
Sorry to be late, and thank you for waiting patiently!
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
Zoom 75-150 F4-PENTAX は TAKUMAR-135mmより少し太く長いが、ジンバル雲台システムでバランスに問題なく(ウェイトなしでフルストロークOK)、気を良くしたのですが、双眼でズームを使用すると、うまく協働させないと、倍率が左右で変わって双眼視が破綻することが分かった。
それで、連動装置を急遽試作して試したところ、問題は完璧に解決しました。使い勝手も極めて良好!
これで、中間倍率も利用できます。
このカメラレンズのズーム機構、ピント移動がないことと、F値が固定しているため、ズーミングによって射出瞳径が全く変化しないことが新鮮な驚きでした。
たとえば、一般的な8mm~24mmのズームアイピースだと、8mm使用時の射出瞳径は24mmのそれの1/3に縮小してしまいます(視野の明るさは1/9)が、このカメラレンズズームでは、射出瞳径が全く変化しません。(倍率を上げても明るさが変わらない!)
さらに、一般的なズームアイピース(例:8-24mm)だと、広い視野を期待して8mmから24mmに移行しても、3倍の実視界は得られず、見かけ視界が8mmの時よりも大きく縮小します。
このカメラレンズズームだと、見かけ視界が全く変化しません。
非常に新鮮なズームアップ、ズームダウンを体験しました。
結像性能も、固定焦点の135mmよりもむしろ優秀なくらいで、Super-Wide-BINO の定番として、このズーム75-150に決定しました。
ご質問は基本、歓迎するのが当方のスタンスではありますが、HPをろくに見ていないね、と思わざるを得ない方もありました。
特に海外の方からのご質問で多いのが、まずは価格表を英語でも掲載しているのに価格を尋ねられること、それと、2インチ用のEMSに31.7ADが付属していますか?という質問。
2インチ用のEMSという概念はなくて、2インチ以下のアイピース全てに対応している、という意味です。写真を見れば明らかなはずですが、念のために、今回は写真に解説を入れました。
それと、独自性を発揮したいという、天文マニアの本能でしょうか? 簡単に外せるものは外して使ってみたいのか?他者に差を付けたいのか?防塵フィルターを外して使用する方が少なくありません。
製作者として、絶対NGの行為であることをお忘れなく。
内径2”の部材は豊富にあるので、どうしてもそれを利用したくなりますが、今回は、メガネフレーム型のプレートにアジャスタブルな形でアダプターをセットしたいため、無垢材からの削り出しになりました。
こういうこと↑です。目幅は60~74mmで半固定。このまま単独の双眼鏡としても使いたい場合は、シムを要所に挿入して光軸の初期調整をします。
このメガネフレーム型プレートによって、カメラレンズを双眼鏡単体として使用できることの他、EMSシステムに組み込む際にも、究極のスタビライザーとして機能します。さらにEMS側にもスライド式のスタビライザーを予定しているので、二重に万全になります。
倒立像ですが、8.4倍の双眼鏡としての光学性能は問題ありませんね。地上風景は、見慣れた正立の双眼鏡とは遠近が逆になり、酔いそうになりますが、天体では使えるでしょう。奇妙な遠近感ですが、双眼視の迫力はもの凄いものがありました。
EMSシステムの上に、カメラレンズ+(重量級)アイピースを載せる考えだと、絶望的なトップヘビーになり、架台へのセット方法に苦慮しました。今度は発想を逆転し、質量比で圧倒的なカメラレンズ+アイピースをしっかり連結し、軽いEMSをその先にセットすることにしました。 ジンバル雲台側も新たなカスタマイズを予定しており、材料を発注したところです。
どちらにしても、手持ちでは扱いにくく、架台込でプランを練る必要があります。
超絶広視界で光学性能も良好な双眼鏡が実現することは、多角的に検証できたので、運用時のバランスの問題が最後の関門です。
今回の検証でも痛感しましたが、EMSのXY調整の威力は絶大ですね。たとえ超低倍のBINOであっても、XY調整機構の存在はBINOにとって大きな福音です。