The diameter of the OTA is the same with the last one, but this time, FPD is larger by 8mm than that of the former one.
前回の五藤10cm-BINOと同じ鏡筒径ですが、EMSが大型ハウジング(+大型ヘリコイド)仕様のため、Dが8㎜だけ広くなります。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
FACEBOOKでは、よりリアルタイムな情報とユーザー様からのフィードバックが見れますので、そちらもぜひご参照ください。
Please check my FACEBOOK, too.
You can see the older posts at the Internet Archives,too.
It is quite dissapointing that very few seem to have read about my policy of SWAROVSKI-X95-BINO in my website.
Users of SWAROVSKI-X95-BINO have been announcing its fabulous performance and its unconventional portabilty as a 10cm class binosocope in the Internet. Yes, I am very happy with the favorable comments in the Internet, but I would also like you, who are planning to own ones, to know the “Trade-Off Policy” of SWAROVSKI-X95-BINO.
I know the users have paid the trade off with no regret because they evaluate the merits of the SWAROVSKI-X95-BINO so much that the some of the constraint must have sound nothing compared with the merits.
The major constraint of SWAROVSKI-X95-BINO is the limited choice of the eyepiece because of its scarcely limited back-focus. But, for those who really understand the merit of this binosocope, such a constraint is nothing. They are willing to customize the adapters and even eyepieces themselves including cutting short of the barrels.
日本文でも難しいのですが、英文だと尚更難しいですね。^^;
すでにこのBINOのユーザーになっておられる方々は、このBINOが成立した前提となっている「トレードオフ」の考え方については、十分にご理解くださっているようですが、これからこのBINOを検討される方々については、この辺を十分にご説明しておくべきでは?と思い、敢えてご説明しています。
以前から当サイトでご説明していますように、X95対物ユニットは、十分なバックフォーカスがなく、EMS-UMの使用に当たって、数々のトリックを行使し、何とかEMS-BINOを実現しています。 そのため、合焦しないアイピースや、改造を強いられるアイピースもあることをご承知いただく必要があります。
さらに、このBINOでは、SWAROの素材(主に対物ユニット)に全く加工の手を加えず、簡単に原状に復元できるようにしています。また、徹底してメンテフリーに近付けるためと、ほぼ即納体制を実現するために、マウント構造を極限までシンプルにしています。結果として、素材コストにわずかな+α(BINO完成品価格¥680,000(税抜き))の完成品価格と超軽量を達成しています。
そのため、目幅の微動送り機構は省略し、目幅は右対物ユニットの初期セット位置で決める半固定方式となっています。
その他、”SWAROVSKI”をキーワードにして、サイト内検索をしていただき、同BINOの開発の経緯をご精読いただくことをお勧めします。
上記経緯をお読みいただいた結果、「これは制約の多い、面倒なBINOだな~」とお感じになられた方は、市販の大型双眼鏡をお選びになることをお勧めします。 ただ、ずっとこのBINOを愛用してくださっている方々は、90度対空であること、10㎝クラスのBINOとしては比類がないほど軽量、コンパクトであること、合焦時に鏡筒が伸縮しない完全インナーフォーカスであること等のメリットが上記制約を十分に払拭して余りあることを理解されているということです。
http://ems-bino.com/2014/02/18/
Zero profiled 2-inch adapter rings scarcely gave the infinite focus with the customized EMS-UM.
ゼロプロファイルの2インチアダプターを別作することで、かろうじて無限遠のフォーカスを(防塵フィルターを撤去せずに)達成しました。(正視もしくは矯正眼で観察してください。 強度近視の方が裸眼で使用したい場合は、防塵フィルターの撤去とアダプターのさらなるカスタマイズが必要になりますが、お勧めしません。)
当然ながら、SWAROVSKI-X95は天体望遠鏡ではありませんから、そのまま望遠鏡規格のスリーブには使用できません。
Amazing view was there with the excellent zoom eyepieces.
さっそく近景に向けて見ましたが、素晴らしい眺めに圧倒されました。50Xまでズームアップしてもピント移動はほとんどなく、アイレリーフも維持していました。
これより汎用の31.7→50.8ADを製作し、ファインダー台座をセットしたら発送です。
Back-focus is so short that the normal 2-inch barrel cannot be accepted. So, only 6mm height of the tapered flange is used instead of the normal 2-inch barrel. That’s why I am reluctant to sell the EMS unit for the SWAROVSKI X95 objective unit.
