EMS-UXL for 15cmF5-BINO in the making

 このEMS作りも、そろそろ着地点を探す年齢になりました。
友人たちは、「まだ早い!」と言ってくださいますが、長命だった両親(いずれも享年93歳)のことを思っても、現役バリバリで最高の集中力を維持していたのは80歳代前半までだったので、充実して働けるのは後10年ほど、というのが客観的予測。
 さらに、晩年くらいはのんびりしたい、ということも考慮すると、その半分で止めるのも悪くないと思える。また、小規模であっても、物作りというは、大量のパーツを常に確保していないと成り立たない。売れるのは1台ずつであったも、外注パーツの最小ロットは400個だったり1,000個だったりするのが、物づくりの世界の厳しい掟のようなもの。大量の部品在庫を残して家族に迷惑をかけることは避けたいので、晩年での新たな部品在庫には慎重にならざるを得ない。

Customize of the cheap field scope / 安価なフィールドスコープの改造

¥5,000ほどで買える安価なフィールドスコープ。↑
 以前に、¥8,000ほどで買える安価なフィールドスコープでBINOを作ったことがあるが、侮れない光学性能だった。今回は、¥5,000程度で、しかも卓上三脚がセットになっていて、興味本位で取り敢えず1本取り寄せてみた。
 結果は、まずオリジナルの状態で、この価格には不相応に非常にシャープに結像した。地上風景のコントラストも申し分ない。ただ、予想通り、アイレンズが非常に小さく、アイレリーフも短くて覗きにくい。見かけ視界も、30度あるのか?と思うほど狭かった。また、鏡筒外径が72mmもあって、BINOの素材としては残念ながら不適だった。
 例のごとく、接眼部を31.7アイピース装着用に改造し、SVBONYの8-24mmズームアイピースをセットしてみたが、非常に具合が良い。 無限遠のピントも出る。

夕方の月。手持ちiPhoneでのコリメート。
 批判力旺盛な天文マニアはいろいろと言うだろうが、@¥5,000を忘れてはいけない。
私は物作りをする人間の立場で見るので、いつも驚かされる。批判する人には、「オマエ、作れるのか?(この価格で)」と言いたい。

オリジナルのアイピースと、今回使用したSVBONY-ZOOM-8-24mmとの違い。
 全くの初心者なら、そんなものかと納得するのだろうが、覗きやすいアイピースを知っていたら、オリジナルは許容できないレベルだ。

 対物のコーティングもちゃんと、綺麗なマルチコートが両面に施してある。
正立プリズム系は、ポロプリズム+45度楔型プリズムの合計6回反射だが、ダハの稜線はない。
極小プリズムだが、この値段では仕方がない。8-24mmズームアイピースで問題なく見える。
メーカー公称の対物レンズの焦点距離=300mmなので、このアイピースで12.5X~37.5Xになる。
月の写真は、37.5Xで、iPhone画面上で少しピンチアウトして撮影。