X-Y knob limiter (Another breakthrough of the EMS!!)X-Y ノブ-リミッター

The X-Y adjusting knobs also takes the role of assemble screws, so if you go on unscrewing the two knobs they will come off and fall down.Yes, there were no limiters on the X-Y knobs and there was a contract between I and the users of not turning the knobs too much.But I have found so many users are disregarding the rule and I decided to make limiters on the knobs.

 X-Yノブの回し過ぎに警鐘を鳴らし続けて20年余り、ノブに原点矢印を付けてからはトラブルが減ったものの、根絶には至りません。しかし、私たちの手首の構造から、持ち替えないで自然に回せるのは±90度くらいかと思うのですが、一回転以上回す人は、つまみを持ち替えながら複数回回しているわけで、確信犯と言えます。

 ただ、ユーザーさんを叱責するばかりでは限界があるようで^^;、こちらも何らかの対策が急がれると判断しました。 過去に何度か検討して、断念して来た経緯もありましたが、今回はシンプルなアイデアが閃きました。2回反射の正立光学系の開発 → 2分割ハウジングの採用 → X-Yノブの採用 →銀ミラー化 → X-Yノブにリミッターをセット、と、どうやらこれがEMSの進化の最後の節目となりそうです。

 従来は、”ローレットつまみ”というローレット付きの一体ネジを使用していました。 このネジは組み付けネジを兼ねていたため、リミッターのセットは非常に困難で、現実的ではありませんでした。 そこで、ローレットナットという好都合な産業部品に目を付けました。 ネジ穴はバカ穴にしておき、皿ビス(注文中)を貫通させて、横からセットビスで所定の角度で固定します。 ローレットナットの底面にはCNCフライスでカム状の円弧加工を施しておきます。EMSハウジングのX-Yノブネジ用のバカ穴のごく近傍に(裏側から)細いネジで突起を立てておけば、ノブが180度以上回らないように制限をかけられるわけです。

 一番ハードルが高かった部分が極めてシンプルに解決しました。 ハウジング側の施工は、X-Y用の2つのバカ穴の近傍にそれぞれ(突起セット用の)小さいネジ穴を施工するだけです。



静岡県の村井さんからメールをいただきました。(2014年9月28日)

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BORG150ED-BINO
 こんにちは、村井です。 久々の快晴の中、昨夜から続いて、今朝も楽しんでおります。

【PST双眼ダブルスタック】

 前に仕立てて頂いたPST双眼のダブルスタック、快調です。  特に今日は、すごいスカーフェイス(傷顔)、  汗だくになりながらも目が離せません、  コントラストがひときわ高く、見事な光景です。  こういうときは、ダブルスタックを諦めなくて良かった~~と、  改めて感謝!感謝!です^^;

【SKY90フェザータッチフォーカサー】

 こちらも、松本さんご対応のヘリコイドEMS、FTFともに快調です。  私の自作部分はというと、水平軸作動、まずはOKですが、   垂直軸は松本さんのご心配的中で、カックン傾向が取れていません。  とは言うものの、先日の土星、月でのファーストライト以降、  垂直軸カックンさせながら、M45,M31,2重星団、など、  ビール片手にお気軽観望楽しんでいます。   今まで見たことのない光景、16倍、5.4°広視野、楽しいですね。   今日は浜松自衛隊の航空祭で、先ほど上空を通過中のレーダー機を   SKY90で追いかけました、低空だったので、ド迫力。   昼から楽しめるのもEMSの良い所です^^;  今回の目的は、見始め2分、撤収2分、   軽量&シンプル着脱構造でしたので、まずは大成功です、   本当にありがとうございました。   これからもよろしくお願いいたします。

                 村井

管理者のコメント;

 村井さんには、最初のリポートをいただいてから、早10年が経過していて、改めてその月日の 長さに驚いています。 長い間EMS-BINOを愛用してくださり、しかも飽くことなく新たなことに挑戦して くださって、ありがたく思います。

 SKY90-BINOは、EMSとフェザータッチフォーカサーと、同フォーカサーをSKY90の鏡筒パイプに接続するアダプターのみ ご提供しましたが、見事に中軸式のBINOを完成させられました。 垂直回転軸にご不満があるようですが、非常に シンプル、コンパクトなBINOになり、自作された意義は十分にあったのではないでしょうか。

 PST-BINOのダブルスタック化は2012年頃にお手伝いさせていただいたでしょうか。 皆さんの追求心には限りがなく、 こちらも刺激を受けてお手伝いしてまいりましたが、EMS-BINOのユーザー人口が増えるにつれて、そうしたご要望への ご対応が難しくなってまいりました。何年後かには、「当時はよくあんなことまで対応してたものだなあ・・」と言っている私がいるかも分かりません。^^;

 今日いただいたメールの2枚の写真がとても美しく、村井さんに無理を言って掲載させていただきました。    また双望会でのご感想がいただけましたら幸いです。
          ありがとうございました。



Larger Housings in White白い大型ハウジング

今、標準カラー変更の過渡期のため、旧カラー(タカハシ色)と新カラー(白)が混在することになります。特別にご要望がない限り、当方の判断で割り当てます。 喫緊の対応として、BORG125SD用には白を充てる予定です。

最近より、単体のEMSやリフォーム、ユーザーさんのアフター等が殺到しており、なかなかBINOの製作が進まず、申し訳ございません。皆さん、いろいろと目移りしてあらゆる物に食指を伸ばしておられるようですが、今一度原点に立ち返り、本当にBINOのポテンシャルを最大限に引き出しておられるかを、双望会の前に今一度チェックしてみられることをお勧めします。

9/26の該当者の方はショックを受けておられますが、これはこの方への見せしめではなく、この機会に広く一般ユーザーの方に注意を喚起するために掲載いたしました。決して他人事として読まれず、自分自身のこととして読んでいただきたいものです。

EMS-BINOの使い方については、20年近くに渡って何度も注意を喚起しており、数年前よりX-Yノブに原点矢印を貼るようになった後もこうしたケースが絶えないので、敢えて再度注意を喚起させていただきました。 (9/26日の件は、以前にBINOを転倒され、そのずれをEMSのX-Yノブで補償しておられたのが原因でした。)

これは某業者さんの例です。当方のEMSを使用してBINOを製作している方でも袋小路に入ることがあるので、指導的な立場の方も例外ではありません。猛省を促したいと思います。



Reform from -ULS to -UXLEMS-ULSから-UXLへのリフォーム

As the index angle of the EMS is as large as 60-deg., the standard diagonal mirror (1 by sqr(2) ratio) is always scarce at the long axis of the elliptic shape.You should know even EMS-UXL is not perfect for the larger binoscopes such as F5-12cm or larger. Yes, I can say, the larger the better is the first mirror of the EMS.

