15cmHybrid-BINO / 踊る双眼望遠鏡(GoTo)

言い変えれば自動導入のBinoという事に成りますが私は Meade の初期型 LX200 が出た頃からそれを夢見ていました。 まだ松本さんの存在を知らない頃でしたが95年にはその様子をイラストに描いていました。

 それを具現化するチャンスが訪れました。最初に笠井トレーディングのSuper Bino 150 DXの対物ユニット の出物が有り松本さんに相談、Bino化出来るのを確認してから商品をGet! 次に天文ガイド誌 にLX200-30 を Wanted して唯一東京都の方が名乗り出てくれました!

 松本さんの所には LX200-30一式が入った冷蔵庫大のキャリーケースごと送り着荷時に驚愕されましたが Binoの製作に取りかかって頂けました。 松本さんにはシュミカセと設えるBinoの脱着交換もお願いしフォーク架台は実際スペーサーを入れた 幅広改造の為に鉄製の8本の錆びたネジを大変な苦労で外して頂きました ;

 またBinoがフォークアームの懐の高さに収まるか当初微妙でしたがEMS後方の光路を長目に設定して Binoが天頂に向いた時でもフォーク底部に接触するのを回避して頂き、接眼鏡胴部のアリミゾ台座には自前の 1600g程の蒲鉾形のはんだ塊をバランスウェイトとして取付けました。

 出来上がったBinoのセンターフォーカシングのハンドルが位置的なものも有りまして片手で軽くは回せません。 この部分は粗動時や非常時に摺動させ普段2インチアイピース使用時には標準58mm長のメス/メスホルダ ー→Borg#7425→#7757(M57ヘリコイドS)→#7501→2インチアイピースという様にしました。

 BorgのM57ヘリコイドSはローレット部外径がΦ67mm有ります。私は目幅が丁度67mm なので観る事が出来ます が成長途上の子供達や均整のとれた顔立ちの大人はもっと狭いのでBorgメーカー様や松本さんに最外径Φ63mm位の ヘリコイドを開発して欲しい望みは有ります。

 初期型LX200をメーカーサポートが終了した現在でも使う為には始動時又は電源をON←→OFF毎にLOCAL時刻と月日年 の設定値の再確認をしないといけません !もしユーザー側で電池交換をしても一切動かなくなってしまった話を前ユーザ ーから聞きました。 このLOCAL時刻、月日年の確認を怠ると導入精度の前に何処に向いてしまうかわかりません。またその様にして次々 と天体を導入していても次の作動時にはDECコードが絡まって伸びたり過天頂に向こうと不意な動き出しをした時が有 りますのでその様な時はためらわず電源スイッチ部をOFFにして最初からやり直しします。

 いろいろと癖が有りますが夢のGoto架台に載った双眼望遠鏡が形に成りました。私もあと四半世紀もしない内 にあの空の彼方へ逝く事に成ると思いますのでたどり着く星を今から探しておこうと思ってさ…〓

いわき市 佐藤正巳

Comment by Matsumoto /管理者のコメント;

 市販の大型双眼鏡の頭部とEMSを合体させたBINOのリポートです。 難解な課題でしたが、佐藤さんの情熱に負けました。 最善は尽くしましたが、初作故に改善の余地も残したようです。 ただ、 これも佐藤さんの熱意のお陰で使いこなしてくださっているようで、ありがたく思っています。

 アイピースの根元にフォーカサーを配置する方法は、いくつかご提案して来ましたが、市販のヘリコイドを使用する場合は、交互に段違いに 配置して干渉を回避すると、眼幅63mmまでは行けるようです。 相手の2インチスリーブの干渉部をトリミングすれば、さらに眼幅を寄せることも可能です。

 BINOの完成が秋ですぐに厳冬期に入ってしまいましたが、季節が一巡する頃にまた観望されたご感想がいただけましたら幸いです。  今回は年末のお忙しい時に、詳細なリポートをくださり、本当にありがとうございました。

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追記: (15cmHybrid-BINOの製作記は、BINO製作情報速報 の2013年9月20日、26日、10月7日~10日、23日に掲載しています。)  

Adapters for the SWAROVSKI-ATX-95 objective unit(ATX95-BINO)SWAROVSKI-ATX-95用のアダプター(ATX95-BINO)

I would like Swaro-Bino users to understand the roles of the set screws on the adapter.But, I am sorry to say that very few seem to understand my intendments on it. When you would like to remove the EMS, never unscrew the Blue set screws on the EMS side, but unscrew the Red setscrews on the SWARO side.You should not touch the Yellow boss screws either.

