X-Y knob limiter (Another breakthrough of the EMS!!) / X-Y ノブ-リミッター

The X-Y adjusting knobs also takes the role of assemble screws, so if you go on unscrewing the two knobs they will come off and fall down.Yes, there were no limiters on the X-Y knobs and there was a contract between I and the users of not turning the knobs too much.But I have found so many users are disregarding the rule and I decided to make limiters on the knobs.

X-Yノブの回し過ぎに警鐘を鳴らし続けて20年余り、ノブに原点矢印を付けてからはトラブルが減ったものの、根絶には至りません。しかし、私たちの手首の構造から、持ち替えないで自然に回せるのは±90度くらいかと思うのですが、一回転以上回す人は、つまみを持ち替えながら複数回回しているわけで、確信犯と言えます。

ただ、ユーザーさんを叱責するばかりでは限界があるようで^^;、こちらも何らかの対策が急がれると判断しました。 過去に何度か検討して、断念して来た経緯もありましたが、今回はシンプルなアイデアが閃きました。2回反射の正立光学系の開発 → 2分割ハウジングの採用 → X-Yノブの採用 →銀ミラー化 → X-Yノブにリミッターをセット、と、どうやらこれがEMSの進化の最後の節目となりそうです。

従来は、”ローレットつまみ”というローレット付きの一体ネジを使用していました。 このネジは組み付けネジを兼ねていたため、リミッターのセットは非常に困難で、現実的ではありませんでした。 そこで、ローレットナットという好都合な産業部品に目を付けました。 ネジ穴はバカ穴にしておき、皿ビス(注文中)を貫通させて、横からセットビスで所定の角度で固定します。 ローレットナットの底面にはCNCフライスでカム状の円弧加工を施しておきます。EMSハウジングのX-Yノブネジ用のバカ穴のごく近傍に(裏側から)細いネジで突起を立てておけば、ノブが180度以上回らないように制限をかけられるわけです。

一番ハードルが高かった部分が極めてシンプルに解決しました。 ハウジング側の施工は、X-Y用の2つのバカ穴の近傍にそれぞれ(突起セット用の)小さいネジ穴を施工するだけです。

日々是BINO  / LUNT35-BINO,80-BINO,115-BINO

2011年6月にBINOオーナーとなってはや3年!すっかり双眼正立の世界にはまってしまい、BINOも年々1台ずつ増えつづけ(!)、 今や3台保持するにいたりました。 (①115mm屈折双眼→②35mm双眼太陽(正立)→③80mm屈折双眼/今日に至る)

Lazyな私には、手軽な80mmが主力(軽い!早い!スゴイ!?)なBINOとなっていますが、特徴はちがっ ても両目で見る喜びは変わりません(むしろ倍増!)。架台を変えたり、仕様をいじってみたり日々楽しん でいます。BINOの相違を通してEMSに対する理解を深めてきましたが、まだまだ奥が深く現在進行中^^;。 フィールドに出かける機会が減ってしまいましたが、最近では、ベランダ観望を主として楽しんでおります。

とりわけ、入手した「傾斜センサ」が、街中での観望をさらに楽しいものにしてくれています。市内に住んでおり、 光害は避けられないのですが、どんなに明るくても、月夜であっても天体の導入がより手軽に(!)より確実に なりました。設置が容易なので、天気が良ければすぐに観望OKとなります。眼視オンリーだった私が、ベランダからの (下手な)天体写真を撮影するようになり、SNS等にアップし楽しんでいます。 50代自己満足の極みですね。(^^♪

今後もBINOを通して多くの人々にその良さを伝えていければと考えております。毎日更新される メイキングレポート楽しみにしております。奥の深いBINOの世界。これからもご指導どうぞよろしく お願いします。ありがとうございました。

仙台市 渡辺 利明

管理者のコメント;

渡辺さんが、3台のBINOをフル稼働しておられる近況をご報告くださいました。 やはり、製作者としては、出来上がったBINOをしっかり使ってくださっているご様子を知るのが、何よりの 励みになります。
特に、両眼で見られること、90度対空であること、回転軸へのリンクフリーで実現する傾斜センサーの 実現そのもの等、基礎的な部分での素直な感動が伝わると一番嬉しく思います。

渡辺さんの過去のリポート

115ED-BINO (2011,7/9)
115ED-BINO-2 (2011,7/16)
傾斜センサー (2014,8/21)

SWAROVSKI X95-BINO

これが初めてのEMS双眼望遠鏡になります。まず、このBINOは10cmクラスの対空双眼鏡 と同列に扱うことのできる機材だと思います。10cmクラスの対空双眼鏡はコンパクトながら 星団・星雲を見るのに必要充分な光学性能を備えた私にとって理想的な機材で、これまで 「笠井トレーディングのSUPER-BINO100RA」「宮内Bj-100RB」「ハイランダープロミナー」 「宮内Bj100-RBF」と使ってきました。しかしどれも満足するには至らなかったため、松本 さんにこの機材の製作を依頼することにしました。届いてみて驚いたのはその大きさと軽さ です。大きさは対空双眼鏡の中でもひときわ小型の宮内Bj-100RBFと同等で、重量はさらに 1kg軽い4.8kgという軽さです。その無駄のないコンパクトな造りに驚かされました。

