The parts for the lowest profiled IPD Crayford:新型の目幅クレイフォードの部品

The left photo shows the important parts for the lowest profiled, as low as 19mm, IPD Crayford focuser ever made.They are the counterparts of the yellow circled part in the right photo. The right IPD Crayford is for the FLT132-BINO.

 目幅(IPD)クレイフォードは、なるべく規格を統一したいところですが、やはり出来る限りBINOをコンパクトに仕上げたいので、どうしても個別の設計になることが多くなります。右の写真は、先日納品したFLT132-BINO用のIPDクレイフォードで、最短長(高)=42㎜でしたが、今度の115EDT-BINO用では、鏡筒間隔を最小限にするために、新たに極限までLOW-PROFILEにすることにしました。

 左のパーツは、右のIPDクレイフォードの黄色い囲みのパーツと同じ働きをする物で、これにより、IPDクレイフォード全体の最短長=19㎜を達成することが出来ました。(BORGの7757ヘリコイドと同じprofileですね) 二次元的に見ますと、IPDクレイフォードの外筒にこのパーツを取り付ける際に貫通したドライブシャフトが邪魔になるように見えますが、そこはうまく三次元的に回避しています。

 このパーツは、ドライブシャフトをガイドレールに押さえつける役割とシャフトを含むドライブユニットをクレイフォード外筒に固定する役割の両方を受け持つ、重要なパーツです。IPDクレイフォードが完成すれば、今度の115EDT-BINOは速やかに完成する予定です。(完成が年越しになりますこと、大変申し訳なく思っております。^^;)



FLT132-BINO has made her first date with the new owner:FLT132-BINO完成、依頼者の方と初対面

The silky smooth and perfectly balanced mount pleased the client who made the first touch with the binoscope today. He was also amazed by the breathtakingly high-contrasted images this binoscope offered.

 土日を挟んでいたため、やや冒険でしたが、最後のアルマイトパーツが昨日の昼頃届き、今日のご対面に間に合わせることが出来ました。またまた際どい綱渡りになってしまいましたが、このモデルで中軸式架台の一応の完成を見ることが出来ました。 光軸の初期調整も、全く新規な測定装置とノウハウによる、初めての記念すべきBINOになりました。SKY-COMMANDER(用エンコーダー)も限られたスペースにうまく取り付きました。



FLT132-BINO completed:FLT132-BINOほぼ完成

 やや誤算があってバックフォーカスが少し足りないので、急遽アダプターを作り直します。終盤でのハプニングですが、策はありますので、御心配なく。(最近の一連の高級BINO同様、今回も鏡筒には一切手を加えていません。)(原状復帰可能)



Adapters revised:アダプター変更

Adapters were revised to squeeze out another 25mm of the back-focus. 90mm male barrels were replaced by 97mm female sleeves.

 アダプターを全面変更しました。 雌雄ペアなので、アルミの削り屑がゴミ袋大一杯くらい出ました。EMSの90mm差込バレルは、97mmの雌スリーブになり、望遠鏡側にオスのテーパーパーツをセットしました。これで25mmのバックフォーカスを稼ぎました。 連休を挟むので、急いでアルマイトに出さないといけません。



A simple holder for the finder mount:ファインダー台座の固定

At the final satage of Binoscope making, I often beat my brains out to find a simplest way and place to set the multi-purpose finder base mount on it.

I usually set the mount on the OTA bands, but this time, I found a simple and rigid way to set it on the stainless shaft of the operation grip. Is it susceptible to rotation around the shaft??No, it is as rigid as the flat setting. The secret is the cylindrically milled adapter as shown in the photo.

 BINO製作の終盤でいつも頭を捻るのが、ファインダー台座の取り付け場所や取り付け方法です。

 今回は、操作ハンドルのシャフトに設置することにしました。一見、スリップして回転してしまいそうですが、シンプルながら極めて強固に固定する方法を見つけました。これですと、取り付け位置もアングルも自由に選ぶことが出来、重心の微調整も兼ねることが出来ます。



”目からウロコ”のEMS-BINOの光軸調整講座

2017年10月19日追記: 以下のご説明は、EMSのXY調整ノブにリミッターを装備(2014年秋)する以前の内容です。従いまして、現在ではノブの回し過ぎによるトラブルは心配無用となりました。 ただ、EMSの開発の経緯や進化の様子が分かりますので、しばらく残しておこうと思います。ご参考までにお読みください。(自作される時のご参考になると思います。)