SWARO-BINOは単体EMS同様、ほぼ即納を目指しており、BINOの受注系列とは別個に処理しています。 さて、アダプターについて、開発当初もここで詳しくご説明しましたが、どうやらご理解いただいていない節が見られますので、再度ご説明しようと思います。

アダプターは、化粧のラバーベルトの下に、上の画像のように多数のセットビス(先端Pのイモネジ)をセットしています。問題は、それぞれのセットビスで役割があるということです。 まず、EMSを外したい時ですが、決してEMS側(M3;画像の青いビス)を外さないでいただきたい、ということです。そこを外しても深刻な害があるわけではありませんが、そこを外すと、今度セッティングする際に、またEMSの姿勢を整える必要が生じます。

EMSを外す時は、そこではなく、SWARO側の面のセットビス(M4;画像の赤いビス)で外してください。 また、画像の黄色い3本のM4のセットビスは、EMSの接続角度の再現用のキーの役目ですので、くれぐれも触らないようにお願いします。 また、赤、青共、接続固定用のビスは、テーパーフランジを締め込んで接続パーツ同士を圧着させるという、製作者の一貫した強い意図があることをご理解いただければ幸いです。 SWARO側はテーパーフランジではありませんが、バヨネット爪の奥側を押すことで、擬似テーパーフランジとして利用していることは、当初にもご説明しています。(上のリンク画像にはツマミを作図していますが、実際にはツマミの無いセットビスです。)

Grip Strength-18 (握力:記録更新-16)

It is a commemorative day today!
I have just exceeded 80kg’s gripping power on the right hand.

People often ask me “Why are you trainning your grip strength so seriously?” It is difficult to explain it in a word or so, but I think a man should be strong also in the physical strength. A new-born baby is said to be enough strong in the grip power so that it can hang from a bar, and even a dying man would grip back the hands of beloved families. Yes, grip power is important all through our lives.

It is believed that our ancestors were on the tree in the ancient days. Yes, we were far more strong than we are, and I believe that we still have a potential of the physical abilities of our remote relatives in the tree.

Gibbon and Tigers
Gibbon and Children
Gibbon’s Attack
A shot in my youth

やっと右手が80kgを越えました。 長いトンネルでしたが、(自己流の)トレーニングの方法は間違っていなかったようで、 当面は今後も同じやり方を続けてみます。

「なぜ、そんなに握力を鍛えるのですか?」とよく問われます。 一言では答えられませんが、少なくとも自分にとっては、”握力”は大切なものです。 生命力を実感し、時にはPASSIONの捌け口でもあります。 昔の精神主義のトレーニング方法に対する反省と反発、リベンジであり、また独自のトレーニング法の 実験でもあります。

人間、生まれ落ちた時の握力は相当なものだそうで、手だけで何かにぶら下がれる握力(つまり母親の腹にしがみ付いて落ちない握力)を持っているそうです。(そのままチンプやゴリラに 育てられたら、また強くなるのかな??^^;) そして末期に家族の手を握り返したりもします。

私たちは樹上で進化し、強くなりました。 全ては物を握ることから 始まったのです。他のヒト科の類人猿は300㎏以上の握力を持つ者が多く、必要がなくなったと言ったらそれまでですが、私たちの現状は、あまりにも機能を 眠らせ過ぎていないか?と思うわけです。 力を使わず、食べることだけは飽食に過ぎ、いろんな現代病の原因になっています。 「病みたくなければ、食べるな!」、 「しっかり食べたければ鍛えろ!」というのが私の健康維持に関する持論です。^^

Gibbon and Tigers
Gibbon and Children
Gibbon’s Attack
A shot in my youth

Great Success on the LUNT35-BINO project (First Sun)!! / LUNT35-BINO first Sun, 大成功!!

