昨晩、久しぶりに”燃えよドラゴン(Bruce Lee 主演)”がテレビで放映されました。
悪役で登場したBoloの若い姿が懐かしく、彼との希有な出会いを思い出しました。
写真は、1989年に鳥取市で開催されたボディビルアジア選手権のお別れレセプションで撮影されたものです。 鳥取市への同選手権の誘致は、実質上の主催者兼、選手であった小山裕史(やすし)氏(アジアチャンピオン)の世界的な 知名度と並外れた努力と、ボランティアの協力で実現したものです。(同年開催の世界おもちゃ博覧会との関連で市の後援が得られたのも幸運でした) 当時氏のジムのメンバーであった私も通信文の英訳(当時はFAX)や通訳で協力しましたが、大阪空港で各国の選手団を出迎えた ことが、今でも鮮明に思い出されます。
数台のチャーターバスに各国の選手団を乗せるのですが、予算の関係で1国1台というわけには行かず、到着時間が大きく異なる 二国のチームを1台のバスで送るのに、大変な苦労をしました。 (韓国選手団の遅れでイラクの選手団を3時間待たせないといけないはめになった 話は別の機会にします。)
イラクと韓国のチームをやっとの思いでバスに乗せ、これに乗ってやっと一緒に鳥取に帰れると思いきや、 本部からの指令で、私はその後に到着する台湾とパキスタンの選手を乗せて帰ることになったのです。
台湾とパキスタンの選手団をバスに乗せると、緊張がやっとほぐれ、最後部で隣に座っていたパキスタンのヘビー級の選手とずっと歓談 して帰りました。 その時、台湾チームの中に私たちの会話の魚になった人が一人いたのです。
私 : 「Bruce Leeの”燃えよドラゴン”(Enter the Dragon)を見たことがあるかい?」
パキスタンの選手:「あるけど・・・?」
私 : 「あの人、あの悪役に似ていない?」
パキスタンの選手: 「本当だ、そっくりだ!」
といった具合で、互いの膝を叩き合って大いに笑ったのです。
その話題の主は、台湾のチームリーダーの一人でしたが、喋らず、笑わず、闘争的な体型に乗った牛のごとき首には太い金のネックレスが 巻いていました。 ただならぬ殺気を感じ、まさに”歩く凶器”の印象でした。^^;
それが本物だったことが分かったのは後日のことでした。 本物と分かってからも、しゃべらないし、名刺もくれないし、写真も撮られたくなさそうな雰囲気で、全く取り付く島もない 感じで、結局、香港の俳優だと思っていた彼がどうして台湾のチームリーダーだったのか等も聞けず終いでした。 上は、「絶対に笑わせて見せるから、見てなよ。」と同僚のボランティアスタッフに言って、撮らせた写真です。彼が最初にして最後に見せた笑顔です。 ともかく、地で行く華麗な悪役俳優でした。名刺はくれなかったけど、ボランティアスタッフ用の私の赤い法被の背中に、 大きな字で”BOLO”と書いてくれました。
ともかく、地で行く華麗な悪役俳優でした。
(写真を勝手に掲載したので、殺しに来るかな?)