SKY90-BINO

 昨年夏、佐治アストロパークの星祭に参加して、初めてEMS-BINOを覗いて以来、その虜になってしまいました。 松本様・山内様をはじめ多くの方から貴重なご意見を頂き、自分に最適のEMS-BINOを持ちたいと思うようになりました。

 私のEMS-BINOのコンセプトは、「優れた光学系を備え、コンパクト且つ軽量であること」です。海外へも手軽に持ち出せることを念頭におきました。 フローライトあるいはEDレンズを備え、軽さと短さを実現できる鏡筒は限られていますが、スペックだけでは絞りきれませんでした。

最終的には、昨年秋に開催された双眼鏡・望遠鏡サミットに参加して種々の鏡筒を覗かせてもらい、また、 オーナーの方々から助言を頂いて、高橋SKY90に決めました。

 三脚を含めた全重量は15.8Kgです。コンパクトなのに全体を持ち上げるとかなりの重量を感じます。 しかし、組み立てた状態でも短い距離であれば無理なく移動することができます。 重量の内訳は、鏡筒(SKY90 2本:EMS含む)6.0kg、目幅調整機構付台座4.0kg、架台(ビクセン経緯台)3.2kg、三脚(ビクセン90cm)2.6kgです。アイピースはテレビュー4-22mmと4.8mmを使っています。  このEMS-BINOはまだ海を渡っていませんが、鏡筒を機内持ち込み荷物とするために、2本の鏡筒を収納するのに最適な袋物がないかこれから探すところです。 このEMS-BINOを持ってイータカリーナ星雲などの南天の星々を見に行くのが夢です。

EMS-BINOから見た昼間の景色

とにかく明るくかつ美しい。

 まるで船底の丸窓から水中の景色を眺めるがごとく、向かいの山の木々の小枝が風にそよぐ様子をありありと 立体的に眺めることができる。 その奥行き感は言葉で表現できないすばらしさ。 媒体としての空気の存在を感じさせる。 正にリアルな立体絵とでも云おうか。

 星空

 自宅は名古屋から30キロ圏にあり、夜空の状態はよくありませんが、自宅の庭から土星、木星、 オリオン大星雲などを見てみました。 木星及び土星はシャープな像で、単眼の望遠鏡だと星が別れて2重に見えると言っていた家内もEMS-BINO だと1つに見えてとてもきれいだと喜んでいます。 22mmのアイピースを使うと、約3.5°の視界となり、先日プレセペ星団と木星が接近したときには、星団と その星団を背景においた木星を1つの視界の中で見ることができ、実にすばらしい景色でした。 また、オリオン大星雲は、20cm反射望遠鏡だとぼんやりとしか見えない部分のガスの濃淡がはっきりと 見えたのがとても印象的でした。M81,M82も確認できましたが、自宅は淡い光の系外銀河などを見るのに 適していません。

 昨年は双眼鏡・望遠鏡サミットに20cm反射鏡を持参して超感動の二晩を過ごしましたが、今年はこの EMS-BINOも持っていって、漆黒の背景の下で星雲・星団を飽きるまで見てみたいと思います。

尾形 誠
Makoto OGATA

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 尾形さんとは、去年の佐治アストロパーク(鳥取県)星祭りと双眼鏡・望遠鏡サミット(愛知県)でご一緒しました。  また、佐治星祭りの時には、当方にもお立ち寄りいただき、いろいろとお話をさせていただきましたので、 SKY90-BINOを作らせていただく上で、事前のコミュニケーションは十分でした。

 尾形さんの澄んだ感性で双眼視の醍醐味をリアルに表現してくださいました。   特に昼間の地上風景のくどいほどの立体感は、実際に覗いた方にしか理解できないものでしょう。この本来の立体感は、 鏡筒が2本の双眼であることと、像が完全正立であることがセットになって初めて達成されるものです。
  天体の場合には無意味と思われている効果ですが、山の稜線から木々をシルエットにして昇る月、月の前をよぎる黒雲、はたまた 明らかに惑星像より間近に見えるシーイングのカーテン等を見ると、肉眼の延長として当然必須の効果が対象を選ばないことを知り、 感動するものです。