これからEMS-BINOのユーザーになられる方には必見の項目です。

EMS-BINO完成品は、出荷前に十分に調整してお送りしています。(EMSの光軸は輸送の振動くらいでは狂いません。) にもかかわらず、像の盛大な倒れを訴える方が 非常に多くいらっしゃいます。 これは明らかに寄り眼調整が原因しています。
(まれに輸送中に鏡筒自体が少し横に振れてしまっている場合があるかも分かりませんが、この場合は、決してEMSの調整ノブを 操作しないで、鏡筒を振ることで光軸の相対的な平行をほぼ復元してから、最後にEMSで微調整してください。とにかく、最初の組み立て時にEMSの調整を盛大に操作 しないといけない場合は、何らかの異常が発生したものとお考えください。この 場合に、敢えてEMSの調整を大きく操作しますと前例のような問題が生じます。)

また、初期組み立てと調整の練習は、必ず明るい昼間に、地上遠景で行ってください。初心者の方がいきなり星野を 見ながら像の倒れの調整等をするのはまず無理です。

繰り返しになりますが、左右の像が合致していれば光軸が合っている とは限りません。
ただ、私たちの情報の主要な入り口である、眼からの情報については、私たちは 頑固なまでに確信を持ってしまいます。 これが調整の袋小路に入る原因なのです。

「左右の像が合致しているから自分の調整に誤りがあるはずはない、像が倒れているのは動かない現実だから、 絶対に器械の方が狂っている。」と結論付けてしまわれるのです。

上記につきまして、この項を含めて当HP内で繰り返し解決方法をご説明しておりますので、なにとぞご精読くださいますよう、お願いいたします。
(2003年1月31日)(2月20日、一部追加)

antena

EMS-BINOで遠くのアンテナを見た状態です。左右の像が完璧に合致し、視野中心を見ている限り、左右の視野円の不一致も ほとんど気付きません。
さて、果たしてこれで本当に左右の光軸が平行になっているでしょうか。
次の方法でそれを確認することが出来ます。

このチェックは、目幅が完璧に合っていることが前提になります。初心者の方で目幅が合致した感覚が 分からない場合は、目幅を正確に測定してもらい(眼鏡店等で)、ノギスでBINOの目幅を正確に設定してください。 (目幅は正確には瞳の中心から中心までの距離ではありません。個人差はありますが、それより1mmくらいは小さくなります。 進化途上にある私たちの眼の光軸(眼軸)と視軸は数度ずれているからです。)
(2004,5月3日追加)

左の射出瞳

左の射出瞳

右の射出瞳

右の射出瞳

眼をアイポイントから徐々に離して行き、上の写真のように、対象物の像が左右それぞれの 射出瞳に占める相対位置がほぼ一致していれば、初めて、「十分な精度で左右の光軸の平行度が出ていた。」と言えます。 (この時、絶対に顔を横にシフトさせてはいけません。本能的に顔を動かして目標を探してしまえば、光軸が平行でなくても 上の写真のように見えてしまいます。左右別々にウィンクする時に顔をしかめる人はこのテストの適性が低いと言えます。)

(2008年12月16日追記)ターゲット(アンテナ)が近距離ですと、当然ながら無限遠の対象(星)とは適正 位置が異なりますので、最終的には無限遠の対象で追い込む必要があります。無限遠に調整したBINOでは、 有限距離のアンテナは、鏡筒間隔分だけ内にずれているのが正解です。ただ、見ている対象に対しては、この 方法による調整が正解です。

左の射出瞳

左の射出瞳

右の射出瞳

右の射出瞳

現実には、特に初心者の場合は前の写真のような理想的な状態であることはまずなく、この写真のように、大抵、 相対的に内寄りにずれています。この程度でも調整できていれば優秀な方で、初心の方の場合は、片方の対象が 完全に射出瞳から外れている場合の方が多いでしょう。
この写真程度のずれであれば、地上の昼間の風景の美しさに十分な感動を与え、月面等の明るい対象を見ている限りは 観察者は光軸のずれを全く自覚しないでしょう。 しかし、光刺激の小さい微光星になると、視野の全ての星が二重星に なっていたりするのですが、初心者の場合はそれにすら気付かず、「昼間の景色には感動するが、星野では、単眼との差があまり無かった。」というような とんでもない感想も出かねないのです。^^;
眼をアイポイントより数十センチ離し、右のEMSの調整ノブで前の写真の状態にすれば、左右の光軸は完全に 平行になるのです。このマニュアルに従っていただければ、調整にはわずか数秒しかかかりません。決して主観に惑わされずに、 自分の考えを付け加えず、忠実にマニュアル通りに実行していただくことが肝腎です。

