EDT80-BINO is completed.
やっとアルマイトが完了し、完成しました。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
Innovative PushTo system, AAS-2.
Here is a “YOUTUBE” of the first successful experiment of the altitude sensor with WIFI.
今日これから依頼者の方との対面なので、AAS-2をセットアップして待機しています。
Counter weight and handle system are attached. The vertical balance is so critical that the mount should be adjusted. The moduled structure was very helpful to adjust the balance by changing the spacer under the dovetail.
I have learned a lot this time, too. I can say ” Yesterday’s conviction is Today’s regret.” This is how I have come where I am.
ハンドル(兼カウンターウェイト)ユニットを取り付けました。 カウンターウェイトは、鏡筒前後のバランスを調整するものですが、鏡筒上下のバランスも同様に重要です。 カウンターウェイトの追加により、重心が下がり過ぎたため、マウントホルダーのアリガタの下にスペーサーを入れて調整しました。 この調整はミリ単位で劇的に効く、微妙なもので、逆に言えば極めて有効な調整手段です。 BINOシステム全体のモデュール化が功を奏し、BINO本体側には全く手を加えることなく鏡筒天地方向の微妙なバランス調整が可能になりました。 今回も、「昨日の確信は今日の反省」という体験が多く、非常に勉強になりました。
ドットファインダー(Red Dot Finder/ option)も取り付けました。 ドットファインダーが天文マニアに普及して長いので、説明不要と思っていたのですが、意外にも、まだ結構知らない方がおられるようなので、ご説明します。 文字通り、赤い光点が無限遠に投影(虚像です)されるものですが、これをレーザーサイトと混同しておられる方が意外に多く、驚かされます。 これは、ビームを外に向けて照射するものではなく、透過窓(ガラス)に投射した赤色LEDの光が反射して戻って来る光を観察するもので、光点の虚像が無限遠に結像するように工夫された道具です。 透視型なので、当然正立像であり、視差が生じないという大きなメリットがあります。
もう一つ驚かされることは、大方の天文マニアが、ファインダーを正しく覗けないことです。 まず、ファインダーを片目つぶって覗くようなら落第です。 特にドットファインダーは、望遠鏡のようにアイポイントという概念がなく、わざわざ覗き口に眼をくっつけて覗く必要はありません。 数十センチ離れていても全く問題ありません。 また、ドットファインダーは、両眼開放で覗くのが基本です。 左右の視線を完全に平行にして覗くのです。 そうすると、夜空全体の視野の中に赤い点だけが浮かび上がります。目標が見えている必要は全くなく、星座中の確信する場所に赤い点を持って行けば、確実にBINOの視野に目標を瞬時に捕えられます。 そして、ファインダーが両目で正しく覗ける人は、BINOの光軸も常に完璧に合わせることが出来るのであり、最初からBINOの調整のエキスパートと言えるわけです。
当方でお勧めしているドットファインダー(¥2,980)は、透過率が100%近いもので、X-Y光軸調整付きです。 明るさ調整は無段階調整で、減衰は電源offまで連続しているため、最高に暗い空で使用しても、ドットが明るすぎることはありません。(往々にして、大方のドットファインダーはクリックによる段階調整式で、一番暗い段階にしても、良い空の下では明る過ぎる物がほとんどです。)
My motto is “Truth is paradoxical.”.
The theory that seemed to be perfect often proved to be wrong afterward, and that seemed to be suspicious often proves to be true in the end.
The common sense is not always true, or often times in the wrong.
For example, it is true that the lack of calcium will make our bone weaker, but taking excessive calcium will not necessarily increase our bone density.
The excessive calcium in our blood will cause the avalanche to eliminate the excessive calcium to restore the normal balance and end up still more lack of the calcium in the initial condition.
According to the evolution of the primitive creatures, the first sea lives had no spine because the primitive sea water was full of calcium and there was no need for them to store the calcium in their body.
It is very paradoxical that they earned their spine in the river because there is scarce calcium in fresh water and they had to store it in their body.