肝心の光学性能については、その像のシャープさやコントラストの高さ、色彩の鮮やか さには驚かされるものの、それ以上に気になるのは歪曲収差です。
これは既にX95-BINOを所有されている方々の情報から事前に分かっていたことですが、  このBINOはフィールドスコープの対物ユニットだけを取り出し、そこにEMSと天体用アイピースを  組み合わせているので、収差の如何はアイピースによって変わります(この時の使用アイピースは  パンオプティック-24mmとタイプ6-13mmでした)。
天体用ならば少々の歪みも気にならないのですが、  どうせなら昼間の景色でも既存の対空双眼鏡を超えた像を期待したいところです(特に最高性能を誇る ハイランダー以上の性能)。
昼間の景色を対象に、テレビューアイピース以外に下記のア イピースを試してみました(焦点距離は17~20mmを基準に選定)。

・ペンタックスのXW-20mm
・笠井トレーディングのEF-19mm
・国際光器のPHOTON-18mm
・ライカズーム(8.9-17.8mm)
・ハイペリオン-17mm
結論からいえば、昼間の景色でハイランダーと同等以上に整った像を結んでくれるの は「PHOTON-18mm」「ライカズーム」「ハイペリオン-17mm」の3つでした。
最も透明感のある 像はレンズ構成枚数の少ないPHOTONで、色彩も鮮やかです。見掛け視界が狭いこともあるで しょうが、像全体に締まりがあり満足度の高い像を結んでくれます。ただ、昼間に使用する と被写界深度が浅いので、景色全体にはピントが合いません。
「ライカズーム」はさすがに ズームにありがちな暗さを感じますが、像は非常にシャープです。ライカらしい「きめ細か なシャープさ」といった感じで、コントラストも悪くはありません。色彩は少し弱く感じま すが、全体としてはズームらしからぬ魅力的な像を結んでくれます。
ハイペリオンは少し像 が暗いながらも各収差が最も抑えられ「落ち着いた像」という印象ですが、見掛け視界が一番 広い68°なので視界そのものが気持いいといった感じです。昼間の使用なら見掛け視界の広 さと覗きやすさから、ハイペリオン-17mmが個人的には一番好みでした。

厳密には対空双眼鏡で最高レベルの光学性能を誇るハイランダーと細かく比較すれば、 これらのアイピースの結ぶ像が「全てにおいて優っている」というわけではないと思いますが、 私にとってはコントラストの高さ・色彩の鮮やかさ・遠近感などの点から「理想の機材」と思うに 充分な見え味です。
あと残ったアイピースで歪曲収差がよく抑えられている順番として「EF-19mm> XW-20mm」となります。EF-19mmについては抜けの良さ・シャープさなどが上記のうちで一番優れてお り、像もこれらに次ぐほど整っているのですが、日差しの強い時に使うと周辺に強い青滲みがでるこ とがあるので「条件付き」といったところです。ただ、白いものを最も白く見せてくれたのはこ のEF-19mmで、これと比較すると他のアイピースには全て黄色の色付きがあることに気付かされます (テレビュー製品でさえ僅かな色付きを感じる)。気になってタカハシのアッベオルソも比較して みましたが、色付きのなさはオルソとEF-19mmで同じでした。

自宅からではそれほど星が見えないので、天体用アイピースの比較は主に「夜景」を対象とし ました。これは歪曲収差の有無の比較ではないので私の主観的な判断的となってしまうのですが、 よく見えるアイピースの筆頭は「パンオプティック-24mmとEF-19mm」でした。
テレビューのアイピー スがよく見えるのは当然なのですが、松本さんお薦めのEF-19mmが大健闘です。夜景などを対象に パンオプティック-24mmと比較してもヒケをとりません。これと比べれば、鏡筒によってはペンタッ クスのXW-20mmですら、その像を僅かに眠たく感じてしまうほどです。それでいてテレビューの アイピースより歪曲収差がよく抑えられています。ただ透明感には優れますが、コントラストはそ れほど高いわけではないので、あくまで「自然な像」を得られるという意味でいいアイピース です。本来なら先にX-95BINOを購入された方々がテレビューのタイプ5-16mmを使用されているので、 比較をして決めたいところなのですが、EF-19mmが気に入ってしまったのでとりあえず天体用はこれ に決まりです。

ここで補足として、EWV-32mmにも触れさせて頂きます。このアイピースについては透明感・ 抜けの良さで定評がありますが、X95-BINOに使っても同じくひときわ飛び抜けた透明感のある素晴らしい 像になります。問題の歪曲収差についても、確かに相応に像は歪んでいるものの、低倍率のためかあまり 気になりません。
これで気付いたのですが、歪曲収差の問題は歪んでいること自体よりも、歪んだ状態で の視野の移動にストレスを感じるのだと思います。視野を移動する時に倍率が高い方が視野内での歪みの 変化が大きくなるわけで、私の場合はEWV-32mmくらいの低倍率ではそれほど気にならず、パンオプティ ック-24mmの倍率では気になるといった感じでした。EWV-32mmはそのままではバレルが長過ぎて合焦しない ので、松本さんにお願いして真鍮製のショートバレルに変更しています。面倒ではありますが、この アイピースをX95-BINOに使う事にはそれだけの価値は確かにあると思います。

