Flip-Mirror Corrector by Matsumoto / フリップミラー・コレクター(メガネのマツモト)の応用:東京都:宮台真司様

以下に、最初にいただいたメールをご紹介します。
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2020年9/10
 品物が届きました。ありがとうございます。
早速2つとも組み付けました。対物方向を0度として60度 (接眼方向を0度として120度方向)に付けました。
 一見奇妙でも、普段は中天以上しか観測しないので、むしろ見易いです。ニュートン反射鏡的な態勢ですが、中天以上を仰ぐと真下を除く感じになり、ニュートンよりも見易いです。
 必要光路長をフリップミラーの直進方向と直角方向を同一に調整しました。10キロ以上離れた羽田空港の発着を見ましたが、素晴らしい見え味です。
これにバックフォーカス加算分0㎜の笠井ELS双眼装置を取り付ける予定です。子供たちに素晴らしい観望体験を与えられそうです。
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続けて、9/11にいただいたメール;

 おはようございます。けさは笠井ELS正立双眼装置を、フリップミラーに付けた裏像補正ユニットの後ろに付けました。
フリップミラーの裏像を、補正ユニットが逆像に戻し、それをELS双眼が正像に倒立します。なので、補正ユニットを、対物方向を0度として180度の方向に付けられました(写真参照)
このやり方で、フリップミラーを使っているのに、双眼で正立観望できます(バロー無し広視野で)。子供たちのために、実は、これで星雲・星団を、見せてあげたかったのです。
望遠鏡の片方で撮影しながら、もう片方で子供たちに自然な仕方で見せることができます。子供たちが喜ぶ顔が想像できますが、松本さんに加工していただいた御蔭で、心から感謝いたしております。
ボーグ90FLの直進・直角方向の同時合焦は簡単でしたが、55FLは工夫が必要でした。ヘリコイドを、フリップミラーの後ろの直進方向にも裏像補正装置方向にも付けました(詳細参照)

(詳細)55FLの裏像補正装置の接眼部は、ヘリコイドTをかませるために工夫しました
接眼部の2パーツの最後端を外すと、36.4メスになります。そこに、36.4オス42オスアダプタ(国際光器) →ヘリコイドT、の順でかませます。
ヘリコイドT(42メス42オス)の後ろは、通常の42メス31.4スリーブ接眼部でOK。なお42は全てT2です。
少し面倒でしたが、これでカメラ方向と双眼装置方向が狂いなく同時合焦しました。なお90FLは55FL(250mm焦点)と違って焦点距離に余裕があるので延長リング等で簡単でした。
なお両方ともカメラの前に周辺像補正のためレデューサ0.85をかませてあります。そのためカメラの前が変にごちゃごちゃして見えると思います。

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
 宮台さん、さっそくの詳細なりポートをありがとうございました。
実にユニークな応用で感心いたしました。同焦点化も達成され、お見事です。
 また、実名でのご投稿、感謝いたします。
 続報がありましたら、またよろしくお願いいたします。

EMS-ULS SET in the making

EMS-ULS is harder to make than any other EMS types, and might not be continued to make ever. The special trick to squeeze the larger mirror in the same housing as -UL is the 65mm barrel for the normal 2″ barrel.
 ULSを積極的に宣伝して来なかったのは、製作が困難なことと、価格設定をその割に抑えていたからです。-ULと同じハウジングにより大きな第一ミラーを収納するトリックは、65mmΦバレルにあります。
 EMSシリーズは、ミラーサイズの種類を増やし過ぎたきらいがあり、将来的には優先度の低い種類は中止を検討するかも分かりません。

 after が随分小さく見えますが、長径は変わっていません。短径のみ削っています。ここまでは自動機械ですが、これからが手動削り、大変な作業になります。

Orion above the old City Hall/旧市庁舎に昇るオリオン

2:56 AM, from the window of my bed room.(手持ちiPhone 1/4秒露出)
旧市庁舎も来年の夏には解体が始まるので、こうした写真も貴重になると思います。 いつもながら、晩夏に季節の変化をいち早く教えてくれます。

よく晴れていたので、スバルも狙ってみましたが、1/4秒手持ちシャッターだとこれが限界。アルデバランの上の方にかすかに写っていました。

Lenses for High Myopia / 強度近視用レンズ

It’s nothing new to me because I am accustomed to see such lenses since childhood. But it would be very new for you to see it.

 私としては、(家業だったので)子供の頃から見慣れているレンズですが、-16.0Dの近視用のレンズだと、高屈折素材でもこんな感じです。これを削ってフレームに嵌め込まないといけません。

New EMS-UML completed

The new EMS-UML set for Macau is completed.
The largest mirrors ever are installed in it.
The light path which is as same as -UM is shown in the photo above.

 写真に光路長の詳細を示しています。EMSは、非常にユーザーフレンドリーでフレキシブルな構造になっており、光路長の自由度が大きいため、公称値の枠を超えて使用できます。
 EMSの光路長が長いというのは、一回反射の天頂プリズムと同次元で比較した誤った認識で、正立光学系としては異例に光路長が短いシステムなのです。
 昨今の高級鏡筒はバックフォーカスが長いものが多く、通常仕様のEMS-ULでも合焦しない物は少なくなっています。ごく安価な鏡筒、あるいは保守性の強い鏡筒の一部でバックフォーカスが厳しい物も稀に見られますが。
 お手持ちの鏡筒のバックフォーカスの不足で悩む方がおられますが、多くの解決策があるにもかかわらず、自らの固定観念の呪縛で解決策を見逃しておられる場合が多く見られます。
 老舗ブランドの鏡筒が主役で、不可侵たるべき物(鏡筒の切断などはもっての他)と考え、天頂ミラーは周辺アクセサリーとして下位に属す物という認識だと、解決は遠のきます。EMSの製作者としての考えを率直に申し上げますと、人間工学的に正常な像を与えるEMSが主役であり、鏡筒を選択される段階でそれとのマッチングを考えておくべき、というものでございます。すでに上記不幸な鏡筒をお持ちであれば、それを改良(正常化)するのに躊躇される必要はありません。