The speed of the image movement / 像移動の速度!

 物点を -f → 0 (F’) に向けて速度Vで動かす時、像点の速度がその何倍で右に動くか?について検証してみました。
 物点距離 S=-f , 像点距離 S’ = f の時、両点の速度は同じです。
物点距離 S=-f/2 , 像点距離 S’ = 2f の時、
像点の速度は 4 V となります。
 さらに、物点距離 S=-f/4 , 像点距離 S’ = 4f の時、
像点の速度は 16 V となります。(ニュートン公式基準なので、物点距離、像点距離はレンズの両焦点から測定)
で、仮に S=-f/1000, S’ = 1000 f の時は、
像点の速度は、1000000 V (100万V)となるので、レンズに向けて弾丸を発射すると、弾丸の像は光速を超えます。
(f/1000)は、レンズの焦点距離が1000mmなら、1mmに相当します。焦点直前ですね。


Follow up instruction of the verifying the Newton’s Formula / ニュートンの公式の検証ー2

 先日の、ニュートンの公式の検証についての講座が友人に不評で、原因を探っているところですが、前提のご説明が不十分だったのでは?と思い、少し、仕切り直しです。
 いきなり整然とした計算結果表を見せ付けられても、威圧にしか取れない方もあったのかも知れません。
 そこで、ほぼ計算前の表をお示しし、何をやろうとしていたのか?ということをまずは共有させていたくのが先決だと気付きました。
 そして、結果として、(今後は)計算不要な法則が見つかった感激を、少しでも皆様とシェアさせていただけたら、大変励みになります。

 上の表は、これから何を求めるか?の最初の前提です。レンズの焦点距離= f に於いて、任意の物点距離 (s, S,) に対する像点距離 (s’, S’,) をそれぞれ求めて、本当に両者の結果が合致するのかを確認しよう、というわけです。
 ニュートンの公式の方は、式そのものが極めてシンプルなので、もともと計算に困難はないですが、今回は、敢えてそれを疑って一般的な結像公式 ( 1/s’ – 1/s = 1/f ) を使用して検証してみようというものでした。

 上の表が前回ご紹介した、計算結果で、仮分数出力をしてみたところ、今後は計算がほぼ不要になる法則を発見して狂喜した次第です。(数学が得意な方には、何を今更?と笑われそうですが。)*仮分数
 で、実はさきほど作成した下の表は、物点距離を焦点距離の整数倍ではなく、先の表のデータ間の中央を埋めるべく、-0.5f 刻み( s は -1.5f, Sは – 0.5f スタート ) で計算してみた結果の表です。
 また、新たな類似の法則が見えて、さらに感激したところです。
s (= n f ) の係数を n と置くと、s’ の係数 n’ = n / (n+1) でした。
ニュートンの公式の場合は、最初からさらにシンプルで、同様に、S (= N f) の係数を N とすると、N N’ = -1 です。(N’ = -1/N ) です。
 再三ご説明していますが、一般の公式はレンズ位置基点で物点、像点距離を定義し、ニュートンの公式は、両焦点が基点ですので、
S= s + f ; S’ = s’ – f ; の関係があります。

 光線が密集していて、全ての光線ペアをマーキングできませんが、出来る限りマークしてみました。

 この作図で学べる事ですが;

1.物点が左に向けて -6 f 付近に来ると、像点の左向きの動きが急激に減速し、早くも、さらに物点が左無限遠に行くと、像点が像側焦点に収束する(焦点の定義)ことを予感させますね。

2.逆に、物点が物側焦点に接近すると、像点が急速に右側に逃げて行くことも分かります。物点が物側焦点に来ると、像点は+∞に逃げて行きますが、その傾向がすでに物点 -1.5 f から見え始めていますね。

3.以上から、実物点と実像は、-f ‘ ~f の間には共存できないことも、実感として体感できます。

4.最近発見した、焦点距離を単位とした物点距離と像点距離の数値の法則性から、今回は全く標準的な光路図を作成することも、複雑な計算もすることもなく、製図ソフトを使用して上の画像を作成しました。通常は2本以上の光線の交点を確認するのですが、今回は、先に物点と像点が確定していますので、たった一本の光線で結像が表現できました。

Verifying the Newton’s Formula / ニュートンの公式の検算

 ニュートンの公式 ( SS’= -f^2 ) の結果を、一般的な公式 (1/s – 1/s’ = 1/f) で検算してみました。レンズ基点の一般公式と、焦点基点のニュートンの公式で、同じ文字を使用していて紛らわしいので、ニュートンの方は大文字 ( S, S’ )、一般式の方は小文字 ( s, s’)にしました。( S = s + f , S’ = s – f )
 検算結果は上の表の通りで、当然ながら矛盾はありませんでした。
 さらに、表から、非常に興味深い結果が見られました。
D列の s’ の値を敢えて仮分数で出力しました。美しい法則性に溜息が漏れましたが、表を見ていただけば、一目瞭然ですね。

