手作りは楽し(I さん筆)

小さい頃、私は「破壊屋」と呼ばれていた。何でも物心がつく頃、家の自転車をまるごと解体 してしまったのだそうだ。当の私には全然記憶がない。ただ、スパナを持ってあちこちの機械類 のボルトを外して回ったことはうっすら覚えているから、自転車を解体したのもおそらく事実なの だろう。三歳か四歳頃の出来事と思われる。こうしたこともあって、私は周囲から将来機械屋に なるだろうと思われていた。その通りにはならなかったが、小さい頃からメカニズムには強い関心 があった。もののしくみや働きが知りたくて、どうしてもそれを分解したくなってしまう。 ところが一度分解したものを元通りに組み立てるのは遥かに難しく、かなりの習熟を要する。 それに挫折し、それこそ分解が破壊に終わってしまうことが多かったわけである。

しかしながら、私は物を壊してばかりいたのではない。ものを作ることにも大いに熱中した。 コマ、竹馬、チャンバラの刀など、遊び道具は大概自分で作った。腰に鉈をぶら下げ、山を歩き回 って材料を見つけてくるのである。極め付きは木の橇であった。適当な木を選び、鉈と鋸と金槌を 使い半日がかりで「愛馬」を仕上げる。郷里釜石はほとんど雪が降らないので、テカテカに固めた 土の斜面を滑るのであるが、傾斜によっては恐怖感を覚えるほどのスピードが出、実に爽快で あった。

このようなわけで、大工仕事や、金属を加工する仕事には今でも関心がある。工房を構え、 レンズや反射鏡を磨き、金属を削り出して手作りの天体望遠鏡を作ったり、自らの力で一軒の家を拵え るのが生涯の夢である。望遠鏡を作るのはもしかしたら実現可能かもしれないが、家はおそらく無理 であろう。昔、近所の棟梁が息子一人を助手にして家を建て上げたのを見て感嘆したことがあり、自分 もいつかはと思ってきたのであるが、それこそ叶わぬ夢であろう。

私は、医者にならなかったら、大工か旋盤工になっていたかもしれないと人に語ったことがある。 それほど私は、ものを作るのが好きだし、ものを作る人々を心から尊敬しているのである。イギリス には家具の修理を専門とする職人がおり、ヴィクトリア朝などの古い家具を修理する仕事が立派に職業 として成り立っている。そのような職人に私は憧れている。いつかNHKの「手仕事にっぽん」という 番組で、壊れた腕時計を修理する職人が紹介されたことがある。折れた歯車の歯の修理の際に、廃品の 歯車の歯を切り取り、それをハンダ付けして再生するという非常に細かな作業であった。修理が見事に 成功し時計が再びチチチチと動く音がとても感動的であった。また、東京の南部の町工場には、 素晴らしい金型職人や自分の指先でミクロン単位の違いが分かる旋盤工がいる。このような人達こそ、 国の宝と言わずしてなんと言おうか。額に汗し泥や油にまみれてものを作り出す仕事こそが価値がある のだ。もの作りへの関心を失い、濡れ手に泡式の金儲けに走るこの国は一体どこへ行くのだろうか。

大層偉そうな話になってしまったが、もの作りが好きだといっても、私自身は非常に不器用な人間 である。ただ、何故かものを作るのが楽しく途中で投げ出したりしないだけである。小学や中学の頃は 技術の時間が少なく、「手本」通りに作ることを要求されたり、自分の作品を他人と比較されたりする ことがなかった。学校教育には功罪両面がある。自分のもの作りへの情熱が学校教育でスポイルされ なかったのは幸いであった。

いつだったか、病棟の輸液ポンプの把手付きのボルト(ポンプをポールに固定するボルト) を修理する機会があった。プラスチックの把手が割れ、ボルトが曲がっていた。業者に修理を依頼して いるが埒があかないという。それではと修理を買って出た。ボルトの径は九ミリ。ボルトにはネジのピ ッチが異なる二つの規格があるが、そのどちらとも違う特別の規格らしい。曲がったボルトを使うしか ない。万力に一方の端を固定しモンキーレンチで他端を挟み力任せでどうにか曲がりを修正した。把手 には、望遠鏡メーカーののみの市で入手したアルミ部品を使うことにした。精確にセンタリングし、 卓上ボール盤を使ってシャフトに九ミリの穴を掘った。それに垂直にわ き側方から三ミリの穴をシ ャフトに開け、ネジ穴を切る(タッピングという)。把手をボルトに固定するネジ穴である。把手を回 しやすいように四隅にヤスリで円形の切れ込みを入れ、ボルトに横ネジで固定して完成。正味四時間。 久しぶりに創作の喜びを味わうことができた。

