Emergency case -2 /急患さん/バックフォーカスの追加確保-2/ 当日手術、退院( LOL) ^^;

 厚み約1.5mmの超薄パイプ、旋盤のチャックで掴めば潰れてしまう。
まずは治具作りから。↑
 ところで、後で判明したのだが、2本お預かりした鏡筒パイプの内径が微妙に違い、2本目は修正しないと治具が嵌らなかった。(珍しくないこと)

 対物ユニットはねじ込み、フォーカサーは3方ネジ止め。 普通ならフォーカサー側をカットするのですが、今回は諸事情を勘案して、敢えて対物側をカット。(15mm)

 15mmカットした後で、ネジ切り。 旋盤のネジ切機構が故障しているので、フライス盤でネジ切加工。縦向き加工なので、短い鏡筒が幸い。(長い鏡筒は加工できない。)
 さっきの治具同様、ネジも2本で同じCNCプログラムで切ったにもかかわらず、2本目のレンズはねじ込みが渋く、修正を数回やるはめになった。

 この写真で、鏡筒の手前をカットしなかった理由がお分かりになると思う。
鏡筒の手前側を15mmカットするためには、ブラケットの移動が必要になり。元の穴が露出するのと、精密さを要求される穴加工がブラケット×4,鏡筒手前端の3等分穴3個の合計7個。 しかも、それぞれが位相が合わないとおかしくなる。
 アマチュア的には対物側のネジ部のカットは論外だと思うが、加工手段があれば、対物側をカットする方が結果が綺麗で、仕事も楽になる。

一挙に作業を進めたので、Before-After がお見せできない。 わずか15mmとは言え、さらにコンパクトになった。

Gimbal Head for the small Binoscopes- 2

支柱を削って、低重心化しました。(10mm短縮)
 長めに作ったのは、実験だったから。加工時のチャッキングの都合。

 低重心化したことにより、APM18mmクラス(212g)のアイピースなら、カウンターウェイトなしてフルストロークのバランスが確保できました。

Emergency case /急患さん/バックフォーカスの追加確保

これからEMS-UMB(48mmショート2”スリーブ)でBINOをご計画の方です。
EMS-UM(US)Aでバックフォーカスの余裕を確認。ほぼ無限遠の対象で写真の余裕。
 このくらいの余裕が必要なので、EMS-UMB(ショートスリーブ)とEMS-UMAの光路長差分だけバックフォーカスを延長すれば良いことが分かります。
 126mm-122mm=4mm, えっ、たったの4mm!

Gimbal Head for the small Binoscopes / ジンバル雲台の利用

ファインダーBINOクラスには余裕ですね。

カメラレンズ(TAKUMAR135mmF3.5)+アイピースだと、アイピースをセットする前の段階でベストバランス。重いアイピースだと、対策が必要。

支柱端面のR加工のために、敢えて長めにした支柱。 底部をカットすることで、重心をさらに低くすることが必要。さらに足りなければ、簡単なカウンターウェイトをプレートの下部にセットする。

-UXL-UNIT completed !

たまにこうした特殊なご依頼が来る。
お断りするか、お引き受けするかは、当方の気まぐれと、依頼者の方の熱意次第。^^;

 特許を申請した当時、いずれ大手メーカーさんが、連結可能な単体の60度の天頂ミラー/プリズムを発売して、マツモトの裏をかくんだろうな?と危惧しましたが、30年以上経過した今、それは杞憂だったこと、業界はそれほど賢くなかったこと、あるいは、保守性が半端なかったことを悟りました。^^;

2-inch adapter for TAKUMAR-135mm

 2インチADの製作に当たり、好適な素材をネット上で見付け、発注済みなのですが、1か月も待っておれないので、残材で試作してみました。

カメラレンズの射出窓径から、2インチアイピースは論外と思っていたのですが、そうではなかったようです。

MASUYAMA32mmは論外と思っていましたが、超絶な視界が開けました。4.2倍で実視界20度の不思議な世界がありました。有り余るアイレリーフに浮かぶ視界、凄いです!通常の望遠鏡+同アイピースよりも良像範囲がはるかに広い!
無限遠のピントも余裕で、ほとんどの2”アイピースで合焦しそうです。
 これは、凄い世界の扉を開いてしまった!
 まだ、ごく近しい友人と自分しか知らない世界。孤独だが、スリリングこの上ない!

The scene by TAKUMAR 135mm+ APM18mm

 あまりに美しいので、手持ちiPhoneで撮ってみましたが、いつものように双眼視のイメージは再現できません。 広視界の小型双眼鏡は市販されていますが、この構造は、ステレオベース(D)が大きいので、立体視の強調が著しいです。
 たとえば、超絶広視界の筆頭は、2XクラスのテレコンBINOだと思いますが、ステレオベースは目幅と同じなので、立体視の効果も2X。 今回の超広角BINOは、EMS-ULを使用しているため、目幅62mmでも、ステレオベースは133mmで、倍率=7.5倍のため、立体視の強調効果は、2.14 x 7.5 ≒ 16倍 ということになり、立体感が別格であることが分かります。