遠征にはEF-19mmを持参しました。さすがによく見えるBINOです。これで見たアンドロメダ 銀河は圧巻で、これまで見たどの望遠鏡よりもコントラストの素晴らしい像です。
望遠鏡は口径 以前にコントラストが重要だということを実感させられました。球状星団も「その存在が分かる」 という程度ではなく、粒々感を感じられ見応えがあります。普通、10cmクラスの大型双眼鏡という のは、それが「10cmクラスの見え方でしかない」ことを前提として、その像に満足できるものです。 しかしこの機材ではそうしたことを忘れてしまうほどです。「この前よりあんまり見えないな…」 の対象が30cmドブだったりするのです。スワロビジョン光学系の素晴らしさを再認識すると共に、 これが自分にとっての理想の機材だということが確信できました。
もちろん比較対象を「対空双眼鏡」 ではなく「双眼望遠鏡」とし、3枚玉の高性能アポクロマートと並べて考えれば、X-95BINOが勝てない要素 は多いと思います(高倍率時の光学性能など)。しかしこうしたコンパクトBINOが真価を発揮するのは、 やはり「お気楽星団・星雲観望」であり、低倍率から中倍率が主体となります。そうした意味では初めから そこを目的に開発されたフィールドスコープにも相応の分があるわけで、そこにスワロフスキーの技術が詰 め込まれていることも思えば、このBINOには他にはない独自の魅力があるのだと思います。

このコンパクトな BINO を収納するケースにはペリカンの1500サイズを使っています(収納には2イ ンチスリーブを取り外す必要がありますがこれは鏡筒の下に収納できます)。ペリカンの1500サイズは モノさえ選べば更に「機内持ち込み可」のキャリーバッグに収納できるので、移動の際には便利なサイズ です。ペリカンのケースを更にキャリーバッグに入れ、二重に保護することで、仮に空港に預ける時でも 心配がなくなります。やはりこうした小型機材は機動性が重要だと思うので、持ち運びしやすいサイズと大 きさは有り難いところです。

最後に、私にとって X-95BINO は「理想的な10cmクラスの対空双眼鏡(双眼望遠鏡)」 となりました。天文という趣味の中で「理想の機材」に出会えるということ自体、幸運だと思いますので、 この機材を実現して下さった松本さんに本当に感謝しています。

東京都 米田

筆者のサイト 日月星辰

管理者のコメント;

米田さんには、去年、BORG125SD-BINOをご依頼いただいてずっとお待たせしているのですが、 その仕上がりを待たずにSWAROVSKI-X95-BINOを先にご注文いただきました。(実はこのパターンが多い。^^;)

双眼鏡機材のご遍歴にも表れていますが、米田さんは単なる機材マニアではなく、豊富なご経験と非常に鋭い識別眼を お持ちで、市販の天体望遠鏡用アイピースの詳細的確なご検証には、驚くばかりです。

私は(製作中納品前に)店内でガラス越しに近くの風景をちらっと見た程度で、スポッティングスコープ とは思えないヌケの良さに驚くばかりで、視野の歪曲等には全く気付かなかったのですが、リポートを 読ませていただき、感心しきりです。

去年、最初のSWAROVSKI-X95-BINOの依頼を受けた時は、まさしく”新たな無理難題”でした。 EMS-ULはもとより、EMS-UM(/US)でもバックフォーカスが足りません。どこで光路長を節約するか? 対物ユニット接続側とアイピースのアダプター側の光路長を極限まで詰めることで、かろうじて実現したBINOでした。

純正のプリズムユニットでは、ガラス中の実質の光路長が幾何学的な実長の”1/屈折率 ”になるという好都合な 現象に助けられるわけですが、ミラーの場合は幾何学的な経路がそのまま光路長になるので、光路長を所定の 範囲に納めるのは、たとえ反射回数を4回(シュミットプリズム)から2回(EMS)に激減させても至難なことなのです。 どうしたかは、EMS自体の工夫の延長ですが、構成ミラーのエッジを 接続部の空きスペースに絶妙に侵入させることの集積で解決しています。文章では分かり難いかも分かりませんが、分解して みれば分かります。(両サイドにミラー先端が突出しているので、分解時の取り扱いには細心の注意が必要です。)

