Dovetails of the New Central Mount / 新型中軸式架台のアリガタ

To optimize the merit of the slim mount, the dovetail system should also be cogitated in planning. The traditional approach of bridging two OTA bands with a single dovetail will ruin the compactness of the central mount, and the distance between two OTAs will become too long.Splitting the dovetail, and each short dovetail set on the band was the answer I used in the last model. But, it was a little awkward or dangerous to set the OTAs on the Central Mount in darkness.This time, I found a wise solution. I found it far better to set the dovetails vertical to the traditional directions.
 前後の鏡筒バンドにアリガタで橋を渡す、伝統的なアリガタの使い方では、中軸式架台の主旨が活かせず、鏡筒間隔が非現実的に広がってしまうことはご想像いただけると思います。 前回のモデルで、 アリガタは、前後のバンドそれぞれにごく短い物をセットしたのは、そのためでした。
 しかし、暗がりで鏡筒をセットするのには、ある程度のコツが求められ、危険性も否めませんでした。
 今回は、アリガタを各バンド個別にセットする点は同じですが、アリガタの軸の方向を従来とは垂直な 向きに変更しました。 これにより、鏡筒が着脱時に転落する危険性がほぼなくなりました。 クランプをしなくても挿入時から鏡筒が安定しているため、クランプ機構をアリガタ(アリミゾ)ごとに装備 する必要がなくなり、非常にシンプルなクランプ機構が実現することになります。 このことは、限られた 鏡筒間スペースを考えると、非常に大きなメリットです。 また、アリガタを縦向きに変更したことで、BINOの初期調整用のシンプルなアジャスト機構(上下方向) も実現しました。(写真、3個目のアリガタ)

Bearing plate of the Alt. axis -2 / 上下回転軸の軸受けプレート(新型中軸式架台)-2

Vertical axis is almost completed.
 ほぼ完成した中軸(垂直回転軸)を軸受けプレートに嵌めてみました。 垂直回転軸が純粋に1個だけという意味では、今回のモデルから真の意味で中軸式架台になったと 言っても良いかも分かりません。 従来型は、中軸式とは言っても、フォーク式架台のフォーク幅を極限まで狭く寄せた構造であり、 耳軸もちゃんと2つありました。 さて、今回の構造でエンコーダを完全に内蔵するために、軸受けプレートの下部にはエンコーダのコードを取り出すための穴をすでに加工していますが、回転軸の方もその処置が必要で、しかも回転しますので、コードをひっかけないように、回転ストローク(0度~90度)+αの長いスリット状の穴(と言うよりも貫通溝)を開けないといけません。 この辺はちょっとした パズルです。

Bearing plate of the Alt. axis (New Version of the Central Mount) / 上下回転軸の軸受けプレート(新型中軸式架台)

This is the simplest bearing plate of the Alt. axis of the new Central mount. It is the result of the long period of cut ant try.Only one piece of this plate makes up the bearing plate which was composed by five pieces of parts for the former model.
The simple structure means not only the cut-back of the process, but also the easier assembly in the calibration of the axis compared with the former two plates system.
 これが新型の中軸式架台(130EDT-BINO)の垂直回転軸の軸受けプレートです。 従来モデルでは5個のパーツを組み合わせた2枚プレート構造でしたが、 今回の新型では、たった1枚のプレート(20mm厚)になりました。 これは、工程の合理化のみならず、従来モデルで必要だった2枚プレートの微妙なアライメント調整(捻れ調整)が不要で、組み付けが格段に容易になるメリットもあります。 クランプ機構も、スリット加工だけで施工できます。 今度は前モデルでは1枚で済んだ垂直回転プレートが2枚必要で、2枚で 中軸プレートを 挟む構造になりますが、総合的に見ると、今モデルの方がより合理的な構造になったと考えています。 エンコーダの内蔵がなければ、ずっと早く完成して いましたが、それとシンプルな構造を両立させるために長期間考えました。

Transit of Venus (金星の太陽面通過)

7:18 AM

7:32 AM

7:57 AM

Blessed with fine weather, I have spent hectic hours from the early morning to afternoon today.

I set up the 10cm binoscope at two sites. One is the foot-way in front of my shop and the other is the parking space of the care house where my father is temporarily staying.

After tracing the first stage of the Transit in front of my shop, I hurried to move to the care house to show the rare astronomical event to my father. When I arrived at the care house, the Sun was behind the clouds, but soon after that the Sun appeared again and I could show Venus transitting on the Sun, not only to my father but also many of the staff members of the facility. They were so excited with the rare event.

