Principle of the EMS/ EMSの種明かし-2

紙面に直交して手前向きがZ軸

 以前の”EMSの種明かし”が理解できない、と言う方が多いので、
今回は全く切り口を変えてご説明します。

 まず、上図のように、正三角(実際は台形になりますが)プリズム2個を対面させて、プリズム2をX軸の回りに一定角回転させると、正立プリズムになるということ、これを既成事実として受け入れてください。
 次に、どのくらいねじると、正立解になるのかご説明します。
 これも、専門的に追及すると、スキップされると思うので、2つのプリズムの反射面(2と5)の法線が
直交する時が正立解になることも、アミチプリズムの既成事実として受け入れてください。

 上記の前提で、話を進めます。

 主光線ベクトルAは第1プリズムの反射点2→第2プリズムの反射点5を経てベクトルBとなります。

2つの反射点での法線ベクトルをそれぞれ、ベクトルN1,ベクトルN2とします。

ベクトルN1は、
| 1|
| √3|
| 0|  と表せます。

ベクトルN2は、
| -1|
| √3|
| 0|  と表せます。

プリズム2をθだけX軸の回りに回転させた時が正立解で、その時、ベクトルN1とN2が直交、
即ち、→N1と→N2の内積=0 になれば良いので、式を立てます。

| 1     0     0 |   | -1|      |  -1  |
| 0   cosθ  -sinθ |   | √3|  =   |  √3cosθ|
| 0   sinθ   cosθ |   |  0|      |  √3sinθ|

上の式の右辺が、プリズム2の回転後のベクトルN2’です。

| 1|      |   -1 |
|√3|   .   |√3cosθ|  =   0 
| 0|      |√3sinθ|

↑ベクトルN1とN2’の内積=0 ということ。

展開すると、

-1+3cosθ=0

cosθ= 1/3

いかがでしょう? 同様の方法で、ベクトルAと、プリズム2の回転後のベクトルB’が直交していることも分かります。