EPS; Innovative Erecting Prism System / 画期的な正立プリズム

I have made an experimental optical device that is extremely beneficial for the learner of Optical System. At the same time, I would like to announce the unprecidented Erecting Prism System,”MATSUMOTO-PRISM” that I beleive I have invented.
Amici prism with rhomboid prism on top is not new and used on the recently released APM100/120-90deg. binoculars, as you know.
My idea is quire different from it, despite that 4 relfections are used incluging one Amici.
The shorter the better is the distance between Amici and eye-piece, and the best position of AMICI is  just under the eye-piece. The longer distance from eye-piece means the larger AMICI required. In the case of my Prism System, the AMICI locates just next to the eye-piece and gives the enough lateral shift in combination with the mating right angle prism as a unit. The point is that the second group of “2+3″(one right angle prism+Amici; 3 reflections in total) in the position above will not cause any image rotation by the motion of IPD change. In general, any odd number’s reflections system in U-return won’t cause any rotation of the image, just like the even nuber’s reflections system in the same direction won’t cause any  image rotation either.
I will tell you just to be sure that I am not shifting from EMS to above mentioned new prism system, but just wanted to suggest my new idea to you, from my accademic interest.
Studying other erecting system will lead to admit the speriority of the EMS in the end.
 2回反射のEMSよりシンプルな正立系はあり得ませんが、多忙な仕事の合間にちょっと脇道に逸れてみました。(滅多にない気分転換なので、お許しを)
(2回反射で正立像が得られる)EMSは基本的な光路構造はもう変えようがありませんが、「仮に4回反射の条件で新規な方法がないものか?」ということについて、思考実験を 重ねたことがあり、ずっと以前(20年以上前)に到達していたアイデアをこの度試作して検証しました。
4回反射の内の2回は、EMSもしくはアミチが入るのですが、残りの2回をどう処理するかです。広く知られた方法は、アミチの上に菱形プリズムを配置して光路 長変化の無い、接眼部回転による目幅調整を実現したものです。しかし、この方法は、アミチプリズムが接眼レンズから相当遠くなり、光束が太くなる上にダハの悪影響が顕著になるため、倍幅の巨大なアミチを用意して、稜線を光路から避けて使用することが多いようです。
 私の着眼は、アミチ(or EMS)と加算する2回反射を分けてしまうのではなく、アミチと直角プリズム(1個)を合体させて一つの ユニット(すなわちコーナーキューブ)を構成するものです。この3回反射の逆視系(光路が180度折り返す)は、全系を回転させても像が回転しません。 これを上の写真群のように使用すると、 光路長の変化のない目幅調整が実現すると共に、アミチをアイピースのすぐ下で使用でき、ダハの影響を最小限とすることが出来ます。このことが、一般の双眼鏡の工業的な 製造過程でどう意義があるのかは分かりませんが、少なくとも新規な正立プリズムの提案になるのでは?と思うわけです。
少なくとも、自作マニアが、市販のプリズム(EMSを除く)だけを組み合わせて現実的な90度対空のBINO(ファインダーBINOを除く)を自作したい場合の良い解決策ではないかと思うわけです。 これを発表しても、私に直接的利益はありませんが、どなたかが先に発表される前に、私のアイデアとして公開しておきたかったわけです。^^;
このプリズムのその他の特長は、総光路長に対して、かなり大きい最大横シフト量が確保できることです。写真の試作品は31.7サイズの天頂プリズムとアミチプリズムを使用して、 光路長≒160㎜ですが、最大(片側)横シフト量≒62.5㎜もあり、目幅=60㎜の時の最大“D”=185mmとなり、単純計算では口径15cmクラスの鏡筒まで射程に入ります。F値の極端に小さい 対物には向きませんが、(この31.7サイズのプリズムでも)F6付近以上であれば軸上の口径は確保します。 口径30㎝前後までのBINOであれば、常識的なEMSの延長で対応できますが、 口径が1m前後以上のBINO等、通常のEMSの拡大コピーの実現が困難になる場合や、集団での使用等で光路長変化のないシンプルな目幅調整が優先される場合には、有望なソリューションに なると思います。
 もう一つ、Fの大きい太陽観測用のBINOにも使い道があるかも知れません。(構成直角プリズムの一つを太陽用と交換) また、昨今のアイピースの巨大化に対して、より低重心で接眼部が収まることも二次的な効用と言えるでしょう。
(写真の試作品は、BINO自作マニアの教材として格好の装置ですが、日々の仕事が待っているので、しばらく封印することになりそうです。4回反射としては最もシンプルで現実的なシステムに 見える同プリズム系であっても、EMSを見ると、いかにシンプルにBINOのほぼ全ての要素が網羅されているかが良く分かります。多少月謝を払って遠回りされても、それを理解するためにも、こうしたオモチャをいじってみる 価値はあると思っていますが・・・。^^;)

