Another EMS-UL SET completed !

 同じような写真を投稿し続けていますが、依頼者の方にとっては、それぞれが貴重な出会いの一品、
工程をリアルタイプで投稿し続ける路線を変えることは出来ません。
 ほとんどの方が、こうしてEMSのみを求められてBINOに仕上げておられます。特に海外の方は、言語の壁もあるので、立派なBINOを作り上げる方には敬意を表したいと思っています。
 双眼望遠鏡を自作となると、必要以上に身構える方が多いようです。知識があるほどその傾向が強く、一番(悪い意味で)先入観が根強いグループは、(非技術系の)業界人と自信あふれる古参マニアさんでしょうか。
そうした方々の悪い傾向は、器械的な精度だけに目線が向いて、眼の生理の方に考えが及ばないことです。
 双眼鏡や双眼望遠鏡を製作する時の光軸の要求精度は、確かに角度にして分や秒の世界ではあるのですが、私たちの眼の視軸は、固定しておらず、この記事をモニターで見ているあなたの視線は左右で10度くらい輻輳(より目)していますが、何らの苦痛も感じていないはずです。だから器械的な精度はどうでも良い、というのとは逆で、そのことを謙虚に自覚していないと、完璧な組み立ては出来ませんよ、ということが言いたいわけです。

 もっとも、EMSも発売以来、優に30年以上が経過し、随分と進化を遂げています。特に、XYノブにリミッターをセットしたことで、上記違反者の悪用もほぼ出来なくなっており、上記のような警鐘を鳴らすことすら無意味に近くなっています。 ただ、だからと言って、無理解な汚れた(←観念的に)手でEMSに触って欲しくない、という、何というか、職人根性のようなものが時々出てしまうわけです。

Perfect balance through the stroke (ASKAR-72-BINO)

 クランプフリーで、垂直軸フルストローク、完全バランスを達成しました。
 鏡筒質量が小さいほど、鏡筒が短いほど、また、使用するアイピースの重量レンジが幅広くなるほど上記は実現困難になります。
 カウンターウェイトが不要がミニマムになるようにフレーム構造設計時に配慮しても、さすがにイーソス13mm X2の重量をキャンセルするには、ウェイトは避けられません。さらにこれからセットすることが想定されるファインダー(軽い物が推奨)や傾斜センサーを考慮すると、ウェイトは必須ですね。

EMS-UL SET with IPD-Helicoid in the making

しばらくお待たせしてしまいましたが、着手しています。
ハウジングがこれで払底し、次の方からは、次期ロット分の加工と塗装が完了するまで、最長で2週間ほどお待ちいただくことになります。

Adapter between the Center Mount (pillar) and Takahashi-tripod

 こうした加工は専門じゃないので、極力避けたいのですが、すでに納品した中軸架台に関係したパーツなので、仕方ありません。^^;
 それにしても、TAKAHASHIさん、1/2インチネジなんて、時代錯誤が過ぎやしませんか? 2度とないだろう、この加工のために、わざわざそれ用のタップを購入したんですよ!

Bottom flange of the extension pillar

通常は、天体望遠鏡用三脚ネジに合わせるのですが、今回は大型カメラ三脚の規格に合わせます。

通常は、こちらが外側(底)で三脚架頭に嵌入するボスなんですが、今回は反対で、このボスは延長筒に嵌入します。

これが延長筒底部。

EMS-US of the special version completed !

 今回は、防塵フィルター(常に推奨)も同時にご注文いただきました。
EMS-US発売時に、割安感を強調するために-USだけは防磁フィルターをOPTION(別売)にしましたが、今となっては多少後悔しています。
 年内にEMS-USと-UMの一本化を計画していますが、その際には、本来の姿(フィルター標準装備)に戻し、フィルター不要の方のみ、フィルターなしの提供を考慮する予定です。

Special version of the EMS-US for Hongkong in the making

 単体用のEMSは、ご指定がない場合は(双眼時の)左眼用のシフトでご提供していますが、ユーザー様のご都合により、選択することが可能です。
 もちろん、構造に理解があれば自分で左右仕様を組み替えることは可能ですが、その作業によって微妙に光軸が狂う可能性があるので、最初からご依頼いただくのが良いでしょう。
 また、2インチバレル(望遠鏡接続部)の挿入長=30mmが標準ですが、これも、望遠鏡側の挿入制限等のご都合があれば、短いバレル(接眼側のフィルターフランジその物)も用意しています。
 こうしたご依頼や問い合わせについて、国内の方からは異常に少なく、海外の方の方が言語の壁を越えて積極的に質問して来られます。(なぜでしょう??^^;)
 私自身、この仕事を始める前から、天文マニア、かつ自作マニアであり、メーカー製品のユーザーにフレンドリーとは真逆の傾向に辟易していましたので、EMSでは、最大限に寸法規格を統一し、他社互換性や、ユーザーサイドでのカスタマイズを支援した設計にしています。接眼部を固定式でなく、着脱式にしているのも、バックフォーカスの有効利用に対する配慮です。

Extension Pillars for the Center Mount in the making

 中軸架台の延長筒ですが、ご依頼いただいてから随分とお待たせしており、申し訳ございません。筒の部分の加工は3本分、完了しました。
 この場を借りて、延長筒の使い方をご説明します。(大多数の方が誤解しておられるようなので・・・)
 どうも、皆さん、延長筒と言うと、ボトムが三脚用の雌ネジで、トップが架台用のオスネジと思っておられるようです。 中軸架台の延長筒は、架台の特徴に最適にマッチするように、また、相手の三脚には柔軟に対応するように配慮しています。まさにユーザーさんへの親心のつもりなんですが、一方のユーザーさんは、やや「親の心子知らず。」の傾向が見受けられます。^^;
 前置きが長くなりましたが、この延長筒のトップは、80φX10の厚肉アルミ合金パイプの切りっぱなしの形状で、3方からのセットビスで、中軸架台ボトムのフランジを固定する方式になっています。(中軸架台のボトムのテーパフランジの中央には、3/8インチネジが切ってあります。)
 ボトムは、三脚にマッチしたフランジを作ることもありますし、大型カメラ三脚での使用も想定される場合は、ボトムフランジの中心メネジを3/8インチにしておき、本命の天体用三脚の固定ネジと3/8インチネジ(メス)を仲介するアダプターを別に用意させていただけば、延長筒は天体用三脚と(軽装遠征時の)カメラ三脚の両方で利用できることになります。
 中軸架台をご依頼いただく時は、架台が完成してから慌てるのではなく、ご注文時からご使用環境をお知らせいただくと良いかと存じます。