私は、このような仕事が全然苦にならない。家でも、ちょっとした修理や障子張り、網戸張り などは自分でする。かくして、女房に「医者をやめても食べていけるわね」と適当におだてられながら 便利屋を務めることになるのである。

 

I wonder how many astronomy manias would know the initial type of my EMS I had released in 1989 in Japan. This Amici-analogue type of EMS was originally made by me before 1980, and my article appeared in November,1982 issue of Sky and Telescope magazine.

Catering to the order of initial type of EMS user, I made a 36.4mm-thread to 2-inch adapter, and I had touching gratitude e-mails from him with some attachment of his moving essays that impressed me so much. I am sorry that I can share them with only those who can read Japanese. But, if you can, please try it to read.

DIY is Fun

From ” My Diary on duty at the Hospital”

Here are the related articles concering to the initial or next-initial EMS.

125ED-BINO & EMS-1

Handy EMS-BINO

A folding wheel chair

You can see the anatomy of the initial EMS in my TV program below.(in Japanese only)

Dream chaser(Challenge to the stereotype…)

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6月5日に、「36.4ネジ(望遠鏡)接続タイプの小型EMS用に、”36.4ネジ→50.8φ差込”の アダプター製作」のご依頼を、岩手県の I さんという方からいただきました。

最初にピンと来たのが、10年以上前に製作したことがあった、箱型のEMS-Sでしたが、よくお聞きしたところ、 それではなく、何と、一番初期のアミチプリズム型のEMSではありませんか。 それをずっと今日まで愛用してくださって いることに加え、最近、代理店さん経由でEMS-ULも追加購入してくださっていました。(左の写真の下の隙間からEMS-ULが少し見えます。) もちろん、今忙しいから・・と、 とても断ることは出来ませんでした。^^;(横のアルマイト未処理のアダプター単体は、当初にお作りしていたPENTAX(105EDHF)用です。)

感激はそれで終わりではありませんでした。 完成したパーツの納品後にいただいたメールには、アダプター製作を 喜んでくださったお気持ちが綴られていたわけですが、添付いただいた以下の2つのワードファイルには 大層心揺さぶられ、I さんに無理を言って、ここで紹介させていただく次第です。

手作りは楽し

ある日の「医師当直日誌」より

どんな職業でもそうだと思いますが、日々の仕事は、ややもすればストレスが溜まるものではないでしょうか。 地道な誠意は伝わりにくく、派手なパフォーマンスをする世渡り上手は脚光を浴びやすかったりします。

しかし、こうしてたまに遭遇する、心の琴線に響く client との出会いが、歩き続ける元気を与えて くれるのだと実感させられます。 振り返ると、実際そうでした。

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初期(と準初期)のEMSに関係した日記とリポート

125ED-BINOとEMS-1

Handy EMS-BINO

折りたたみ式車椅子

また、以下のテレビ番組の中でも、初期のEMS(正立ミラーシステム;EMS-1)の内部構造を分解してお示し しています。

夢をつむぐ人々(常識への挑戦・・)

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人生はうたかたの夢。初期のEMSを開発してから、あっという間に過ぎ去った時間が折り返した頃には、私はすでにこの世に いないか、いたとしても、もうこの仕事はしていないでしょう。 想い出も、またかかわった人たちも、いずれは消えて行く宿命 ではありますが、臨終に思い出すであろう甘美な出会いに恵まれたこと(多分これからも)を改めて幸せに思います。

C5-BINO on the MiniTower-Pro / follow up report-2! 続報-2!

