8cmF15-BINO completed ! (Constructive Regression for the HF-fork-mount) / HF経緯台に原点回帰


 安物のGoTo架台を使用するには、課題が多く、将来、同様なコンパクトさのより優秀なGoto架台が登場するまで、初期の案は保留することにしました。
 明日、関東より見学者の方が見えるので、急遽、HF架台に載せてみました。
縦と横に普通に振れて、しっかりとクランプできる、という当たり前のことが快適に行える普及架台(数万円以下)が、30年を経ても登場しない望遠鏡業界の異常さに改めて気付くと共に、その頃よく用いていたHF経緯台を見直した次第です。

 当初、妙案と思った、安物GoTo架台を鏡筒間に挿入する方法の問題点ですが、方法に問題はなかったのですが、架台が予想よりも脆弱だったことよりも、より決定的な問題がありました。
 まず、垂直クランプがある(つまりフリー回転できる)のは歓迎要素でしたが、ネジ1本のクランプが弱すぎたこと。これは妥協するとしても、水平クランプがないことは、BINO用としてはほぼ致命的でした。架台に電源を入れて、実働スタンバイにしないと、水平に動かせないからです。
 これでは、光軸の初期調整もままなりません。 私自身は、どれもなんとかしますが、一般ユーザーが快適に使用できるとは思えないので、この方法は、より理想的な架台が登場するまで、保留としました。

 フォーカサーノブは普通右勝手(右利きを前提にマイクロフォーカサーノブを配置)が標準になっていますが、BINOにする際には、左右対称になるように配置しないと、BINO全体の美観を著しく損ないます。
 ただ、全てのフォーカサーが、ノブ軸ユニットの左右勝手互換性に対応しているとは限りません。(昨今の高級フォーカサーはほとんど対応しているようですが。)
 8㎝F15アクロ鏡筒(Kasai-Trading)の標準のフォーカサーは、その点は△で、一応変換は可能ですが、左勝手に合焦点ノブ軸を180度回転させて組み立てようとすると、ドローチューブクランプ用のローレットネジが、入りません。写真だと、一見、左右それぞれにローレットネジが見えますが、これは、クレイフォードの押圧調整用ネジで、実は、その前にも同型のローレットネジ(右鏡筒用フォーカサーの水色の矢印)があって、ドローチューブの固定用のネジを担っています。
 ただ、眼視では、むしろドローチューブ固定ネジはほぼ百害あって一利なしで、構造を理解しないユーザーが誤用する恐れがあります。