The hybrid EMS and the new slide mount worked perfect on the fabulous Sun!

AM.9時頃、雲の切れ間の太陽を捕らえ、初期調整に成功しました。予想通り、EMSの調整範囲で調整できました。 Yノブを90度くらい回しましたが、F値が大きいので実害はありません。 昼間の景色でじっくりと調整できれば、さらにアリミゾ周り等の調整を追い込めますが、その必要はありません。

ハイブリッドEMSは大成功でした。 今回で2作目の汎用スライドマウントの有効性も、改めて確信できました。 今回はたまたま(LUNT)35mmでの作例となりましたが、広く一般的にこの方式が有効であることを実証できたことの意義の方がずっと大きいのです。 とかく、目先の”物”だけに視点が向けられ勝ちですが、今回のプロジェクトの成功が意味する、”Epoch-Making”な意義にお気付きいただけましたら幸いです。 (35mmは鏡筒は細いですが、ダブルスタックユニットの外径(調整ダイヤル部を回避しても)=70mmなので、裏像を妥協して純正の鏡筒を並べる方法を採っても、目幅≧70mmの制限があります。)

How to decide the setting angle of the hybrid EMS for the LUNT / ハイブリッドEMS(LUNT-BINO用)の(構成ユニットの)接続アングルの決定方法

The three photos are the just answer. I wish my agents or experienced clients would have had thought up this sort of devices by themselves, becasue I have been giving you a lot of hints in this site.

LUNT-BINO用のハイブリッドEMS(EMSユニット+90度天頂ミラー)の接続アングルの決定方法をお示ししました。特に代理店さん等は、独力でこの方法に到達して欲しかったと思っています。 ヒントはこのサイトで十分に提供して来ました。「面定規がありません・・・」ではなく、ある物で工夫する姿勢が大事です。

LUNT-BINOは、太陽が出ないと最終チェックは出来ません。 明朝晴れなければ、最終チェックを当方でしないまま、ユーザーさんに双望会でのファーストライトを託すことになりますが、現場でうまく調整されることを願っています。

15cm Hybrid-BINO completed!! / 15cmハイブリッド-BINO 完成!

ハイブリッドBINOが完成しました。 天頂に向かない問題は、2インチスリーブを長く(90mm(標準は58mm))することで解決しました。合焦ダイヤルが微妙な位置に来ますが、これは承知の上です。 TOA150-BINOの時のように下側に配置すれば操作性は良いのですが、天頂時にフォークベースに干渉する(第一、手が入りません)ので仕方ありません。 枝葉末節に目を向けるのではなく、EMSと市販の大型双眼鏡の対物ユニットと市販のGOTO経緯台(フォーク式)のコラボが数々の困難を乗り越えて実現したことをご評価いただければ幸いです。

LUNT35-BINOのパーツのアルマイトも完了していますが、台風を待つ天気では、しばらく組み立て、調整が出来ません。 急を要する他の2件も並行して進めています。今から、双望会から帰宅後の仕事の段取りを考えています。 自分で選んだ道とは言え、因果なものです。^^;

Lunt35mm-BINO almost completed!! / Lunt35mm-BINO ほぼ完成!

The theory of the EMS is more universal than you have expected.Many of you know that a pair of 60-deg mirror units will make a right-angled erecting mirror system; EMS.But few of you seem to understand there are as many answers for as many index angle’s pair. To tell the conclusion, the pair of the right angle mirror and the EMS unit will make the non-reversed upright image at the viewing angle of 120 deg.

