に基づいてツボを押さえて作れば、たとえ素人の自作であっても、動作時、クランプ時共に、ガタや首振りは原理上起こり得ないのです。定盤上を動く物理実験用の台車のような物ですから。一般の天文マニアのメカに対する弱さには目を覆うばかりですが、メーカー、販売店も似たようなレベルとなると、困ったものです。

(文中のリンクは同じ投稿日の記事が全て表示されますので、該当記事を選んでお読みください。)

EMS-UL set for the 10cmF10ED-BINO/ EMS-ULセットが完成

The recommended “D” for the EMS-UL with standard IPD-Helicoid is 160mm, but this time the “D” is set 170mm. The additional lateral shift of one side is 5mm, but the projection to the optical axis should be multiplied by square-root of 2 and that ends up 7mm spacer.

標準のEMS-UL(ヘリコイド付)セット(延長筒なし)の推奨”D”は160㎜ですが、今回の中軸架台仕様の10cmF10-BINOは170㎜になるため、片側で5㎜、EMSの横シフト量を増加させる必要があります。それでは5㎜スペーサーを追加すれが良いかと言えば、そうではなく、光軸方向の目幅方向への射影は(1/√2)倍なので、約7㎜のスペーサーの追加、というのが正解なのです。

さて、スペーサーの製作ですが、旋盤の構造を知らない方には理解できないでしょうが、旋盤のチャックの爪の高さ(深さ:当方の爪の深さ=8㎜)より短い(薄い)スペーサーの加工はちょっと厄介なのです。

また、ヘリコイド末端のテーパフランジの高さ=6㎜あるため、延長スペーサーには、6㎜以上の挿入クリアランスが必要なのです。それらを満たすために、結構ハードルの高い関門を独創的な工夫によって超えているのですが、多分理解できないと思うので割愛します。

同日追記: さきほどアルマイトが完了しましたので、明日にはBINOを組み立てる予定です。(いよいよ完成)

F10-ED-OTAs are preliminarily loaded / 鏡筒仮搭載成功!

Another innovative plan of this binoscope is the “Coaxial driveshafts of the focusers”. Those who are familiar with the mechanism of Crayford Focuser will easily understand the effect of this plan. The inherent feature of “lock and slip” on the drawtube will even enable the individual adjustment either.

中軸架台のクランプレバーが架台本体の厚みよりもわずかに張り出していたため、鏡筒間の隙間をうまくくぐるかどうか心配しましたが、問題なくセットできることが分かりました。この記事を投稿次第に分解してアルマイトに出さないと、月末の納品に間に合いません。^^; アルマイト待ちの間にEMSを組み立てれば、滑り込みで間に合いそうです。^^

一体構造のメリットを活かした、このBINOの最大の目玉は、フォーカサーのドライブシャフトの同軸連結です。センターフォーカスを実現すると同時に、特筆に値するのが、左右の視度差補正すら極めて能率的に鮮やかに可能にすることです。クレイフォード・フォーカサーの原理構造に詳しい方はすぐにご理解くださるでしょうが、片方の(合焦が完了した)フォーカサーをロックすれば、そのフォーカサーはシャフトが空回りするので、同軸連結した反対のフォーカサーのドローチューブのみを動かすことが出来るということです。 これもコロンブスの卵ですが、「自分も前から知っていた。」というのは卑怯な後出しジャンケンですからね。^^;

10cmF10-ED-BINO almost completed / ほぼ完成!

GOTO 10cmF10-BINO is almost completed

中軸架台の左側のアリミゾだけで固定しますが、BINO本体は完璧にシンメトリックに保持されます。

片手で撮影したため、ハンドルがカメラに少し近付き、アリガタベースとスケールが違って写ってしまいました。 ハンドル側の位置決めボスと、ローレットネジに脱落防止の配慮がなされている点を補ってご覧ください。

BINO本体は左右の重心でセッティングできるように配慮しています。

アリガタの裏側から見たところ。前後に十分な移動域を確保しました。(アリガタを目一杯に前に出すと、左下のベース金具が天頂時(高仰角時)に垂直ユニットのブラケットと干渉するので、注意してください。(それを見越して、アリガタは長めに余裕を持たせてあります。初期の鏡筒セッティングで重心位置を配慮しておけば良いだけのことです。

コロンブスの卵ですが、この極めてシンプルな部品を、BINO側に固定せずに独立化したことで、今回の「一体型BINO on Center Mount 」が実現しました。

さらに、中軸架台は標準仕様のため、鏡筒独立タイプの複数の鏡筒ユニットと架台を共有することが出来ます。今日は気軽に8㎝一体型BINOをセット、明日は頑張って15㎝独立鏡筒をセット・・等々、応用は限りありません。

Framework of the 10cmF10ED-BINO / 枠組みの仮組立

Framework of the 10cmF10-BINO preliminarily assembled. The span of two eyeglass plates may look too long, but it is necessary to have enough spacing for the adjustment of gravity center by a dovetail. The Center Mount will be placed between the glass plates.