続報(2)

ご無沙汰いたしております。我が「C5モバビー」も、製作後何年か経ち、 その架台も含めて数か所改良しましたので、ご報告いたします。

C5本体についての追加点は、
1.本体フードの取付
2.鏡筒前部へのバランスウェイトの取付
3.副鏡光軸調整ねじの取り換え
4.レーザーポインターの取付
5.正立ファインダーフードの取付
6.カメラ雲台の取付
7.iPadの取付
8.アイピースレデユーサーとEMSの保護フィルターを取り外し、 ケンコーのAC3(48ミリ)の取付。
です。

経緯台についての追加点は、
A.スカイファイの取付
B.延長タワーの取付
C.バランスウェイトシャフトの延長シャフト取付加工
D.バッテリー兼カウンターウェイトの採用
E.ハンドコントローラー装着金具の取付
です。

1.は、金属業者に依頼し、アルミ製のしっかりしたもので、フェルト材の巻き付け物とは異なり、しっかりとした物に できました。

2.の採用理由は、仰角のバランスが悪く、軽く望遠鏡を触る程度で垂直軸のロックが緩んでいましたので、 取り付けることにしました。まず、望遠鏡を垂直に立ててバランスをとり、次に、望遠鏡を水平にしてバランスする ように、望遠鏡を前後させます。そうすることにより、望遠鏡はどの位置でもバランスできるようになります。
3.は、工具を使用しないで、光軸調整をやり易くするためです。
5.は1と同じ業者に依頼し、作成してもらいました。ネジを切っていますので、取り外しは簡単です。
6.のカメラ雲台の取付は、取っ手にメスネジをきって、そこに取り付けました。小さなネジを大きなネジの上に取り付け 、2点止めにしていますので、緩みによる回転などありません。
7.のiPadは、スカイサファリプロと連動しており、画面をタッチするだけで望遠鏡が自動導入・自動追尾を開始します。これは大変 便利です。導入制度も1度以内の視野でしたら問題なく導入できます。iPadのスカイサファリは、スカイファイを経由してWi-Fiで経緯台 本体と繋いでいます。

Bは、I.OPTRON社のオプション製品です。
Dも、I.OPTRON社のオプション製品約で、3.5キロのウェイト兼用バッテリです。これも、非常に重宝しています。一晩使っても問題なく、、他社赤道儀 などにも利用できないか検討しています。
Eも、ちょっとしたことですが、あると便利なので、業者に依頼し作成してもらいました。アルミ製のしっかりした物で、カチッと 収まります。

簡単に持ち運びできますので、観望会などには重宝しています。スカイサファリの惑星拡大画像をiPadで表示し、 覗いた時の実際の画像と見比べられるので、皆さんに喜んでいただいています。

塩塚
2014年6月8日

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 また塩塚さんに無理を言って、いただいたメールをそのまま掲載させていただきました。  こうして納品後、何年後でも、初期の motivation を失われることなく工夫を重ねておられると、本当に嬉しいものです。

  塩塚さんの過去のリポート;

C5-BINO on Mini Tower(2012,2/05)
C5-BINO follow-up-1(2012,2/13)

Rotative mechanism (FSQ106-BINO) / FSQ106-BINO用の回転装置-1

 

 

This is the combination of the moduled rotative mechanism and the slide unit I had developed before. Note the XYZ axised penetrations of the columns that have resulted in the simplest structure inattaining the double function.

モデュール化した回転装置と、すでにモデュール化に成功している新型のスライドユニットが合体しました。(というか、一部がその機能を兼ねます。) 3本のジュラルミン丸棒による XYZ-軸状の(擬似)相貫構造が、本来の回転子と鏡筒の水平保持ベース(スライド機構)を極めてシンプルに達成していることにご注目ください。

 

X95-BINO and 15cmF5-BINO(V.9)

2年半ほど前に星見を始めた団塊世代の高齢者です。
月と木星、土星をまず見てみようと思って初心者向けの望遠鏡を購入。それなりに見えるものの、長く見続ける気にならず 「さてどうしたものか」と取り出したルポルド6×30で見るスバル、ペルセウス、ヒヤデスに魅せられ、V社BT81SA双眼鏡を購入。 低倍率で見る夜空の美しさにとらわれ、半年後には鳥取まで出かけることとなってしまいました。

昨年の8月末にSwaro X95-BINO、今年の2月に15㎝F5-BINOが届き、空の状態の良い時には夕食後、 車で20分ほどの6等星が見える山に出かけています。自宅は高台の南向きで3Fにある寝室の窓から カノープスが肉眼で見れます。深夜に楽しめるよう南向きに15㎝F5、北向きにX95-BINOをセットしています。