  今年の双眼鏡・望遠鏡サミットは尾形さんのSKY90-BINOを含めて、去年以上の双眼望遠鏡ラッシュが予想されます。 今年のサミットには私も全日程で参加する予定ですので、尾形さん、またよろしくお願いいたします。

Shwarz150S-BINO

 Schwarz-Binoを納品頂いて一ヶ月になります。ひょんなことから30年ぶりに天文への興 味が再燃し、思い切っての購入でした。現在は首都圏のマンション暮らしですが、先日帰 省した際に持ち帰り、漸く満足のゆく観望ができましたのでご報告致します。

 帰省先は名古屋から50km圏の内陸部ながら、年々夜空は明るくなってきています。そ れでも3月末の一晩、透明度の高い晴天に恵まれました。使用アイピースは笠井のケーニ ヒ32mm65度(X23・実視界2.8度)、SiebertOpticsのPrem ium18mm75度(X42・実視界1.8度)です。これでもファインダーの必要性 を全く感じさせません。実は勿体ないことに、購入後一度も附属ファインダーもクイック ファインダーも使用していない次第です。

 さて、星図も持たず、うろ覚えながらも「何となく」の方向に鏡筒を向けて導入できたも のを挙げますと、M1、3、35、36、37、38、41、42、43、44、45、 46、47、51、65、66、81、82、101、104、NGC3628、290 3、h-χなど。特に小宇宙たちのおぼろげながらも確かな光芒は、これまでM31や3 3位しか見てこなかった目には感動もので、思わず独り感嘆の声を上げずにはいられませ んでした。まだ小学生だった頃、同じ田舎で、当時はもっと暗かったであろう空に6cm 屈折を向け、どうしても見つけられなかった天体たちが、今は次々に視野に入って来ま す。時間を忘れる、童心に返る、とは正にこのことです。おかげでこの一晩で風邪を引 き、妻にも子供に、更に姉や姪にも感染してしまった訳ですが・・・

 私にとっての双眼視のメリットは、逆説的ながら「望遠鏡の存在を感じさせない」という ことです。「臓器の存在を最も意識するのは、そこが病気になった時だ」という言葉に通 じるものがあるかもしれません。対空式であることが唯一の不自然さと言えば不自然さ で、それを除けば、経緯台のスムーズさとも相俟って「望遠鏡で観望している」という意 識を持つことが殆どありません。恰も肉眼そのものが広角望遠レンズになったかのような 一体感と快感を覚えます。

 見掛けよりもコンパクトであることも嬉しい驚きでした。宅急便が玄関に到着した時に は、そのダンボール箱たちの巨大さに思わず妻と笑ってしまったものでした。それが、親 子3人の荷物にチャイルドシート、ベビーカーも載せた小型2Box車に楽に収まりま す。自宅がマンション9Fのため台車の購入も検討していたのですが、杞憂に終わりまし た。

 30年のブランクは一気に吹き飛びました。自分が今後どれほどのめり込むか、少々恐れ ているところではあります。

渡辺 文彦

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 本日(2003年4月8日)、渡辺さんよりいただいたメールをそのまま掲載させていただきました。 快く承諾していただいた渡辺さんに、改めてお礼申し上げます。

 BINO製作の仕事を始めて、かなりの年月を経、様々なユーザーの方と触れ合うことができ、大変幸せに思っております。   中にはお忙しくて梱包を一ヶ月も解くことが出来なかった方もあり、また、十分に味わう前に、いきなりソース等の調味料をドバドバかけて 食される方ありと、変化に富んでいるのですが、どの方もありがたいユーザーさんであります。