偏角60度のミラー(プリズム)2個で正立系(EMS)を構成することはすでにご存知のはずですが、構成ユニットの角度に応じた正立解があることは、意外に知られていないようです。 極端で実用的でない例としては、天頂ミラー(プリズム)2個の正立解です。 構成ミラーの反射面の法線が直交する時が解なので、この例では解が簡単に求まります。 そうです、2個の天頂ミラーを逆視に折り返し、う~んとおじぎをして自分の腹を見るようなアクロバット時な姿勢(180度対空)を取れば正立像が見られます。(天頂付近だけは自然な姿勢で見れます。)

さて、今回のEMSユニット(入射角60度)と天頂ミラー(入射角45度)を組み合わせた時の解ですが、結論から申しますと、対空角度が90度をさらに向うに越えて120度の時が正立解(120度対空)です。 高度角30度で真下を覗くスタイルですので、太陽(天体)用として実用にならない角度ではありません。 天頂付近だと、むしろ90度対空よりも楽なくらいです。

APM80 EMS-BINO赤道儀仕様 – 1

 ななつがたけ北天文台の双眼望遠鏡が松本さんのおかげで赤道儀仕様になりました。 簡単ですがご報告いたします。

 鏡筒はAPM80/500、3枚玉アポ、接眼部はフェザータッチ・フォーカサーです。小さくて単眼でもよく見える 小型屈折です。それに、なんと言っても筒外焦点距離が長くてEMS双眼化には適性が高い望遠鏡です。

 さて、赤道儀に載せるためには双眼望遠鏡を水平に保つための「第3軸(回転装置)」が必要です。 それが、黒い輪っか。この輪っかの中を樹脂製のベアリング6個に支えられた「架台」がぐるぐる回ります。 この精度がすばらしい。回転装置の固定はネジ1本です。最初は驚きましたが、よく考えると、水平の状態でバランスが 取れているのでこれで十分なのです。ずいぶん前に完成され、練り上げられたシステムだと思います。

 赤道儀はEM100でお試しです(これが専用赤道儀ではありません)。赤緯・赤経のバランス、回転装置内の鏡筒 のバランスがとれたら手元の操作ハンドルで自由自在に動きます。非常に滑らかな動きでピタッと止まる。しかも鏡筒 は自動的に(力学的にそのように設計されている)水平を保ってくれるので最高の使い心地です。追尾は楽だし、 微動は付いているし、至れり尽くせりです。経緯台よりも大がかりになりますが、8cmクラスの屈折双眼ではこれがベスト かもしれないと思いました。とにかく、想像以上に使いやすいシステムです。

 最後に、8cm短焦点屈折双眼望遠鏡について。たかが8cmですが、これが双眼になると10cm単眼をかるく凌駕します。 細かい分解能はともかく、観望時の迫力とdetailの見え方、疲労の少なさは圧倒的です。木星をみましたがとにかく明るい。 縞も明瞭で網膜にズドンと飛び込んできます。焦点距離が500mmなので高倍率は出しにくいのですが、双眼視なので140倍も あれば十分。赤道儀に10cm屈折を搭載するなら、少し大がかりになっても8cm双眼望遠鏡を搭載する方が楽しいかもしれません。 淡いNGCナンバーの銀河や惑星の細かい分解能を諦められるのであれば、8cmクラスの小口径屈折双眼と自動導入赤道儀との 組合せで月や惑星、メジャーな天体を眺めるのは最高に幸せなひとときに間違いはありません。

黒木嘉典 (Kuroki Yoshifumi)
栃木県宇都宮市

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 先日納品させていただきました、APM80-BINO(赤道義仕様)のリポートをさっそくに いただきました。 このタイプの回転装置は、私がアマチュアの自作マニアに少し毛が生えたくらいの段階で 10台ほど製作し、その後は時間的に対応しきれなくなって製作を中断していたものです。

 昨今は2軸PC制御の経緯台が普及して来たので、自動追尾はそちらに任せようと思っていたのですが、どうやら、 追尾の滑らかさでは現状では赤道義に優位があるようで、最近でも時たま赤道義仕様のお問い合わせをいただきます。
 バックオーダーが停滞しているので、赤道義仕様はお断りするのが常ですが、EMSの黎明期よりご支援いただいて来たリピーター の方のご依頼となれば、断れません。^^; 細部まで製作者の意図を理解して評価してくださると、またやる気が出ます。
 黒木さん、今回もタイムリーなリポートをありがとうございました。 落ち着かれましたら、またぜひ追加リポートを よろしくお願いいたします。

 当BINOの製作記事は、製作情報速報(2013) の 7/27, 8/27, 9/10, 9/11, 9/13, 9/18, 9/19, 9/20, 10/4 に掲載しています。

 他の赤道義仕様のユーザーリポートをリンクしておきます。

BOR125-MTT(須田さん)
BOR125-MTT(仲さん)
AL106-MTT(Dad of Ryosuke)
TSA102-MTT(A.Van Lemel)

Hybrid 15cm-Bino preliminarily assembled! / ハイブリッド15cm-BINO、開眼!!