Swaro X95-BINOは鏡筒長が短くHF2経緯台を垂直位置で使用でき、きわめてスムーズな動きで快適。 ハンドルはいろいろ考えた末、写真のようになりました。垂直動作に適した形は吊り輪のような形と思いますが、 それをベースにピント合わせ、光軸合わせ、天頂をクリアーすることなどを考慮した結果の形状です。
地上の風景と天の川散策はEWV32㎜(17倍、星間視差での実視界4.3°はちょっと残念)、散開星団等主力はN5-16㎜34倍、 球状星団はN6-9㎜61倍、月面と惑星はPhoton5㎜110倍です。Radian3㎜ と比べてもPhoton5㎜のシャープな中心像は十分 なのでこれで済ませています。EWV32㎜のアイレリーフ20㎜は実に快適、眼を浮かせたままBINOを振り回してもブラックアウトなどとは無縁 。大きなアイレンズの周辺に地上の風景がぼんやり広がりその中に宇宙の窓が開いています・・・”どこでも宇宙ドア”。 障子の穴から覗くといった感覚とは無縁の快適さです。
周辺像の流れはありますが見たい方向にBINOの眼を向けるのは肉眼と 同じことと割り切っています。このBINOひとつで十分夜空を楽しめます、初心者にこそ望遠鏡ではなくBINO を勧める必要があると思いますが光学機器の業界はどこを向いて仕事をしているのでしょうか?

15㎝F5-BINOが届いた日は月没が明け方4:00、オメガ星団の南中が4:00という逃せない日、 しかも澄み切った冬空。N4-22㎜34倍、真南高度約7°に合わせるとそこにオメガ星団の堂々たる姿がぽっかり浮かび上がっている。 X95ではこうは見えません、バックグランドから抜け出すことができない状態でした。周りの星々を従え巨大な綿帽子が浮遊する姿は その後の春の空では見ることができません。絶妙のタイミングで納入していただきました。
現在使用中のアイピースはEWV32㎜23倍星間視差での実視界3.4°、N4-22㎜34倍、N5-16㎜47倍、N6-9㎜83倍です。15㎝F5-BINOは 松本さんが長年手を加えてきただけあって素晴しいBINOに仕上がっています。山に出かけてセットしすぐ覗いても光軸が ずれていることは全くありません、このBINOの基本設計が素晴らしいことを実感できます。
鏡筒一本8㎏弱、Manfrotto117B三脚(耐荷重18㎏、エレベーター付)+中軸架台が8kgと運搬とセッティングに全く負担がありません。 操作ハンドルはX95-BINOと同様の木製自作、車で出かけるときは写真のBINO-Bedを後部座席に載せその上でゆっくりしてもらいます。 積み木方式6段椅子は写真の三つのパーツの組み合わせで1~6段の高さに可変できます。残念ながらBINOの上下動と同時にエレベーター を操作し椅子の高さは固定という目論見はダメでした。BINOが重くエレベーターの操作がスムーズにいきません。 電動エレベーターがほしいですね。エレベーターを下げた状態で高度80°をクリアーできるのでそのまま使用することがほとんどです。

その後晴れた日には毎日見続けた印象をまとめてみます。

①表現力の豊かさ;15㎝の集光力からくる星々の輝きの強さと色彩の豊かさそれと同時にバックグランドに微光星が 多く見え天の川の淡い表情も楽しめます。BINOを振り回したときに目につく赤やオレンジに煌めく星々、さしずめ” 星の王女様”の瞬き。このBINOの第一印象は「ウワーッ!これは楽しい」でした。

②期待以上に楽しめる天体
・天の川と中小散開星団 ; 「星像が膨らむ」ということを心配していましたが全く問題ありません、 15㎝+銀ミラーEMSの威力でぎょしゃ座など素晴らしい眺めです。M37の星粒の多さと輝きの強さなどM11とともに ランキング下位からこのBINOで一気にベスト5入りです。

・球状星団 ; これも口径の威力で倍率に応じた表情の違いを楽しめます。現在N6-9㎜83倍がMaxですがどこまで 上げられるか確認したいと思っています。また、さらに大口径にしたら・・・と欲が出ます。

・月面と木星&土星 ; 期待していなかっただけにもうけものです。口径を11㎝に絞ってN6-9㎜83倍で見ればもうけ ものと割り切って十分楽しめます。

③期待の大きさ通りにならなかった天体
・大型で明るい散開星団 ; 10㎝クラスで十分に楽しめていたわけですから期待する方がおかしいということを教えられました  。バックグランドの明るさがマイナスに作用するということでしょうか、スバルはX95-BINOに分があります、しかし素晴らしい  散開星団に見えることに違いはありません。

