Example of the effect of the imaging formula / 結像公式の応用例(求値問題)

「基礎光学の知識が何の役に立つのか?さっぱり分からん!」とか、友人から言われ続け、初心者の方に分かりやすい説明を模索して来ましたが、レベルを単に下げるよりも、多少難しくても、”役に立つ!”ということを分かってもらえる練習問題も良いかな?と、この問題を作りました。

問題の条件;
 上図のように、エクステンダーレンズユニットを繰り出し装置に固定、それに何らかのアジャスタブルな伸縮管を介して、撮像カメラをセットします。
 エクステンダーユニットは、焦点距離、パワー、主点位置、レンズ構成枚数 のどれも分からないブラックボックスとします。
 分かっているのは、
1. 短めの延長管で、丁度望遠鏡の直焦点に対して、2.0 倍の倍率が得られたこと。(A)
2. その状態から、きっちり10mm 、繰り出し装置を繰り入れたところ、延長管の延長により、ピントが合った時点の倍率=3.0 倍となることが分かった。(B)

・・・の上記2点のみ。
 望遠鏡のスペックも隠されていて、延長管の長さや延長量も分からないものとします。分かるのは、エクステンダーレンズユニットを10mm繰り入れたことと、2例の倍率だけ。

問題; このエクステンダーユニットのパワーと焦点距離を、上記2点の条件のみを使って求めよ。(小数点以下、3桁で切り捨て)
(結像公式:1/s’ – 1/s = D (1/f) が活用できるかどうかの問題。式を丸暗記しているだけではダメで、理解し、応用できないと役に立ちません。)
 図の赤いドットは対物レンズの主焦点で、繰り出し装置を動かしても動きません。濃紺のドットがエクステンダーとの合成焦点で、エクステンダーと対物主焦点との位置関係で大きく移動します。