繰り返しご説明していますが、X95対物ユニットはバックフォーカスが非常に短いため、通常の2インチバレルは使用できず、わずか6㎜の挿入長のテーパフランジでアダプターに接続します。その結果として、EMS-UMの第一ミラーはフランジ面よりも突出しており、取り扱いには細心の注意が必要です。SWARO用の単体のEMSのみの供給を控えている理由です。同BINOが数々のアクロバット的な工夫の集積で成り立っていることをご理解いただけると幸いです。
This adapter is also a result of many innovative ideas. I recommend you to search in my website with the keyword of “swarovski” for a lot of related explanations.
このアダプターも数々の工夫で成り立っています。過去に何度も詳細をご説明していますので、”swarovski”でサイト内をご検索ください。(多くの関連記事がヒットします。)
Now, I will announce the epoch-making coaxial focusing system!
昨日の対策を施し、完璧になりました。^^
同じクレイフォード式でも、ドローチューブではなく、シャフトの方を押しネジでロックするタイプのフォーカサーには、この方法での視度差補正は利用できません。 また、ラックピニオンタイプもこのロック&スリップの方法は利用できません。しかし、それらには救いがないかと言えばそうではなく、IPDヘリコイドでも視度差補正は完璧に行えます。(IPDヘリコイドによる視度差補正が見口の高低差に反映される量は、一般的な見口ヘリコイドによるフォーカシングの影響の1/2に過ぎません。それは、IPDヘリコイドが視線に対して常に60度の角度をなしているからです。(COS60°=1/2))
(もちろん同軸アダプターにクラッチ&ブレーキ機構を設ける方法もありますが、ちょっと工作が複雑になります。)
The largest F-numbered, F10, binoscope is completed. The coaxial device on the focusers will be added in a couple of days.
最長F値(F10)のBINOの完成です。地上風景を見ると、確かに、「Fが長いことのアドバンテージはこんなにも・・・」と久しぶりに驚かれるコントラストの高さでした。また、初期の光軸もはるかに合わせやすいと言えます。(一般には逆に誤解されているようですが)
二枚玉でヘッドが非常に軽く、EMSとアイピースをセットすると、予想以上に鏡筒を前にセットでき、長筒による振り回しの不便さ(具体的には仰角による接眼部の高低差)は払拭できました。もちろん、ウェイト(&ハンドル)システムも功を奏しています。
アルマイトが予想より早く仕上がったので、30日の納品までにじっくりとフォーカサーの同軸化に取り組むことが出来ます。予測では、この加工が一番簡単なはずです。^^
同日追記:
フォーカサーの同軸化、あっさりと成功しました。同軸化後に片方だけのマイクロフォーカサーで左右のドローチューブが同時に正常に動くかどうか心配していましたが、杞憂でした。右ノブ、左ノブ、中央の太いジョイント(これからローレット加工の予定)、どれを回しても機能します。
ただ、ここで一つ問題が発生しました。それは、このフォーカサー自体の出来の問題です。クレイフォード式の原理を理解している方が上の写真をご覧になれば、おや?と気付かれると思います。ドローチューブを直接ロックするローレットネジの位置が明らかにおかしいのです。設計ミスか施工ミスと思われます。この目的のクランプネジであれば、反対側の4個のベアリングの中間辺り(水色の矢印)にセットすべきなのですが、何と、4個のベアリングからほとんど外れそうな端っこ(赤い矢印)に配置されているではありませんか。
メカに暗い方は理解できないと思うので、例え話をしましょう。キャスター付きの机があるとしましょう。キャスター自体にはブレーキは付いていないとします。その机が床面上を自由に滑らないようにするには、何らかの方法で机を床に強く押さえ付ける必要がありますね。あなたは、どこを押さえますか。当然、出来るだけ机の中央を押さえますよね。もし、脚よりせり出した机の端を押さえたらどうなりますか? そうです、反対側が持ち上がりますよね? ちょっと回りくどくなりましたが、当フォーカサーは、クランプネジを締めると、ドローチューブは昔の粗悪なフォーカサーよろしく、張子の虎の首のように首を振るのです。これが部品メーカー(台湾)はもとより、国内の老舗のメーカーのチェックをスルーしたことが信じられません。
さて、解決策ですが、クランプネジを水色の矢印の位置に移動すれば、万事解決するはずです。 これには、依頼者の方の合意が必要です。納品時に相談してその場で対処しても良いですが、奥様同伴のようですので、作業を待たれるのは退屈かと察します。大至急ご回答いただけましたら幸いです。
今回のフォーカサーの同軸化ですが、原理的には大成功でした。クランプさえ改善すれば、視度差補正も完璧です。(現状でも視度差補正は可能ですが、先述のように、不快なドローチューブの振れが生じます。)
最後に繰り返しますが、クレイフォード・フォーカサーの原理は極めて単純明快なもので、原理に基づいてツボを押さえて作れば、たとえ素人の自作であっても、動作時、クランプ時共に、ガタや首振りは原理上起こり得ないのです。定盤上を動く物理実験用の台車のような物ですから。一般の天文マニアのメカに対する弱さには目を覆うばかりですが、メーカー、販売店も似たようなレベルとなると、困ったものです。
(文中のリンクは同じ投稿日の記事が全て表示されますので、該当記事を選んでお読みください。)
The recommended “D” for the EMS-UL with standard IPD-Helicoid is 160mm, but this time the “D” is set 170mm. The additional lateral shift of one side is 5mm, but the projection to the optical axis should be multiplied by square-root of 2 and that ends up 7mm spacer.