・銀河 ; 期待が大きすぎたと思います。一ランク上の見え方には違いないのですが15㎝をもってしても銀河はやはり遠い! 標高1000mまでBINOを持ち上げて再確認をしてみたいなと思っていますが・・・。

総合的に見て、この15㎝F5-BINOが現在の私には最高のBINOと思われます。15㎝アポ鏡筒はサイズ&重量&コスト の点から限界を超えています。X95-BINOも月面&惑星&地上風景用となって15㎝F5が現在の主力です。 BINOを一台だけに限定されたら迷わず15㎝F5-BINOを選択します。今後の課題は使い勝手をさらによくすること、 例えばアイピースの重量、焦点位置の同一化、など。現在主力のN4-22㎜はアイガードを外して使っています、EWV32㎜と同様に覗きやすく ブラックアウトとは無縁です。EWV32㎜との重量差がかなり縮まり、また螺旋フォーカサーの操作性も向上します。

天体観望を趣味とする方たちの多くがオーディオを趣味とされていますが私もオーディオを趣味として50年になります。 物理特性を追いかけていた時代の”音が苦”状態から抜け出して現在は音が楽しい”音楽”の世界を満喫しています。 表情豊かな生きた音を求めて使いこなしの努力をするようになってから楽しめるようになりました。

天体観望も恒星が生きていることを実感できること、そしてその輝きの”精気”と”色彩”が生み出す風情を楽しめる ことが一番かな?と15㎝F5-BINOを手にした今思っています。それほど強いインパクトを与えてくれました。BINOの世界を 知らずにいたら”天文が苦””光が苦”のブラックホールに落ち込んでThe Endだったかもしれません。天体観測は”天文学”、 15㎝F5-BINOでの天体観望は”天文楽””光楽”の世界です。

これからも(両)”眼を開いて夜の中を広い視野で見ていきたい”と思います。松本さんがこの仕事を 長く続けられることを願ってやみません。

福本
兵庫県

管理者のコメント;

去年の8月に納品させていただいたSWAROVSKI-X95-BINOと、今年2月に納品させていただいた15cmF5-BINO-VERSION9のリポートを同時にいただきました。

謙虚に初心者を標榜しておられますが、両機種とも最初から上手に使いこなされましたので、この度初めてのリポートをいただくまでは あまり交信をさせていただく機会がありませんでした。 それだけに、新鮮で心に響くリポートとして読ませていただきました。 久しぶりに BINOを製作するエネルギーを充填していただいた感じがします。

バックオーダーがかなり停滞していましたので、操作ハンドルまでは気が回っていなかったのですが、見事に美しいハンドルをセットして いただきました。 製作者の意図を良く理解してくださっていて、少なからず感動いたしました。 組み立て式の椅子や収納ケース等を拝見し、 美術的な家具の製作の高度なノウハウをお持ちであることが分かりました。お部屋の雰囲気も含めて、ヨーロピアンな風情を感じ、羨ましく拝見しました。

15cmF5-BINO-VERSION9は、これまでのEMS-BINOとは一線を画する最初のBINOだと思っておりますが、相応しい方に 届きましたことを嬉しく思います。

15cmF5-BINO-VERSION9の製作記事は、製作情報速報(2013~) の 2013;11/26, 12/4~29、2014;1/8~10, 1/13, 1/15~17, 1/22, 1/24, 1/28, 2/1, 2/3 に掲載しています。

SWAROVSKI-X95-BINOの製作記事は、製作情報速報(2013~) の 2013;5/15,16,25,31; 6/17,28; 8/21,25; 9/1 他に掲載しています。

SWAROVSKI-X95-BINOの話題がCLOUDY NIGHTS で盛り上がっています。

X-Y knobs and the image shift / XYノブの回転と右鏡筒の像の移動方向の関係

Photos below are the tutorial of the shifting directions of the image of the right OTA by turnings of the knobs a bit to the counter clockwise.

Photo 1 shows the original position that the two images are perfectly merged.
Assume that the left image is blue while the right image red for the easier instruction.
Photo 2 shows the shift direction of the right image by turning only the Y knob a bit counter clockwise.
Photo 3 shows the shift direction of the right image by turning only the X knob a bit counter clockwise.