製作者の視点から、このBINOの魅力(存在意義)を付け加えさせていただきますと、(当たり前ながら)まずは筆頭に、 90度対空だということです。 天体用では90度対空の45度対空に対する優位性が圧倒的であることは、私だけでなく、多くのマニア が証言しています。 次に完全気密構造のスポッティングスコープとEMSという構成要素のメリットです。 対物ユニットは完全インナーフォーカスで、天体望遠鏡の繰り出し装置のように伸びたり縮んだり、重心が移動したりしません。 これは当たり前のことですが、天体望遠鏡にばかり触れて来た私にとっては、新鮮な驚きがありました。それと、接眼部の 自由度が高いEMSとの合体です。際どいバックフォーカスながらも、かなりの種類のアイピースの選択肢が持てたのも、そのお陰です。  今後開発されるアイピースも含めると、さらなる成長(改善)の余地を残したBINOシステムであると言えます。

大変綺麗な写真を3枚ご提供いただきました。ただ、SWAROの対物ユニット本体の色調がほぼグレーに 見えていますが、実際はオリーブドラブで、もっとグリーンがかった色です。 EMSは黒をご指定で、この機会に一定数の黒ハウジングを確保しました。 実は、今回の黒塗装は 満足が行く仕上がりにならなかったのですが、時間的にもコスト的にも後戻りが出来ず、そのまま納品させていただきました。^^; 塗装について、不問にしてくださったことに感謝しています。^^;(黒は難しいですね。光沢仕上げではなく、半艶を指定すべきでした。 鋳物(ダイカスト)の微細なホールが目立ってしまいました。猛省して次回以降のロットで改善します。)

米田さん、この度は同BINOとのマッチングの良いアイピースを詳細にご検討くださって、本当にありがとうございました。 すでにSWARO-X95-BINOのユーザーになっている方々はもとより、これから検討をされる方々にも非常に有益なデータをご提供いただいたと 思います。 まだ納品させていただいて日が浅いので、またじっくりと秋冬の天体を観察された印象がいただけましたら幸いです。

(SWARO-X95-BINOは海外(米国)にも2台納品していますが、CLOUDY NIGHTS TELESCOPE REVIEWS でも 話題が盛り上がっています(1P~5Pまであり)。)

FSQ106-BINO completed ! / FSQ106-BINO完成

The longest time ever has been consumed on thie single project.The sorter 2-inch sleeve is the same strategy for the scarece back-focus just as in the case of SWAROVSKI-X95-BINO.

2年超という、過去最長期間お待たせしてしまいましたが、ようやく完成しました。バックフォーカスが、本来ならアウト(全く足りない)の状態でしたが、まずは65φ用スリーブの実質(外部)profile をわずか9mmに抑え、SWAROVSKI-X95-BINOと同じ考え方で、2インチスリーブを少し短くしました。 写真のアイピースはこの状態で楽勝でピントが合います。 防塵フィルターを外せば、アイピースはさらに5㎜深く入ります。31.7サイズアイピースは全く問題ありません。

ただ、回転装置の使い方、架台セットの注意点、鏡筒着脱の注意点等々、ユーザーさんには、直接この場でご説明したい勘所が山ほどあります。 出来たら、一度お会いしたいものです。 ユーザーさんのご希望は、このフルシステム(回転装置ごと)をメインの据付(大型)赤道義仕様の反射鏡筒(40㎝クラスか?)に同架されたいということですので、バランスや使い勝手等、メーカーさんとも十分に検討される必要があります。

FSQ106-BINO almost completed / FSQ106-BINOほぼ完成

FSQ106-BINO on the rotative mount is almost completed.I will have almost no margine in the focus because it’s back focus is so scarece.

以前にも書きましたが、この鏡筒は バックフォーカスが非常に短く、また対物後群のレンズが接眼部のすぐ手間まで来ているため、フォーカシングは相当際どいところとなりそうです。 アイピースの種類によっては合焦しないものもあるでしょう。(元来、BINO用には選んではいけない鏡筒でした。 知らずに引き受けましたが、知っていたら確実にお断りしていました。^^;)

傾斜センサー(AAS-1) / Altitude Angle Sensor

仙台も連日曇り続きでしたが、今日帰宅するとひさしぶりに星空が広がっており、 家のベランダにて届いたばかりの「傾斜センサ」をさっそく使ってみました。 使用アプリはSkySafari Pro(+iPad-mini)です。

はじめは極性があわずカーソルが反対方向へ動きましたが、
設定(垂直:-10,000/水平:-4096)を合わせると「快適!」そのもので カーソルがスムーズ過ぎる(!)ほど動きます。感動!

私の場合、「NEXUS」ではなく、松本さんにご紹介頂いた「SkyFi+インターフェース」 をずっと使用しておりましたが、ストレスなく天体導入が可能でした。 仙台市中心部のベランダからM31→M15→M2→M30など秋のメシエ天体や二重星団などが 短時間でしたが街中でも容易に導入できました!