Two pairs of the EMS-UXL sets completed

Mirrors ready to be installed into the housings:

ミラー台座はすでに各ミラーの裏側に固定してあります。エッジングからコバ塗りまで、細心の注意を傾けて作業しています。最終的に微細な傷等があったにせよ、それは製作者が許容したものだとご理解ください。(当然ながら、実用的に問題があるミラーは使用しません。)

The first stage of the assembly:

大型ヘリコイドは、大型ハウジングに直接取り付けることも可能ですが、今回の2例では、8mm高のスペーサーを使用します。

Two pairs of the EMS-UXL sets completed:

One is for the US,TEC-140, and the other for the 15cmF5-BINO.

EMS-UXL 2セットです。 一組は米国向け、TEC-140に使用されるそうです。

もう一組は、15cmF5-BINO用です。月末にお引き取りに見えるということで、時間的猶予をいただきました。(EDT130-BINOもまだお引き取りいただいていないので、現在、珍しく2台のBINOが当店内で依頼者の方をお待ちしています。ご見学いただく絶好のチャンスですよ。^^)

Eye Booster / 巨人の眼(テレコンBINO)

Base holes being made. 下穴工程。

Steps are being processed on the base holes. 段差工程。
Thread milling being processed. ネジ切り工程。
Outline milling being done. 外形工程。
10 pieces of the plates are finished. 10枚仕上がり、これよりアルマイト工程です。
Front view. 対物側。
Eye-side view. 眼側。

The IPD is 70mm because of the diameter of the lens. But, because of the extra-large eye-lenses and the excellent off-axis performance, there was no strain even for me of 62mm of the IPD. Your eye performance will be boosted up to twice, as if you became 12-feet of the Giant, that must be a thrilling experience.

テレコンの外径から、目幅70㎜(固定)が最小限界でしたが、アイレンズが過剰に大きいことと、軸外性能が良いので、目幅62㎜の私が使用しても違和感はありません。

(こうした受注は極力お断りしていますが、BINOのリピーターの方のご依頼だったこと、また一定数量をご依頼いただいたこと、また私自身が以前からやってみたいと思っていたことが合致してお引き受けしました。暇だったわけではありませんが、先に延ばしていたらいつ出来るか分からないので、直ちに仕上げました。^^;)

EWV32mm comes back as “MASUYAMA32mm”

I do not like the new eye-ring that consumes some of the eye-relief.
まず、このアイリングはアイレレーフを消費していて、改悪だと思った。

But, later found it was replaceable.
でも、簡単に取り外せることが分かった。

The field stop is as large as 47mm as before.
視野環径は以前の通り、47mm。スペック表示の85度は相変わらず??ですが、(正のアイピースとしては)2インチバレルで最大限の実視界を確保していることには間違いありません。(見かけ視界の上げ底表記はほぼ全メーカーがやっているので、仕方ないでしょう。)
低倍広角用として、非常に抜けの良い快適なアイピースだと私は思いますが、視野周辺までの点像等を最重視する方はまた違う選択肢があるかも知れません。ただ、双眼使用では、目幅によって外径の制約がありますし、このコンパクトな32mmは少なくともBINO用の低倍用アイピースとしてお勧めできると思っています。

Warning against false spec display on FOV / 上げ底表記にも限度がある!

