56mmとか、60mmとか、極端にイメージサークルの広いアイピースを特にF値が大きい(F10以上)鏡筒に使用すると、EMSの第2ミラーの鼻側エッジによって、左のように視野の一部が三日月状にケラれることがあります。(F5~f7の短焦点屈折の場合は、本来のミラーキャパ以上の視野環のアイピースであっても、ケラれないことが多い(同じ焦点距離、見かけ視界でもアイピースのレンズ構成にも依存する。)
解決策は簡単(作業は簡単ではない^^;)で、第2(眼側)ミラーの接眼側を少しだけ伸ばせば良いのです。(ハウジングとの干渉が際どいので、困難な加工になる。)
上の写真は、PL56mm(52度)のアイピースのケラレの状況を、ノーマルなEMSと、限外加工を施した物との比較です。
標準より少し長いミラーを作るために、使用する斜鏡(短径55mm)(右)です。
この素材ミラーを、ハウジングが許す形状までトリミング加工(切削)しないといけません。
以前にもご報告したように、ミラーのトリミング加工は現在、卒業しているので、久しぶりに辛い作業となりました。
これが加工後の写真。
EMS-UL(UM)は、すでにハウジングぎりぎりにミラーを収納しているので、長いミラーを収納しようとすれば、手前エッジが防塵フィルターに当たるので、上のようにフィルターフランジとハウジングの間にスペーサーをセットしないといけません。今回は安全率を見て、8mmにしましたが、6mmでも行けそうです。
光路長が6mmほど長くなるわけですが、現在発注中のショートスリーブ(48mm)に変更すれば、十分に吸収します。50mm以上のシンプルなアイピースはほとんど正のアイピースなので、必要ならバレルの短縮も可能ですから。