従来からずっとSナビゲーター用のエンコーダー(4096ステップ)を使用しておりましたが 高度軸取付けやその偏心の不安から解放され、このセンサは(予想を超える)精度でした!
さらに屋外でのDeep‐Sky天体や彗星探索に使用してみたいと考えています。

素晴らしい製品のご提供本当にありがとうございました!!
また現地レポート報告します。(^^♪

続報:9月20日;
好天が続くようになり、もっぱらベランダ中心ですがBINOを夜空に向けられる季節となりました。 朝晩寒さも感じられるますがまだまだ温暖。 11.5㎝&8cm BINO ともフル活用です(^^♪
おかげさまで「傾斜センサ」も好調で、活用させて頂いております。 レポートにも書かせて頂きましたが、ほんとにスゴイ精度です。 SkyFi+SkySafariとの相性もバッチリで、ほぼ正確に天体が 捕獲?できます。松本さん&製作者のHowkさんに深く感謝! 今年の双望会への参加は一回休みですが、いろいろ試して 楽しんでいきたいと考えております。

仙台市 渡辺 利明

管理者のコメント;

渡辺さん、神速のリポートをいただき、誠にありがとうございました。

”傾斜センサー” は、すでに6月中旬に第1ロットの供給を開始し、数日前に5台目(第2ロットの3台目)を納品したところですが、 今回のご投稿が、製品版としては記念すべき最初のユーザーリポートになりました。

当傾斜センサーは、鏡筒の傾斜角を直接感知( 絶対角度の測定)し、角度に応じたパルスを発信するもので、エンコーダのように垂直回転軸とリンクさせる必要がなく、架台のアライメント不良の影響を受けない 等の顕著な特長を持ちます。 どんな架台にも使用可能ですが、垂直軸へのエンコーダのダイレクトセットが困難な 中軸式架台等には、特に福音となるものです。
まずは、当製品の本来の使用目的である、EMS-BINOに用いた有効性をご確認いただけたことを、大変嬉しく思います。

当傾斜センサーは、
(傾斜センサー+水平回転軸エンコーダ)→(NEXUS、もしくは インターフェース+SkyFi(本例)) → (Wifiで)(iPhone/i-Pad) のようにつなげて使用します。
(NEXUSの場合はインターフェースは不要;また上記フローチャートのNEXUS以降はSナビ(国際光器)と完全互換)

当製品は、まだスタートしたばかりです。現状では、年に15台くらいの生産が限界です。 また当面は、EMS-BINOユーザーの 方に優先的に提供させていただく予定です。
また、製品は日々改良を進めてはおりますが、 まだ一品ずつの手作りで対応している段階でございますので、ユーザー様には、 枝葉末節のご指摘よりも、当センサーの開発意図をよくご理解くださり、温かい目で今後の発展をお見守りいただけましたら幸いです。
今日現在で、第2ロットの在庫が2台ございますが、一応、中軸式架台とEMS-BINOのユーザーの方を対象にして当面は確保しておきたいと考えております。

次回(第3回)ロットは、やはり5台くらい、年末か年始頃の仕上がりの予定です。

傾斜センサーの価格:¥16,200(15,000);専用ケーブル付き (  )は税抜き価格

渡辺さんの過去のリポート

115ED-BINO
115ED-BINO-2

続報:9月20日;
今日、大変嬉しい続報をいただきました。 新型の傾斜センサーは早い段階で3台納品しているのですが、 他の2名の方からの詳しいリポートがまだいただけていないので、特にありがたい続報でした。

PDFカタログ;
PDFカタログが出来ましたので、追記します。(9月22日)

2018年1月10日追記: (去年11月のWEBSITEクラッシュの修復のため)再編集しながら、改めて感慨に浸りました。 現在は、傾斜センサーはAAS-2に進化し、WIFIアダプター等も(同じサイズの)ワンユニットに包含され、格段にシンプルな構成になっています。

Holocaust Bombings /(原爆投下の目的)

Last week, US media reported the death of Theodore Van Kirk, the last surviving crewman of the Enola Gay, who passed away aged 93. A funeral was reportedly scheduled for August 5 in his hometown of Northumberland, Pennsylvania, which would coincide with the Hiroshima anniversary in Japan.

An American B-29 bomber named Enola Gay dropped an atomic bomb on Hiroshima on August 6, 1945, in one of the final chapters of World War ll. It had killed an estimated 140,000 by December that year.

Three days later, the port city of Nagasaki was also bombed, killing an estimated 70,000 people.

Most of the Americans must have taught that the twin A-bomb attacks brought a speedier end to the war by forcing Japan’s surrender and preventing many more casualties in a planned land invasion.

But the later neutral investigations have been revealing the true purposes of the twin A- bombings as the following.

1: Experiment of the two kinds of A-bombs.
2: To hold a dominant position over Soviet Union after the War.

The reality is that the US did not want to end World War ll until it drops two kinds of A- bombs on Japan. And the main purposes were to observe the effects on the city infrastructures and especially on the human bodies. US did not have other choice less than two A-bombs, because they had developed two kinds, one is Uranium and the other, Plutonium.

Japan had already sent the sign to surrender months before the bombings, at least through Soviet Union. It was one day before the Potsdam Declaration,7/26, that Truman had ordered to drop the A- bombs on Japan.

And the way and time and place were carefully chosen to make the definite success on the unprecedented experiment on human bodies.

