Real and Virtual Image Points / 実像点、虚像点、虚物点の意味!

 焦点や焦点距離よりも、ずっと難解なのが、像点や、物点の ”虚” の意味のはずなのに、今までに質問して来られた方は何故か皆無でした。
 この辺も、初学の方の躓きの原因かも?との思いから、先回りしてご説明します。
 まずは、上の図をご覧ください。物点 P が F (Lens-1 の像側焦点) を超えてレンズに接近すると、Q で屈折した光線 QR はX軸のマイナス方向に対して、図のように斜め上に射出するため、X軸のマイナス領域に実像を作ることが出来ず、X軸の+領域の虚の点 P’から発散するように射出します。
 つまり、Lens-1 は、実物点 P の虚像点を P’ に結像させるということです。
 下の図は、上の図と同じ光線 RQ が逆方向から Lens-1 に投射された場合です。光の逆進の法則から、下の図の例も、上の図と全く同じ経路をたどるため、 物点と像点が交代しています。
 つまり、下図では、Lens-1 は虚物点 P の実像点を P’ に結像させているわけです。
 自然界には、収斂光束を発生させる物体は存在しませんが、Lens-1 の左に、Lens-2 のような別のレンズ系があれば、こうしたケースはごく普通にあります。下図は、まさしく、天体望遠鏡対物レンズとレデューサーの関係を再現しています。
 ただ、どちらも結像の主役は Lens-1 であり、光線RQ が 虚の物点 P に向けて投射されるなら、Lens-2 には意味がなく、何であってもかまいません。
 また、本例が示すように、物点と像点は常に立場を逆転させられるため、両点を共役点、両点を含んでx軸と垂直な平面を共役面、と言うわけです。物平面と像平面は、互換関係であり、共役面だということです。

 (今回は下図の例との比較のために、上図の光線の向き(左向き)が X 軸の負の方向(通常と逆)になっていますが、このままで結像公式を適用すると、Lens-1 のパワーの符号を反転させない限り、公式が破綻してしまいます。
 従って、通常は、光線の向きが x 軸の正方向と合うように、作図も最初から上図とは左右反転して描く( x 軸を反転する。)習慣にするのが無難です。 
つまり、レンズに入射する光線の向きがx軸の正方向になるように作図するということ。)