Preliminery assembly of the vertical unit / 垂直回転部(中軸)の仮組み立て

Just confirmed this plan will be quite successful.
 垂直回転部を仮組み立てしてみました。 各所の干渉回避や重心位置等の条件が 全て問題なくクリヤーできました。 今後の中軸式架台のコア部分として定番になりそうです。 (左から)4枚目の写真から、鏡筒のセット方法(方向)がお分かりになると思います。 伝統的な横軸のアリミゾ(&アリガタ)では、両手で抱えて重い鏡筒をアリミゾの下爪にひっかけた後、片手を離してクランプを操作しないといけない点が問題でした。 今回の方法ですと、 最後まで両手で鏡筒を持った手を離すことなくアリミゾにセットできます。 鏡筒はたとえノークランプで天頂に向けても転落しません。 やっと、新型の中軸式架台の成功を確信できました。 毎度のことですが、プランが出来てから 仮組み立てが完了するまでの間は、焦燥感に浸りながら成果なく時間が過ぎる、苦しい期間でした。

Grooving through the Alti-Axis/ 垂直回転軸の貫通溝

I’ve got over the most difficult machining of grooving through the altitude axis. This will allow the cords of encoder to get out of the bearing plate of the central axis, while rotating by 90 degrees.
 新型の中軸式架台で最も困難な(厄介な)加工を完了しました。 内蔵したエンコーダのコードを中軸受けの外に取り出すための貫通溝です。 軸受けプレートの穴はコードの束+αの幅で良いですが、軸ドラムの方は90度回転するので、 水平から垂直まで干渉しないように、長いスリット状の貫通溝を彫らないといけません。 しかも、前回ご紹介したサイドプレートとのからみがあるので、貫通溝の位置も重要です。

Side plates of the Central Mount / サイドプレート(新型中軸式架台)

A pair of side plates will be set on the altitude axis in such a way that the plates sandwiches the axis and hold the dovetail holders at both ends.

 サイドプレートは1対で垂直回転軸を鋏むように固定され、両端にはアリミゾクランプが取り付きます。 水平から垂直まで、他のパーツと干渉してはならないので、周到なプランニングが必要です。
(垂直回転軸側のネジ穴加工はこれからです。 サイドプレートの取り付け穴配置や数がが左右で異なるのには理由があります。)

Innovative clamp system, quite successful !! / 同時クランプ機構、完成!!

This innovative clamp system is used as a pair to hold two OTAs rigidly and precisely on the mount. The OTA will not drop down even before clamping, and the dovetails can be clamped as a pair simultaneously.
 
 新型の中軸式架台用の(鏡筒セットの)クランプ装置です。 全く新規な発想により、左右のアリガタの 同時クランプを実現しました。 調整可能な状態で左右の鏡筒をしっかり保持します。 クランプ不使用でも鏡筒は脱落する心配はないので、左右の鏡筒を 全てセットした後で同時にクランプすることが出来ます。 このクランプは、今回の中軸式 架台の場合、前後一対で使用します。 写真でお分かりのように、左右鏡筒の鏡筒バンドは、 中軸の回転軸メカ部分を外した前後にセットしますので、互いに十分接近させることが出来ます。 実際、アリガタ底面の間隔は、8mmしかありません。

Dovetails of the New Central Mount / 新型中軸式架台のアリガタ

To optimize the merit of the slim mount, the dovetail system should also be cogitated in planning. The traditional approach of bridging two OTA bands with a single dovetail will ruin the compactness of the central mount, and the distance between two OTAs will become too long.Splitting the dovetail, and each short dovetail set on the band was the answer I used in the last model. But, it was a little awkward or dangerous to set the OTAs on the Central Mount in darkness.This time, I found a wise solution. I found it far better to set the dovetails vertical to the traditional directions.
 前後の鏡筒バンドにアリガタで橋を渡す、伝統的なアリガタの使い方では、中軸式架台の主旨が活かせず、鏡筒間隔が非現実的に広がってしまうことはご想像いただけると思います。 前回のモデルで、 アリガタは、前後のバンドそれぞれにごく短い物をセットしたのは、そのためでした。
 しかし、暗がりで鏡筒をセットするのには、ある程度のコツが求められ、危険性も否めませんでした。
 今回は、アリガタを各バンド個別にセットする点は同じですが、アリガタの軸の方向を従来とは垂直な 向きに変更しました。 これにより、鏡筒が着脱時に転落する危険性がほぼなくなりました。 クランプをしなくても挿入時から鏡筒が安定しているため、クランプ機構をアリガタ(アリミゾ)ごとに装備 する必要がなくなり、非常にシンプルなクランプ機構が実現することになります。 このことは、限られた 鏡筒間スペースを考えると、非常に大きなメリットです。 また、アリガタを縦向きに変更したことで、BINOの初期調整用のシンプルなアジャスト機構(上下方向) も実現しました。(写真、3個目のアリガタ)

Bearing plate of the Alt. axis -2 / 上下回転軸の軸受けプレート(新型中軸式架台)-2

Vertical axis is almost completed.
 ほぼ完成した中軸(垂直回転軸)を軸受けプレートに嵌めてみました。 垂直回転軸が純粋に1個だけという意味では、今回のモデルから真の意味で中軸式架台になったと 言っても良いかも分かりません。 従来型は、中軸式とは言っても、フォーク式架台のフォーク幅を極限まで狭く寄せた構造であり、 耳軸もちゃんと2つありました。 さて、今回の構造でエンコーダを完全に内蔵するために、軸受けプレートの下部にはエンコーダのコードを取り出すための穴をすでに加工していますが、回転軸の方もその処置が必要で、しかも回転しますので、コードをひっかけないように、回転ストローク(0度~90度)+αの長いスリット状の穴(と言うよりも貫通溝)を開けないといけません。 この辺はちょっとした パズルです。