To see the pure effect of the A-bomb, Hiroshima was left from air raids until then. The bomber once pretended to go through the sky of Hiroshima and then abruptly turned back and finally dropped the A-bomb. It was just the timing of the air-raid alarm being called off for the first contact of the bomber. Many of the citizens were just got out of the steamy bomb shelters onto the roads, many of them might be shirtless out door.

Anyway it was at 8:15 on the morning of August 6, week day, that many citizens were busy on their way to the offices or schools.
It is not end of the story. Three parachutes were released in advance of exploding the bomb to attract as many eyes of innocent citizens staying outdoor. So, the strategy was a great success in gathering a great numbers of materials afterward for the A-bomb studies.

エノラゲイの最後の乗組員が先週亡くなったそうで、葬儀はまさに日本時間の8月6日に執り行われたそうです。  アメリカでは、彼はいわゆる War Hero であり、ネット上の写真では、棺をアメリカ国旗が覆っていました。

アメリカでは、「原爆投下が戦争の終結を早め、双方の犠牲を最小限に留めた・・・」と教えて来たようですが、 その後の中立的な検証の結果では、そうではなかったことがほぼ確実になりつつあるようです。

トルーマンが日本への原爆投下命令を出したのは、ポツダム宣言が発布された日の前日でしたし、ソ連の参戦が 確実となった段階で、すでに日本の降伏は明らかであり、戦争の終結のために原爆を投下することは必須ではありませんでした。

そして、何よりも問題なのは、原爆の投下が無通告で、かつ一般民衆への配慮が皆無、というか、どう見ても、故意に 生体実験をしたとしか思えない方法で履行されたことにあります。

当日の朝、B-29は、一旦広島の上空を何もしないで通過し、その段階で市内の警戒警報は解除されていました。 蒸し暑い防空壕から外に出た多くの市民は、シャツを脱ぎ、深呼吸をしていたことでしょう。 ところが、B-29はいきなり コースを変え、引き返して原爆を投下したのです。 さらにご丁寧なことに、3つのパラシュート降下物を事前に投下し、 戸外にいた多くの市民の視線を惹き付けていたそうです。 まさに、一体でも多い検体サンプル(やデータ)を採取 するために、周到な手段が講じられたということです。 爆発時刻は朝の8時15分、多くの大人は通勤中で、子供たちは学校に向かっていた時刻です。

さらに日本政府に降伏の決定と表明の時間的猶予を与えることなく、わずか3日後に長崎にも投下しています。 このことからも、ウラン235と プルトニウム239の2種類の原爆を実験することが当時のアメリカの最大の優先事項であったことが明らかです。

あれから69年の年月が経過し、被爆体験生存者が減る一方、重い口を開き始めた新たな証言者も増えて来ました。 そして、当時の日本の指導者層も、戦争の末期に当たり、自国民の命を守るよりも、自分たちのかくまいを優先していたことが明らかになりつつあるようです。 上層部は新型爆弾の投下を予測しながら、国民に事前に警鐘を鳴らすことをせず、爆撃機の飛来時にすら的確な警報は出されませんでした。

死者に鞭を打たないのが、日本人の美徳でもあるようですが、大方の責任当事者がすでに他界している今こそ、冷静な目線での当時の総括を急ぐべき時ではないでしょうか。 さもないと、世界のどこかで、また同じことを繰り返すことでしょう。

”友達”と”戦争”

Another SWAROVSKI-X95-BINO completed (number-7) / SWAROVSKI-X95-BINO 7台目完成

 

Topping a polyacetal tip on the end of the screw is one of the painstaking tasks in my work.Center deep hole should be processed on the set screw in advance and the polyacetal tip will be pressed into it.Six of the polyacetal tipped M4 set screws and three of M3 screws without tips are required in the adapter.

目立ってしまいますが、SWARO-BINOは、通常のBINO製作の合間にこなしておりますので、ご了承ください。(なるべく掲載しないようにしています。^^;)

最上の写真は、接続用のアダプターに用いる、先端ジュラコンのセットビスについてご紹介するものです。先端ジュラコンチップ付きのビスは規格品が市販されていますが、非常に高価なのと、目的にぴったり適合する製品がないため、自前加工をしています。 M4のステンのセットビス(芋ネジ)に深穴(2.5φ)を開け、そこにジュラコンチップを圧入します。 写真から、チップは根っこの方がずっと長いのがお分かりになると思います。

片方のアダプターにつき、このM4のチップ付きセットビスが6本、チップなしの通常のM3のセットビスが3本必用です。 何でもなさそうな部分で結構手間がかかっている例をお示ししました。^^; (SWARO-BINOユーザーになられる方は、このアダプターの構造や接続(分解)方法等、過去の製作情報をよくお読みいただき、理解しておいてください。(このコーナーの製作工程全てがマニュアルです。))

 

FSQ106-BINO near completion / FSQ106-BINO、完成間近

The rotative unit being made over is near completion.

