以前の”EMSの種明かし”が理解できない、と言う方が多いので、
今回は全く切り口を変えてご説明します。
まず、上図のように、正三角(実際は台形になりますが)プリズム2個を対面させて、プリズム2をX軸の回りに一定角回転させると、正立プリズムになるということ、これを既成事実として受け入れてください。
次に、どのくらいねじると、正立解になるのかご説明します。
これも、専門的に追及すると、スキップされると思うので、2つのプリズムの反射面(2と5)の法線が
直交する時が正立解になることも、アミチプリズムの既成事実として受け入れてください。
上記の前提で、話を進めます。
主光線ベクトルAは第1プリズムの反射点2→第2プリズムの反射点5を経てベクトルBとなります。
2つの反射点での法線ベクトルをそれぞれ、ベクトルN1,ベクトルN2とします。
ベクトルN1は、
| 1|
| √3|
| 0| と表せます。
ベクトルN2は、
| -1|
| √3|
| 0| と表せます。
プリズム2をθだけX軸の回りに回転させた時が正立解で、その時、ベクトルN1とN2が直交、
即ち、→N1と→N2の内積=0 になれば良いので、式を立てます。
| 1 0 0 | | -1| | -1 |
| 0 cosθ -sinθ | | √3| = | √3cosθ|
| 0 sinθ cosθ | | 0| | √3sinθ|
上の式の右辺が、プリズム2の回転後のベクトルN2’です。
| 1| | -1 |
|√3| . |√3cosθ| = 0
| 0| |√3sinθ|
↑ベクトルN1とN2’の内積=0 ということ。
展開すると、
-1+3cosθ=0
cosθ= 1/3
いかがでしょう? 同様の方法で、ベクトルAと、プリズム2の回転後のベクトルB’が直交していることも分かります。