ピント位置の確認のために、試作のフォーカシングメカと、出来上がったばかりのEMS-UXLをセットしてみました。
オリジナルのフォーカサーを撤去しているので、バックフォーカスは十二分にあることは分かっていましたが、逆に延長管がいるかどうかのチェックでした。結論的には、延長管は不要のようです。 微動ノブつまみを、もう少し長くした方が操作性が良さそうです。
MASUYAMA-32mm(85度)による地上風景、いつもながら、非常に抜けの良い素晴らしい眺めでした。 昔の教科書的には、アクロマートでF5(しかも15cm)の鏡筒なんて、全く使い物にならないはずですが、その常識を覆したところが、この鏡筒の凄いところ。批判的な方は、実際に見てから批判してください。
この鏡筒の元のシリーズ(他社ブランド)は、F8が最初で、F8ですら当時の常識を覆す短焦点であり、古参マニアたちは冷ややかな視線で遠巻きにしていたものです。それが、ちゃんとコストに見合う(いや、それ以上の)性能だったことから、結構当時の世間を騒がせたものです。
その数年後に登場したF5には、私もさすがに懐疑的でしたが、お客さんがどうしても欲しいとのことで、試しに1本取り寄せてみました。 F8とF5の鏡筒を横に並べ、同じ32mm(現在のMASUYAMA32相当)のアイピースで地上風景を見たこところ、F5のデメリットは全く感じられず、どちらも非常にコントラストの高い像を見せていました。
これは、F5もF8の、少なくとも5/8の高倍性能が期待できるということで、使用目的から、これは十分であり、もうF8鏡筒の出番はないなと、その時確信しました。
(昼間の地上風景で、当初に書いたアイピースで、なぜ盛大な色収差に悩まされないか?(と言うより、全く気にならないか?)ということですが、恐らく、射出瞳径=6.4mmで、観察者が縮瞳しているために、口径を絞っているのだと思いますが、それで良いのです。夜のDeepSkyでは瞳孔が散大してフル口径で見ますが、薄明対象では、もとより色収差は気付きません。)