Full of calcium and no spine, and scarce calcium and spine. Isn’t it so paradoxical?
By the way, look at the standard medical care of these days.
If your blood pressure is higher than the normal, the doctor is very likely to administer the anti-hypertensive drugs at once.
If your blood contains too much fat, the doctor will do in the same way.
The higher numeric value should be decreased in their manual.
And they never doubt decreasing the value to the normal stage is the “cure”.
Is our body so simple?
上の稚拙な英文をお読みいただき、いくらかでも共感いただけましたら幸いです。 私は時々こんなことを考えています。 随分前に書いた文章ですが、忘れてしまわないうちに記録しておきました。
私の言動が時に唐突に、また偏屈に見えようと、全て”逆説に真理あり”の信念から来るもので、その意味では一貫しているのです。^^; 製品開発に対するポリシーも同じです。
EMS本体部分をのみを作っていただき、binoを組み立ててから1年弱が経ちました。普段観望している自宅のベランダからは天頂から東側しか見えませんので、1年前のリポートではヒアデスやオリオンの中心部、プレセぺの眺めに感嘆したことまでしかお伝えしていませんでした。その後空が1周して、や座、いるか座、こうま座などの小さな星座や、ファインダーでは狭すぎる大きな星団(かみのけ座そのもの(きれい!)、Melotte20(ペルセウス座αのアソシエーション、動きが感じられてヒアデスより凄い!)だけでなく、流星(数時間で数個は見られます)や人工衛星(小学5年生の息子がなぜか人工衛星が気に入ったようで、偶然視野に入ってきた人工衛星を追尾しては喜んでいます。SkySafariでは人工衛生の動きも名前もリアルタイムでわかって、すごい世の中ですね)までもが観望対象になっています。光害地でのdeepskyといえば明るいメシエ天体がせいぜい、という思い込みがありましたが、そうではありませんでした。
ところで、はじめに組み立てたものはとりあえず見られるようにはなったというだけで、重心がかなり高く、天頂付近に向けるとビデオ雲台のカウンターバランスでは足りずに、垂直回転軸のクランプを思い切り締めても筒先がゆっくりと天頂を向くというような状態で、パン棒を常に握っていなければなりませんでした。そこでこの間は主に架台の改善に取り組んできて、最近ある程度満足できるものになりました。以下はその変遷です。
0. フォーク式 未遂
まず思いつくのはフォーク式架台です。しかし運搬時のコンパクトさ(小さなカメラバッグと三脚ケースにすべてが入る)が台無しになってしまうため、この方法は試さずに通り過ぎました。
1. カウンターウエイト/バランス方式 失敗
そうなると次に思いつくのは、鏡筒を載せている台座から筒先側に,垂直回転軸を取り囲むようにコの字状のアームを出し、先端に(ペットボトルを利用した)カウンターウェイトをつけるということでした。これによってバランスはましになりましたが、EMSの精悍なイメージには全く似合わない残念な外観になってしまうのと、重さを打ち消す目的で反対側に重いものをぶら下げるという過剰な感じが気に入りませんでしたので、1~2回ですぐにやめてしまいました。次にバネやゴムなどで筒先側に力をかけようといろいろ試してみましたが、かなり強い力が必要だったのと、やはりスマートさに欠けますので、早々にあきらめました。
2.中軸式架台もどき 失敗