Bearing plate of the Alt. axis (New Version of the Central Mount) / 上下回転軸の軸受けプレート(新型中軸式架台)

This is the simplest bearing plate of the Alt. axis of the new Central mount. It is the result of the long period of cut ant try.Only one piece of this plate makes up the bearing plate which was composed by five pieces of parts for the former model.
The simple structure means not only the cut-back of the process, but also the easier assembly in the calibration of the axis compared with the former two plates system.
 これが新型の中軸式架台(130EDT-BINO)の垂直回転軸の軸受けプレートです。 従来モデルでは5個のパーツを組み合わせた2枚プレート構造でしたが、 今回の新型では、たった1枚のプレート(20mm厚)になりました。 これは、工程の合理化のみならず、従来モデルで必要だった2枚プレートの微妙なアライメント調整(捻れ調整)が不要で、組み付けが格段に容易になるメリットもあります。 クランプ機構も、スリット加工だけで施工できます。 今度は前モデルでは1枚で済んだ垂直回転プレートが2枚必要で、2枚で 中軸プレートを 挟む構造になりますが、総合的に見ると、今モデルの方がより合理的な構造になったと考えています。 エンコーダの内蔵がなければ、ずっと早く完成して いましたが、それとシンプルな構造を両立させるために長期間考えました。

Transit of Venus (金星の太陽面通過)

7:18 AM

7:32 AM

7:57 AM

Blessed with fine weather, I have spent hectic hours from the early morning to afternoon today.

I set up the 10cm binoscope at two sites. One is the foot-way in front of my shop and the other is the parking space of the care house where my father is temporarily staying.

After tracing the first stage of the Transit in front of my shop, I hurried to move to the care house to show the rare astronomical event to my father. When I arrived at the care house, the Sun was behind the clouds, but soon after that the Sun appeared again and I could show Venus transitting on the Sun, not only to my father but also many of the staff members of the facility. They were so excited with the rare event.

今日は早朝から昼過ぎまで、慌しく過ぎました。  知人に頼まれていたこともあり、朝7時前より、店の前の歩道上に10cm-BINOをセッティングし、8時頃まで、金星の太陽面進入を見届けました。

8時頃には一度曇りだしたので、一時撤退し、今度は車に同じ 観察機材一式を積み込んで父が居るケアハウスに向かいました。 15分ほどで着いたケアハウスの駐車場はまだ雲がほぼ全天を覆っていましたが、直に雲の切れ間から太陽が見え始め、父とケアハウスのスタッフの方々に稀有な天体ショーを見せることが出来ました。

一通りそこで見ていただくと、そそくさと撤退し、元の場所(当店前)に再セッティング。 それからは、ウワサが広まり、BINOは店の中への撤退と出動を金星が太陽面を通過するまで繰り返しました。

写真は上からそれぞれ、7時18分頃、32分頃、57分頃です。(いずれもデジカメ手持ち撮影)  下の写真は観察中の父。

Enocder sockets of the Center Mount/ 中軸式架台のエンコーダソケット

Enocder sockets of the Center Mount of the BLANCA130EDT-BINO are in the making. It is very important that details of the plan is carefully examined before processing the principal part. Otherwise, you would later have troubles in making.
 新型の中軸式架台(130EDT-BINO)では、エンコーダを完全に内蔵するために、いろいろと腐心しました。 発案しては後で問題点に気付いたり、より良いアイデアが出たりで、何度図面を描き直したか知れません。 中軸の限られたスペースにエンコーダをどうセットし、ケーブルや中間ソケットをどう這わせるか、末端ソケットは 2軸共水平回転ドラムにセットするか?等々、随分と悩みました。
 最終的には、水平回転ドラムには水平用のエンコーダのソケットのみ配置し、垂直回転エンコーダのソケットは 垂直回転軸(中軸)プレートの下にセットすることにしました。 元々電子工作に慣れていないので、詳しい友人の 助けも借りたのですが、ところで、写真3の中間端子(白い部品)はソケット用のネジ穴内径よりも幅が広いのですが、 ケーブルを切らずにどうくぐらせたと思われますか。 この手の工作に馴れた方には当然なのでしょうが、 この当たり前のことですら、気付くのに長時間を要しました。^^;
 物を作る時、主要な部分から着手したいのが人情ですが、むしろ、先に末端のパーツを確定するのが良いことの方が多いようです。 たとえば、筒物を作る際には、ポリキャップの規格を把握してから、それに合わせるべきで、 でないと後で泣きを見ることになります。
(ハイランダー架台の垂直アームは今、アルマイト加工に出しています。 戻れば速やかに完成する予定です。)

EMS-UXL-Super Premium completed / EMS-UXL-Super Premium 完成

“EMS-UXL-Super Premium” is completed !

Photo3: Over-sized second mirror will allow still more larger oculars such as 40mm wide field.
Photo4: 60X120mm elliptical mirror will grasp the whole of the light cone from 250mm aperture objective.
Photo2: The special rod between the fixed barrel and the last tube from the helicoid will cancel the focus change in adjusting the IPD. And it will also reinforce the total mechanism of the EMS.
Photo7: The helicoid is the one which is customized for the binocular use; very rigid and smooth. And reversed screw for the left (right) one enables the ergonomic operation in adjusting the IPD.

ようやくEMS-UXL-Super Premiumが完成しました。 25㎝3枚玉アポ(長焦点)BINOの 高度な要求に応えられると確信しています。EMSを発売して23年目に至り、今までの 懸案が全て解決しました。 左右の鏡筒を完全に固定でき、眼幅調整に追加の 反射を要求せず、目幅調整時にピント移動も生じないということです。