Adjustable Spacer ring / アジャスタブルな同焦点リング !

 カメラレンズなら、そのままセットすれば∞のピントはほぼ合うのだが、望遠鏡業界、同一メーカーの製品(アイピース)ですら、ピント位置がまちまちだ。見る対象は常に無限遠にもかかわらず、天文マニアは儀式のように高価で重いフォーカサーを引いたり入れたりして天体を見る。
 少なくともパーソナルなユースに限定した時、本当にあの重厚高価なフォーカサーは必須なのか?と、以前から考えて来た。
 この度、カメラレンズを使用した超広角BINOを検討するに当たり、ズームレンズでは、フランジバックにアイピースの焦点を合わせることの重要性を学んだ。パーソナルなユースでは、最初だけ、入念に同焦点リングの固定位置を吟味すれば済むことなんですが、短いリングを正確に斜めにならないように、かつ0.1mm単位の位置精度で固定するのは、一度きりとは言え、かなり面倒。
 そこで、アジャスタブル(伸縮式)な同焦点リングを製作してみた。
 たった3mmほどの調整ストロークだが、内リングの固定位置によって、最大位置は自由に設定できる。

Super-Wide-BINO Project-5 / 75-150 zoom F4

 SMC-TAKUMAR-135mmに続いて、75~150mmズーム F4 を試してみた。
あれ、ズームでピントが激しく移動するぞ!と、恥ずかしながら、しばらくドツボにハマったものの、翌日には原因が判明。どういうことかと言うと、固定レンズでは問題なかった、レンズの∞位置とアイピースの無限遠ピントを最初に合わせる必要が、ズームレンズではあることに気付きました。偶然セットしたヘリコイドが奏功したわけです。
 Naglar-16mm(82°)だと、4.7倍(17.5° )~9.4倍(8.7° 射出瞳径=4mm)の超絶広視界。 しかも、見かけ視界が望遠側から広角側に操作しても全く変わらない。この辺は、広角側で見かけ視界が著しく狭くなる一般的なズームアイピースとは一線を画し、新鮮な感動あり!
 最大外径の公称値が64mmというのがややネック(自分の目幅=62mm)だったが、実測してみると、ほぼ63mm。低倍用なので、自分用なら誤差の範囲だ。いざとなれば、ラバーベルトを外せば良い。

 もう一点、バヨネットの所に、(私の使用目的には)無駄な突起が!
これで写真を撮る予定はないので、即折って切除した。(後に大幅なピント移動を発見し、これが原因か?としばらく悩んだが、関係なかった。^^;)

Emergency Case -2

15mmの短縮、正解でしたね。
∞で、15mmの余裕(MASUYAMA32mm)。 ほとんどの2”アイピースで問題なく合焦するでしょう。

Emergency case -2 /急患さん/バックフォーカスの追加確保-2/ 当日手術、退院( LOL) ^^;

 厚み約1.5mmの超薄パイプ、旋盤のチャックで掴めば潰れてしまう。
まずは治具作りから。↑
 ところで、後で判明したのだが、2本お預かりした鏡筒パイプの内径が微妙に違い、2本目は修正しないと治具が嵌らなかった。(珍しくないこと)

 対物ユニットはねじ込み、フォーカサーは3方ネジ止め。 普通ならフォーカサー側をカットするのですが、今回は諸事情を勘案して、敢えて対物側をカット。(15mm)

 15mmカットした後で、ネジ切り。 旋盤のネジ切機構が故障しているので、フライス盤でネジ切加工。縦向き加工なので、短い鏡筒が幸い。(長い鏡筒は加工できない。)
 さっきの治具同様、ネジも2本で同じCNCプログラムで切ったにもかかわらず、2本目のレンズはねじ込みが渋く、修正を数回やるはめになった。

 この写真で、鏡筒の手前をカットしなかった理由がお分かりになると思う。
鏡筒の手前側を15mmカットするためには、ブラケットの移動が必要になり。元の穴が露出するのと、精密さを要求される穴加工がブラケット×4,鏡筒手前端の3等分穴3個の合計7個。 しかも、それぞれが位相が合わないとおかしくなる。
 アマチュア的には対物側のネジ部のカットは論外だと思うが、加工手段があれば、対物側をカットする方が結果が綺麗で、仕事も楽になる。

一挙に作業を進めたので、Before-After がお見せできない。 わずか15mmとは言え、さらにコンパクトになった。

Gimbal Head for the small Binoscopes- 2

支柱を削って、低重心化しました。(10mm短縮)
 長めに作ったのは、実験だったから。加工時のチャッキングの都合。

 低重心化したことにより、APM18mmクラス(212g)のアイピースなら、カウンターウェイトなしてフルストロークのバランスが確保できました。

Emergency case /急患さん/バックフォーカスの追加確保

これからEMS-UMB(48mmショート2”スリーブ)でBINOをご計画の方です。
EMS-UM(US)Aでバックフォーカスの余裕を確認。ほぼ無限遠の対象で写真の余裕。
 このくらいの余裕が必要なので、EMS-UMB(ショートスリーブ)とEMS-UMAの光路長差分だけバックフォーカスを延長すれば良いことが分かります。
 126mm-122mm=4mm, えっ、たったの4mm!

Gimbal Head for the small Binoscopes / ジンバル雲台の利用

ファインダーBINOクラスには余裕ですね。

カメラレンズ(TAKUMAR135mmF3.5)+アイピースだと、アイピースをセットする前の段階でベストバランス。重いアイピースだと、対策が必要。

支柱端面のR加工のために、敢えて長めにした支柱。 底部をカットすることで、重心をさらに低くすることが必要。さらに足りなければ、簡単なカウンターウェイトをプレートの下部にセットする。