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Never try the collimation with the OTA only! Collimate the OTAs with the EMS on!
鏡筒単独の平行調整は止めてください。必ずEMSをセットしてから、全体をユニットとして調整しましょう。つまり、EMSのXYノブはもちろん、EMSのあらゆるネジに触れることは一切厳禁です!
原理は、正立像なので、至って簡単、像が逃げている方向に望遠鏡の筒先を振るだけ!!
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まずはご自分の手で練習(確認)しましょう。ターゲットが手の環っかの中心より右にずれていれば、手の環っかを右にずらしますよね!(EMSの調整は所詮、このレベルで完結します。腕に覚えがある人ほど、難航し、最後には滅茶苦茶をする方が多いです。)
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多くの皆さんがパニックになり、暴走するのがこれ↑ですね。^^;
この場合も、EMSの眼側ユニットの一番上の系列のセットビスを緩めて、ほんの微量だけ回転させれば、自由自在に調整できます。回転の傾向は、最初、少し動かしてみれば簡単です。
それから、当初は目標の傾斜で気付く兆候ですが、この調整作業は屋内でも出来ます。
カレンダー等の紙を90度に折ってアングル状にし、水平に向けたBINOの口径の上半分を隠し、BINOのアイピースを撤去して接眼部を覗くと、左右の像傾斜の傾向が一目瞭然になります。それを見ながら、上図のように修正すれば、数分以内に確信を持って完了する作業です。この時、左右の傾斜がたとえ不均等であったり、紙の線に段差があっても、うろたえる必要はありません。必ず、全てが完璧で、かつ左右のアイピースも平行になる正解が見付かります。(都度、EMSと望遠鏡の固定部分は微小回転させる必要はあります。)
いずれの調整も、EMSのXYノブは原点であることが鉄則です。
また、特殊なシンプルなマウントで、鏡筒を振る調整が不可能な場合は、シム等を挟むか、最後の手段としては、左のEMSの第1(望遠鏡側)ユニットの3本のプラスネジで追い込み調整を微量行うことは可能です。その場合は事前にご一報ください。
いずれにしても、EMSの眼側のハウジングのプラスネジを触ることはあり得ないのでご注意ください。収拾が付かなくなって、急患でEMSを送られる方のほとんどは、第2(眼側)ユニットのプラスネジを回してしまった方です。 原点に復帰する自信がない段階で行動してはいけません。ブリザードの中を地図もコンパスもなしに遠征に行くのと同じくらい危険です。確実に元に戻れる手段を理解してから動きましょう。
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像の回転調整のために回転すべき第2(眼側)ユニットについて、誤解があるといけないので、この画像を追加します。屋内で紙直角アングルを使用して行う場合は、アイピースは撤去します。
第2ユニットを回転させるために解除するセットビスは何系列かありますが、回転部分の質量が最小になるように、第2ハウジングから最短の系列を選びましょう。その方が、脱落事故のリスクが減りますし、調整個所は限定しておいた方が良いですから。