
開店休業で、BINOの仕事(遊び?^^;)に集中できるのは良いけど、もういい加減にして欲しい!
予報によると、明日にかけて、またどっさりと積もりそう!
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
今回は、普及型のGOTO架台の、”TRAVERSE”に、物理的にセットできるかどうかの検証であり、快適に使えるかどうかの検証ではありません。まず、同架台の鏡筒キャッチは、ほとんどの同等他社製品と同じく、VIXEN規格のアリミゾ。
アルカとVIXENの2-Wayの安価なアリガタをネット上で探しましたが、適当な物はなく、じゃあ、作るしかないな!と言う話。転がっていたアリガタに追加工しました。
少なくとも、対物抜き、EMS+アイピース抜きなら運用も問題なさそう。
GoToが欲しくなるのは、比較的高倍率だから、このGoTo架台を使う時は、2本で2㎏近くになる重量級2インチアイピースは諦めていただき、出来るだけ軽い31.7アイピースを使うことにすれば、使いものになるかも?
端面のM2ネジ下穴1.6mmΦ穴の配置(上面)は、初めて公開しますが、実は左右で異なります。
無理に変える必要はあまり無かったのですが、小目幅加工(滅多にない)の際、作業上、目幅干渉ラインからネジ位置が離れていた方が好都合だからです。(最悪なネジ位置は、トリミング個所の中央の薄い箇所ですね。)
さらに、右用のハウジングの内、一定数は、背面(ボトム面)をXY調整用の特殊な穴配置にしないといけません。ご注文の全てがBINO用(しかも標準小型ハウジング)であれば、全数の1/4にこのXY用の加工を施せば良いのですが、その仕込み時期の、単体EMSの受注動向もにらみながら、都度、XY用ハウジングの割合を決定しているわけです。
第一工程の1.6下穴、1個のハウジングで12個所ありますので、40個で合計480個所の穴加工です。
後に、同数のM2のタップ加工が待っています。最近は”名人”になったので、毎回ほぼタップの折損ゼロです。 以前に、町の加工屋さんが、「やらせて欲しい!」と言われたので、一度だけ依頼したことがありましたが、町工場さんも、一回でケツを割った難作業です。
ご質問がないので、また虚しい”問わず語り”(尋ねられもしないのに、一方的に語る。)になるけど、ご説明しておきますね。
まず、グリーンの線が、BINO本体と架台(ジンバル雲台)の境界線になります。
左鏡筒(向かって右)と連動する部分全体を赤い線で囲みました。また、右鏡筒と連動する部分は青い線で囲んでいます。左右鏡筒共、目幅スライド用のアリガタは十分な長さを確保していて鏡筒のアリガタを把握するシュー部分が一体構造になっているため、最大目幅でもその長いアリガタの半分以上をベースの長いシューが把握するため、目幅調整時の光軸の安定性は全く問題ありません。よく、鏡筒がシューから脱線しそうにはみ出ている!と杞憂のご指摘をいただきましたが、それは写真の読みが浅いというもの。
水色の線で囲んだ部分が、目幅スライド機構です。これは、機構単体をご紹介している過去の投稿を見ていただくと、よりご理解が深まるはずです。
それから、もうお気付きと思いますが、ジンバルマウント側に、把握方向を直角に変更するための小さいシューが1個セットしてあります。これにより、BINO本体が前後には移動できなくなりますが、左右に移動できることで、ユーザーさんの目幅条件等で最適な横位置にBINO本体が固定できます。
BINO本体の前後の重心移動は、もっぱら、左右の鏡筒の前後のセット位置で行います。
ほぼ完成したのですが、気になる部分の仕上げです。 要所の丸面取り加工の追加(水色の矢印)ですが、印象がかなり変わりませんか?
これは前回の投稿の段階ですでにやっていましたが、初めてお見せします。
EMSの65φバレル用のバッフルリングが接眼ユニットにベストマッチで、わずかな追加工で摺動筒の底に落とし込んで挟み込むことにしました。鏡筒の内面塗装がまだですが、この遮光リングの迷光防止効果は絶大でした。
クライアントさんは、フードは巻き付け式を採用するから、要らない!とのことでしたが、
やはり、巻き付けるにしても、ごく短い固定したフードは、デザイン上のアクセントの上でも、まさかの時に対物レンズを守る上でも必要と考えています。すでにフィルター枠をセットしたので、フードはそれに接続できます。