I found the “Hybrid Binoscope Project” to be splendidly successful.The image was more than perfect both in sharpness and in the clarity of the field.It has totally kicked off the possible negative estimation of the optical engineers quoting the negative effect of replacing the prisms for the mirrors.

仮組み立をして実際に近所の風景を見てみました。 光軸は組み付け段階ですでにほぼ完璧に出ており、見え味も期待以上でした。計算家はとかく市販の双眼鏡のプリズム系をミラー系と交換することに批判的ですが、それは机上の計算上でのことであり、現実には計算外の多くの要素の集積の結果が勝負となりますので、そうした専門家の予想は当たらないことが多いのです。 今回は、期待以上の好結果で、私も驚いています。 視野周辺までのピンポイント結像という観点では、必ずしもEWV32との相性はベストではないかも分かりませんが、視界の透明感や、水銀灯のピラーと電線の間に張られた蜘蛛の巣のリアルでシャープなのには、久しぶりに身震いしました。 純正の状態を見たことはありませんが、多分、初期の設計に反したプリズム交換による得失の収支はプラスに働いたものと予想します。

LX200架台とのマッチングですが、フォークの長さが少し足りません。 手前の合焦機構部を重くしトップヘビーを最大限キャンセルしましたし、、これから長めの2インチスリーブを製作することを前提としても、理想バランス状態ですと、高度角75度が上限です。 敢えて少しバランスを崩してBINO本体をアリガタ1のリミット一杯に前に出すと、高度角85度までは向けられます。(左の写真)完璧に完全バランス状態で天頂オーバーまで向くことにこだわりますと、非現実的に重いウェイトを手前に追加するか、フォークアームを切断中継ぎ等の大手術が必要になります。

ただ、この天頂の問題は、上記のBINO本体の基本性能上の成功に比べれば、些細なことです。 枝葉末節にこだわってシンプルさを失うよりも、優先度の低い案件を潔く切り捨てることも、素材をうまく活かしたスマートな結果を得るためには重要なことです。(LX200はコントロールプログラムで自動導入時の仰角制限が設けられるはずです。強制駆動はオーバー可能。)

しかし、このBINOの基礎重量は数値以上に半端ではありません。(数値を挙げるのは無意味です。ダンベルではありませんから。光学機器はデリケートで持ちにくいという現実を直視しないといけません。) 架台(CRADLE)へのセットには、BINO本体のアリガタとCRADLEのアリミゾがちゃんと自分に見えていることが必須です。 アリミゾクランプの位置と構造上、機構部を見ずに上から勘で置いてからクランプを締めて行く方法は今回の架台では出来ません。(説明が長くなりますが、よりシンプルな構造でより強力なクランプ機構を実現するためのトレードオフでした。) 20㎏をはるかに越えるBINO本体を顔の高さくらいまでほぼ片腕で挙上し、BINO本体の腹のアリガタをCRADLEのアリミゾに差し込まないといけません。

私は、最近筋トレをして来たことと、作業に慣れたので大分楽になりましたが、同じことがユーザーの方に出来るのかどうか、正直、不安です。 このプロジェクトを計画された時点で、ユーザー様は相当の力自慢か、あるいは計画発案当初よりトレーニングを積んで来られたものと確信しています。

しかし、今回のような挑戦を広く一般に推奨するわけではございませんので、ご理解くださいますよう、お願いします。 こうした特殊なご要望に対応することが、一般的なEMS-BINOの納期にどうしても影響してしまうからです。 こうした対応は今回で最初の最後とさせていただきます。しかし、今回のプロジェクトは、画期的なセンターフォーカス機構の実現等、私も良い勉強になりましたし、今後の一般的なEMS-BINOの進化にも大いに貢献してくれました。