光路図が描ける方ならすぐに分かると思いますが、EMSの入射角は60度なので、標準の斜鏡(1:√2)を使用する限り、長径方向は常に(短径に対し)足りない状態です。(見方によれば、短径が余る、とも見れますが、実情はそこまで大きなミラーは収納できないことが多いのです。)

第二ミラーさえ所定のサイズを満たしていれば、光学に疎いユーザーさんの目は簡単にごまかせるわけですが、予算や事情が許す限り、第一ミラーは大きいに越したことはないわけです。 今回受注したのは、EMS-ULSから-UXLへのリフォームで、短径55mmから短径63mmの斜鏡へのアップグレードです。 大型ハウジングは、このサイズの斜鏡までですと、全くエッジ加工なしで収納できます。(エッジ加工をすれば短径70φ斜鏡までは収納できる。) その上は、特注の60×120×12t(パイレックス)を用意していますが、このクラスからは価格が別格になります。

EMS ミラーサイズ比較

EMS ミラーサイズ比較

(EMS-ULSの第一ミラーは、大型ハウジングでは斜鏡形状のままセッティングしますが、小型(標準)ハウジングの場合は短径方向を切削加工して(つまり細長くして)セッティングしています。)



Bad ExampleX-Yノブを回し過ぎないように・・

This is the first (right) unit of the EMS-ULS sent to me by a client who wanted it to be upgraded into the EMS-UXL.I opened the package to find the right directions of the X-Y knobs at first.But at the collimation test by a laser, there was no beam seen on the screen. And I removed the screen to find the beam almost hitting the inner wall of the pipe!Yes, the client had turned the X-Y knobs more than full 360-deg turns!Dear EMS-USERs in all over the world, please, please do not turn the knobs more than 45-deg!!

 当事者の方にはショッキングだとは思いますが、製作者はそれ以上にショックを受けております。リフォームのためにユーザーさんが送られて来たEMSですが、右のEMSの光軸が甚だしく狂っていました。 

 最初、珍しくX-Yノブがほぼ原点に来てるな、と思い、分解してみると、明らかにミラーが異様に偏っていました。レーザー装置をセットしてみると、案の定、スクリーンの範囲にビームが当たっていません。 スクリーンを外してみると、パイプの壁にはビームはかろうじて当たっていませんでした(当たってた例が過去にあり^^;)が、ご覧の通り、パイプの内径すれすれを出ています。 どれだけノブを回したのかな?と、復元を試みたところ、どうやら両ノブともほぼ1回転したもようです。

 再三警告していますが、ノブは±45度以内の操作でお使いください。 最悪でも±90度が限界です。 180度付近まで回す癖が常態化していると、容易に原点を見失い、このような結果になりかねません。

 BINO用のEMSセットのX-Y調整ノブは、ユーザーの方と私(製作者)の間の、一種の”契約”だと思っています。物凄く便利なX-Yノブですが、誤った操作による危険も秘められています。 ユーザーの方だけが覗くのであれば、眼が疲労しようと自己責任ではありますが、その酷い状態のBINOが第三者の目に触れることを考えると、その影響は計り知れません。 ユーザーの方を信頼した上でのX-Yノブだということをご認識いただけましたら幸いです。 X-Yノブを正しく使い、EMS-BINOの本来の性能を引き出していただきたいものです。類似したアイピースの性能の僅差よりも、完璧な光軸のBINO、大方合格の光軸のBINO、光軸が狂ったBINO、の間の性能の差の方がはるかに顕著です。(X-Yノブを廃止し、全て固定する選択肢もありますが、一部の方のために、全体が不便になるわけにも行きません。)

 右のEMSの原点に自信がなくなった場合は、目標に固定した同じ鏡筒に左右のEMSを交互に抜き差しして見ればノブが1回転以上しているかどうか、一目瞭然です。本例ほど狂っていれば、アイピースを除去して中を覗いただけで、右の対物レンズがとんでもない位置に見えるかも分かりません。 当初、掲載を躊躇しましたが、こうした例が後を絶ちませんので、敢えて掲載させていただきました。製作者の思いを汲んでやってください。何も難しいことは言っていません。 ただ約束を守ってください、ということです。 そして困ったら自己診断で行動する前に直ぐにご連絡ください。 X-Yノブに原点矢印シールを貼るようになっても、こうしたケースがなくならないのが残念です。



A simple helical focusing for Ethos-13mmEthos-13mm用のヘリカルフォーカサー(2インチスリーブ仕様)

The use of the roller type plunger has drastically improved the operation of the helical focusers.

 ヘリカルフォーカサーがここで化けました。 功を奏したのは、先端球が回転するローラータイプのボールプランジャーの使用です。 先球が回転するため、動きが滑らかになり、球径が少し小さいことで、1.5mm幅の螺旋溝によりマッチし、リミットで脱輪しなくなりました。(引き出しリミットでカチッと止まるのは、気持ちの良いものです。 当然、下向きの重加重にも格段に強くなりました。1kgクラスのアイピースでも、もう脱落しないでしょう。(当方の知識不足から、通常のボールプランジャーでも先球は回転するものと思っていたのですが、ほぼ全く回転しないことが分かり、回転タイプを探したわけです。回転タイプのプランジャーは主球の底にごく小さい複数の副球が配置してあり、ベアリングのように回転する構造になっています。)

 ストロークを欲張らず、延長真鍮パイプ部分の範囲だけでヘリカルとクランプの機構をまとめたのが成功の鍵でした。

 ヘリカルフォーカサーも、初期の実験に成功した後、課題が多く見付かり、かなり苦労しましたが、これで一応完成を見たようです。^^



日々是BINO  / LUNT35-BINO,80-BINO,115-BINO

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2011年6月にBINOオーナーとなってはや3年!すっかり双眼正立の世界にはまってしまい、BINOも年々1台ずつ増えつづけ(!)、 今や3台保持するにいたりました。 (①115mm屈折双眼→②35mm双眼太陽(正立)→③80mm屈折双眼/今日に至る)

Lazyな私には、手軽な80mmが主力(軽い!早い!スゴイ!?)なBINOとなっていますが、特徴はちがっ ても両目で見る喜びは変わりません(むしろ倍増!)。架台を変えたり、仕様をいじってみたり日々楽しん でいます。BINOの相違を通してEMSに対する理解を深めてきましたが、まだまだ奥が深く現在進行中^^;。 フィールドに出かける機会が減ってしまいましたが、最近では、ベランダ観望を主として楽しんでおります。

