
似たような投稿を繰り返すのもどうか?とも思いますが、ここはご依頼いただいたお客様への進捗状況のご報告を兼ねており、さらに詳細を公開することで、使用説明書をも兼ねているわけです。

Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.

似たような投稿を繰り返すのもどうか?とも思いますが、ここはご依頼いただいたお客様への進捗状況のご報告を兼ねており、さらに詳細を公開することで、使用説明書をも兼ねているわけです。
通常はお断りする仕事です。EMSを受注したお客様がマイクロフォーカサーノブを離散されてお困りでしたので、何とか作ってみました。

実際に製品になるのは、旋盤でチャッキングした30mmΦの部分だけで、切削中の部分は加工用のボスになる部分で、加工完了後に切除します。
このように、小さい単品加工では、無駄になる部分が多いのです。

ボスにチャッキングを切り替えて、やっと本体の加工。この段階でトップの湾曲面を仕上げます。

いよいよCNCフライスによる、ローレット加工。本来なら、当方の手持ちの刃物では歯車状のローレットしか切れないのですが、元のノブは尖り山状のローレット。通常のエンドミルを使用して本来の尖り山状のローレットにしようと、トリッキーなプログラミングをしたところ、CNCがエラーを出して動かない。^^;
仕方ないので、マニュアルで動かして加工。10度ずつA軸(第4軸)を回転させながら、手動で根気よく彫っていく。

やっとローレット加工が完了。 もう一息。

不要になったボスの切断。これを突っ切り加工というのですが、一見簡単そうで、意外に高度な部類の加工技術になる。

軸穴、止めねじ穴の加工を完了して完成。
アクセサリー(ファインダー)ベースとハンドルユニットの接続方法に迷いましたが、これには敢えてスリムな鏡筒バンドを使用することにしました。この方法なら、移動も撤去も自由だからです。


タカハシ等の高級鏡筒の横っ腹に「穴を開けても良いです。」と言われる方は稀ですが、アリガタの鏡筒直付けは、取り返しがつかない仕事で、責任の重圧がのしかかります。^^;
通常であれば、鏡筒バンドを足がかりにアクセサリーのベースを確保するのですが、今回は特に背中の取手も付けないで、という希望なので、また頭をひねります。^^;
アリガタの鏡筒直付けのメリットは、外観がすっきりすることの他、鏡筒間隔(D)をミニマムに出来ることがあります。鏡筒パイプをセットして測定したところ、D=162mmに収まっていました。






私自身はEM200赤道儀との往復使用を想定していましたが、依頼者の方が、「依頼者の方が、もう赤道儀仕様では使わない。」と言われたので、汎用性の高い(つまり将来の鏡筒の交換への対応性)VIXEN規格のアリミゾ仕様のままで中軸架台をご使用いただくことにしました。元のアリガタに対応するための中軸架台の改造がちょっと大変だと思っていたので、私にとっても好都合でした。
また、「運搬用のハンドル(取手)を(外観的に)好まない。」ということでしたので、これも少し楽をさせていただくことになりました。
ただ、カウンターウェイト兼操作ハンドル(着脱可)は必須と考えるので、お客様には相談しません。^^; (お客様の数だけコダワリがありますが、製作者として譲れない部分もあります。)


20年ほど前に製作した、赤道儀仕様のFS102-BINOを中軸架台仕様にリフォームする依頼が入りました。
当時はオモチャのような小型フライスしか無く、当時の技量で特製のアリガタを鏡筒に直付け(R加工含む)していたのに、我ながら驚いています。
当時、様々な鏡筒で同様の仕様のBINOを10台以上製作したと思います。
古い銀塩写真に私と娘が一緒に写っていたのがあったので、スキャンしました。

機械設備が貧弱だった当時に、よく作ったものだと、我ながら驚きます。^^;




Most of the EMS parts are designed to match the universal measures such as 2-inch(50.8mm).
And the housing can be connected to other parts both by male or female fittings.
You will understand why the clamping tip will not rotate in operating the screw.
ネジの回転によって先端チップが回転しない理由がお分かりと思います。
また、同時に、組付け後は抜け止めの機構も兼ねています。