松本の光学講座 2024;Anatomy of the Rays in the EMS-2-follow-up/ Open-Book Mirrors/ EMS内光路 の 可視化-2

 これならご理解いただけるでしょうか?
本を90度開いた形の2枚鏡です。昨日お見せした光路図、突き詰めると、これとほぼ同じなんです。
信じられますか?
 観察者の向きが180度変わったりしますが、観察者が2枚鏡の裏側に回り、上半身を前屈して股覗き風に見れば、正立像が見られます。180度対空型のEMSですね。
 注目いただきたいのは、①と②が、Open-Bookの谷の同じ深さで反射していること。そして、反対側のミラーでも、同じ深さで反射することです。この現象、昨日のモデルで全く同じなんです。
 それと、光路長が全て同じということ。Open-Bookの谷の奥深くでターンする光線は、代わりに横シフトが小さく、また、谷の浅い位置でターンする光線は横シフトが大きいため、それらが完璧に相殺されて、全て同じ光路長になるのです。

 Open-Book型2枚鏡、このように使っても、上記とほぼ同じ振る舞いをします。
折れ線の光線は、互いに平行のまま折れ曲がり、交差したり、もつれたりせず、実に無駄のない規則に従って最短路を進んでいます。溜息が漏れます。