とりわけ、入手した「傾斜センサ」が、街中での観望をさらに楽しいものにしてくれています。市内に住んでおり、 光害は避けられないのですが、どんなに明るくても、月夜であっても天体の導入がより手軽に(!)より確実に なりました。設置が容易なので、天気が良ければすぐに観望OKとなります。眼視オンリーだった私が、ベランダからの (下手な)天体写真を撮影するようになり、SNS等にアップし楽しんでいます。 50代自己満足の極みですね。(^^♪

今後もBINOを通して多くの人々にその良さを伝えていければと考えております。毎日更新される メイキングレポート楽しみにしております。奥の深いBINOの世界。これからもご指導どうぞよろしく お願いします。ありがとうございました。

仙台市 渡辺 利明

管理者のコメント;

渡辺さんが、3台のBINOをフル稼働しておられる近況をご報告くださいました。 やはり、製作者としては、出来上がったBINOをしっかり使ってくださっているご様子を知るのが、何よりの 励みになります。
特に、両眼で見られること、90度対空であること、回転軸へのリンクフリーで実現する傾斜センサーの 実現そのもの等、基礎的な部分での素直な感動が伝わると一番嬉しく思います。

渡辺さんの過去のリポート

115ED-BINO (2011,7/9)
115ED-BINO-2 (2011,7/16)
傾斜センサー (2014,8/21)



First mirror of EMS-UXLEMS-UXLの第一ミラー

In some cases, there will be no great difference between EMS-UL and -UXL in the limit of the widest eye-piece with the full field of view, as long as the second (eye-side) mirrors are in common. But, the brightnesses of non-center area of the field will be far different from each other.

 最大実視界を最小ミラーで確保する、という視点ですと、BINOの規模や条件によってはEMS-ULもしくは-ULSで十分とする判断もあり得ますが、「正立90度対空のBINOの実現」という段階を卒業し、極限のパーフォーマンスを目指す段階になりますと、いかに視野の周辺光量を最大限確保するか、ということに関心が移るわけです。 このことを最初からあまりウルサク指摘しますと、初心の方の気持ちが萎えてしまうので、あまり最初からは言いませんが、複数のBINOの変遷を経て、より高みに登りたいと思っている方には、第一ミラーを最大限確保する、EMS-UXLの選択をお勧めしています。

 光軸上の円錐光束でフル口径が確保されていても、光軸を少しでも外れると急激に周辺減光が始まるのが正立光学系を通す望遠鏡の宿命ですが、反射回数が2回だけのEMS-BINOについては、その傾向を大幅に削減する選択肢が用意されているわけです。 コンパクトさやコスト等とのトレードオフをよく理解されてから判断されると良いと思います。 (視野全体の光量の比較は、画像の面積比較そのままです。)(125SD-BINOはEMS-UXLが完成次第にほぼ完成するのですが、この単体のEMSやユーザーさんのアフターの仕事に追われています。大変申し訳ございませんが、もう少しお待ちくださいませ。)



Another 100 EMS housings in the making標準ハウジングの次期ロット(100個)製作中

 標準ハウジングはいつしか3,000個を軽く消化していました。 純粋に私一人で対応できて来たのは、我ながら数々の偶然の幸運に助けられて来たからだと痛感するこの頃です。まさに奇跡だったと、この30年を振り返ります。

 さて、次期標準カラーですが、圧倒的に”白”のご希望が多く、またTK色を希望する方が白で妥協する方が、白を希望する方がTK色で妥協するよりも心理的ダメージが小さいとも判断しますので、最終的に”白”に決定します。

今までの得票数;

          白(White) —-10 票

タカハシ色(Takahashi-col.)—- 2 票

 アンケートへのご協力、ありがとうございました。



Slide Bracket for the Center Mount(-2)(125SD-BINO)中軸式架台のスライドブラケット(2)(125SD-BINO)

The total mechanism of the slide bracket must has come to light for you.

But I would like you to know that most of the device will hide away behind the OTA or the mount, once the right OTA is set on the Center Mount. Do not regard the bracket as the additament that makes the structure more complex, but understand that the single bracket will eliminate a pair of IPD helicoids and achieves the IPD adjustment with no focus change.

 これで、スライドブラケットの全容が見えて来たと思います。 ただ、このL型ブラケットは、中軸式架台と右鏡筒の間にあり、右鏡筒の左サイドと下部(腹)に接っするように配置されるため、一旦マウントにセットしたら、ほとんど目立ちません。

 また、鏡筒だけを直接左右から中軸架台にセットする方式に比べて、余分な機構(スライドブラケット)を一つ付加する、というご認識も間違いです。 このブラケットの採用により、左右のヘリコイド(眼幅用)が省けるのであり、メカとしては、よりシンプルで高剛性、かつピント移動のない眼幅調整が達成されるものです。 ただし、このブラケット方式は、細い鏡筒(115φ以内か)に適した方法であり、通常の13cmクラス以上の鏡筒の場合は、やはりヘリコイド方式が適しています。 125SD鏡筒の場合は、その選択の分岐点に当たり、どちらの選択でも良いと思いますが、今回は前者の方式で進めています。



The vote of the new standard color (Interim Report-4)EMSの標準色の変更について(投票経過 4;12日08時現在)

          白(White) —- 8 票

タカハシ色(Takahashi-col.)—- 2 票

 ほぼ皆さんの傾向が見えて来ました。 


The vote of the new standard color (Interim Report-3)EMSの標準色の変更について(投票経過 3;12日08時45分現在)  (2014年9月12日)

          白(White) —- 7 票

タカハシ色(Takahashi-col.)—- 2 票

 皆さんからいろいろと建設的なご意見をいただき、深く感謝しております。  双方のご意見ともに説得力があり、熟慮しているところです。

 白と言っても幅が広く、当方で考えている白は、ややコルベットホワイトがかった白です。 純白が安っぽく見えることは承知しています。

 まあ、今までも結局は個別のご希望に応じて来た部分もございますので、強いご指定があれば、どちらの色にも対応させていただくことになるかも分かりませんが。 ただ、今回は、メインで在庫するハウジングの標準色をどうするか、ということです。



The vote of the new standard color (Interim Report-2)EMSの標準色の変更について(投票経過 2;11日08時45分現在)

          白(White) —- 4 票

タカハシ色(Takahashi-col.)—- 2 票

 皆さんからいろいろと建設的なご意見をいただき、深く感謝しております。  双方のご意見ともに説得力があり、熟慮しているところです。

 白と言っても幅が広く、当方で考えている白は、ややコルベットホワイトがかった白です。 純白が安っぽく見えることは承知しています。

 まあ、今までも結局は個別のご希望に応じて来た部分もございますので、強いご指定があれば、どちらの色にも対応させていただくことになるかも分かりませんが。 ただ、今回は、メインで在庫するハウジングの標準色をどうするか、ということです。