  しかし、何と言いましても、製作者として一番嬉しい瞬間は、使用リポートをいただく時です。
   渡辺さんも長い中断を経て、天文の世界にUターンされた方のようです。 少年期に宇宙へ夢を馳せ、進学、就職、結婚、子育て等の大事のために一時期天文から 遠のき、ある程度落ち着いて来る中年期に入ってまた天文に戻られた、というパターンを勝手に想像させていだだきました。

  私の少青年期には、口径15cmの屈折式、しかもそれが双眼でなど、とても自分の手に届く物とは思っていませんでした。 中年になってから手にする望みの機材は、人生の前半を真面目に努力して来た方、しかも夢を忘れずにいた方に対する天からのご 褒美ではないか、と最近私は感じるようになりました。

 私自身については、BINO作りがたまたま仕事になったために望みの機材に 近い環境にいるだけであって、本来ならとても天からのご褒美をいただける身分ではないと、これまた最近感じるようになりました。

  それにしても、ご理解のある奥様のようで、ご家庭の暖かさが伝わって来ます。

    渡辺家に一層の幸来たれ。

T先生

小学校の3年生まで、担任は女の先生が1年ごとに交代した。
当時の私は、生意気だったのか、女の先生のお遊技的スタンスが嫌でならず、先生の指導と うまく噛み合わなかった。もっとも、私は授業を妨害するような生徒ではなかったが、正直に言って、幸せな低学年を送った記憶がない。

?年生の時に、リズムに合わせた足踏みがうまく出来ず、皆の前で悪い見本でやらされ、先生に、
「まるで芝居の馬の足だ。」
と言われ、級友の喝采?を浴びた。

先日、その女先生が数年ぶりに見えたら、数年前に肺癌で肺の大半を切除しておられ た。早期発見で転移が無かったとのことで、外観は非常にお元気そうだった。
帰られる時に、 私のテレビ番組(夢をつむぐ人々)のビデオを渡した。

それから10日ほど経った今日、先生が見終えたビデオテープにお祝いの祝儀袋を添えて返しに来てくださった。   両親にも、同じ小学校に世話になった、一昨年に他界した姉へのお供えにお悔やみの手紙を添付してくださった。
ビデオの件は、先生は大変喜び、心から賞賛してくれた。 以前から”たっちゃん”と呼んでくださり、お客さんになっていただいていたので、小学校時代のわだかまりは すでに消えていたが、(お祝いをいただいて言うのではないが^^;)、この度改めて先生のありがたさを知った。

先生についての想い出に、二つの強烈なシーンが浮かぶ。

一つは、先生の豊満な”オッパイ”だ。山に遠足に行った日、気の合った友達同士で昼食を取りながら、 先生の姿が見えないのに気付いた。 2,3人の級友と一緒に先生を捜していたら、山道から外れた人目につかない所で、 先生がしゃがんでオッパイを出していた。吸引器のような物で白いお乳を吸い出しておられ、皆、目が点になった。   先生は慌てることもなく、
「オッパイが張るけえ、こうして吸いださんといけんだが。恥ずかしいけえ、誰にも言ったらいけんで。」
と言いながら、その作業?を続け、私たちは最後までそれを見届けた。   先生は、その年、幼い子供さんを交通事故で亡くされていた。 その時は聞いたはずだと思うのだが、印象に残っていなかった。

もう一つ、鮮烈に浮かぶシーンは、ガキ大将の生徒が先生に突き飛ばされているところだ。背丈は小柄な先生に匹敵する悪ガキが、 「かかって来い!」と言う先生に泣き震いで突進するが、何度突進しても先生にはかなわない。

まさに体当たりの先生だった。 多くの親が自分の子供を育てるだけで顎を出している昨今だが、多くの人の子を育てて来た先生の偉大さを今さらながら 知らされた。

65mm barrel / 65Φバレル

the left = standard 2inch barrel; the right = 65mm barrel
the sizes of the cases are the same.
左が2インチバレル(barrel)右が65φバレルです。
14mmの差とは思えません。
(ケースは、左右共同じです。(下の写真も同様))
65mm-barrel enables to accommodate the larger mirror.
バレルを太くする意義を図示しました。同じ収納ケースを用いながら、より大きな(長い)ミラーを収納でき、オフセットの自由度も 増します。(F値が小さいほどオフセットが必要)
単体用にも使用目的によっては意義がありますが、当面はF値が小さく、口径が大きなBINO用に採用する予定です。

