松本さん、こんにちは。
BINO初級者です。
Facebook いつも楽しく拝見しています。
● ありがとうございます。
私も、Facebookで投稿はしているので、何となくは当方の状況などご承知の部分も多少はお有りかと思いますが、改めまして、近況と申しますか、過去松本さんがコメントされた事柄について、勉強になったりあるいは共感し、実践したことについてご報告します。
● 全文、拝読し、興奮冷めやりません。素晴らしいです
それは、松本さんが理想とする「作らずに作るBINO」の実践と、「プレート平置 きからの脱却」です。
● 良いですねえ。
目標は、切削(加工屋さんへの依頼)、穴あけ、切断などの加工は一切行わず、 Netやホームセンターで購入したパーツを、ただ組上げるだけで完成させること。 話は脱線しますが、“「BINOの光軸調整が難しい」という誤った憶測が流布して いるのは非常に残念なことです。”と、松本さんが嘆かれているように、私も以前は光軸調整は難しい。そう思っていました。NetでEMS-BINOを調べても、正直、私のような無知な初心者には非常に難しく、 手が届かない高尚なイメージしか湧きませんでした。天文知識、光学知識、機械 工学知識などを持ち合わせないと、おいそれと手を出せるような代物ではないと。
● もう初級者の域は卒業していらっしゃいますが、今までの経験上、初心者を 標榜する謙虚な方の方が成長が早い傾向があります。^^
しかし、実際に使ってみると、それは全くの誤解だったことに気づきました。
● 体験者の貴重なお言葉です。 製作者が反復言及しても、なかなか読者に届 きませんし、くどくなると、嫌われます。ユーザーさんの中から、そうしたご指摘があるのを待っていました。
ですので、その誤解を解くための一つの情報として(もちろん、私の情報一つ で、全ての誤解が解けるなどとは思ってはいませんが)、私流の、「誰にでも出 来る、作らずに作るBINO」を参考までに紹介させて頂けたらと思います。
私流の「作らずに作るBINO」のために準備したものは下記です。
私のBINOは、VIXEN HF経緯台に乗せる仕様となっております。
BINO用パーツとして選んだのは、真鍮製耳軸を除き、それ以外は全てネット ショップで買えるものです。
将来的には、スカイエクスプローラーAZ EQ6GT-Jの様なGOTO架台に搭載することもできるよう、剛性が高い(そうな)、MOREBLUE社のバンドとプレートを選びました。
MOREBLUEのプレートはM6のキャップボルトの頭が座グリの中にかくせるので、とてもすっきりした見た目に仕上げる事ができるのも、選定理由でした。
鏡筒バンドとアクセサリープレートは、とてもしっかりとした造りに加え加工精 度(平面度、直角度)も高いので、鏡筒を並べた際の水平方向の平行出し調整は不要で、まさに狙い通りの結果でした。
● 鏡筒バンド、見事ですね。 それに比べて、既存の望遠鏡メーカーさんの付属バンド、おしなべて粗末ですね。もっとも、付属の標準的なバンドも使用できないほどではありませんが。
また、プレートにはM5,M6が多数あり、ハンドルの固定などに重宝します。
● 自前加工をしない前提ですと、穴は多いほど良い、ということでしょうか。
私のように自分で加工する人間としては、無駄な穴は開けないで欲しいと思 うことが多くなります。本命の位置に新規に穴を開ける際に、元の穴が障害にな ることが多いからです。
ただ、プレート同士の締結はネジ×ネジなので、通常のボルトではできません。
そこで用意したのが「脱落防止ネジ」です。これもネットで容易に入手できます。
これは、先端部のみネジ山があり首元はネジ山が削除され細くなっています。こ れにより、ネジ×ネジ締結を可能にすると同時に、鏡筒の上下方向のずれの調整 代を確保しました。
● 妙案を引き出されましたね。私なら一方の穴をバカ穴にするところですが。 (加工時間数秒)^^;
やったことは、それだけです。
あとはHF経緯台に乗せ、上下方向のずれをプレートを動かし調整したらBINOの完 成です。
本当に、簡単に出来てしまいました。
(FC-100(Classic)とこのホルダーの組み合わせで、D寸法は156mmです)
欠点(問題点)を挙げればきりがありませんが、小難しい事はさて置き、市販の パーツを組み合わせるだけでBINOを組み立てる目標が達成できました。
● 写真を拝見しましたが、美しいですね。 機能的に無駄がないということです。
