
iPhoneでの手持ち撮影の限界が分かったので、ずっと撮っていなかったけど、久しぶりの黒点なので、備忘録的に撮っておきました。毎度のことですが、眼視ではChromosphereの詳細もよく見えていました。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
While straightening up the storage of my shop, the old Strain Scope happened to come out. I made it all by myself with crude tools more than 40-years ago.
店内のロッカーを整理していたら、40年以上前に自作していた歪検査計が出て来た。まだ(多分)20歳代だった自分が、ろくな工具もなしに自作したもので、とても廃棄する気になれず、汚れを落として使用してみた。
なぜ長年お蔵入りになっていたか? ですが、それはメガネレンズの変遷と関係があります。当時はメガネレンズはガラスが主流(と言うより、プラスチックレンズはほとんど普及していなかった)で、かつ、セル枠主流からメタルフレームが主流に置き換わろうとしている時期でした。
一般の方は、レンズはタイトにフレームに入れられ、決して落ちないことにしか関心がないと思いますが、本来は、ガタがない程度にゆったりフレームにはめられ、むしろ、乱暴に扱えば外れる程度が良いのです。メタルフレームのネジを締める部分は特に局所的にレンズにストレスをかけやすく、要注意なのです。
お客さんには全く見えないどころか、レンズがやや外れやすくなることもあり得る配慮なわけで、割の合わない努力ではありましたが、メガネ技術者としての心意気が、そこにはありました。
レンズの99%以上がプラスチックレンズになると、歪は現実的に防ぎようがなく、次第に歪み検査計も用がなくなりました。
動画は、試しに、ツーポ(縁無し)フレームのメガネを調べたものですが、ご覧のように、ピンの部分は盛大に歪が生じています。 メガネは小口径の光学系(明視時は大方3ミリ以下で、暗視時でも7ミリ以下)なので、実害はないわけです。割れにくい素材(N=1.67)が出来たことも、歪計が要らなくなった要因の一つですが。
曖昧な立ち位置のEMS-UM;
”曖昧”というのは、皆さん側の視点では多分そう見えるだろうな、という意味で使っています。
ただ、EMS開発の経緯をお話すれば、曖昧どころか、明瞭な意図がご理解いただけるかと思います。
創初期のEMS(1989年12月発売)は、一体型ハウジングの正立天頂ミラーでしたが、それからさらに数年遡る開発期間は、24.5Φアイピースが主流で、低倍広角の定番は3.64mmネジ込み式のエルフレ32mm(60度)のほぼ一択の時代でした。
そして、アメリカンサイズの31.7Φのアイピースが徐々に日本に上陸し始めた頃でした。2インチアイピースは、存在は知れども、海の向こうのドブソニアン用の特殊な巨大アイピースという認識で、とても今日のように普及するとは思っていませんでした。
ですから、創初期のEMSには、SだのMだのLだのと言った認識はなく、既存の最大視野のアイピース(エルフレ32mmねじ込み)が使用できるミニマムな光路長の仕様になっていたわけです。
現在のEMS-UMの光学的なキャパが、創初期の一体型EMSとほぼ同じというわけです。
そうした経緯が分からなければ、単順なコスパ的発想から、31.7EP用はEMS-US、2インチ用はEMS-ULという選択になって、EMS-UMが選択肢から除外される傾向になるのも無理はありませんね。 EMS-USは、EMSの安価VERSIONとして、後に追加した物です。