一口メモ: 私の記憶では、国内ではオスの挿入部のことをスリープと言っていたような気がしますが、 アメリカ人の友人によると、二重のはめ合いのチューブがあれば、中の雄の方がバレル(barrel) で、外の雌の方がスリーブ(sleeve)なのだそうです。これは、カッターシャツの袖(sleeve)から腕(手首)が 出ているイメージから来ているのだそうです。

65mmφ運動に参加してください。

私がEMS-1の製品化を検討していた頃は、まだバレル(barrel)径が24.5mmφのアイピースが主流で、国産の通常の最大のアイピースが 36.4mmφ,P=1のネジ込みでした。 そして、31.7mmφのアメリカンサイズが普及し始めた頃でもありました。

それが数年以上前からは、2インチアイピースの使用が当然のことになっています。これは、マニアのRich-Field(広視界)指向の強さを良く表している 結果だと思います。

しかし、望遠鏡の接眼部の2インチスリーブへの対応は、総じて後手にに回り、現在ですら標準で対応していないメーカーもあり、 optionの2インチ用パーツについても、光路長ロスへの配慮(Low Profile)がほとんど見られなかったりします。

さて、全ての鏡筒が完璧に2インチ対応になれば十分かと言えば、そうではありません。2インチアイピースを単体で鏡筒にダイレクトに 接続する場合は良いのですが、大型のダイアゴナルプリズム等(天頂プリズム、ミラー)を介して2インチ アイピースを使用することを考えると、望遠鏡の接眼部の最大接続径は2インチより太いのが好ましいのです。

F5等の極端に短焦点で口径も大きい鏡筒に双眼仕様のEMSを接続する場合等は、さらにその要求が顕著に なります。
アイピース視野環から200mm程も中に 入った所で2インチ接続することもあり得る訳で、マツモトが光束の確保に腐心している次第です。

しかし、上記のように、現在までの望遠鏡業界の2インチ規格への保守的な対応から判断しまして、ただ傍観しているだけでは、より大径の接続 規格の一般化が早期に期待できないことは明らかです。

そこで、この度、65mmφバレルの創始を宣言させていただくことにしました。 雄の挿入規格を先に作ってしまおう、ということです。2月中旬には仕上がる予定です。この65mmφ挿入部が新規格の先駆けとなり、 市販の屈折鏡筒の接眼部の大型化とバックフォーカスの延長を促せたら幸せです。
具体的には、数百個単位の初期投資で計画を進めておりますので、なにとぞご理解、ご支援を賜りますよう、お願いいたします。

従来のEMSに65mmφバレルを採用しますと、より大きな第一ミラーを収納することが可能になります。また従来通りのミラーを収納する場合でも、内部スペースが 拡大することで、ミラーエッジの切削工程が大幅に削減でき、生産性の向上も期待でき、接続の強度と精度が増します。

単体望遠鏡用のEMS等については、光路長も短いので、当分の間は現行の2インチ径接続を踏襲しますが、 今後は必要に応じて、65mmφ挿入部を使用していくことになります。   まずは他項で少し触れています、SCHWARZ-BINOの第4世代の仕様に組み入れることになります。

接続径は、大きいほど良いのですが、望遠鏡の現状を現実的に見た上でのぎりぎりの妥協点としての結論が65mmφでした。 この径でも現状ではドローチューブ内径を越える場合が多いのですが、今後の鏡筒の進化に期待したいところです。   (2003年1月24日)

 

Adjustment of the connecting angle / EMSの接続アングルの調整

The photo is the customized EMS-L for the binocular use.