SWAROVSKI X95-BINO(2014年9月10日)

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 これが初めてのEMS双眼望遠鏡になります。まず、このBINOは10cmクラスの対空双眼鏡 と同列に扱うことのできる機材だと思います。10cmクラスの対空双眼鏡はコンパクトながら 星団・星雲を見るのに必要充分な光学性能を備えた私にとって理想的な機材で、これまで 「笠井トレーディングのSUPER-BINO100RA」「宮内Bj-100RB」「ハイランダープロミナー」 「宮内Bj100-RBF」と使ってきました。しかしどれも満足するには至らなかったため、松本 さんにこの機材の製作を依頼することにしました。届いてみて驚いたのはその大きさと軽さ です。大きさは対空双眼鏡の中でもひときわ小型の宮内Bj-100RBFと同等で、重量はさらに 1kg軽い4.8kgという軽さです。その無駄のないコンパクトな造りに驚かされました。

 肝心の光学性能については、その像のシャープさやコントラストの高さ、色彩の鮮やか さには驚かされるものの、それ以上に気になるのは歪曲収差です。
 これは既にX95-BINOを所有されている方々の情報から事前に分かっていたことですが、  このBINOはフィールドスコープの対物ユニットだけを取り出し、そこにEMSと天体用アイピースを  組み合わせているので、収差の如何はアイピースによって変わります(この時の使用アイピースは  パンオプティック-24mmとタイプ6-13mmでした)。
 天体用ならば少々の歪みも気にならないのですが、  どうせなら昼間の景色でも既存の対空双眼鏡を超えた像を期待したいところです(特に最高性能を誇る ハイランダー以上の性能)。
 昼間の景色を対象に、テレビューアイピース以外に下記のア イピースを試してみました(焦点距離は17~20mmを基準に選定)。

・ペンタックスのXW-20mm
・笠井トレーディングのEF-19mm
・国際光器のPHOTON-18mm
・ライカズーム(8.9-17.8mm)
・ハイペリオン-17mm
 結論からいえば、昼間の景色でハイランダーと同等以上に整った像を結んでくれるの は「PHOTON-18mm」「ライカズーム」「ハイペリオン-17mm」の3つでした。
 最も透明感のある 像はレンズ構成枚数の少ないPHOTONで、色彩も鮮やかです。見掛け視界が狭いこともあるで しょうが、像全体に締まりがあり満足度の高い像を結んでくれます。ただ、昼間に使用する と被写界深度が浅いので、景色全体にはピントが合いません。
「ライカズーム」はさすがに ズームにありがちな暗さを感じますが、像は非常にシャープです。ライカらしい「きめ細か なシャープさ」といった感じで、コントラストも悪くはありません。色彩は少し弱く感じま すが、全体としてはズームらしからぬ魅力的な像を結んでくれます。
 ハイペリオンは少し像 が暗いながらも各収差が最も抑えられ「落ち着いた像」という印象ですが、見掛け視界が一番 広い68°なので視界そのものが気持いいといった感じです。昼間の使用なら見掛け視界の広 さと覗きやすさから、ハイペリオン-17mmが個人的には一番好みでした。

 厳密には対空双眼鏡で最高レベルの光学性能を誇るハイランダーと細かく比較すれば、 これらのアイピースの結ぶ像が「全てにおいて優っている」というわけではないと思いますが、 私にとってはコントラストの高さ・色彩の鮮やかさ・遠近感などの点から「理想の機材」と思うに 充分な見え味です。
 あと残ったアイピースで歪曲収差がよく抑えられている順番として「EF-19mm> XW-20mm」となります。EF-19mmについては抜けの良さ・シャープさなどが上記のうちで一番優れてお り、像もこれらに次ぐほど整っているのですが、日差しの強い時に使うと周辺に強い青滲みがでるこ とがあるので「条件付き」といったところです。ただ、白いものを最も白く見せてくれたのはこ のEF-19mmで、これと比較すると他のアイピースには全て黄色の色付きがあることに気付かされます (テレビュー製品でさえ僅かな色付きを感じる)。気になってタカハシのアッベオルソも比較して みましたが、色付きのなさはオルソとEF-19mmで同じでした。

 自宅からではそれほど星が見えないので、天体用アイピースの比較は主に「夜景」を対象とし ました。これは歪曲収差の有無の比較ではないので私の主観的な判断的となってしまうのですが、 よく見えるアイピースの筆頭は「パンオプティック-24mmとEF-19mm」でした。
 テレビューのアイピー スがよく見えるのは当然なのですが、松本さんお薦めのEF-19mmが大健闘です。夜景などを対象に パンオプティック-24mmと比較してもヒケをとりません。これと比べれば、鏡筒によってはペンタッ クスのXW-20mmですら、その像を僅かに眠たく感じてしまうほどです。それでいてテレビューの アイピースより歪曲収差がよく抑えられています。ただ透明感には優れますが、コントラストはそ れほど高いわけではないので、あくまで「自然な像」を得られるという意味でいいアイピース です。本来なら先にX-95BINOを購入された方々がテレビューのタイプ5-16mmを使用されているので、 比較をして決めたいところなのですが、EF-19mmが気に入ってしまったのでとりあえず天体用はこれ に決まりです。

 ここで補足として、EWV-32mmにも触れさせて頂きます。このアイピースについては透明感・ 抜けの良さで定評がありますが、X95-BINOに使っても同じくひときわ飛び抜けた透明感のある素晴らしい 像になります。問題の歪曲収差についても、確かに相応に像は歪んでいるものの、低倍率のためかあまり 気になりません。
 これで気付いたのですが、歪曲収差の問題は歪んでいること自体よりも、歪んだ状態で の視野の移動にストレスを感じるのだと思います。視野を移動する時に倍率が高い方が視野内での歪みの 変化が大きくなるわけで、私の場合はEWV-32mmくらいの低倍率ではそれほど気にならず、パンオプティ ック-24mmの倍率では気になるといった感じでした。EWV-32mmはそのままではバレルが長過ぎて合焦しない ので、松本さんにお願いして真鍮製のショートバレルに変更しています。面倒ではありますが、この アイピースをX95-BINOに使う事にはそれだけの価値は確かにあると思います。