その後、接眼側の重さを筒先側に負荷を掛けることで打ち消すという「しつこい」やり方ではなく、垂直回転軸近くに鏡筒の重心をもってくるという、まっとうな方法はないものかと思案していたところ、K-ASTECさんの「レボルビング装置」というものが目に止まりました(写真1)。本来はカメラの画角を回転させるための装置だそうですが、どうも中軸式架台に見えて仕方がありません。写真のように台座を固定すれば、鏡筒移動式の中軸式架台もどきができそうです(台座がある時点で本質的に違うような気も・・・)。また簡単な水平回転部にレボルビング装置を固定すれば、ビデオ雲台部分は不要になり、全体のコンパクト化と軽量化にもつながりそうです。かなり期待しながらこのパーツを手に入れて少し試してみましたが、重心が高くてうまくバランスがとれません。また、55FLは焦点距離が短く、重心を下げると今度はレボルビング装置のリング部分とEMSが干渉してしまいます。これには未練が残りながらも、既存の三脚と雲台ももったいないし、いったん置いておいて、また別の方法を考えることにしました。
3. “Aspended”式 成功
今ある三脚と雲台を前提として、長い台座の上に二本の鏡筒を配置する以上、どうしても重心が垂直回転軸から遠ざかります。しかし台座の下に鏡筒を配置すれば重心が垂直回転軸に近づくし、手のひらの上に傘を立てているような上載せ式とは違って、安定感もありそうです。しかし目幅を確保しつつ上載せ式と同じように左右対象に配置することは、鏡筒やEMSと雲台が干渉するためにできません。
そこで台座(上にあるので鴨居?)の片側に鏡筒を寄せてしまい、もう片側をクイックリリースクランプで固定するという配置にしてみました。そのために鴨居の部分は以前のものより長いもの(SUNWAYFOTO, DPG-3016)に交換しました。ただこれでは当然左右のバランスが相当崩れてしまいます。そこでささやかながらウェイトの役割を兼ねて、鏡筒の反対側に小型の自由雲台を経由してSkySafari閲覧用のiPadを取り付けました(写真2~。これも「しつこい」やり方なのでは?いや、ウェイトのためのウェイトでなくiPadがたまたまウェイトになっていると考えることにしてセーフと判定)。
これでもまだまだアンバランスなので、雲台とクランプには負担をかけてしまっていますが、いまのところなんとか持ちこたえてくれています。何より水平回転軸はもちろんのこと、垂直回転軸のクランプをほとんど締めなくても天頂までスムーズなフリーストップが実現できており、快適に眺めることができるようになりました。鴨居部分には傾斜センサなどのアクセサリを取り付ける余地も十分にあり、発展性もありそうです(水平軸回転のエンコードはどうしたものか・・・)。
このような方法は既にどなたかが考案なさっているのだろうと思いますが、使い勝手もよく気に入りましたので、”アスペンディッド式”(aspended=asymmetrically suspended)、つまり”非対称懸垂式”架台などと名付けて一人で悦に入っています。これに慣れてしまうと以前のマウント方法が異様なほど腰高で、不格好に見えてきました。一定レベルより大きな口径のbinoでは左右の重量バランスの崩れが許容範囲を超えますが、小型binoの前後の重量バランスを解決する手段として、aspended式はひとつの選択肢になりそうです。
これも松本さんのHPの内容がヒントになっているような気がしますが、どこに書かれていたどんな内容なのは思い出せません。。。
畑
Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
今年の1月19日にレポートをいただいていた55FL-BINOの続報をいただきました。トップヘビー(今回は鏡筒と直角(天地/高さ)方向のトップヘビー)はBINOを自作する際の一つの大きな課題なわけですが、試行錯誤された上、合理的な解を見つけられましたね。 自作派の方々には良い参考になるのではないでしょうか。 これからさらに到達されるであろうところを、楽しみに見守らせていただきたいと思います。
今回の旅行の当初の目的は、数ヶ月前に嫁入りしたFS102-BINO(EM200赤道儀仕様)が兵庫県のマニアの方の共同観測所(峰山観測所)に設置された姿を見せてもらうことでした。代表者のOOSUGIさんが招待してくださったわけですが、私の希望から、そこから車で1時間半ほどの星尋荘天文台(OGAWAさん邸)もコースに含めていただき、姫路からはもっぱらOOSUGI さんの車で案内していただくという、気軽で贅沢な旅を楽しませていただきました。
I have made a two day trip in Hhogo prefecuture to visit four private observatory sites of my clients.
