Vignetting, not that simple! / 単純じゃない、”けられ”

 大根でも、人参でも、先っちょを切れば断面は小さく、上になるほど断面が大きくなるのは御承知の通り。だから、天頂ミラーでも何でも、アクセサリーを対物寄りにセットするほど、より開口径の大きな物、大きなミラーを準備しないといけないわけです。
 上図で言うと、赤い三角形のABF、絶対不可侵の領域で、これに絞りが侵入すると、軸上での口径をケルことになるからです。
 ところがですよ、同時に、逆の要素もあるのです。
 まず、イメージサークル(CD)付近の絞りSを、同じ口径のままS’に移動してみましょう。
何と、それまでケラレていた視野の最周辺が、周辺減光はあるものの、ちゃんと見えて来るではありませんか!
 天文マニアの最大の関心事は、アイピースの視野のケラレ(欠損)なので、図の三角形DPCを考慮すると、ミラー等は、焦点に近いほど大きくしないといけない、という逆説的なことも言えるわけです。BINOの場合は、目幅の制約がありますから、眼側のミラーを大きくするには限界がありますがね。
 EMSの場合で言うと、対物側のミラーサイズは、主に口径食に関係し、アイピースの視野を確保したいのなら、眼側のミラーのサイズが重要だということになります。