 遠征にはEF-19mmを持参しました。さすがによく見えるBINOです。これで見たアンドロメダ 銀河は圧巻で、これまで見たどの望遠鏡よりもコントラストの素晴らしい像です。
 望遠鏡は口径 以前にコントラストが重要だということを実感させられました。球状星団も「その存在が分かる」 という程度ではなく、粒々感を感じられ見応えがあります。普通、10cmクラスの大型双眼鏡という のは、それが「10cmクラスの見え方でしかない」ことを前提として、その像に満足できるものです。 しかしこの機材ではそうしたことを忘れてしまうほどです。「この前よりあんまり見えないな…」 の対象が30cmドブだったりするのです。スワロビジョン光学系の素晴らしさを再認識すると共に、 これが自分にとっての理想の機材だということが確信できました。
 もちろん比較対象を「対空双眼鏡」 ではなく「双眼望遠鏡」とし、3枚玉の高性能アポクロマートと並べて考えれば、X-95BINOが勝てない要素 は多いと思います(高倍率時の光学性能など)。しかしこうしたコンパクトBINOが真価を発揮するのは、 やはり「お気楽星団・星雲観望」であり、低倍率から中倍率が主体となります。そうした意味では初めから そこを目的に開発されたフィールドスコープにも相応の分があるわけで、そこにスワロフスキーの技術が詰 め込まれていることも思えば、このBINOには他にはない独自の魅力があるのだと思います。

 このコンパクトな BINO を収納するケースにはペリカンの1500サイズを使っています(収納には2イ ンチスリーブを取り外す必要がありますがこれは鏡筒の下に収納できます)。ペリカンの1500サイズは モノさえ選べば更に「機内持ち込み可」のキャリーバッグに収納できるので、移動の際には便利なサイズ です。ペリカンのケースを更にキャリーバッグに入れ、二重に保護することで、仮に空港に預ける時でも 心配がなくなります。やはりこうした小型機材は機動性が重要だと思うので、持ち運びしやすいサイズと大 きさは有り難いところです。

 最後に、私にとって X-95BINO は「理想的な10cmクラスの対空双眼鏡(双眼望遠鏡)」 となりました。天文という趣味の中で「理想の機材」に出会えるということ自体、幸運だと思いますので、 この機材を実現して下さった松本さんに本当に感謝しています。

東京都 米田

筆者のサイト 日月星辰

管理者のコメント;

 米田さんには、去年、BORG125SD-BINOをご依頼いただいてずっとお待たせしているのですが、 その仕上がりを待たずにSWAROVSKI-X95-BINOを先にご注文いただきました。(実はこのパターンが多い。^^;)

 双眼鏡機材のご遍歴にも表れていますが、米田さんは単なる機材マニアではなく、豊富なご経験と非常に鋭い識別眼を お持ちで、市販の天体望遠鏡用アイピースの詳細的確なご検証には、驚くばかりです。

 私は(製作中納品前に)店内でガラス越しに近くの風景をちらっと見た程度で、スポッティングスコープ とは思えないヌケの良さに驚くばかりで、視野の歪曲等には全く気付かなかったのですが、リポートを 読ませていただき、感心しきりです。

 去年、最初のSWAROVSKI-X95-BINOの依頼を受けた時は、まさしく”新たな無理難題”でした。 EMS-ULはもとより、EMS-UM(/US)でもバックフォーカスが足りません。どこで光路長を節約するか? 対物ユニット接続側とアイピースのアダプター側の光路長を極限まで詰めることで、かろうじて実現したBINOでした。

 純正のプリズムユニットでは、ガラス中の実質の光路長が幾何学的な実長の”1/屈折率 ”になるという好都合な 現象に助けられるわけですが、ミラーの場合は幾何学的な経路がそのまま光路長になるので、光路長を所定の 範囲に納めるのは、たとえ反射回数を4回(シュミットプリズム)から2回(EMS)に激減させても至難なことなのです。 どうしたかは、EMS自体の工夫の延長ですが、構成ミラーのエッジを 接続部の空きスペースに絶妙に侵入させることの集積で解決しています。文章では分かり難いかも分かりませんが、分解して みれば分かります。(両サイドにミラー先端が突出しているので、分解時の取り扱いには細心の注意が必要です。)

 製作者の視点から、このBINOの魅力(存在意義)を付け加えさせていただきますと、(当たり前ながら)まずは筆頭に、 90度対空だということです。 天体用では90度対空の45度対空に対する優位性が圧倒的であることは、私だけでなく、多くのマニア が証言しています。 次に完全気密構造のスポッティングスコープとEMSという構成要素のメリットです。 対物ユニットは完全インナーフォーカスで、天体望遠鏡の繰り出し装置のように伸びたり縮んだり、重心が移動したりしません。 これは当たり前のことですが、天体望遠鏡にばかり触れて来た私にとっては、新鮮な驚きがありました。それと、接眼部の 自由度が高いEMSとの合体です。際どいバックフォーカスながらも、かなりの種類のアイピースの選択肢が持てたのも、そのお陰です。  今後開発されるアイピースも含めると、さらなる成長(改善)の余地を残したBINOシステムであると言えます。

 大変綺麗な写真を3枚ご提供いただきました。ただ、SWAROの対物ユニット本体の色調がほぼグレーに 見えていますが、実際はオリーブドラブで、もっとグリーンがかった色です。 EMSは黒をご指定で、この機会に一定数の黒ハウジングを確保しました。 実は、今回の黒塗装は 満足が行く仕上がりにならなかったのですが、時間的にもコスト的にも後戻りが出来ず、そのまま納品させていただきました。^^; 塗装について、不問にしてくださったことに感謝しています。^^;(黒は難しいですね。光沢仕上げではなく、半艶を指定すべきでした。 鋳物(ダイカスト)の微細なホールが目立ってしまいました。猛省して次回以降のロットで改善します。)

 米田さん、この度は同BINOとのマッチングの良いアイピースを詳細にご検討くださって、本当にありがとうございました。 すでにSWARO-X95-BINOのユーザーになっている方々はもとより、これから検討をされる方々にも非常に有益なデータをご提供いただいたと 思います。 まだ納品させていただいて日が浅いので、またじっくりと秋冬の天体を観察された印象がいただけましたら幸いです。

(SWARO-X95-BINOは海外(米国)にも2台納品していますが、CLOUDY NIGHTS TELESCOPE REVIEWS でも 話題が盛り上がっています(1P~5Pまであり)。)



Which new color of the EMS do you like?EMSの標準色の変更について

More and more people are requesting the “White” rather than “Takahashi Color” for the color of the EMS, these days.Which do you prefer among the two choices? Your honest opinion will be appreciated.