右の像を上下に極端にシフト

右の像を上下に極端にシフト

右の像を左右に極端にシフト

右の像を左右に極端にシフト

左右の視線をほぼ平行に保っている限り、EMSの調整ノブの調整量はほんのわずかで済みます。
左の写真はY調整(上下方向)、右の写真はX調整(左右方向)を敢えて盛大に操作した状態を示しています。左右の写真とも、中心の濃い像が左鏡筒の像だとお考えください。
まず、右の(以下”右の”を省略)像を上に大きく移動させると、像は右に傾き、下に大きく移動させると左に傾きます。(左の写真)
また、像を左に大きく移動させると、左に傾き、右に移動させると右に傾きます。(右の写真)
これで、寄り眼調整がいかに有害であるかがご理解いただると思います。寄り眼調整は、単に観察者の眼を 疲れさせるだけでなく、左右の視野の相対的な倒れも発生させるのです。出荷時に私が入念に調整しているにもかかわらず、 視野の倒れを指摘される場合のほとんどの原因が、ここにあるのです。
眼の極端な癖を介入させない限り、EMSの調整機構は、視野の回転が影響しない 安全圏の範囲で十分にその目的を果たします。

(左右の像の倒れを調整する際には、わざと光軸を上下にずらしますが、その時、上の写真の傾向を理解した上で、 上下にずらした時の倒れが均等になるように調整するのです。)

像の倒れの調整方法は”15cmF8双眼望遠鏡の使い方”の
EMSの接続アングルの調整方法”をご参照ください。


2007年4月6日追記

調整原点と調整ストロークの中心とは関係ありません。

右のEMSのXY 調整用の調整ノブの使用法につきまして、数年前より以下でご説明してまいりましたが、 タイトルの誤解が、誤った調整につながる一因だと感じましたので、ご説明を追加することにいたしました。

原理構造を無理解のままに最初から鏡筒を分解される方が意外に多く、安易に復元を試みられる場合に陥りやすい失敗として、 調整原点を調整ストロークの中心に合わせてしまわれることがあります。 この間違いを犯されますと、常に光軸が狂った状態で BINOをご使用になることになります。

調整ネジは、組み付けネジを兼ねており、どんどん緩めて 行きますと、やがて脱落します。 また、製作工程上、調整原点の相対位置(言い換えますと、調整域リミットの両端位置)は一定ではなく、製品ごとに微妙に異なり、上下調整と左右の 調整との間でも異なります。 以下のご説明に従って、調整ノブを正しくご使用くださいますように、お願いいたします。


2009年12月14日追記

訂正が遅れましたが、下記の調整原点の問題は本年の4月より、右のEMSの第一ユニットのX-Y調整ノブに 原点位置を示すことにより、解決しております。

原点位置

また、上記では、アンテナのポールの垂直線を規準にしてお話していますが、その後の研究で、むしろ水平線を 規準にした方が、左右の像を分離しやすく、像の倒れの把握に有利であることが分かって来ました。



FLT132-BINO near completion:FLT132-BINO完成間近

Handle grips with weights are more than accessories. They have very important role of operating the scope and making the perfect balance.

 操作ハンドルは単なる付属品ではなく、BINOを操作するのに大切な握りを提供し、バランスを完璧に調整するための重要なパーツを構成します。 EMSのハウジングやIPDクレイフォードのパーツはすでに完成していますので、このBINOも数日中には完成する予定です。

 該当の方はもとより、多くの方を大変お待たせしてしまいましたが、より成熟した製品をお届けするためですので、なにとぞご理解くださいますよう、お願いいたします。



Encoder Holders:エンコーダーの固定金具

Along with coupling the axes, the encoder should be fixed to the mount so that it will not rotate with the axis.

 エンコーダーのセットは、軸を連結するアダプターに加え、エンコーダー本体が架台に対して回転してしまわないように、架台に固定する手段が必要です。 ただ、ここは大きな力が加わることはなく、回転を止める役目を担えば良いので、スリムなADで十分なのです。 垂直回転軸用のホルダーは、アルミプレートの2mmの厚み分しか突出しないので、鏡筒とのクリアランスにも余裕があります。



The newest Mount completed:新型架台の完成

 新型架台がようやく完成しました。 これが今後の中軸式架台の標準となります。(写真は、エンコーダの回転止め金具がまだ取り付いていません。)



Medical check up of the old 12cmF5-BINO:ドック入りの初期型12cmF5-BINO

 鏡筒短縮のリフォームのために久しぶりに対面した、初期型の12cmF5-BINOです。加工をする前に各所のチェックをしてみました。 

 まず、ドローチューブのスケアリングが著しく狂っていたので、BINOの調整以前に、ここを直しました。 ドローチューブを奥まで繰り入れた状態で、左の写真のように上部にかなりの隙間がありました。レーザーコリメーターを接眼部にセットし、対物の絞りキャップの所に同心円ターゲットを貼ってチェックすると、右の写真のように、やはり、ビームはかなり上に行っていました。

 調整後のドローチューブです。さっきの隙間がなくなりました。フォーカサー天部の調整ネジ(芋ネジ)をざっと調整しただけで、ここまで改善しました。(鏡筒切断後には、総合的に追い込みます。)