今日は早朝から昼過ぎまで、慌しく過ぎました。  知人に頼まれていたこともあり、朝7時前より、店の前の歩道上に10cm-BINOをセッティングし、8時頃まで、金星の太陽面進入を見届けました。

8時頃には一度曇りだしたので、一時撤退し、今度は車に同じ 観察機材一式を積み込んで父が居るケアハウスに向かいました。 15分ほどで着いたケアハウスの駐車場はまだ雲がほぼ全天を覆っていましたが、直に雲の切れ間から太陽が見え始め、父とケアハウスのスタッフの方々に稀有な天体ショーを見せることが出来ました。

一通りそこで見ていただくと、そそくさと撤退し、元の場所(当店前)に再セッティング。 それからは、ウワサが広まり、BINOは店の中への撤退と出動を金星が太陽面を通過するまで繰り返しました。

写真は上からそれぞれ、7時18分頃、32分頃、57分頃です。(いずれもデジカメ手持ち撮影)  下の写真は観察中の父。

Enocder sockets of the Center Mount/ 中軸式架台のエンコーダソケット

Enocder sockets of the Center Mount of the BLANCA130EDT-BINO are in the making. It is very important that details of the plan is carefully examined before processing the principal part. Otherwise, you would later have troubles in making.
 新型の中軸式架台(130EDT-BINO)では、エンコーダを完全に内蔵するために、いろいろと腐心しました。 発案しては後で問題点に気付いたり、より良いアイデアが出たりで、何度図面を描き直したか知れません。 中軸の限られたスペースにエンコーダをどうセットし、ケーブルや中間ソケットをどう這わせるか、末端ソケットは 2軸共水平回転ドラムにセットするか?等々、随分と悩みました。
 最終的には、水平回転ドラムには水平用のエンコーダのソケットのみ配置し、垂直回転エンコーダのソケットは 垂直回転軸(中軸)プレートの下にセットすることにしました。 元々電子工作に慣れていないので、詳しい友人の 助けも借りたのですが、ところで、写真3の中間端子(白い部品)はソケット用のネジ穴内径よりも幅が広いのですが、 ケーブルを切らずにどうくぐらせたと思われますか。 この手の工作に馴れた方には当然なのでしょうが、 この当たり前のことですら、気付くのに長時間を要しました。^^;
 物を作る時、主要な部分から着手したいのが人情ですが、むしろ、先に末端のパーツを確定するのが良いことの方が多いようです。 たとえば、筒物を作る際には、ポリキャップの規格を把握してから、それに合わせるべきで、 でないと後で泣きを見ることになります。
(ハイランダー架台の垂直アームは今、アルマイト加工に出しています。 戻れば速やかに完成する予定です。)

EMS-UXL-Super Premium completed / EMS-UXL-Super Premium 完成

“EMS-UXL-Super Premium” is completed !

Photo3: Over-sized second mirror will allow still more larger oculars such as 40mm wide field.
Photo4: 60X120mm elliptical mirror will grasp the whole of the light cone from 250mm aperture objective.
Photo2: The special rod between the fixed barrel and the last tube from the helicoid will cancel the focus change in adjusting the IPD. And it will also reinforce the total mechanism of the EMS.
Photo7: The helicoid is the one which is customized for the binocular use; very rigid and smooth. And reversed screw for the left (right) one enables the ergonomic operation in adjusting the IPD.

ようやくEMS-UXL-Super Premiumが完成しました。 25㎝3枚玉アポ(長焦点)BINOの 高度な要求に応えられると確信しています。EMSを発売して23年目に至り、今までの 懸案が全て解決しました。 左右の鏡筒を完全に固定でき、眼幅調整に追加の 反射を要求せず、目幅調整時にピント移動も生じないということです。

Great Success on the New IPD Mechanism / 新型目幅調整機構の成功!!

Here confirmed that the new mechanism of the IPD adjustment is quite successful. The helicoid extention tube and the focus compensation tube are linked together by a rod to attain the perfect IPD adjustment with no focus change. They operate very smoothly and rigidly.

There is a big coproduct of the reinforcement of the total mechanism in the presence of the rod that precisely bridges the barrel root and the last pipe of the EMS, too.

理想的なピント補償機構の機能テストに成功しました。

左の写真の下に表示していますように、青い矢印で示した自由スライドパイプの(引き出しの)長さと 、赤い矢印で示したヘリコイドの長さの合計が常に一定になります。(左の写真が目幅最大(ヘリコイド最短)、隣が目幅最小(ヘリコイド最長))

すなわち、目幅を小さくするためにはヘリコイドを伸ばす必要がありますが、その伸びた分だけスライドパイプが縮むわけです。(目幅を広げる際はその逆。)