 塗装済みのEMSハウジング(標準サイズ;タカハシカラー)の在庫がほぼ払底し、次の仕込みに取り掛かるところですが、そろそろEMSの標準色を、タカハシカラーを卒業して””に以降しようかと思いますが、いかがでしょうか。 どちらかに強いこだわりをお持ちの方がおられましたら、ご意見をお願いいたします。^^;最終決定の決断の参考にさせていただきたいと思います。

(一般的に白鏡筒には白いEMSが一番似合います。またタカハシ鏡筒であっても、鏡筒が白いので、白でも不自然さはありません。逆にタカハシカラーを好まない方にとっては、”白い鏡筒にタカハシカラー”に違和感を持たれます。←”白色に変更”を考えている理由。)

(今日より1週間くらいの間に集まるご意見も参考にしながら、最終的な決断をしたいと思います。 結果はまたここでご報告いたします。)



Another lot of the Helical Tubes / ヘリカルパイプの再仕込み

Another 10 pieces of the helical tubes are completed.

ヘリカルアイフォーカサーの中間パイプが足りなくなったため、急遽追加で10個作りました。(これよりアルマイト)

アイフォーカサーの初めてのユーザーリポートのご投稿が昨日あり、カウンターがうなぎ昇りで、皆さんの関心の高さが伺えます。

これでヘリカルフォーカサーも何とか実用レベルまで漕ぎ着けた感じですが、これはあくまで、メインの大型フォーカサーを割愛した場合の代替手段であることを忘れないでいただきたいと思います。 本格的なクレイフォードフォーカサーやヘリコイド等の操作性には敵いません。

素材鏡筒に最初から立派なフォーカサーが装備されていれば不要な装置です。 このヘリカルアイフォーカサーは、鏡筒のバックフォーカスが足りないが鏡筒の切断は避けたい、あるいは、、徹底して軽量化を図りたい等々の、止むに止まれない条件とのトレードオフの手段としては非常に有効なものです。

ヘリカル溝、ボールプランジャー等を用いますが、当簡易フォーカサーの主旨は”アイピースを適量浮かせてしっかり固定できること。”という一点に尽きます。「それなら、通常の2インチスリーブのままでいいのでは?」というご意見もあろうと思いますが 現実にはアイピースに脱落防止用の溝が施工されているため、通常のスリーブのままでは現状の2インチアイピースを好きな引き出し量で正確に固定することは出来ません。(位置によっては固定できなかったり、アイピースが首を振る。) ヘリカルアイフォーカサーの中間パイプには脱落防止溝を彫っていませんので、約20mmくらいのストロークの範囲でアイピースを好きな高さでしっかりと固定できます。

ヘリカル動作はオマケだと思っていただいても良いでしょう。1kg前後超の超重量級のアイピースで仰角ゼロ(地平)付近を見るような特殊なシチュエーションでプランジャーの押圧が弱ければ(プランジャーが螺旋溝を脱輪して)アイピースが下にずり落ちることもあるでしょうが、ヘリカル動作がうまく行かない場合は、手で持って引き抜きながらピント位置で固定しても良いわけです。 その辺を飲み込んで柔軟に使っていただけるかどうかも、採用を検討される段階で自問していただくと良いと思います。

望遠鏡のピント調整は、マニア全般に広く誤解された行為だと思っています。重厚な高級フォーカサーを前後に頻繁に出し引きして都度合焦させるのが、骨身に染み付いています。 また、高級フォーカサーを出し入れする行為自体が一種のステータスと思っているようにも見受けます。 そして、ピント位置の個人差を屈折異常の結果よりも観察者の個性として許容しています。

真実は違います。 正解のピント位置は一点しかありません。 天体から望遠鏡の対物レンズに入ってくる光束は平行光束で、正しい合焦操作をしたアイピースの射出瞳から出る光束も平行光束です。望遠鏡の倍率の計算式(対物の焦点距離/アイピースの焦点距離)が厳密に成り立つのも前記の状態に限られます。 つまり、対物レンズの焦点とアイピースの物側焦点が一致する点が前記の状態であり、これは1点しかないということがお分かりになると思います。 そして、正視(もしくは完全矯正眼)であれば、その像を誰でも明視できるわけです。 そのことを、マニアの方々は肝に銘じておく必要があります。 若くて眼の調節力が旺盛な方は、像がはっきり見える繰り出し位置に一定の深さがありますが、その中での正解は一点のみ、はっきり見える範囲で繰り出しを最長に伸ばした点のみです。 無限遠観察を強要するつもりはありませんが、少なくとも知識として、そのことを理解しておくことの重要性は、BINOユーザー(将来そうなる方も)にとっては特に”大”です。 なぜかというと、人間の眼は調節(有限距離に合せて水晶体を膨らませる動作)と輻輳(寄り眼にする動作)が自律的に連動して起こるからです。

極論しますと、1mの距離に望遠鏡の像を置いて見る癖の方は大抵、1mの距離に輻輳して見ていると言えるのです。 大手メーカーさんは、一般ユーザーの頑固さ^^;を熟知しているので、光軸がユーザーアジャストの双眼鏡は今後も生産しないでしょうが、ユーザーアジャストを許しているEMS-BINOの場合は、なんらの歯止めもなく、誤った調整をされる余地があるわけです。

前置きが長くなりましたが、「合焦機構というのは、本当はそんなに重要ではないのですよ。」ということが申し上げたかったわけです。 極論すれば、無限遠だけを見る天体望遠鏡は固定焦点でも良い、ということになります。 これはカメラの∞の焦点位置が一点しかないことと同じです。 「メインフォーカサーは条件によっては省けるものだ。」ということの背景に、ピント調整の真実の事情があるわけです。 そして、そうした価値観を共有してくださる方のためにヘリカルアイフォーカサーを供給して行きたいと考えています。



Slide Bracket for the Center Mount(125SD-BINO)中軸式架台のスライドブラケット(125SD-BINO)

The idea of the sliding bracket, for the IPD adjustment, on the Center Mount.

 途中まで仕上ったスライドブラケット(右鏡筒に用いる予定)です。固定ブラケット(A)の上にスライド機構(兼アリミゾ)が水平に乗り、その上にアリガタ付きの右鏡筒が載る仕組みです。スライド機構は最近の機構、たとえばFSQ106-BINO用と同じ構造です。

 組み立ててみれば、当たり前の機構ですが、これでも各所の干渉を回避するために、いろいろと工夫が必要でした。 鏡筒径が十分に細ければ、左右ともブラケットをシンメトリックに配置しても良いですが、鏡筒が太くなるにつれて、利用できる鏡筒間の隙間が小さくなるので、難しくなります。 片側ブラケット方式でも鏡筒径115φくらいまででないと難しいでしょう。

 このブラケット自体、中軸式架台にアリガタで着脱できるわけですが、このブラケットを鏡筒の一部として扱うか、架台の一部として扱うかは、ユーザーさんの方針次第です。 ただ、運搬時にはやはり架台からも鏡筒からも拘束を解いて単体で管理した方が収納性が良いかも分かりません。 ともかく、この方法で、ヘリコイドによらない(つまり眼幅調整時にピントが移動しない)眼幅調整が中軸式架台でも利用できるということです。 外観的には、これらのメカはほとんど右鏡筒と架台の間に隠れるため、ほとんど目立たない目算です。

