Proposal of the innovative OTA SYSTEM for the smaller Telescope ! / 小型鏡筒の新提案 !

 プランを図示すると、煩雑に見えるのが残念です。
実際には、既存の鏡筒のステレオタイプから無駄に追加したパーツはほぼありません。

 多くの市販の小型鏡筒には、フィールドスコープ調の首の長いブラケット(底面が短いアリガタになっている物も多い。)がセットしてありますが、無駄に長い首を省き、短過ぎたボトムのアリガタを少し長くし、光学台のように対物ユニットと接眼ユニット(通常は対物ユニットのみ移動させる。)が正確にボトムのアリガタプレート上でスライド出来るようにしたものです。アリガタプレートは天地両面がアルカ規格のアリガタになっており、鏡筒の一部を担う物で、天面側のアリガタが対物、接眼ユニットのスライドを担い、ボトム側のアリガタが鏡筒全体のセット位置を前後に重心移動させるものです。
 ”鏡筒長”という従来の概念がないため、ユーザーの使用環境に応じて常に鏡筒長の最適化が図れ、従来のように、バックフォーカスの確保に腐心する必要がなくなります。

 対物ユニットのスライドがフォーカシングシステムの粗動で、ピントの微調整は、シンプルなアイフォーカサー(すでに完成しています。次回発表します。)が担う算段です。(アイフォーカサーは必須ではないと思いますが。)
 重く高価な繰り出し装置は、重量とコストの肥大を招き、時には光軸トラブルの原因にもなっていたため、思い切って省きました。
 フィルタースロットも必須ではないと思いましたが、後でアイピース 2”スリーブに追加セットすると、アイピースの重心がさらに高くなり、小目幅の制約になる等、せっかくのコンパクトなBINOのメリットが損なわれる懸念があったので、邪魔にならないスロットをさりげなく標準で主光軸側にセットしました。この”フィルター引き出し”は中国製ですが、精度、剛性、操作性とも抜群で、接眼ユニットのメインの構造体になることも確信しての採用です。
 対物レンズは、口径70mmを上限と考えており、今回は、実験的製作のため、コスパの良い、笠井トレーディングの70mmED(F6) を使用することにしました。
(対物ユニットと、接眼ユニットには、それぞれ摺動用の薄い外筒と内筒をセットする予定ですが、末端の接続ネジの加工等はこれからです。)


 フィルター枠とハウジング側の両方の絶妙な位置に強力マグネットが仕込んであり、暗がりでも、スロットに適当に放り込めば、カチャっと定位置に正確に収まります。(あまりに見事で、つい、何度もカチャカチャ遊んでしまう。^^;) スロット幅も十分確保されていて、ちょっとフィルターが厚いと支えて入らない、某国産の製品のようなストレスもありません。
 センター再現性が完璧なので、(現在はまだ市販されていませんが)ごく薄いフラットナーレンズや、エクステンダーレンズ等が将来開発されれば、そうしたパワーがあるレンズも装着できそうです。