さらに、やはり兵庫県内在住で”のっぽ君1号(15cmF8-BINO)、同2号(15cmF5-BINO)のユーザーのYAMAMOTOさんにも合流いただき、帰路の朝にはYAMAMOTO邸も見学させていただき、大変濃い旅をさせていただいたわけです。
時系列に今回の楽しい旅の内容を記録に留めておきたいと思います。
まずは、11月21日の午前10時半頃、OOSUGIさんとYAMAMOTOさんに姫路駅で拾っていただき、車で1時間ほどの山間部にあるOOSUGIさんたちの峰山観測所に向かいました。FS102-BINOは、通常は赤道義から回転装置ごと外して、密閉保管箱に丁寧に保管してくださっていて、当店の片隅で埃を被っていた頃よりもずっと綺麗に管理されていて感激しました。
The group’s ovservatory headed by Mr. Osugi. The main scope is the FS102-BINO on EM-200(Takahashi) equatorial mount which was taken over from me several months ago.
ここは短時間で切り上げ、次に向かったのは星尋荘天文台(OGAWA邸)です。実は、そこでは、OGAWAさんとの久しぶりの再会の他にも、一つの大きな目的がありました。それは、以前にそこに里子に出していた猫のクーと再会することでした。クーとは6年ぶりの再会でした。普段、自由気ままに広いOGAWA邸の敷地や近隣地域を走り回っているクーでしたが、名前を呼ぶと、ニャーと言いながら擦り寄ってくれました。犬と比べれば淡白な反応ではありましたが、OGAWAさんによると、まだ私を覚えてくれていたようで、感激しました。
Another important purpose of this trip is to see Coo, I parted with six years ago. Yes, Mr. Ogawa is the step-keeper of him. I was very happy to see Coo who seemed to remember me in spite of the long term of no see.
星尋荘と3キロほどしか離れていないところに、EMSユーザーの方(OKAMURAさん)の観測所(龍星庵)があり、訪問させていただけるとのことで、私を含めて4名でOKAMURAさんの観測所を先に見学させていただきました。 それはそれは、立派なスライドルーフの観測所で、2つの大型赤道義が巧妙に設置されており、機材も優秀かつ華麗な物ばかりで圧倒されました。OKAMURAさんはお医者さまで、開業しておられる岡村医院の屋上の一角に観測室を備えておられ、お人柄から、自然に星仲間が出入りされるようになり、環が広がっているそうです。
Dr. Okamura’s sliding roof was full of fabulous telescopes as you see. He is a user of my EMS-UL for the single use.
その後、また星尋荘に戻り、あいにくうす曇りの天候ながら、ドームの主砲の40㎝ニュートン赤道義や、別に併設されたスライドルーフ観測室をじっくりと見学させていただき、20時過ぎまで下の談話室で歓談させていただきました。
Mr. Ogawa keeps a 4-meter dome,40cm Newtonian on equatorial, and a slinding roof respectively.
15cmF8-BINO; from New York to Ono-City, Japan
普段は観測棟には入らないクーですが、帰り際には、真っ暗の中を見送りに出てくれ、横腹をすりすりしてくれました。
OGAWAさんは、何度も当サイトにリポートを投稿してくださっていますが、実は、行き場を失いかけていたクー(猫)を引き取ってくださったのが、このOGAWAさんなのです。
OGAWAさんの過去のご投稿:
ISS観望記
ニューヨークより
翌朝(22日)は、またOOSUGIさんに姫路のホテルで拾っていただき、YAMAMOTOさん邸に寄り、のっぽ君1、2号機と再会しました。出来立ての15cmF5-BINO(version-10)はYAMAMOTOさんの手によって、真鍮ウェイトやハンドル部品が鏡のようにピカピカに研磨され、先日お引渡しした時点よりもさらに洗練されていましたが、初期の15cmF8-BINO(のっぽ君1号)も大変よく管理され、現役をしっかり果たしていて感動しました。
Mr. Yamamoto is the owner of the old 15cm-F8-BINO and the new 15cmF5-BINO.