The Principle of the X-Y knobs

光軸の微調整は、右の鏡筒の像のみをX、Y方向に動かすことで行います。

photo1

写真1は、X-Yノブが原点位置で、左右の像が完璧に合像している状態を示しています。  説明を分かりやすくするために、左の鏡筒の像を青、右の像を赤と仮定します。(現実にはあり得ませんが、ご理解ください。)

photo2

写真2は、Yノブだけを反時計回りに少し回転させた時の右の像(赤)の移動方向を示しています。

photo3

写真3は、Xノブだけを反時計回りに少し回転させた時の右の像(赤)の移動方向を示しています。

X-Y ノブの原理

15cmHybrid-BINO / 踊る双眼望遠鏡(GoTo)

言い変えれば自動導入のBinoという事に成りますが私は Meade の初期型 LX200 が出た頃からそれを夢見ていました。 まだ松本さんの存在を知らない頃でしたが95年にはその様子をイラストに描いていました。

 それを具現化するチャンスが訪れました。最初に笠井トレーディングのSuper Bino 150 DXの対物ユニット の出物が有り松本さんに相談、Bino化出来るのを確認してから商品をGet! 次に天文ガイド誌 にLX200-30 を Wanted して唯一東京都の方が名乗り出てくれました!

 松本さんの所には LX200-30一式が入った冷蔵庫大のキャリーケースごと送り着荷時に驚愕されましたが Binoの製作に取りかかって頂けました。 松本さんにはシュミカセと設えるBinoの脱着交換もお願いしフォーク架台は実際スペーサーを入れた 幅広改造の為に鉄製の8本の錆びたネジを大変な苦労で外して頂きました ;

 またBinoがフォークアームの懐の高さに収まるか当初微妙でしたがEMS後方の光路を長目に設定して Binoが天頂に向いた時でもフォーク底部に接触するのを回避して頂き、接眼鏡胴部のアリミゾ台座には自前の 1600g程の蒲鉾形のはんだ塊をバランスウェイトとして取付けました。

 出来上がったBinoのセンターフォーカシングのハンドルが位置的なものも有りまして片手で軽くは回せません。 この部分は粗動時や非常時に摺動させ普段2インチアイピース使用時には標準58mm長のメス/メスホルダ ー→Borg#7425→#7757(M57ヘリコイドS)→#7501→2インチアイピースという様にしました。

 BorgのM57ヘリコイドSはローレット部外径がΦ67mm有ります。私は目幅が丁度67mm なので観る事が出来ます が成長途上の子供達や均整のとれた顔立ちの大人はもっと狭いのでBorgメーカー様や松本さんに最外径Φ63mm位の ヘリコイドを開発して欲しい望みは有ります。

 初期型LX200をメーカーサポートが終了した現在でも使う為には始動時又は電源をON←→OFF毎にLOCAL時刻と月日年 の設定値の再確認をしないといけません !もしユーザー側で電池交換をしても一切動かなくなってしまった話を前ユーザ ーから聞きました。 このLOCAL時刻、月日年の確認を怠ると導入精度の前に何処に向いてしまうかわかりません。またその様にして次々 と天体を導入していても次の作動時にはDECコードが絡まって伸びたり過天頂に向こうと不意な動き出しをした時が有 りますのでその様な時はためらわず電源スイッチ部をOFFにして最初からやり直しします。

 いろいろと癖が有りますが夢のGoto架台に載った双眼望遠鏡が形に成りました。私もあと四半世紀もしない内 にあの空の彼方へ逝く事に成ると思いますのでたどり着く星を今から探しておこうと思ってさ…〓

いわき市 佐藤正巳

Comment by Matsumoto /管理者のコメント;

 市販の大型双眼鏡の頭部とEMSを合体させたBINOのリポートです。 難解な課題でしたが、佐藤さんの情熱に負けました。 最善は尽くしましたが、初作故に改善の余地も残したようです。 ただ、 これも佐藤さんの熱意のお陰で使いこなしてくださっているようで、ありがたく思っています。

 アイピースの根元にフォーカサーを配置する方法は、いくつかご提案して来ましたが、市販のヘリコイドを使用する場合は、交互に段違いに 配置して干渉を回避すると、眼幅63mmまでは行けるようです。 相手の2インチスリーブの干渉部をトリミングすれば、さらに眼幅を寄せることも可能です。

 BINOの完成が秋ですぐに厳冬期に入ってしまいましたが、季節が一巡する頃にまた観望されたご感想がいただけましたら幸いです。  今回は年末のお忙しい時に、詳細なリポートをくださり、本当にありがとうございました。

