P.S.T.を双眼化して楽しんでいましたが、この度、松本さんにアダプターを製作してもらい、ダブル・スタックでの双眼化に成功したのでご報告します。
詳細は、私のsiteのここをご覧いただきたいのですが、ダブル・スタックにすると、太陽表面のコントラストが一段とアップし、Hα像の別な一面が覗けますので、チャレンジした訳です。ただ、ダブル・スタックにすると、太陽表面のコントラストがアップする反面、プロミネンスは見えにくくなってきます。ですから、シングルよりダブルが上、という事ではなく、何を見るか、でどちらを選ぶか、だと思います。
ダブル・スタック・ユニットの直径は73mmなので、このままでは双眼にはなりません。そこで、鏡筒に延長筒・アタッチメントを装着してダブル・スタック・ユニットを段違いにし、双眼を可能にした訳です。
松本さんの凄いところは、こういったアイディアがポン、と出るだけでなく、左側の鏡筒にも短いアタッチメントを装着して、きちんとクリアランスを取り、眼幅60mmですら双眼可能になっている事、そして、ネジ込みの回転位置まで考慮して干渉を避けている事、内径はきちんと42mm確保されている事、鏡筒へのねじ込み、ダブル・スタック・アタッチメントのねじ込みの工作制度のすばらしさ(本来のオリジナルは、もっと粗雑)です。つまり、これ以外に無い、という正解が、そのまま製品になっている点が驚きです。
アタッチメントを装着する事で、鏡筒の対物レンズとダブル・スタック・ユニットの距離が離れてしまいますが、その影響は無く、ダーク・フィラメントが浮き出て見え、また、太陽表面のウズの表情は豊かです。ただ、シングル・スタックだとプロミネンスが派手に飛び散っているのがわかるので、まずはシングルで見て、次にダブルで見るのが良いようです。
太陽は、日々変化し、本当に面白いです。松本さんのお陰で、また別のHα像を双眼で楽しめるようになり、こんな嬉しい事はありません。どうもありがとうございました。
横浜市 Y.K.
Y.K.さんのサイト
Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
いつもながら、YKさんが神速のレポートをくださいました。 YKさんは、機材その物に対する思い入れも 強くお持ちなのと同時に、その機材をしっかりと活かされるので、製作者にとっては非常に やり甲斐のある依頼者さんです。
ご自身のサイトにも書いておられますが、このアダプターの製作は2回目でしたので、新たに設計する 必要はなく、比較的速やかに加工できました。 ただ、長い方のアダプターは、糸巻きリール状の形状なので、加工はやや面倒な 部類に属します。 段差加工自体は、旋盤の真骨頂であり、何でもないことですが、下がって、また上がる加工があると、 バイトの向きを途中で交換(バイト自体も)しないといけず、右勝手仕上げと左勝手仕上げの境目で段差が付かないように配慮しないと いけません。 これは大した技術ではないのですが、単純な段差加工よりは神経を使うわけです。^^;
短い方のアダプターは、万一噛み付いてしまった時に強くねじる必要がありますので、ローレット加工をしておきました。 このローレット加工も、実は結構時間がかかります。
このアダプターの意義と効果は、YKさんが十分に代弁してくださっていますので、今回は加工の裏事情を書かせていただきました。 ご自身のサイトでは、左右の眼の視感度の違いにも言及しておられますが、これは単眼で観察している方はまず気付かない ことだと思います。 YKさんのサイトの記事も合わせてお読みいただくことをお勧めします。
YKさん、今回も非常にタイムリーにご投稿くださいまして、誠にありがとうございました。
Please read my making report of “September 26th in 2012”, too.
“Most of the Solar Fan must have abandoned to make the PST-Binoscope to be double stacked, because of the IPD problem. I will show you the good solution now. Photos above will explain how I had solved the problem. Even my wife of 60mm IPD exclaimed with joy at the beautiful prominences and the details of the Sun, this morning.”