 グラフ化してみました。2つの公式で、グラフの曲線は全く同じですね。
 標準公式のグラフの座標軸を、x 軸の方向に -f , y 軸の方向に +f 平行移動させると、ニュートンの公式のグラフになりますね。 もともと同じ公式の、基点をずらしただけですから、当然でした。

Lens-Table by EXCEL / エクセルで結像要素(物点、像点、D)の計算表を作ってみました。

 結像要素の計算シートです。物点、像点距離から、そのレンズのパワーを計算する表です。
 表は最低限、左の3列で十分なのですが、右に3列、エクセルの練習も兼ねて追加しました。
 E 列は、焦点距離をmmで示しました。F 列は、これも不要とは思いますが、ユーザーさんの入力ミスをチェックするために、意図したレンズの± (凸 or 凹)を事前に入力いただくセルです。凸レンズを意図していたのなら “1” を、凹レンズを意図していたら、”-1″ を入力しておきます。
 エクセルは、忠実に公式のルール通り(光線は左→右に進む)に計算しますので、D列には、正しい度数(D)が出力されます。
 そこで、D列にSIGN関数(その数値の正負を 1 と -1 で返してくれる。)を適用し、F 列の、ユーザーさんの意図と比較してもらい、合致すれば、”OK” を、合致しない場合は、入力者が光線の方向を逆にして入力しているので、”逆光線”を表示して訂正してもらうわけです。(つまり練習用シート)
 5行目が、まさにそのケースに当たります。エクセルの指摘に従い、入力値を修正したのが、上の4行目です。
 

Newton’s Formula / ニュートンの公式!

 ニュートンの公式も、過去に何度かご紹介しているはずですが、今回はより視覚に訴える Tutorial-Model をご用意しました。
 一般的な方程式 (1/s’ – 1/s = 1/f) を変形しただけなんですが、むしろ、ニュートンの公式の方が役に立つことが多いくらいです。
 一般の公式は、レンズ中心や主点が基点ですが、ニュートンの公式は、物側、像側の焦点が基点になります。基点になるということは、物点距離、像点距離をそこから測る、というわけです。符号の取り方は同じで、右向きを正、左向きを負とする鉄則は同じです。x軸の正の方向を正とする鉄則、基礎光学の基本であり、叩き込んでおくことが重要です。
 基礎光学入門の最初のハードルかも分かりませんね。
 ニュートンの公式は、
 s s’ = – f2  
 と、極めてシンプルな形であり、一般的な公式のように、一々逆数を扱う必要もありません。(標準公式と同じ文字 (s,s’) を使用しても、数値は異なりますので、ご注意ください。)
 まずは上の図から、
実物点と実像点が両焦点の外側にあるケースです。像点(物点)距離の取り方が、レンズ中心ではなく、両焦点であること、再度ご確認ください。
 まず、同じ色の結像ペアの距離同士を掛けてみてください。
値は、全て -f2 となり、公式が成り立っていることに感激されるはずです。
「なんで最初から教えてくれなかったの?」と言われそうですが、スルーして来られたのは、あなたの方です。^^;
 結像公式の練習の際も、これを知っておくと、非常に効率よく学習できます。 また、先日ご紹介した、光学系の非破壊検査にもこの公式が奏功します。
 下の図は、物点が虚物点の場合ですが、元の標準公式同様、虚像のケースにもそのまま適用できます。
 物点距離は、物側焦点から決めるのが鉄則、また、符号は右向きが正で、左向きが負になることも鉄則です。
この辺の符号の扱いに慣れるのも、最初の関門でしょうね。
 先日、薄レンズの光路図の基本をご説明したばかりですが、それはそれで重要なポイントですので、無駄な努力にはなりません。

 ニュートンの公式を使えば、ブラックボックスのレンズシステムでも、非破壊で焦点距離は元より、主点位置まで何故分かるのか? を可視化しました。説明不要と思います。

 余談になりますが、元来、スカラー量である、”距離”という概念を、一次元のベクトルに発展させる(方向性を持たせる)ことで、公式の応用性が飛躍的に向上しました。
 昔の、”1/a + 1/b = 1/f ” は、物点、像点距離 を純粋にスカラー(絶対値)として扱うため、凸レンズと凹レンズ、実像結像と虚像結像等、結像ケースごとに公式をいじる必要があり、非常に効率の悪いものでした。 しかし、最近、この古い手法がまだまだ現役で闊歩していることをネット上で知り、衝撃を受けました。
 距離に厳密な方向性(x軸の正方向が+)を持たせることで到達した、現在の一般的な公式 1/s’ – 1/s = 1/f (D) は、あらゆる結像ケースに対応する、ユニバーサルな 近軸光線追跡 の強力なツールとなったのです。
 ほぼ同じ形に見えますが、飛躍的に応用性が高まった、最初の記念すべき革新だったはずです。
 距離を昔の”スカラー”でしが捉えられない方にとっては、高めのハードルかも分かりませんが、そこを克服すれば、最初の関門を通過したのも同じです。




Real and Virtual Image Points / 実像点、虚像点、虚物点の意味!