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追記: (15cmHybrid-BINOの製作記は、BINO製作情報速報 の2013年9月20日、26日、10月7日~10日、23日に掲載しています。)  

Adapters for the SWAROVSKI-ATX-95 objective unit(ATX95-BINO)SWAROVSKI-ATX-95用のアダプター(ATX95-BINO)

I would like Swaro-Bino users to understand the roles of the set screws on the adapter.But, I am sorry to say that very few seem to understand my intendments on it. When you would like to remove the EMS, never unscrew the Blue set screws on the EMS side, but unscrew the Red setscrews on the SWARO side.You should not touch the Yellow boss screws either.

SWARO-BINOは単体EMS同様、ほぼ即納を目指しており、BINOの受注系列とは別個に処理しています。 さて、アダプターについて、開発当初もここで詳しくご説明しましたが、どうやらご理解いただいていない節が見られますので、再度ご説明しようと思います。

アダプターは、化粧のラバーベルトの下に、上の画像のように多数のセットビス(先端Pのイモネジ)をセットしています。問題は、それぞれのセットビスで役割があるということです。 まず、EMSを外したい時ですが、決してEMS側(M3;画像の青いビス)を外さないでいただきたい、ということです。そこを外しても深刻な害があるわけではありませんが、そこを外すと、今度セッティングする際に、またEMSの姿勢を整える必要が生じます。

EMSを外す時は、そこではなく、SWARO側の面のセットビス(M4;画像の赤いビス)で外してください。 また、画像の黄色い3本のM4のセットビスは、EMSの接続角度の再現用のキーの役目ですので、くれぐれも触らないようにお願いします。 また、赤、青共、接続固定用のビスは、テーパーフランジを締め込んで接続パーツ同士を圧着させるという、製作者の一貫した強い意図があることをご理解いただければ幸いです。 SWARO側はテーパーフランジではありませんが、バヨネット爪の奥側を押すことで、擬似テーパーフランジとして利用していることは、当初にもご説明しています。(上のリンク画像にはツマミを作図していますが、実際にはツマミの無いセットビスです。)

Grip Strength-18 (握力:記録更新-16)

It is a commemorative day today!
I have just exceeded 80kg’s gripping power on the right hand.

People often ask me “Why are you trainning your grip strength so seriously?” It is difficult to explain it in a word or so, but I think a man should be strong also in the physical strength. A new-born baby is said to be enough strong in the grip power so that it can hang from a bar, and even a dying man would grip back the hands of beloved families. Yes, grip power is important all through our lives.

It is believed that our ancestors were on the tree in the ancient days. Yes, we were far more strong than we are, and I believe that we still have a potential of the physical abilities of our remote relatives in the tree.

Gibbon and Tigers
Gibbon and Children
Gibbon’s Attack
A shot in my youth

やっと右手が80kgを越えました。 長いトンネルでしたが、(自己流の)トレーニングの方法は間違っていなかったようで、 当面は今後も同じやり方を続けてみます。

「なぜ、そんなに握力を鍛えるのですか?」とよく問われます。 一言では答えられませんが、少なくとも自分にとっては、”握力”は大切なものです。 生命力を実感し、時にはPASSIONの捌け口でもあります。 昔の精神主義のトレーニング方法に対する反省と反発、リベンジであり、また独自のトレーニング法の 実験でもあります。

人間、生まれ落ちた時の握力は相当なものだそうで、手だけで何かにぶら下がれる握力(つまり母親の腹にしがみ付いて落ちない握力)を持っているそうです。(そのままチンプやゴリラに 育てられたら、また強くなるのかな??^^;) そして末期に家族の手を握り返したりもします。

私たちは樹上で進化し、強くなりました。 全ては物を握ることから 始まったのです。他のヒト科の類人猿は300㎏以上の握力を持つ者が多く、必要がなくなったと言ったらそれまでですが、私たちの現状は、あまりにも機能を 眠らせ過ぎていないか?と思うわけです。 力を使わず、食べることだけは飽食に過ぎ、いろんな現代病の原因になっています。 「病みたくなければ、食べるな!」、 「しっかり食べたければ鍛えろ!」というのが私の健康維持に関する持論です。^^

Gibbon and Tigers
Gibbon and Children
Gibbon’s Attack
A shot in my youth