2006,1/23;22:22, by Mr. Yamamoto (North Sky above his House)
そこでしばらく歓談、写真撮影をさせていただいてから、また3人で鳥取のメガネのマツモト(当店)に向かいました。(車で送っていただいた。^^;)
実は、この旅はそれで終わりではなく、もう一つの大きな目的がありました。それは、私からしますと、CAPRI102ED-BINOの納品であり、OOSUGIさんからしますと、その引取りでした。
当方には正午過ぎに付き、最終的な追加工やご説明、また歓談をしている内に時間は瞬く間に過ぎ、OOSUGI さんと YAMAMOTO さんは16時少し前に CAPRI102-ED-BINO と共に帰路に付かれました。
Mr.Osugi and Mr. Yamamoto kindly drove me home and Mr. Osugi took his finished CAPRI-102ED-BINO home in his car. (I went there by train and I could not bring it with me.)
最後に、この楽しい旅をずっとご案内くださたOOSUGIさんとYAMAMOTOさん、そして快く迎えてくださったOGAWAさんとOKAMURAさんに、改めて心よりお礼申し上げます。
ハイランダーでは、マウントホルダーを双眼鏡側に常設しますが、小型EMS-BINO用の汎用モデルでは、発想を逆転し、 軽量マウント側にホルダーを常設します。 ホルダーの天には、アリガタをセットしておきます。
BINOのフレームにアリミゾを装備し、一体のBINO本体をそこで着脱、かつバランス調整(前後)をします。 フリクション調整ネジは、写真では臨時的に キャップボルトを使用していますが、使い勝手を見ながら、ローレットネジまたはクランプレバーと交換します。 BINOのフレームの天には、15cmF5-BINOと同じ(少し短い)取っ手を 取り付けます。 ジョイント板のUカットは、右端の写真のように、天頂時に垂直回転軸アーム(ブラケット)と干渉しないためです。前のジョントにはUカットは不要ですが、パーツを共通化することと、 軽量化のためです。
こんにちは、以前130EDT-BINO(中軸架台)を作製いただきました奥田と申します。 大変ご無沙汰しております。その後お変わりはございませんでしょうか。 「製作状況速報」で紹介され、次々に新たな技術や工夫が実現されていく中軸架台 について「まだこんなにも進化する余地があったんだ」と楽しく見せてもらってい ます。
さて私の方は、大型双眼鏡(←この架台も松本さんに作製いただきました)や大口 径ドブソニアン等に浮気しながらも、たまに(!)星見遠征をしています。 この3連休(10/10-/13)も星見遠征をしようと思っていたのですが、どうも生憎の 曇天続きになりそうだったので、思い切って金曜日(10/9)の深夜に片道3時間弱 をかけてとある山の中の星見スポットの駐車場へ出かけてきました。相棒は久しぶ りの出番となった130EDT-BINOです。
仕事から帰ってからバタバタと無理して出かけた甲斐もあり、大変満足できる星空 に出会えました。これまで幾つも感動をもたらしてくれた130EDT-BINOですが、この 夜の遠征は今まで以上に「光学性能」及び「双眼視」の素晴らしさを感じることが できました。‥というのも、きっと集光力や解像度に関しては130EDT-BINOの何倍も 高性能と思われるドブソニアン(単眼視)との比較を体感できたからだと思います。
西の空には夏の天の川の残骸、東の空は冬の勇者が昇って来る前という、賑やかさ という点では一寸さえない秋の星座でしたが、そんな中130EDT-BINOは威力を発揮し てくれました。
《M33》
「明るく大きな銀河なのに望遠鏡で見るとがっかり」という表現の多い渦巻き星雲 ですが、実はこの夜はじめて腕をウネウネ(?)しながら渦を巻く様子が確認でき ました。たまたま現地でお会いした方にも見ていただいたのですが「これ程ハッキ リと渦を巻く様子は初めて見ましたよ」と高評価 ^^)v 事実、以前ドブソニアンでも見ましたが、その時は大きく広がっている様子は確認 できるものの渦を巻く腕を確認するには至ってませんでした。これは双眼視による 効果が大きな気がします。