Put the EMS on the right-angle gauge. (A desktop and a wall can be a substitute.) You see the eye-side surface doesn’t touch the wall closely.(red arrow)

Then,unscrew the three set-screws (blue arrow in the photo) and fix the connecting angle untill the both sides of the EMS will touch the floor and the wall.
(The place of the three set-screws are different from the types of the EMS. Please consult me when you cannot identify the screws.)

直角面定規(机面と壁面等が代用できます)にEMSを載せます。
この写真では、接眼側の端面が垂直面に密着していません。
第2ミラー(接眼側)の3ヶ所のセットビス(青い矢印)を緩め、
両端面がそれぞれ水平面と垂直面に密着するようにします。

This photo is the finished stage of the upper adjustment.

Note the both sides of the EMS closely touch the gauge surfaces. At this stage, the image-inclination adjustment is almost perfect.

Even if some image-inclination should exist at this stage, You can adjust the image angle up to perfect by subtlely adjusting the viewing angle, for example, to shift the right angle toward 89dig. or 91dig.

This is one of the excellent features of the EMS.

Though the above adjusment is done by me, and the users will not have to do that by themselves, I explained that because I would like you to learn one of the remarkable features of the EMS.

上の調整後、両端面が定規に密着した状態です。
この時、両端面が直交し、同時に2つのミラーケース底面、即ち2枚のミラー面も直交しています。
この調整によって、左右の像の相対的な倒れの調整がほぼ完璧になります。
万一、この調整後に像の倒れが多少残る場合は、仰角の微調整で完璧まで追い込むことが出来ます。
これは、EMSの特筆すべき特徴の一つです。

この調整は、ユーザーの方にはほとんど不要ですが、
EMSの原理を理解していただく意味でご説明しました。

仰角の調整と左右の像の回転の関係

This is the diagram drawn to explain how the images rotate in accordance with the change of the viewing angle referred above.
“A” positon is that of the right angled, “C “position of the straight viewing.

上記調整で調整原点に復帰することが出来ます。
万一、調整原点に復帰しても、左右の像の相対的な倒れが完全に解消
しない場合は、左の図から仰角の調整と左右の像の回転の関係を学習
していただいた上で仰角を微調整してください。
画像は90度対空から直視までの変化を示していますが、90度を越え
る方向に仰角を増やして行けば、像が逆方向に回転することは、容易に
予想できるでしょう。
左右の像の相対的な倒れが、左右の像の天が開いたV字傾向なのか、
その逆の八字傾向なのかを見極めてから、その逆方向に補正するのです。
左右の像の片方だけが余計に倒れているように見えても、あくまで左右のアイピースの平行が保たれるようにして、視野の相対的なずれを補正することに徹してください。

AstroPhysics Starfire 7inch – BINO

Mr.Wengler set to me some new photos.

ドイツのWenglerさんが新しい写真を送ってくださいました。

WenglerさんがAstroPhysics Starfire 7inch – BINO(18cm3枚玉アポ)の 新しい写真を送ってくださいました。 見事の一言です。

斜位矯正

新年、明けましておめでとうございます。 今年の年賀は年内に書くことが出来ず、いただいた分から返信させていただいています。  失礼の段、お許しください。(店頭のお客様用の2000枚は年内に発送したのですが・・・)

さて、今日は昨年末に斜位矯正をして非常に喜ばれた例をご紹介します。

斜位矯正

一般には、メガネは視力を補正する道具だと思われていますが、それだけではありません。
年末に相談に見えた中年男性は、数十年来複視(二重像)に悩まされ、これまでにあらゆる医療機関やメガネ店にかかったが 問題は解決せず、諦めており、運転免許はもとより、職業さえ制限を余儀なくされていました。

私が検眼してみますと、かなり深刻な斜位、というより斜視と言った方が良いほどの眼位の異常がありました。 しかも、ずれは上下方向と水平方向にまたがり、それらをベクトル的に合成して矯正に要したプリズムは片方で5pd(プリズムディオプトリー(1mにつき、 5cmのずれ))に達していました。
プリズム矯正の実用的限界に近い度数でしたが、この方の二重像は直ちに解消し、感激していただいた次第です。