Makers seem to be well aware that the more FOV display will promise the more sales.
It is very like actors or singers fudging on their height for their popularities. But I think they never fudge by inches, for fear of the fudge to be exposed, while there seems to be so many eye-pieces in the market  as too much FOV displayed in the specs.
アイピースの見かけ視界表記、売れ行きを大きく左右するので、少しでも背伸びしたいメーカー/販売店の気持ちは分からないでもないが、ちょっと度が過ぎやしませんか? と言いたくなることが多くあります。
下の図のようなディストーションがあれば、見かけのA’はAが間延びしただけですが、A’の円を見かけ視界だと主張するのが許容されているように見受けます。
これだけでも、実視界×倍率=見かけ視界(見かけ視界÷倍率=実視界)の計算式を破綻させますが、こんなのはまだ可愛い方で、視野環の内径であり得ない見かけ視界表記をしているアイピースも非常に多いように見受けます。一度製造中止になり、改良?されて再開されたアイピースがありましたが、表示を正常(正直)に戻すチャンスを放棄されたようで、残念でした。^^; 数式の提示は割愛しますが、正のアイピースであれば、視野環内径をノギスで測定すれば、焦点距離から見かけ視界は簡単に算出できます。(Arctangent)
正直なメーカーがほぼ皆無の現状では、消費者は視野環の内径で判断しないといけないようです。(負のアイピースだと測れませんが。)

Earthquake in Central Tottori Pref. / 今日の地震

Thank you very much for your concern about the earthquake.
Fortunately, I and my family suffered nothing and the eastern part of Tottori Prefecture got almost no damage either.
I am very happy to have  good friends having concern from abroad.
The total earth seems to be in a period of brisk seismic activity these days, I wish we would escape the future calamities together.

ご心配くださってありがとうございます。

幸い、当方では(人的、物的)被害は皆無でした。 ご心配のメール等、本当にありがとうございました。

揺れのほぼ最中に高齢な男性の来客(後で元大学教授と判明^^;)があり、対応に追われました。揺れが収まりかけた頃に、その方が杖を突いて自動ドアの前に立っておられたので、店内に導きましたが、相当な揺れだったにもかかわらず、地震には全く気付いておられませんでした。^^; そのままお帰りいただくわけにも行かず、(TVのニュースで震源が県中部だったこともあり、)ご希望通り、検眼をさせていただきました。

The large pendulum clock in our garage stopped just in time of the earthquake.

夕方、駐車場のシャッターを閉めに行ったところ、壁に掛けていた振り子時計が地震の時刻で止まっていました。

陳列物の落下もありませんでしたが、余震や本震にしばらく警戒しないといけないようです。

取り急ぎ、無事のご報告とお見舞いのお礼まで。

EDT130-BINO COMPLETED / 完成

Handle unit is attached.

ハンドル(兼カウンターウェイト)ユニットをセットしました。

3枚玉の重厚仕様の鏡筒はどうしても著しいトップヘビーになります。EMS-UXL、アイピース、ハンドル(ウェイト)等をフル装備して、何とか自然な外観になりました。^^ F7は結構長い。(いつもF5に見慣れているので。15cmF5アクロの方がずっと軽量コンパクトです。) ただ、中軸式架台は常に左右の搭載加重のモーメントが相殺されることや、重心のシフトを最小限にしているので、総質量のアップは安定性の向上に貢献しこそすれ、操作上のデメリットはありません。

130EDT-BINO completed / ほぼ完成

The flange was so thin that a band is attached for the bases of the finder and the handle unit.

フランジが薄過ぎて(短すぎて)ファインダー台座用のネジ穴が施工できなかったため、ファインダーと着脱式ハンドルのベース確保用に鏡筒バンドを利用することにしました。 予想以上にトップヘビー(3枚玉)だったので、それを緩和する意味もあります。(ファインダー台座は鏡筒直付の方が外観はすっきりしますが、バンド方式の方がアクセサリーの取り付けの自由度は増します。)

(外注していた水平回転部の仕上がりを待ったため、遅くなりました。)

12cmF5-BINO on the smaller Center Mount / 軽量中軸架台仕様&目幅スライド

12cm F5 BINO  レポート    愛知県 てる

 まず初めにこの度はこの素晴らしい双眼望遠鏡の製作をして頂いた事に深く感謝いたします。

又受け取りの際にはせっかく鳥取まで行くとの事で、小旅行を兼ねて夫婦でお邪魔させて頂き、申し訳ありませんでした。

以前より双眼鏡ファンであった私は、雑誌等で松本様のEMSを使った双眼望遠鏡が非常に気になっていて「一度覗いてみたい」と思っていたところ、「双望会」の存在を知り参加する事にしました。

