ネジ2ヵ所固定なので、一見不要に見える溝勘合加工ですが、ハンドル側については、たとえネジ2本止めであっても、ネジが緩んでハンドルにガタが生じやすいため、わずかでも勘合させるようにしています。
一方で、ファインダー取付用は、そのような必要はなく、溝加工をすると、微妙な初期角度の調整が出来なくなります。
Handle shaft (weight shaft) holders /シャフトホルダーの工程
底部のアリガタパーツは以前に加工しておいた物があった。
今日は、シャフトをホールドする部分を製作。小さいパーツで、工具への掴み代が要るため、2個分を同時に加工してから、後で切断する予定。
穴加工まで完了。 これから切断後、タップ切り。
全てのパーツが揃ったので、いよいよ組立。
完成!
FC100DZ-BINO near completion-2/ アリガタのトリミングとバンド加工
たかが2mm? されど2mm! 無駄な”D”は光路長には√2倍で効きます。
たとえば、接眼部アダプターで同じ量を短縮するよりも√2倍の効果があるということです。
アリガタの溝加工(深さ2mm)により、D(鏡筒間隔)を4mm短縮することに成功しました。
Another EMS-UL SET for the FC100DZ-BINO in the making
FC100DZ-BINO near completion / 完成間近!
このまま組み立てるとすると、D(鏡筒中心間隔)=69+95(鏡筒径)=164mmで、目幅レンジ=60~82mmになります。 ぎりぎり放置できないでもないですが、69mmを65mm以下に加工して、バックフォーカスを最大限確保したいと思います。
BINOでは、天頂時に内側の合焦ノブがピラーや脚と干渉することが多く、普通、内側のノブは撤去するか、もしくは、鏡筒ごと少し回転させて合焦点ノブ軸を傾斜させるか、真横、もしくは天位置に移動させることで(干渉を)回避させます。
本来のアクセサリープレートが(依頼者の方がお送りいただいた状態のまま)セットされていますが、これは撤去すべきと考えています。中軸架台は、”空間に浮かぶ2本の鏡筒”という極限までシンプルなスタイルが売りですので、このプレートがあるとそれが台無しになります。
必要なアクセサリー類のセット方法は、私がこれから考えます。
Center Mount in the making, the last parts ready to be anodized / アルマイト工程へ
Center Mounts in the making/ bearing rings/軸受けリング
垂直回転軸の外輪です。スリットクランプ式なので、軸受としてのクリアランスは常に最適に保てると共に、強力なクランプも約束します。
アリミゾの爪部品や、水平回転ユニットの部品は、すでにアルマイトまで完了しています。
Matsumotoのロゴ入りのブラケットも一定数確保しています。
4-sets of the Center Mounts in the making
今回は4台限定の製作。集中力を常に温存して、機会があれば、より創造的な仕事に向かいたいから。
FC100DZ-BINO on the Center Mount in the making / 中軸架台仕様
No cutting and no customize is needed on the OTA.
But the bands and the dovetails should be trimmed a bit to decrease the “D” from 164mm to 160mm or less.
写真の繰り出し量=58mm(無限遠、EMS-UMB(光路長測定のためにセット))
D=160mmの設定でのEMS-UL(ヘリコイド仕様)の光路長=169mm
写真のEMS-UMBの光路長=136mm
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差=33mm
以上より、バックフォーカスの余裕=58 -33 =25mm
ということで、鏡筒側はアダプターを含めて改造不要と判明。
強いて問題はと言えば、お持ち込みの鏡筒バンドとアリガタがややDを無駄に広くしている(そのままだと、D=164となる)ので、バンドとアリガタの接合部を2mmほど勘合加工してD=160mmもしくは、それ以下にする予定。(いつもながら、昨今のパーツは肉抜きが徹底していて、これは追加工する者にとっては迷惑な話。)