この方の例は極端ですが、明確な自覚につながらない場合でも、斜位を持つ方は多く、未熟な検査の網をくぐっているはずです。 遠視も誤解されているものの代表で、これも「メガネは視力を補正するもの」という短絡的な認識からは到底理解が及ばないようです。 とくに若年者ほど遠視は自覚されにくく、本人が納得しない場合は、症状が顕在化するまで放っておくしかありません。  ただ、正視眼の人が3時間集中できる近業が2時間、あるいは1時間でダウンすることも起こりうる訳で、ある意味では人の一生をも左右しかねない 問題なのですが。
視機能の発達途上の幼児の強度の遠視を放置すると、調節と輻輳のアンバランスから斜視になり、複視を回避するために 脳が効き目でない方の眼の情報を遮断するので、その眼は廃用性の弱視になり、成長後にレンズでの矯正を試みても視力が補正できなくなるのです。
年末に見えた方は、矯正視力が左右共0.3くらいあり、完全に弱視化していなかったので、成長期後に発症したものと思われますが、  逆に片方の眼(効き目でない方)が弱視化していなかっただけに、そのつらさも相当なものだったと思われます。

斜位矯正

新年、明けましておめでとうございます。 今年の年賀は年内に書くことが出来ず、いただいた分から返信させていただいています。  失礼の段、お許しください。(店頭のお客様用の2000枚は年内に発送したのですが・・・)

さて、今日は昨年末に斜位矯正をして非常に喜ばれた例をご紹介します。

斜位矯正

一般には、メガネは視力を補正する道具だと思われていますが、それだけではありません。
年末に相談に見えた中年男性は、数十年来複視(二重像)に悩まされ、これまでにあらゆる医療機関やメガネ店にかかったが 問題は解決せず、諦めており、運転免許はもとより、職業さえ制限を余儀なくされていました。

私が検眼してみますと、かなり深刻な斜位、というより斜視と言った方が良いほどの眼位の異常がありました。 しかも、ずれは上下方向と水平方向にまたがり、それらをベクトル的に合成して矯正に要したプリズムは片方で5pd(プリズムディオプトリー(1mにつき、 5cmのずれ))に達していました。
プリズム矯正の実用的限界に近い度数でしたが、この方の二重像は直ちに解消し、感激していただいた次第です。

この方の例は極端ですが、明確な自覚につながらない場合でも、斜位を持つ方は多く、未熟な検査の網をくぐっているはずです。 遠視も誤解されているものの代表で、これも「メガネは視力を補正するもの」という短絡的な認識からは到底理解が及ばないようです。 とくに若年者ほど遠視は自覚されにくく、本人が納得しない場合は、症状が顕在化するまで放っておくしかありません。  ただ、正視眼の人が3時間集中できる近業が2時間、あるいは1時間でダウンすることも起こりうる訳で、ある意味では人の一生をも左右しかねない 問題なのですが。
視機能の発達途上の幼児の強度の遠視を放置すると、調節と輻輳のアンバランスから斜視になり、複視を回避するために 脳が効き目でない方の眼の情報を遮断するので、その眼は廃用性の弱視になり、成長後にレンズでの矯正を試みても視力が補正できなくなるのです。
年末に見えた方は、矯正視力が左右共0.3くらいあり、完全に弱視化していなかったので、成長期後に発症したものと思われますが、  逆に片方の眼(効き目でない方)が弱視化していなかっただけに、そのつらさも相当なものだったと思われます。

Gon

ウチの愛猫”ゴン”です。家内が独身時代から飼っていた猫で、17歳を越えます。
ゴンを題材にして娘のスピーチコンテストの原稿を書いてみました。

Gon, my cat is more a member of our family than just a pet. We have lived together for as long as I can remember. When I was a little girl, she was not only a good friend but also an older sister to me because I am an only child.