初双望会で事もあろうに初めて覗いたEMS双眼望遠鏡が「TOA130+ナグラータイプ4 22mm」という素晴らしい組み合わせで、覗いた瞬間 「凄いクリアーな視界! 星々の色がめちゃくちゃ美しい」今までに経験したことが無い美しい視界に目から鱗が落ちる思いでした。

これ以後、言うまでもなく恐ろしい病にかかってしまい、寝ても覚めても「EMS双眼望遠鏡がほしい・・・」とかなりの重傷ぶりでした(笑)。

今回のオーダーに当たって使用する鏡筒は迷いなく決めていました。 観望の対象は「彗星」と決まっていましたので、倍率は低めで広視界が前提となるので、F5のアクロマートで十分と考え決めました。(彗星が無いときは星雲・星団にも使いますよ~)

もちろん予算の関係もありますが、高倍率で見るのは主に「惑星」となる為、こちらの方はアポクロマート屈折+双眼装置に任せるので問題なしです。

口径については所有の双眼鏡が「フジノン40×150ED」と「ミヤウチ20×100」が有りましたので、大きく重いフジノンは稼働率が低く又、10cm以下はプリズム双眼鏡に任せるという判断で 12cm と決めました。もちろん7~8cmも気にはなりましたが、こちらは今後の楽しみという事にしておきます。又、架台の方は出来るだけ稼働率を上げる為少しでもコンパクトにしたかったので小型中軸式架台としました。

出来上がりの主な仕様は

・軽量中軸架台

・左右鏡筒一体搭載方式

・右側鏡筒スライド式目幅調整

・EMSはULS

・3インチフォーカサー

・架台延長筒+ハンドルユニット(兼カウンターウエイト)+ドットファインダー、といった感じで、オリジナルのケンコー120SEはあまりカッコ良いとは言えませんが、出来上がりはなかなか精悍になっていて ほっとしました。

まず初めに実際に使ってみての感想・気が付いた事(主に操作性)を箇条書きにしてみました。

①高度軸径が小さいのでクランプの効きが弱く、鏡筒の前後バランスをしっかりとっておく必要がある。

②右側の鏡筒が目幅調整の為スライドするので、こちら側の鏡筒ハンドルを持って向きを変えると視線方向がわずかにズレ、その都度ミラーの微調整が必要。

③予想より結構重く、一体搭載としては私にとって限界的な重量か。

12cm F5 BINO 12kg

フジノン40×150ED 18.5kg+27kg+8.3kg=53.8kg

ミヤウチ20×100 5.7kg  (本体)

参考ニコン20×120 16kg(本体

④ガタ無くスムーズに動く架台は気持ちがいい!

⑤当たり前ですが90度対空は疲れ知らずに長く観察出来る。(フジノンの直視での天頂付近は地獄です)

⑥優秀な現代の2インチアイピースが使えるメリットは計り知れない!

以上揚げましたが、①は初めから予想出来た事であり、②はフロント側にもクランプを追加する事で解決しました。 又③は使用頻度を高くする為の許容重量という点での感想であり、私個人が鍛えれば良いだけ?  の話で、いずれも「欠点」とは考えなくて、「特性」と捉えています。

つぎは気になる光学面、つまり見え方ですが、私はこのBINOに「どこまでフジノンに迫れるか」を期待していましたので、倍率と視界がなるべく同じにして観察してみたいと思っていますが、なかなか天気にも恵まれないまま日にちだけが経過してしまいましたので取り敢えずは第一報とさせて頂きます。

次の機会は下記の対決❓を報告させて頂きます。

フジノン 40×150ED   実視界:1.7度 見掛け視界:68度

12cm F5  EMS BINO 実視界:1.8度 見掛け視界:68度   (使用アイピース:SE社 16mm)

Comment by Matsumoto;

てるさん、12cmF5-BINO(特別仕様)のリポートをありがとうございました。

ご希望に従って、この口径クラスでは微妙に判断が分かれる、一体構造BINOでかつ鏡筒スライド式、かつ軽量中軸架台仕様という、何重にも冒険的な仕様に挑戦してみました。 何とか仕上がった、という意味では成功でしたが、工作の手間と見返りを考えると、微妙な結果となり、少なくとも定番として継続仕様とするに至っていません。 難点も多く残してしまいましたが、上手に使いこなしてくださっているようで、嬉しく思います。 また続報を楽しみにしています。^^

当BINOの製作記は、製作情報速報の2015年12/5~2015年12/30頃まで掲載しております。