 BINOを天頂に向け、直定規をフード開口部に置き、アイピースを撤去して見口を覗くと、いろんなことがチェックできます。

 レーザーコリメーター、平面鏡、ビームスプリッター等々、お金を出せば何でも手に入る時代ですが、BINOユーザーの方には、お金をかけない簡単なチェック方法として、まずはこの直定規の方法をお勧めしたいと思います。(調整器具を揃える投資で良いアイピースが買えますので。^^; これを機会に、あなたのBINOもチェックしてみられたらいかがですか。)

before after

 左の写真が、ドック入りした時の直定規テストの状態です。目が少し怒って、目尻が少しつり上がっています。説明が後先になりましたが、実は、ドック入りした状態は、極端な寄り目調整の状態で、写真の像倒れは、それに付随した典型的な症状です。 右が、一旦アイピースを付けて地上風景で簡単に光軸調整した後に、同じテストをした写真です。 EMSの接続アングルの調整まではしていません。調整時間は約1秒でした。

 ”寄り目調整”については、服部さんのサイトの光軸調整の項の中で、『5:松本からのメール』というタイトルで紹介くださっていますので、よろしければご参照ください。

 このように、定規の折れ曲がりから、像の倒れがチェックできますが、結像による像の向き(正立or倒立)や、倍率は像の倒れとは無関係です。定規の像が倒立像であっても、傾斜は180度回転するので、結局は同じで、見口で観察する定規の倒れがそのまま、像の倒れの方向です。また、180倍をかけると1度の倒れが180度になって倒立像になるということもありません。^^; ですから、像の倒れは等倍でチェックできるということです。

 見慣れれば、±0.5度の誤差も容易に検出できますが、慣れない内は、新たな定規を見口に当てても良いでしょう。左の画像では、1度~2度のずれがあるようです。(画面にハガキか定規等を当ててみてください。)

 もっとも、最近の現行機種ですと、EMSの調整ノブに原点シールを貼っていますので、たとえ正規の調整方法をマスターしていなくとも、調整の迷宮に入り込む心配はなくなりました。

 鏡筒の切断短縮加工を済ませ、鏡筒接眼部のコリメーションを完了しました。きちんと合うと気持ちの良いものです。次はEMSの再調整です。

 再調整が完了したEMSをセットして、トータルのコリメーションをチェックしました。明日はBINOの実視テストを行います。



Installation of the encoder in the central alti-axis:エンコーダの中軸へのセット

 通常であれば、エンコーダのシャフトを穴付きのボスに差し込んで横からセットビスで止める簡単な方法が使えますが、中軸式架台の場合は、挿入側からだとエンコーダ本体の背中が邪魔をして、肝心のシャフトの固定部分にアクセス出来ませんし、垂直回転軸の半対面側にはボスを新たに設けるだけのスペースは確保できません。(反対側の鏡筒が干渉します。)

 そこで、エンコーダのシャフトに円盤をセットビス(中央の写真の黄色い矢印)で固定し、それに位置決め用のボス(中央の写真の赤い矢印)と固定用のネジ穴(同青い矢印)を設け、反対面から1本の固定ネジ(右の写真の青い矢印)で固定するようにしました。

 これで、一般的に中軸式架台の垂直回転軸へのエンコーダの設置方法が決まりました。 後は、エンコーダが勝手に回らないように、架台に固定する手段を製作したら完成です。



The new Mount for the FLT132-BINO:FLT132-BINO用の新型架台

 この新型架台は、このサイズクラスの今後の中軸式架台の標準となるものです。 かなりの陣痛を経て完成しました。重いBINOが指1本でも操作できそうです。巨大化した垂直回転軸は、単にエンコーダを収納する以上に、回転軸としての性能にも貢献するようです。



Adapter rings of the FLT132-BINO:FLT132-BINOの接続リング類

 月が代わって非常に焦っておりますが、ゴールは着実に近付いていますので、何卒、ご理解くださいますよう、お願いいたします。

 写真は、1がドローチューブ末端の回転装置のリング(元の機構の固定が弱いようなので、固定方法を少し改善します。)。2が90mmφ差込用のスリーブ(メス)、3がEMSの90φバレル(オス)、4がEMSの第一ミラーケース(大型)、5は鏡筒付属の2インチアダプター(エンドキャップ)で、使用しません。

1→2→3→4の順で繋がります。

 従来の標準サイズのEMSハウジングですと、バレル等のリング類は大量に外注したパーツを全て確保しているのですが、この度大型ハウジングを導入して以来、接続リングの要求はBINOごとに異なり、現在、最大公約数を模索している段階で、どうしても時間を取られています。 バレルとしては、80mm~100mm差込まで製作しましたが、どうやら90mm差込が最大公約数として定番になりそうな感じです。 今は過渡期で苦労しています点、御理解くださいませ。