フレームの基礎部分を仮組立しました。2枚のメガネプレートの間に中軸架台を収納するようにセットし、アリガタによる前後(重心)移動のストロークを十分に確保すると、このくらいのプレート間隔になります。取っ手の下のベース金具が分厚い理由は、この後のリポートまでお待ちください。

アリガタは、このフレームには常時セットしません。 長めのアリガタの両端にこのフレーム(もちろん鏡筒もセット済みとする)をセットするためのベース部品を取り付けた独立仲介部品を、事前に中軸架台の左(右)サイドにセットしておきます。

この写真では、ハンドルがベース金具に直接取り付いていますが、実際には、後で中軸架台のクランプレバーと干渉しないように、適当なスペーサーを中間に配置することになるはずです。前後のプレートを渡す部材は、ハンドルを除いて全て意図的に排除しています。それは、もともと不要なことの他、中軸架台への着脱時の干渉を回避しながら、D(鏡筒間隔)を最小限(今回は170mm)にするためです。

フレーム前後を数か所で補強プレートで渡してがっちりと剛体構造にするのは、アマチュアの自作例でよく見掛けますが、それは経験不足による無駄な構造であり、重量アップ以外の効用はありません。メガネプレートには本命の鏡筒が2本くぐってがっしりと固定されるということを忘れている方が多いので、どうしてもくどくて無骨な設計になるのです。極端な話、前後をつなく取っ手すら省いたところで、2本の鏡筒をセットしてクランプをしっかり締めれば、必要十分な剛性が得られることが分かっています。鏡筒自体も構造部を立派に担うわけです。さらに、無駄に前後のプレートを完全固定しないことで、左右の鏡筒の光軸の平行を初期に完璧まで追い込む自由度が得られるわけです。 蛇足ですが、プロの製作者を含めて、大型双眼望遠鏡の設計に対して、完全剛体であるべきという強迫観念から逃れられない方がほとんどですが、数十年のBINO作りの経験を経た私に言わせれば、それらは愚かな妄信であり、極論すれば、完全剛体としての精度剛性を目指すのは全くのナンセンスだということです。(因みに、日本の古参マニアや、ドイツの自作マニアにはそうした感覚の方が多いです。^^;) 天体望遠鏡用のアイピース自体が双眼用に設計されておらず、光軸を保証していないし、快適眼位にも著しい個性があることを考慮すると、完全剛体を目指すよりも、合理的な調整機構を準備することの方がはるかに重要なことです。EMSがその機能を完璧に備えていることを訴え続けて数十年、そろそろ喉が嗄れて来ました。^^;

(その完全剛体信仰の流れから、BINO計画初心者の方には鏡筒分割方式に対する光軸の再現性に対する懸念が強く、一体構造のBINOに固執される方が多い傾向があります。^^;実際には、光軸の再現性に一体構造、分割方式間の優劣はありません。)

Eyeglass plates in the making / メガネフレーム(10cmF10-ED-BINO)

As you can easily imagine, a pair of eyeglass shaped plates will hold OTAs perfectly parallel. You might think the rims look too thin, but I know 7mm widgh and 12mm thick rim is enough for the purpose. Of course, the traditional way of clamping at the ear side closing will require thicker rim, but mine is the slit clamp at the center line of the bridge.

これで今回のBINO製作の加工の山場を越えました。

メガネフレームのリムが細いと思われますか? 大丈夫です。5mmくらいに見えるかも分かりませんが、幅は7mmで厚みは12mmあります。強度的に十分なことは経験上分かっています。 リムを智(耳側のメガネレンズを着脱するためのネジによる開閉部)で締める伝統的な方法ですと、リムは無骨なほど太くしないと都合が悪いですが、これから施工するクランプ機構は、ブリッジの中央にスリットを入れるスリットクランプなので、リムを必要以上に太くする必要はないのです。

(因みに、FPD=170mmなので、このメガネがマッチする人間のスペックを概算してみますと、身長 ≩ 4mくらいの大男となりますね。過去、現在、未来と、存在し得ませんね。(掛けメガネの場合、目幅(IPD)より少し広いフレーム目幅(FPD)を選ぶのが美観的に普通))