I don’t know when our roles changed exactly but she has come to love and rely on me, just as if I were her mother, even though she’s four years older than I. Every time I come home from school, she comes to greet me from wherever she was sleeping in the house. She doesn’t want anything from me, except to be picked up and scratched on the back while cuddling her on my lap.

Though she can’t speak, she can express herself and I can always understand her feelings by the way she meows. Especially when she is “purrfectly” happy and content.

She’s 17 cat years old, which is the equivalent to 80 or more human years. She’s not as fast as she used to be, but she’s still very agile. She can jump up on the chair next to mine when she wants to be petted. Now just imagine an 80-year-old woman jumping as high as her own height, that’s a pretty amazing thing to do, don’t you think?

When I study late into the night or when I’m sick she watches me and never leaves my side.

This is why she is so special to me. What an amazing creature!

You’re probably wondering why “she” is called” Gon”. Well, my mother was still living with her family, when one day one of her piano students gave her the cutest little kitten. My mom’s younger sister mischievously named her”Gonzaemon” which happens to be an old fashion name for a male cat in Japan, and since then she’s been known as “Gon”! Gon gave birth to several kittens, and my mother chose the most handsome kitten and named him”Leo” and gave the rest away.

Soon after that my mom decided to marry my dad and she thought it would be too much to ask him if she could bring two cats with her into their new home. So she decided to leave Gon and her son with her parents in Shimane Prefecture.

However after a few months, she told my dad how much she missed her cats and how worried she was about them because her parents really didn’t like animals all that much. My dad immediately understood her feelings and they drove 5 hours one way just to pick up the cats!

Leo was no longer there but Gon was and my mother remembers that it was like she had been waiting for her to come back to take her home.

Her new life with my parents was about to be disrupted again, though. A little more than a year after she came to live with them, my parents were expecting me. Just a few months before I was born my mom became very anxious about whether or not a cat was a good thing to have around a new baby so Gon was sent to live with my aunt.

Gon finally came back to live with us after I became a year old. We haven’t been separated since then and never will be again. I still feel a bit guilty for what she went through because of me and I intend to stay by her side and make her last years, her best years.

Starfire 7-inch-BINO and other BINOs

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
 ドイツのWenglerさんより、EMSを使用した3台の自作BINOと、これまた自作のニュートン反射BINOの画像を 送っていただいたので、取り急ぎ掲載させていただきます。
  メールアドレスの掲載の可否やや反射BINOの詳細についてのご返事がまだありませんが、また詳細が分かりましたら追加いたします。 3台の屈折BINOの素材鏡筒は以下の引用文(Wengler氏からのメールから抜粋)の通りです。

”some time ago I promised to send pictures of my binoculars, realized with Your EMS-systems. FinalIy, I will send You fotos of my three refractor binos, 1. AstroPhysics Starfire 7inch, 2. AstroPhysics Traveler and 3. AstroPhysics Stowaway.”

 ドイツ初のEMS-XLはAstroPhysicsの18cmアポに使用されました。

鏡筒の詳細につきましては、 Astrophysicsまたは代理店のHPをご参照ください。

  Wenglerさんのcraftmanshipには感心させれらます。

10月28日追加

  Wengler さんより反射BINOの追加説明がはいりましたのでご紹介します。

The newton is a 10 inch f6, mirrors are from Barry Arnold/Canada and measured on a Zeiss interferometer to have am rms error of 16 and 18 nanometer. The coatings are from Spectrum Coatings. Focuser is from Darastro/Canada. It is special in that You can change interpupillary adjustment without changing focus.

The azimut bearing is a modified Giro 2 mount. Both carbon tubes with cradle have a total weight of only 65 lbs, the base of 25 lbs.

  鏡筒を回転させないのに目幅調整でピントが狂わないようにしています。さすがですね。
 (lbsはポンドの略)  (10月28日)