完成したBINOは、松本さんが手掛けるBINOの美しさには遠く及びませんがBINO歴 半年の私としては、良く出来た方だと、自画自賛しています。
● いえいえ、私が作るBINOに優るとも劣りません。
EMS-BINO未経験の方の中には、鏡筒の平行出しが難しいと言う印象をお持ちの方 も多いかと思いますが、素材を正しく選べば、市販品をただ組上げただけのホル ダーでも、調整は僅かなもの。
● そこなんですよね。 これは、パーツの精度が低かった大昔のやり方を、 ファインダー脚などでごく最近まで踏襲して来たための誤解があったと思いま す。 馬鹿に余裕のあるリングに長い3方ネジで調整、リング内径よりはるかに 細いファインダーがくぐる、一昔前の方向調整の考え方です。一体(角度で)何 度振れば気が済むのでしょう?^^;
昨今のちゃんと出来た鏡筒であれば、鏡筒パイプの外見で平行が保たれれば、 光軸はほぼ許容内に納まることが分かっています。
あとは、EMSで最終調整が容易に行えます。
● そうですね。 事前の平行調整努力を最大限やった後で、初めてEMSのXYノブ に触るようにしていただくとありがたいです。その順序を逆に誤解する方がおられるので困ります。
これも、EMSの光軸調整機構と目幅調整ヘリコイドがあればこその話なのです が、こんな素晴らしい正立ミラーシステムなのだから、何らかの情報配信で、少 しでもEMSは難しいものと言う誤解が解ける手助けになれば、と。
● ありがとうございます。 ネットの情報は玉石混交、有用な情報もあります が、無責任でいい加減な情報の方が多いですからね。
発信者が体験に基づいて発信しているか、憶測と悪意だけで発信しているかを 見極める姿勢が読者に求められますね。
体験者の声、本当にありがたいものです。
頼まれてもいないEMS普及に使命感を持っている訳ではないのですが、もし、 EMS-BINOを作ろうか?作れるだろうか?と悩んでいる方が居たら、その背中を押 してあげられればいいなと、そんなことを思いレポートをまとめてみました。
● 最強の援護射撃をいただいた思いです。ありがとうございました。
上級者の方々から見れば、初級者が何を言っているんだ!?的な内容かも知れませ んが、初�級者なら初心者の気持ちも理解できると言う事で、ご理解頂ければ幸 いです。
今は、遠征用の軽量BINOホルダーを、今回同様に市販のパーツで組み立てる計画 をしています。出来上がったら、また報告します。
● いろんな優れたパーツが入手しやすい、良い時代になりました。
続報、非常に楽しみです。
Facebookの投稿、いつも楽しみにしています。
(平日に見られるのは、17時以降ですが(^^; )
ハンドルネーム:BINO初級者 より
● 渾身のリポート、ありがとうございました。
● 蛇足になるかも分かりませんが、マツモトから少し説明を付け加えさせていただきます。当作例の特筆すべき点は、市販パーツのみを使用されて、鏡筒の初期平行調整を極限までシンプルにこなされていることです。
まず、伝統的な方法であれば、前後の鏡筒バンドを台座プレートに平置きして水平方向の平行調整をするところを、鏡筒バンド同士が対面するように台座プレート(2枚)を介して密着させることで、その調整を完全に省いています。
また、左右鏡筒の上下方向(相対的な2本の鏡筒のねじれ)の調整も、プレート同士の密着面内で微妙にスライドさせる方法を採用されています。繰り返しますと、水平調整なしで、上下(ねじれ)調整だけ、つまり1次元の調整だけで完結されているということです。
これを従来的な方法でやったらどうなるかを、下図でご説明します。
● 上図のように、雨樋(縦樋)受けのような金具2個をファインダーの前後に配置するのが、古いタイプのファインダー脚でした。ニュートン反射の斜鏡金具の伝統的な調整方法も、これとはネジの使い方が違うものの、非合理な点は共通しています。
上図から容易に想像できるように、仮にこの平面上だけを考えても、保持物をX軸の方向に動かすためには3本のネジを同時に締めたり、緩めたりしないといけません。動かしたい方向に対して、常に3次元の調整が必要であり、しかも前後のホルダーの順列から、下手をすると9次元の調整になり、非常に効率が悪いことが分かります。
● 実際、海外の方のBINOの自作例で、これに近いホルダーを採用していたのをネット上で見たことがあります。必要調整量の見積もりを誤ると、とてつもない回り道をしてしまいます。
少々くどくなりましたが、今回いただいたリポートの意義をご理解いただけると幸いです。