《M31(M32、M110)》
これも超メジャーな割に、いま一つ望遠鏡を通して見ても「感動」が少ない対象の 一つです。少なくとも個人的にはそう思っています。きっとネット上にアップされ ている素晴らしい写真とどうしても比較してしまうことがその原因であると思いま す。しかしこの夜、130EDT-BINOで見たM31はこれまでのものとは全く違いました。 中心部分の明るいところだけでは無く、どこまでも星雲が広がる様子や暗黒帯(?) そしてその暗黒帯に沿ってガスがモワモワと波を打つような様子もくっきり見えま す。また伴銀河であるM32やM110も濃く見ることができ、御本尊(M31)単発ではな く3銀河まとめて楽しめました。
《NGC7293》
水瓶座ということで、ただでさえ低空の上に時間的にも厳しい条件の中、ぽっかり 漆黒に浮かぶ様子は「幻想的」の一言に尽きます。またネビュラフィルタを使って 見ると、大きな光芒だけでは無く濃淡がよく確認できます。 過去色々な機材で見てきたましたが、正直「ドーナツ」な様子を確認するに終わっ ていましたが、実は見応えのある対象であることを再認識できました。
その他
薄明までの短時間でしたが色々な対象を視野に入れて楽しんだのは言うま でもありません。ただメジャーでありながらもこの夜改めて大きな感動を受け、こ れまでの印象がガラリと変わった対象を紹介させていただきました。
当然のことですが、球状星団や暗い銀河に関しては大口径ドブソニアンに軍配が上 がるのでしょう。ただ「星々の合間に”自然”に浮かび上がる星雲・星団」を眺める のは絶対”双眼望遠鏡”であり”正立像”であると思います。何より「綺麗」で何より 「楽しい」と感じざるを得ません。
決して「手軽」とは言えないサイズのBINOではありますが、やはり元々期待してい た、”一寸運搬に苦労しても、現地で「高い質で満足できる遠征」” という目的を キチンと達成していることに改めて喜びを感じています。
長文となってしまいましたが、この夜の遠征成果、そして喜びをどなたかと共有し たく、久しぶりにメールをさせて頂いた次第です。
失礼いたしました。
追伸; あと、一点コメントし忘れていたことを思い出しました。 前回の130EDT-BINOのレポートで、鏡筒の取り付け方法に関して、 「鏡筒の脱着については一寸だけ改良ポイントがある」 旨のレポートを書かせていただきました。 しかし実際にはこれは完全に”慣れ”の問題であり、現在全く問題 無い上に、「安全」かつ極めて「スムーズ」に鏡筒の脱着が行え ていますことも報告させていただきます。
東京都 奥田浩
奥田さんの過去の投稿;
ケアンズ日食と90度対空双眼鏡 (2012年11月16日)
130EDT-BINO(中軸式架台仕様) (2013年9月8日)
Comment by Mtsumoto /管理者のコメント;
奥田さんが2年ぶりに130EDT-BINO(初期中軸式架台)の続報をくださいました。
このBINOの製作記事は、製作情報速報の2012年5/23~8/2の間に掲載しております。 CNCフライスを導入してから比較的日が浅く、アマチュア的な、労苦を厭わない^^;発想で製作した、最後頃の製品と言えると思います。 長期間を 要した、苦心の作品でした。 それだけに、長期間に渡って愛用してくださった証の続報をいただきますと、感動ひとしおで、またBINOを作り続ける エネルギーを充填いただいたような気がいたします。
これが、中軸式架台の垂直回転部にエンコーダを仕込んだ最後のモデルとなりました。 現在の中軸式架台は、傾斜センサーの開発により、垂直軸の エンコーダが省け、ずっとシンプルな構造になっています。
奥田さん、この度は、また、素晴らしい続報をありがとうございました。 続々報もお待ちしていますので、またぜひよろしくお願いいたします。