ヘリコイドとスライドパイプの伸縮が常に拮抗するように制御するのが、定長の1本のロッド (プレート)です。ロッド(プレート)は、両端の ヒンジを介して望遠鏡側の接続バレルの根元と、EMSの第2ユニットに固定されたパイプを連結しているだけですが、これがスライドパイプに働いてヘリコイドの伸縮によるピント移動をキャンセルするわけです。 さらに、大きな副産物として、このロッドの連結がヘリコイドに代表される、この目幅調整メカ 全体の力学的な強度を飛躍的に向上させることが分かりました。特に、重量級の アイピースの装着による、ねじれの力に対しては万全のスタビライザーとして働きます。 スタビライザーとしての機能も極めて重要なので、この機構は、スタビライザーがピント補償機構を 兼ねている、と言っても過言ではありません。 スタビライザーとピント補償機構が、互いに余分な機構を 付加することなく、 一石二鳥で実現しているわけです。

これが、お約束をしていたサプライズの一つです。 今日は長年の懸案が達成された記念すべき日となりました。

 

The principle of the innovative compensator / これが新型のピント補償機構の原理です。

The new EMS-UXL-Super-Premuim is near completion. Here is the principle of the innovative focal compensator on the IPD adjustment mechanism.

半年以上お待たせしてしまったEMS-UXL-Super-Premuim(ドイツ)が、もうすぐ完成します。 ベアリングのワッシャーの在庫が切れたため、仮組み立てが一日ほどお預けになりました。 今回は左右単独補償ですが、原理は前回のC5-BINOの左右同時補償機構と同じなので、必ずうまく行くはずです。 EMSがあたかも自由スライドチューブで宙吊りで不安定に見えるかも 分かりませんが、決してそんなことはありません。 なぜだかお分かりですか。

赤い枠で示した部分がヘリコイドで、使用者は通常通り、ヘリコイドを伸縮させて 目幅調整を行えば、自動的に自由摺動パイプが連動してピント移動の収支を常に実用上 ゼロに保ちます。 その連動の役目を果たすのが、たった1本のヒンジ付きロッド(写真の、丸い穴が3つ開いたプレートのこと)で、 これは、ヘリコイドの回転方向の負荷をかなりの割合でカバーする、スタビライザーの 役目も兼ねます。 ヘリコイドの負担を軽減し、回転ガタの心配もなくなるわけです。

ピント補償機構は、あらゆる機構を試しましたが、最終的に最もシンプルな方法に 落ち着きました。 この原理は、目幅調整のフルストロークでのピント補償を数学的な厳密さで補償するものではなく、厳密には標準目幅(64mmくらい)で微分的に成り立つものですが、 実用的には、調整域の全てでピント誤差は視認できないレベルであることがC5-BINOで実証されています。(目幅を変える時は観察者が交代する時ですから、微小なピント誤差は尚更問題になりません。)

Challenging for the slimmest slide tubes / 薄さへの挑戦(スライドパイプ)

The new compensator requires minimum thickness of the slide tubes. So, this new attemplt is being done and seems to be quite successful.

今度の新型の(単独型)ピント補償機構は、極力薄いスライドパイプが要求されます。 通常のクレイフォードフォーカサーのやり方ですと、ご存知のように、外筒と内筒の間にベアリングユニットが入るため、結果的に外筒外径に対して、内筒の有効内径がかなり小さくなってしまいます。

写真のようにベアリングをセットすれば、スペースを劇的に節約することが出来ますが、高度な加工を要求します。 不注意から、反対側の加工でドリル径を間違えたためにこの写真のパーツはオシャカになりましたが、加工の要領は分かりましたので、落ち込んではいません。^^;

Megrez90-BINO preliminarily assembled / Megrez90-BINO、仮半組み立て

It is very important to sometimes assemble the parts together and see how they look.The size of the trunnion base or the position of the trunnion will be decided at this stage.The focuser will be replaced by the Feather-Touch to get enough back-focus without cutting short of the OTA tube.

 時々仮組み立てをしてみることは、各所の設計を煮詰める上で、、極めて重要です。 実際に組み立てて見ることで、2枚のメガネプレートの間隔や位置、耳軸の配置等の最適な値が決まります。それによっては、フードの縮退に制限がかかりますが、やむを得ません。

 フォーカサーをFeather-Touchに換装するのは、鏡筒を切断しないでバックフォーカスを延ばす目的もありますが、短いドローチューブ(選択可)で有効光束をより太く確保し、コントラスト向上や軽量化の副産物も期待できます。 Feather-Touchは単純に高さが低い(短い)のではなく、ドローチューブが2インチスリーブ(AD)部分を含めてゼロ(0)プロファイルまで全て中に入り込むのが特筆すべき特長であり、デザイン性も含めて大きな魅力です。 新たなテーパフランジを製作してセットしましたが、これも、Feather-Touchの光路長短縮の効果がいかに大きいかを物語っています。