作り直していた回転装置がもうすぐ完成します。鏡筒の大きさ(太さ)や重量に対する対策をより強化しました。 トップのベアリングユニット下部のローレット部品もその一つで、重い鏡筒等を一々撤去することなく、初期(またはそのごのメンテでの)のテンション調整が楽に行えるようになりました。 軌道リングは、内径はもとより、厚みも増しています。

依頼者の方のご計画は、このシステムがメインでなく、現在製作中の大口径の望遠鏡システム(ドーム内設置)にサブ的に回転装置ごと設置されるそうですが、バランス等、しっかり考慮していただきたいものです。(かなり心配です。^^;)

The Blue Bird of Happiness /(幸せの青い鳥)

There seems to be a fairly good number of people who are not pleased with their eye-glasses.

Some portion of them have unhappy eyes of extreme anisomyopia with the dominant eye of unhappy choice, or other factors for which it is very difficult to prescript comfortable glasses; but what I am goning to tell now is about those who have no such extreme factors on their eyes but still, who are not pleased with their glasses even after buying so many glasses at as many optometlists or opticians, just as if they have been bar-hopping in search of the imaginary Blue Bird.

…..To be continued.

今日、これからお話することは、メガネに悩んでいる方にとって、極めて重要なことだと思います。 話をすっきりと組み立てるために、例外を最初から省き、敢えて断定的な言い方をしますことを、事前にお断りしておきます。
確かに、不幸にして、メガネでの矯正に無理があるような極端な不同視(左右の極端な度数差がある眼)等を持つ方も一定数ありますが、今回は、眼自体には著しい屈折上の欠陥はないにもかかわらず、 当人もしくはメガネの作り手側の不適切な判断が不幸を産んでしまっているケースが、あまりにも多いということをお伝えしたいと思います。

昨今の大手の全国チェーン店の、有名芸能人を使用した集中豪雨的なテレビ広告には視聴者の大半はすっかり洗脳されるようで、(ベッキー、いい加減にしろ!^^;) 当店のような零細個人商店には対抗するすべもなく、来客数は 減少の一途を辿っていますが、代わりに、「あらゆる医療機関やメガネ店を渡り歩いたが、満足できるメガネには一つも行き当たらなかった・・。」 と、当店の噂を最後の砦のように、辿り着かれるお客さんが時たま見え、私はその度に俄然張り切って腕を揮うわけです。

最近、外国人の方のメガネを作りましたが、出来上がったメガネを掛けていただいてすぐに、
「私は母国時代より今日まで20個くらいのメガネを作りましたが、こんなに最初から快適なメガネは初めてで、 本当に感動しました。 『新しいメガネには、しばらく慣らす期間が必要なもの』と理解していましたが、それが間違いだったことを初めて知りました。」
というコメントをいただき、眼鏡屋冥利に尽きる思いをしたところです。

眼は左右2つあるので、単純ではありませんが、ここで長々と専門的なことを書いても読み飛ばされると思うので省きます。
要するに、「良く見えるメガネと、掛けて快適なメガネは別だ。」ということです。 完全矯正値の9割の度数にしておけとか、8割にしておけとかいった 単純なものではありませんが、大事なのは、メガネを掛ける方の虚飾のない本音のニーズがどこにあるのか、ということを、本人がまず冷静に自問する ことが大切で、次にメガネ作りに関与するプロも、お客(患者)を決して無意識にでも誘導することなく、本音を的確に引き出して感じ取ることが大切なのです。

遠近両用(特に累進多焦点レンズ)を例に挙げますと、遠方視力と近方視力の両方を同時に欲張らないのが、度数選定のコツです。 自分のライフスタイルで、どちらを優先すべきかを冷静に考え、常に遠近の度数差が最小限になるように配慮することが大切です。 検者側は、被検者(お客/患者)を誘導するのではなく、本音を見抜かないと いけません。 検眼椅子に座らせられて視力表を見せられる異常心理下でば、どうしても、よりよく見える方の度数を選び勝ちです。 被検者が検者に流される だけでなく、検者も被検者によく流されます。 しかし、メガネが出来てから、「あなたがこの度数(強い方)が良いとおっしゃったでしょう?」 などと言うようでは、メガネ屋(眼科医)失格です。^^;

「”メガネ”がもともと嫌いだ。」という方が結構います。 実は、メガネもそうした方を嫌います。^^; 顔にかかる水を嫌う間は、良いスウィマーになれないのと同じです。しかし、今日の話の主旨は、顔にかかる水に慣れろ、というのではありません。

メガネが嫌いなら、嫌いな人に適した処方がありますよ、ということを言いたいわけです。 「わしゃあ、メガネを外すとほっとする。」と言う人が意外に多いのです。 「じゃあ、なぜメガネを掛けるのですか?」と問うと、 「掛けんと見えませんがなあー。」と返ります。

私がメガネが嫌いそうなお客さんによくする説明にこんなのがあります。 「ご飯が美味しい濃い味だったら、決して一生主食として食べ続けられませんよ。ほとんど味がないところが良いところなんです。 メガネも 一緒です。 完璧に見えなくても、生活に困らず、掛けていることを忘れて、そのまま顔を洗おうとしてしまったり、掛けているメガネを探すくらいの 方が良いのです。」

