x-y-z 座標の3平面を全部ミラーにしたらどうなるか?
入射光線ベクトル (a, b, c) は (-a, -b, -c)となって、180度元来た方向に折り返します。
これの巨大なのを月面に据えて、地球から強力なレーザーを照射すれば、往復時間から距離が測れます。盾に使えば、レーザー攻撃を相手に返せます。
立方体の角を切り取った構成になるので、これを”コーナーキューブ”と言います。
まだ実例はないけど、双眼望遠鏡に適用できることを随分前にも提案しました。
2枚鏡(book型)の場合、自分の顔を写してミラーシステム全体を視線の回りに回転させると、像は2倍角で回転しますが、コーナーキューブは、全系を回転させても像は全く回転しません。奇数回(3回)反射なので裏像になりますが、逆にそれが功を奏すのです。
2+3 がコーナーキューブになるわけですが、天頂ミラー+EMS(もしくはAMICIプリズム)で代用できるわけです。上の図では、3つ目の素子で2回反射するので、合計4回反射になります。
反射回数は増えます(と言っても、通常の双眼鏡と同じですが)が、目幅シフトを稼ぎやすく、光路長が変化しない、回転による目幅調整が可能になるため、より巨大なシステムに適しています。
EMSやAMICIのような光学的にデリケートな素子は小さく、眼の直近に配置でき、対物寄りのミラーは、通常の45度入射の一般的なミラーが転用できるため、コスト的に非常に有利になります。
さらに、重いアイピースによる重心のアップが、90度対空型での懸念材料になっていましたが、このシステムはアイピースによる重心移動を緩和もしくはキャンセルする効果もあります。