Today, I would like to propose the issue of the difference between the specced eye-relief and the real one. I would like telescope makers to take it serious and make the most of effort in saving the unwelcome loss of the eye-relief.
今日は、ずっと以前から問題提起したいと思っていたことを書いてみます。
最近、比較的長いアイレリーフを表示しながら、非常に覗きにくいアイピースが多くなりました。特に、光学的に高性能の評価を得ている物の中に多いのが 非常に残念です。 極めて個人的な好みを申しますと、私の場合は、眼鏡装用で楽に視野環が見えないアイピースは、光学性能を評価する以前に却下です。 (それは、90度対空の双眼視を常に前提にしているからだと思います。単眼の場合は、顔を斜めにしても覗けますが、双眼ではきちんとアイピースに正対する必要があるため、 覗く姿勢の自由度が狭まります。)
アイレリーフは、一般的にアイピースの最終面の頂点から射出瞳までの距離を表記するようですが、現実には、そこから差し引かないといけない要素が2つあります。 一つは、アイレンズ側の金枠やアイガード(折り込めず、簡単に外せない部分)の高さです。(アイピースの最終面が凹面の場合は、特に問題になります。) そして、もう一つは、アイレリーフの眼側の基点が角膜頂点ではなく、 眼の入射瞳だということです。 たとえば、アイレリーフの公称値がたとえ20mm あったとしても、仮にアイレンズの頂点から金枠(アイガード)面までの距離が8mmあって、観察者の入射瞳の位置が角膜から6mm(個人差があります)奥にあると仮定しますと、 20mmから8+6=14mm差し引かないといけないので、残りはたったの6mmということになり、裸眼では十分でも、眼鏡装用のまま視野環を見ることは出来ないことになります。
設計上のトレードオフは理解しますが、金枠トップの数ミリの配慮だけでも、覗きやすさが劇的に変化するので、メーカーさんにはここでご指摘した問題を真剣に 検討していただきたいものです。
(*望遠鏡の射出瞳の位置は、対物レンズの位置(焦点距離)によっても多少変化します。(天体望遠鏡の射出瞳は、アイピースが作る対物枠の実像 なので、対物が短焦点でアイピースが長焦点になるほどアイレリーフは有利に(長く)なる。)
眼の光学的な入射瞳は、房水と角膜が作る瞳孔の虚像なので、解剖学的な瞳孔の 位置とは異なりますが、角膜頂点より奥にあるのには変わりありません。)