メガネが嫌いな人は、多分、次のように考えているのだろうと思うふしがあります。 「大嫌いなメガネを掛けてやるのだから、掛けた瞬間から、ばっちり見えないといけない。 裸眼と大差ない見え方なら、嫌いなメガネを掛ける 価値が無い。」 しかし、実際はそうではありません。 そうではないということを、テストレンズを仕組んだサンプル眼鏡を交えてじっくりと説明すると、 大方の人は理解してくれます。 外したくなるメガネよりも、掛けたくなるメガネの方が良いメガネだということ。 そしてそんなメガネが 可能だということを。

・・・つづく。

7月28日追記

何個メガネを作っても満足できない人には、二つのケースがあります。 一つは、不幸にしてろくでない眼鏡屋や眼科医としか出会えなかった人で、一定の割合でそうした例が あるようですが、これは業界の現状を考えれば不思議はありません。^^; しかし、今回のテーマはその場合ではなく、自分が空想した(あり得ない)理想のメガネを捜し続けている人、つまり、実在しない幸せの青い鳥を 求めて流浪している方に引導を渡すことです。

メガネレンズは、顔に装着するという事情から、むやみに複雑に重い光学系を構成するわけには行かないので、常に単レンズであり、諸収差の残存には最初から妥協する前提で成り立っているものです。 まず、メガネ装用者は、この点を肝に銘じておく必要があります。 ただ、幸いにして、左右の球面度数(非乱視の度数とご理解ください)が同じで、乱視の度数も軸も左右でほぼ等しい方は、 像の歪曲や変形、視線の移動によるプリズム効果等が左右で相対的に打ち消しあうために、簡素な単レンズ系であるメガネレンズでも、よほどの特異体質でない限り、慣れないようなことはまずないでしょう。

しかし、左右の度数差、乱視軸の不同等がある方と、遠近両用(とくに累進焦点メガネ)装用者は、メガネでの矯正に限界がある(つまり妥協すべき部分がある)ことを知らないと、いわゆる”青い鳥探求者”となり、多大な時間とお金を無駄にすることになるでしょう。

左右の度数差が極端な人は、例外を除き、屈折異常度の強い方の度数を、弱い方に歩み寄らせる形で、左右差を最小限にすることが、快適なメガネを実現するために必要です。 特に、度の強い方が利き目でない方は幸せで、その眼は相当ぼけていても、両眼視にはほとんど支障はありません。 逆に、左右差のまま完全矯正すると、メガネをかけた瞬間は良くても、時間が経つにつれて頭が痛くなったり するものです。 乱視の場合も、同じような考え方で妥協点を探ります。 多少の軸の左右差であれば、極力左右の乱視レンズの軸方向を一致させます。 その操作が不都合なほどに左右で方向がかけ離れている場合は、 時には乱視の矯正を諦める方が好結果につながることもあります。

累進レンズ(遠近両用)に対する、(幸せのために^^;)取るべき態度ですが、まず、累進レンズは、レンズメーカーが宣伝するように、「どの距離でも理想的にはっきり見えるメガネ」では決してないということです。 使い道具は全てそうですが、汎用器(複数の機能を持つ道具)は、単独の機能に着目すると、専用器に適うはずがないということです。

爪切りや鋏やナイフや栓抜き等が一体になった道具がありますが、それぞれの機能では、専用の道具にかなわないものの、キャンプ地や山での遭難時等では、それが命を 救うことすらあるでしょう。 汎用器は、汎用性そのものが目的な場合に携行してこそ、意義があるわけです。 自宅のキチンなら、それぞれの道具をきちんと整理して 置いておくのが正解でしょう。

累進焦点メガネもそれと同じで、遠用と近用(さらには中距離用)のメガネを頻繁に着脱交換するのが現実的でない場合に、ありがた味が出るわけです。 累進レンズ不適合の性格の方が異口同音に言われることに、「このメガネはぼける部分があります。」というのがあります。
一方、すんなりと累進レンズを使いこなす方は、 もともと不満がないので、こうしたネガティブな感想は全く出ないわけですが、多分、次のように理解しているはずです。 「このメガネは、(距離に応じて)はっきり見える部分がある。」 つまり、累進レンズをネガティブに見れば、遠方を基準にすると、近用部は遠方がぼける度数帯を構成し、 読書距離を基準にすると、遠用部は近くがぼける度数帯を構成し、同じメガネの枠内にそれぞれが邪魔な領域を占めることになるわけです。 一方、ポジティブに見れば、メガネの枠内のどこかには、必ず目標の距離に対応した領域が存在し、そこで見る限りはっきり見えるわけですから、「このメガネはよく見える部分が ある。」と言えるわけです。
「ぼける部分がある。」というのと、「はっきり見える部分がある。」というのは、ほぼ同じことを言っているようですが、 装用者の姿勢(捉えかた)で、評価は正反対に分かれるわけです。

・・・つづく。