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垂直回転ユニットのアリミゾクランプのチップの材料(真鍮棒)です。
所定の長さにカットした端面に偏心穴を加工します。センター穴だと加工が楽なんですが、それだと、チップのテーパ面がくるくる回転してしまいます。あるいは、こうしたチップを一切止めて、単純にネジを尖端で押すので良ければ簡単です。(安物の架台は皆ネジ押しで、アリガタはすぐにボコボコになります。^^;)
これは最終的な穴ではなく、材料を治具に固定するためのネジ穴のための下穴なので、一回り小さい穴径です。
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中軸架台1台分のクランプチップの材料を治具に固定したところ。
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VIXEN規格のアリガタ用に、15度(75度)の角度で先端をテーパ加工したところ。
治具から外したチップは、まだ次の工程が待っています。
たかがクランプネジの先端部品1つだけで、これだけの工程があります。
ユーザーさんは一般に結果しか見てくれないので、これだけ努力しても、結構、重箱の隅をつついてくれます。もちろん、中には感動してくださる方も少なくはないですがね。まあ、一般に、自作マニアから物作りのプロになった瞬間から始まる試練であって、それに鍛えられて製品が成熟して行くわけだから、愚痴ってはいけなんですがね。
ただ、物作りをして行く上で、一番辛いのは、「最初から自前の調味料のセットを持参してシェフの料理のテーブルに着く方が多い。」ということです。シェフの心理としては、まずは出された料理をそのままの味で味わって欲しい!ということです。最初に”疑い?”が生じても、食べ終わる頃には納得してくれるはずです。一応、そのまま何回か食べた上で、味について意見があれば、建設的助言として、シェフも素直に聞くでしょう。
そこには、天文マニアの独自性志向というか、使い方に於いても、独自の物を構築したい!という欲求があるのだと思います。 だから、製作者の想定外の使い方をする人が多くなる。