さて、ブリッジが中央よりやや上に配置されているのにお気付きでしょうか。不必要にシンメトリックを崩すことはしませんが、天頂時にピラーに干渉しないために必要な措置でした。そのためもあって、外見がさらにメガネに似て来ました。前側に配置するプレートについては、ピラー干渉の心配はないのですが、加工及び組み立てミス防止等の観点から、前後のプレートを統一しました。

(メガネの左右のリムを鼻で繋いでいる部品のことを”ブリッジ”といい、リムの耳側でレンズ着脱のために開閉する部分を”智”といいます。 この際、覚えておいてください。^^)

Eyeglass plates in the making(10cmF10ED-BINO) / メガネ型フレーム製作中

This binoscope will be made integral structure and will be set on the Center-Mount which is the new challenge on the binoscope makings.

鏡筒が五藤光学の限定VERSION(F10)であったことと、成り行きから一体構造BINOで中軸架台仕様という、悩ましいスペックの製作をお引き受けしました。

メガネの玉の部分のくり抜きが完了しましたが、一般にこうした切り抜き加工の場合、アウトラインの加工の方が面倒です。まず、アウトラインの方が加工ツール(エンドミル等のこと)の移動ストロークが増大するので、マシンの可動域を超えることがあることが一点。もう一つは、刻々に変化する(さらに加工ツールが移動する)アウトラインに対して、どこを加工テーブルに固定するか、という問題があるわけです。分割して加工することになるわけですが、ワーク(被加工物)をどう固定するかでいつも頭を捻るわけです。(当方のCNCマシンでは、このくらいのサイズになると一筆書きでアウトラインを一挙に仕上げることは出来ません。ですから、原点の再現性を担保しながら、プレートを裏返したり回転させるための道具立てを考えないといけないのです。金属のフライス加工は加工抵抗が極めて大きく、ワークの固定が弱いと、大惨事につながります。危険な作業です。)

GOTO-F10-OTA cut short successfully / 無事に鏡筒短縮、末端ネジ切り

This is the finished jig for the inner end thread processing.

これが、数回に渡ってコメントして来ました、旋盤のキャパを超えて長い筒の末端に内ネジを切るための治具です。使い方は、最初に右端の円盤だけをロッドに固定しておき、まずは加工したい側の反対の端部をしっかりと円盤のオスネジにねじ込みます。 次に左のフランジ状の円盤をロッドに挿入し、パイプの左端から挿入し、内径ネジが切れる程度の深さを確保してロッドに固定します。(加工するパイプとこの治具が一体となる。)

Special gimic was required to make the thread holes on the end face of the long rod of 1-m!

意外に難航したのが、1mもの長いロッドの端面加工でした。当方には(恐らく大方の作業場でもそうでしょう)、1mもの長さの丸棒の端面への加工が可能なほどの巨大なボール盤はありません。加工としては極めて単純な穴開け、ネジ切り加工ですが、この治具を加工するための”治具”を工夫して、かろうじて加工に成功しました。(これが一番苦労した部分。^^; ご推察のように、治具には階層があるので、治具を作るための治具があり、その治具を作るために治具が必要になったりするわけです。機械加工の技術の神髄は、治具作りこそあると言っても過言ではありません。)

The photo of processing.

少なくとも、この治具で問題なく長大なパイプの端部に内径ネジを施工できることが立証できました。チャックのすぐ前にゲージとなるオスネジリングを貼り付けておけば、途中でネジのはめ合いを確認しながら作業ができたのですが、このロッド露出部分の長さは最小限に保って加工中の剛性を最大限に維持したかったため、そうした物は全て排除して行いました。結果、後で随分と苦労をさせられる羽目になりましたが、まあ、良い勉強になりました。 上手になった頃には作業は終わっている、というのが初めての加工の常です。^^;

(本来なら、パイプの左端を治具を介して旋盤のチャックに固定し、パイプ右端を加工するのですが、それをするには、パイプ長よりかなり長いテーブルを備えた旋盤が必要になります。 また、チャッキングしたパイプの反対の端を加工するのですから、振れ止めが必要で、塗装済みのパイプには十分な養生等、余分な準備が欠かせません。 この治具の方法ですと、チャックの近くで施工できるので、振れ止めが省けます。チャック側の円盤が振れ止めに近い作用をしてくれるからです。)

OTAs cut short.

73mmカットしました。撮影時の安定性から、鏡筒パイプは対物側が下になっています。 当然ながら、鏡筒は接眼側をカットしないといけません。(間違って対物側をカットしたら、内部の遮光リングを全てセットし直さないといけなくなるので、自分で鏡筒をカットされる方は十分にご注意ください。)