 架台への鏡筒の取り付け方について、念のためにご説明します。

 左鏡筒は、従来の通常方式で鏡筒の右横側のアリガタで着脱します。

 右鏡筒は以下の二つの場合によって取り付け方が違います。

 ブラケットを右鏡筒に取り付けて運用する(ブラケットを鏡筒の一部とみなす)場合—— 通常通り、右鏡筒の左横側のアリガタ(ブラケットのアリガタ)で着脱する。(横付け) ブラケットを事前に中軸式架台に取り付けて運用する場合—– 右鏡筒の腹側のアリガタでブラケット上のスライドマウントに着脱する。(平置き)



Helical Focusers on 15cmF5-BINO(V.9) / ヘリカルフォーカサーと 15cmF5-BINO(V.9) のその後

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  ローレットつまみをセットしたプランジャー受け取りました。素早い対応をしていただき誠に ありがとうございます。
セットしてピント合わせをした感触をとりあえず報告します。

①旧ヘリカルフォーカサー(2インチ)(プランジャーとバンドクランプが90°の位置)

 ・まずEWV32㎜(真鍮ヘリコイドバレル)にスリーブをセットしプランジャーのセット穴をヘリコ イドの溝に合わせプランジャーをねじ込みます。
  ローレットつまみを締めるとアイピースが固定されます。30°ほどローレットつまみを緩め、アイ ピースを回すとスムーズに回転します。

 ・BINOにセットして山の木にピントを合わせてみました、バンドクランプを少し緩め (バレルがスムーズに回転する最小限)プランジャーローレットを少し緩めてアイピースを回転させ ると、気持ちよくピント合わせができます。プランジャーローレットつまみを締めるとアイピース は固定され動きません。EWV32㎜の重量と倍率なら、バンドクランプを締める必要を感じ させません。  (プランジャーを30°緩めた位置で固定し、バンドクランプを緩めピント合わせし再び締め る方が無難かもしれませんが)

 ・ピントの合ったEWV32㎜のハウジングのプランジャー真上にマスキングテープで位 置決めのマークを付けておきます。(添付写真参照)

 ・スリーブはBINOにセットしたままプランジャーローレットつまみを1回転緩め、バンドクランプ を緩めてEWV32㎜とN4-22㎜(バレルにヘリコイドを切ったもの)を交換します。この交換作 業がローレットつまみのおかげで極めてスムーズ、快適です。実は今までこの交換がやりづら くEWV32㎜の出番がほとんどありませんでした。いずれEWV32㎜専用のスリーブをお願い しようと思っていました。

 ・N4-22㎜のハウジングにもピントの合った位置にマスキングテープでマークをしておき ます。

 ・ピント位置マークがあればアイピース交換時にマークをプランジャー上部に向けて差し込 むだけでピントがほぼ合った状態にセットできます。

 ・ローレットつまみひとつで素晴らしく使い勝手がよくなりました。ヘリカルフォーカサーの生き 残りをかけた進化と云えますね!^^

②新型ヘリカルフォーカサー

 ・今日、ほぼ同時に届いたEathos13㎜にセットしてみました。

 ・50.8㎜バレルにマスキングテープを一巻きして中間ヘリコイドをセット、がたもなく取り付 けできました。

 ・こちらはプランジャーローレットつまみを締めこんでもアイピースは回転します。2㎜tのアル ミのためチューブが変形しているのかな?と感じました。
  無理に締めこまない方がよいかもしれません。

 ・ピント合わせの感触は旧型ほどスムーズではありませんが最初のロットの苦労さ れた造りが原因かもしれません。第二ロットは良くなると思います。ただ中間ヘリコイド チューブの強度不足が原因かもしれませんのでご検討ください。(EWV32㎜の真鍮バレルが 良さそうに思えます)

③ヘリカルフォーカサーについての感想

 ・昨年11/26の製作記事を見てきらりと輝く知恵を感じ ”これは試してみるべ き”と思った次第です。

 ・現在、旧型スリーブ1組(対応アイピースはEWV32㎜&N4-22㎜)
     新型フォーカサー1組
     31.7直進ヘリコイド1組でほぼ焦点位置の同一化ができています。

  先ほど①の最後に書きましたが新型フォーカサーのスリーブ1組と中間ヘリコイド必要数揃えれ ばそれで焦点位置の同一化ができるるのですからこのメリットは大きいと思います。  ・もう一段進化させ絶滅危惧種とならないことを祈っています。(余計なことを 言ってしまいました。^^)

④15㎝F5-BINOのその後の姿;添付写真ご覧ください

 ・中軸架台水平回転部にスラストベアリングを導入しきわめてスムーズな回転に(ありが とうございました^^)

 ・自作吊り輪型操作ハンドル;上下動がやりやすくなりました

 ・ドットファインダーを足長化(自作);10㎝長くして見やすくなりましたが Eathos 13mmでどうなることか?

 ・31.7アイピース使用時の重量バランス;左右の吊り輪ハンドル上のツメにマグネット 式の文鎮を載せる

 ・アイピース焦点位置の同一化
 等々、初心者なりに使い勝手を良くしようと努力中です・・・
 とり急ぎご報告まで、今後ともよろしくお願いします。

福本
兵庫県

管理者のコメント;

 今年の4月15日にSWAROVXKI-X95BINOと15cmF5-BINO(VERSION9)の1号機のリポートを投稿してくださった 福本さんが、ヘリカルフォーカサーと15cmF5-BINOのその後について、タイムリーにご報告くださいました。

 ヘリカルフォーカサーに至るまで、アイフォーカサーの定番を模索する試行は結構難航しましたので、 この度の第二段のヘリカルフォーカサーの納品以降、どんな反応が返るものか、大変心配しておりました。
 実用上問題があるようなら、今回きりかな?と思い始めたところにいただいたリポートで、「この調子で改善を進めよ・・・」 とのお墨付きをいただいたようで、安堵いたしました。^^;

 初期の2インチタイプの場合、スリーブは標準の物がそのまま使え、プランジャーセット用のネジ穴を一つ施工するだけですので、 製作者側としても捨て難い魅力があります。 問題は市販の2インチアイピースの脱落防止溝です。 市販の望遠鏡のばらばらな止めネジ位置に 対応してその溝はかなりの幅がありますので、螺旋溝を彫れる範囲が限定され、また一定量浮かしたアイピースをクランプすると首を振る懸念がありました。  EWV32㎜の場合は、バレル内にレンズが内蔵されていないため、螺旋溝付きの新たな2インチバレルをセットしたわけです。