標準のEMS-UL(ヘリコイド付)セット(延長筒なし)の推奨”D”は160㎜ですが、今回の中軸架台仕様の10cmF10-BINOは170㎜になるため、片側で5㎜、EMSの横シフト量を増加させる必要があります。それでは5㎜スペーサーを追加すれが良いかと言えば、そうではなく、光軸方向の目幅方向への射影は(1/√2)倍なので、約7㎜のスペーサーの追加、というのが正解なのです。
さて、スペーサーの製作ですが、旋盤の構造を知らない方には理解できないでしょうが、旋盤のチャックの爪の高さ(深さ:当方の爪の深さ=8㎜)より短い(薄い)スペーサーの加工はちょっと厄介なのです。
また、ヘリコイド末端のテーパフランジの高さ=6㎜あるため、延長スペーサーには、6㎜以上の挿入クリアランスが必要なのです。それらを満たすために、結構ハードルの高い関門を独創的な工夫によって超えているのですが、多分理解できないと思うので割愛します。
同日追記: さきほどアルマイトが完了しましたので、明日にはBINOを組み立てる予定です。(いよいよ完成)
Another innovative plan of this binoscope is the “Coaxial driveshafts of the focusers”. Those who are familiar with the mechanism of Crayford Focuser will easily understand the effect of this plan. The inherent feature of “lock and slip” on the drawtube will even enable the individual adjustment either.
中軸架台のクランプレバーが架台本体の厚みよりもわずかに張り出していたため、鏡筒間の隙間をうまくくぐるかどうか心配しましたが、問題なくセットできることが分かりました。この記事を投稿次第に分解してアルマイトに出さないと、月末の納品に間に合いません。^^; アルマイト待ちの間にEMSを組み立てれば、滑り込みで間に合いそうです。^^
一体構造のメリットを活かした、このBINOの最大の目玉は、フォーカサーのドライブシャフトの同軸連結です。センターフォーカスを実現すると同時に、特筆に値するのが、左右の視度差補正すら極めて能率的に鮮やかに可能にすることです。クレイフォード・フォーカサーの原理構造に詳しい方はすぐにご理解くださるでしょうが、片方の(合焦が完了した)フォーカサーをロックすれば、そのフォーカサーはシャフトが空回りするので、同軸連結した反対のフォーカサーのドローチューブのみを動かすことが出来るということです。 これもコロンブスの卵ですが、「自分も前から知っていた。」というのは卑怯な後出しジャンケンですからね。^^;
GOTO 10cmF10-BINO is almost completed
中軸架台の左側のアリミゾだけで固定しますが、BINO本体は完璧にシンメトリックに保持されます。
片手で撮影したため、ハンドルがカメラに少し近付き、アリガタベースとスケールが違って写ってしまいました。 ハンドル側の位置決めボスと、ローレットネジに脱落防止の配慮がなされている点を補ってご覧ください。
BINO本体は左右の重心でセッティングできるように配慮しています。
アリガタの裏側から見たところ。前後に十分な移動域を確保しました。(アリガタを目一杯に前に出すと、左下のベース金具が天頂時(高仰角時)に垂直ユニットのブラケットと干渉するので、注意してください。(それを見越して、アリガタは長めに余裕を持たせてあります。初期の鏡筒セッティングで重心位置を配慮しておけば良いだけのことです。
コロンブスの卵ですが、この極めてシンプルな部品を、BINO側に固定せずに独立化したことで、今回の「一体型BINO on Center Mount 」が実現しました。
さらに、中軸架台は標準仕様のため、鏡筒独立タイプの複数の鏡筒ユニットと架台を共有することが出来ます。今日は気軽に8㎝一体型BINOをセット、明日は頑張って15㎝独立鏡筒をセット・・等々、応用は限りありません。