 焦点や焦点距離よりも、ずっと難解なのが、像点や、物点の ”虚” の意味のはずなのに、今までに質問して来られた方は何故か皆無でした。
 この辺も、初学の方の躓きの原因かも?との思いから、先回りしてご説明します。
 まずは、上の図をご覧ください。物点 P が F (Lens-1 の像側焦点) を超えてレンズに接近すると、Q で屈折した光線 QR はX軸のマイナス方向に対して、図のように斜め上に射出するため、X軸のマイナス領域に実像を作ることが出来ず、X軸の+領域の虚の点 P’から発散するように射出します。
 つまり、Lens-1 は、実物点 P の虚像点を P’ に結像させるということです。
 下の図は、上の図と同じ光線 RQ が逆方向から Lens-1 に投射された場合です。光の逆進の法則から、下の図の例も、上の図と全く同じ経路をたどるため、 物点と像点が交代しています。
 つまり、下図では、Lens-1 は虚物点 P の実像点を P’ に結像させているわけです。
 自然界には、収斂光束を発生させる物体は存在しませんが、Lens-1 の左に、Lens-2 のような別のレンズ系があれば、こうしたケースはごく普通にあります。下図は、まさしく、天体望遠鏡対物レンズとレデューサーの関係を再現しています。
 ただ、どちらも結像の主役は Lens-1 であり、光線RQ が 虚の物点 P に向けて投射されるなら、Lens-2 には意味がなく、何であってもかまいません。
 また、本例が示すように、物点と像点は常に立場を逆転させられるため、両点を共役点、両点を含んでx軸と垂直な平面を共役面、と言うわけです。物平面と像平面は、互換関係であり、共役面だということです。

 (今回は下図の例との比較のために、上図の光線の向き(左向き)が X 軸の負の方向(通常と逆)になっていますが、このままで結像公式を適用すると、Lens-1 のパワーの符号を反転させない限り、公式が破綻してしまいます。
 従って、通常は、光線の向きが x 軸の正方向と合うように、作図も最初から上図とは左右反転して描く( x 軸を反転する。)習慣にするのが無難です。 
つまり、レンズに入射する光線の向きがx軸の正方向になるように作図するということ。)

The difference between the Focus and the Image Point / 焦点と結像点の違い!

 満を持して投稿していた最近の光学講座が、相変わらず受け入れられなかった理由が、個別のご質問等から、ようやく分かって来ました。
 多くの(恐らくほとんどの)天文マニアの方が、超基礎の用語である、焦点、焦点距離、物点距離、像点距離等の言葉だけに慣れてしまい、長年の間に、その誤った解釈がバイアスとして根付いてしまっている、ということです。
 「焦点距離の意味すら理解していない!」と言うと、お怒りになるマニアの方もいると思いますが、それを仮定すれば、今まで、どんなに工夫してもご理解いただけなかった、あるいは面と向かって取り組んでくださらなかった理由の説明が付くのです。

 で、今日は、全く次元が異なる概念である、結像点(及び物点)と ”レンズの焦点” との違いを可視化してみようと思ったわけです。

 レンズの焦点 (F’ , F) というのは、レンズ中心 O と並んで、そのレンズ固有の動かない固定点であり、外部光線の影響で移動することはありませんし、レンズ自体を動かしても、レンズと一緒に移動するだけです。他のレンズと複合光学系を構成して、合成焦点を作ったとしても、元のレンズの焦点位置は、そのレンズのスペックとして、変化することはありません。

 物点を1→2→3→-∞ に移動させて行った時の像点が、最初は物点と同じ方向に移動していたのが、1’→2’→3’ を超えて行くにつれて急激に減速し、やがてそれ以上は左に移動しなくなる、極限の点(1’→2’→3’→ F ) を像側焦点と定義し、そのレンズのキャパを示す数値(焦点距離)とするわけです。
 レンズの度数と焦点距離は、その中心と共に、そのレンズのキャパを示すレンズ独自の指標であり、外部の物点を像点に移植する という、レンズの仕事結果とは全く次元が異なります。
  図は、このレンズが、物点1~3像点1’~3’に移植する仕事を表していて、近軸光学の主な目的も、各物点がどこに再結像するか?ということであり、F’,O,F の3点は、外部の 物点 を 像点 に移植するためのツールだとも言えます。

About to be discharged ! / 退院間近

Above is the graph of my recent Neutrophil Count . The number is steadily recovering and I will be discharged from the Hospital very soon.
Sorry for the delay of the digestion of the back-orders and thank you for your generosity of waiting.
 長期に渡り、ご心配とご迷惑をおかけして参りましたが、ようやく、どん底まで落ちていた免疫力が回復基調になり、近日中に退院の運びとなりました。
 一時は、正直、限界を感じていましたが、皆さまの温かいお励ましによって、何とか乗り越えることが出来ました。
 本当にありがとうございました。