 新型の55㎜φスリーブ式のヘリカルフォーカサーの初期ロットは、当方でのスリーブの内径切削加工でてこずったため、あまり良い 仕上がりになりませんでした。お客様には事情を理解していただきましたが、この反省は次回ロット以降に必ず活かすつもりです。
 製作情報速報にも書いておりますが、新型のスリーブの内径を55φと大きくしたのは、2インチバレルに厚さ2㎜の螺旋溝付きのパイプを 履かせたからです。 2インチアイピースのバレルの脱落防止溝の回避と、アイピースに直接螺旋溝加工することを避けるためです。 中間ヘリカルチューブは2㎜厚の薄いアルミ合金パイプなので、ヤワではありますが、逆に2インチバレルにしっくりと挿入されれば、なじんで 真円は確保すると思います。(アイピースバレルとに隙間がある場合は、バレルにテフロンテープ等を巻いて調整してください。) ただ、3方のセットビスは必要最小限の力で締めてください。 そこを締め過ぎますと、中間ヘリカルチューブが 微妙に三角おむすび状に変形することが懸念されます。 それから、プランジャーだけでアイピースが固定できるとも想定していませんでした。 プランジャーの先球は、強力なスプリングで受けているので、多分螺旋溝へのダメージはそう心配ないのでしょうが、少し心配なところもあります。
 螺旋溝はこのフォーカサーの生命線なので、いたわった方が無難かも分かりません。(つまり多少手間でも、バンドクランプを使う。^^;)

 ともかく、私は製作することで精一杯で、じっくりと自分で観察、検証する時間がありませんので、こうしてユーザーさまの方で、タイムリー に検証していただくと、本当に助かります。

 また、15cmBINOの方も使いやすくするためのカスタマイズが進んでいるようで、感心いたしました。   円形ハンドル、見事ですね。 ユーザーさんによるこうしたカスタマイズはどんどん奨励したいものです。^^  福本さん、この度はまた、非常にタイムリーに続報をくださいまして、誠にありがとうございました。
連投も歓迎ですので、天候が良くなって秋の天体を満喫されましたら、またぜひリポートをお願いいたします。^^

 15cmF5-BINO-VERSION9の製作記事は、製作情報速報(2013~) の 2013;11/26, 12/4~29、2014;1/8~10, 1/13, 1/15~17, 1/22, 1/24, 1/28, 2/1, 2/3 に掲載しています。

旧ヘリカルフォーカサー(2インチ)の記事は、製作情報速報(2013~) の2014;1/22、1/24、2/3 に掲載しています。

新型ヘリカルフォーカサー(55mm)の記事は、製作情報速報(2013~) の2014;7/10、8/15、8/17、8/29、9/03 に掲載しています。



Borg 125SD-BINO in the making(1)125SD-BINO製作中

Borg 125SD-BINO is in the making.

 大変お待たせしましたが、125SD-BINOに着手しています。依頼者の方のご納得を得ながらだと時間がかかりますので、まずは私が信じるベストな仕様で完成させますので、気に入ってくださる方に最初に納品させていただきます。 個別のご要望がある方につきましては、変更希望箇所をご指摘いただけば、可能な限り対応させていただきます。

 これから製作する125SD-BINOは、上の写真の中軸式架台仕様で、鏡筒単体着脱管理方式です。一体構造に固執される方には、後で対応させていただきます。ただし、眼幅調整には今回はヘリコイドを使用しません。 左の鏡筒は中軸式架台の左側のアリミゾに通常通りのセッティングをしますが、右の鏡筒はスライド式のブラケットを介して中軸式架台の右側のアリミゾにセットします。 言い換えますと、架台の右サイドには、事前にスライド機構付きのブラケットをセットしておき、右の鏡筒をそのブラケットのアリミゾに水平セットするとうことです。 一見、高仰角時にブラケットが架台(水平回転部)と干渉するように見えますが、そこは策略があります。^^

 今回の方法がうまく行きましたら、鏡筒径115φ程度以下のBINOでは、ヘリコイドを使用することなく、中軸式架台に搭載できることになります。 ということで、今回の125SD-BINOにつきましては、必ずしも9月1日発表の納品順によらない場合もございますので、よろしくお願いします。



How to use the Helical Eye-Focuserヘリカル-アイフォーカサーの使い方

 ボールプランジャーにローレットつまみを付けてみました。 やはり、暗がりでアイピースをスリーブに挿入するには、プランジャーを後退させておいた方が楽に行えると判断しました。 また、プランジャーの初期リンクも、手探りで簡単にセットできることも分かりました。 すでに納品させていただいている方でご希望がありましたら、元のプランジャーをお送りください。 55φポリキャップが入荷した際(12日頃の入荷予定)に、施工したプランジャーも一緒にご返送します。

 プランジャーを緩めておけば、アイピースの着脱は従来通りの感覚で行えます。 普通にコトンとアイピースをスリーブに挿入し、少しプランジャーネジを締め、アイピースを少し引き抜きながら螺旋溝にプランジャーが入るクリック感を得たらリンク達成。次にアイピースをヘリカル動作させながら、好みのフリクションになるまでプランジャーネジを調整したら準備完了です。 合焦後はクランプネジを締めておくことをお忘れなく。

 「クランプネジとプランジャーネジが並んでいて紛らわしい?」ですって??^^; とんでもありません。 これは熟慮した結果です。仮に2つのネジを180度反対に設けたらどうでしょう。慣れない内は間違いまくりますよ。 この配置だから間違わないのです。しかも原理構造上、プランジャーがアイピースを押すのと同じ方向にクランプネジを締めないと、クランプの度にアイピースが首を振ることになります。 ということで、解はこれしかない、ということです。^^

 説明が前後しましたが、ヘリカルチューブとアイピースバレルの嵌め合いは、テフロンテープ(←理想的;無ければセロテープ)等で調整してください。 この時、決して脱落防止溝の底には貼らないように。(パイプが薄いのでセットビスの頭が外に出る恐れがある) 当然ながら、3方のセットビスは慎重に均等に締め、ヘリカルチューブの上端面がアイピースの鏡胴底面と全周で密着するようにしてください。(密着しないまでも隙間が均等でないといけません。要するにヘリカルチューブがチルトしないこと。)

(余談ですが、バンド式クランプが普及した現在では、アイピースの脱落防止溝は百害あって一利なしですね。一般マニアの方々はもっと強く供給側に抗議をされないといけないと思います。 アイピースメーカーが脱落防止溝を廃止し、螺旋溝をデフォルトで設けておいてくれたら、通常の2インチスリーブにプランジャーをセットするだけでヘリカルフォーカサーが実現します。)