Adjustment of EMS-BINO / EMS-BINOの調整

Finished EMS-Binoscopes are free from the original adjustment, because they are carefully adjusted by Matsumoto before shipping. Especially those who had accepted the binoscope at my shop have proved that EMS-BINO will have no collimation problem by the vibration of the family car while carrying.

EMS-BINOはこちらで十分に調整して供給していますので、本来はユーザーサイドの初期調整は不要です。(X-Yノブでの使用中の微調整は別) 特にこちらで受け取られ、マイカーで遠路をお帰りの方は、車の振動くらいでは光軸が狂わないことも証明してくださっています。

Still, however, some of them have shown collimation problem by shipping. And in such a case, users should recover the collimation by themselves if you cannot afford to bring your troubled binoscope to my place. So, I reccommend you to carefully study at my website to master how to adjust the disordered binoscopes.

しかし、こちらで受け取られず、運送屋さん経由で納品させていただいた場合に、 たまに光軸の狂いや像の倒れを訴える方がおられます。こちらで説明を聞かれる方のBINOは狂わず、説明を 聞かれない方のBINOだけがどうして狂うのか、未だに謎ではありますが^^;、どちらにしましても、EMS-BINO の調整原理は極めて単純であり、復元も極めて簡単ですので、サイト内の説明をよくお読みになり、まさかの事態で 慌てないようにしていただければ幸いです。

Assume that the left 500yen coin is the image of the left telescope. In condition that the XY image adjuster has not lost the original position, I can judge the objective end of the right telescope is misalined in the left-down direction. In other wotds, you have only to pan the right scope in the same direction as the right 500yen coin.

上の写真は、左の500円硬貨が左眼の像と仮定します。EMSのXY調整ノブが原点を見失っていないとしますと、 右の鏡筒先が左下に振っている状態で、言い換えれば、右の500円硬貨が逃げているのと同じ方向に鏡筒先を 振れば左右の像を合致させることが出来るわけです。
さて、合致させたのが次の画像です。

This is the merged image by the above adjustment. You will still find something odd in the above image. Yes, the left 500yen coin leans to the left, and the rihgt one to the right. In other words, the left and right image of the vertical lines form the “V” shape. So, I call this tendency of the error “V error”. And the counterpart error I call is “/I”(lambda) error. Now, you know that collimation is one thing, and image inclination is quite another.

何だか変ですね。双眼視のコンポジット効果どころか、だぶったような像ですね。 最初の画像に返って見てください。左の500円硬貨は天方向が左に倒れ、右の硬貨は右に倒れていますね。 これを私は『V字傾向の像の倒れ』と言います。
像の倒れの調整は、光軸の平行調整とは別個に必要なのです。

Above image shows the inclination-adjusted and collimation wanted condition.

上の画像では、像の倒れが綺麗に修正されています。(修正方法はサイト内で反復説明しています。) (像の回転調整が光軸の平行調整とは全く独立的に行えることが、EMSの特筆すべき特長なのです。)

The image below shows the condition both collimation and inclinations are rightly corrected.

倒れが修正された状態で鏡筒を正しく振ると、下の画像のようになります。

この画像は、実際に半透明の2枚の画像を処理ソフトで重ねた物です。

像の回転は、EMSを構成する2つのユニット(望遠鏡側と眼側)の接続アングルの調整で自由自在 になります。
この事を先日ご説明した方が、「そんな事をしたら、EMSが曲がってしまうのでは??」と 心配なさっていました。^^; 左右のEMSについて、対称的に修正しますし、調整量は眼に見えないほどの微量なので、 心配無用なのです。
それから、最初にトライされる時は、常に極端に回して見て、回転方向を見極めることが 大切です。 像が回転する原理さえ分かれば、しめたものです。^^
(見ながら追い込むのは一人では 難しいので、目分量で動かしては仮固定してチェックし、追い込んでください。調整作業の結果、生じるEMS全体の倒れは後で 望遠鏡接続部を修正すれば良いのは言うまでもありません。)

要するに、EMS-BINOは復元調整自在なシステムであるということです。説明文を読むのがどうしても 面倒臭い方は、やはりこちらまでご足労いただく必要がありますね。^^;

(たまに遭遇する、説明が理解できない方のために、どうすれば理解していただけるのか、試行錯誤しています。 最終的な物とは言い難いので、この原案を取り敢えず日記に残しておくことにします。)

Here is the study-tool of the image-inclination adjustment.

同日追記: 重複になりますが、サイト内の該当説明を参照しない方が多いのでは?との危惧から、特別サービス^^; で、像の倒れの修正方法の新たな教材を用意しました。 下の画像をご覧ください。

1.Unscrew the three yellow arrowed set-screw, and the connection of the two units of the EMS is released, and you can rotate the units with each other. Take the most care when you unscrew the last screw so that the eye side units that is slightly blued will not rapidly drop down.

2.Rotate the whole blued part quite a bit in the same direction of that you want to rotate the image. Red arrow shows the rotating direction to correct the inclined image shown at this sample.

3.Of course, you should reversely do the same adjstment on the opposite scope. Don’t forget to screw the set-screws after finishing the adjustment, too.

機種により異なりますが、15cm-BINOの場合は、EMSの眼側ユニットは、目幅クレイフォードにジョイント用の オスのテーパー部を挿入し、黄色い矢印の先端辺りの3箇所のM3のセットビス(芋ネジ)で固定しています。 従って、そのネジを緩めれば、接続が解除されるわけです。もちろん、いきなり3つ共緩めて、脱落事故に 至らないように細心の注意が必要です。

さて、最後の3つ目のセットビスを慎重に緩めると、水色の紗をかけた部分全体が双方向に回転できる状態になります。 上のV字傾向の倒れを修正する場合は、赤い矢印の方向に回転させます。
つまり、像を回したい方向と、眼側ユニットを 回転させる方向が同じなのです。当然、鏡対称で、右のEMSの眼側ユニットも同じ調整をします。
微量とは言え、この調整の結果、アイピーススリーブは上が寄り添う形で相対的に傾斜することになります。 今度は、EMS全体を少し回して元の位置に戻せば良いのです。
左右共にこの修正を施し、像をチェックし、まだ不完全 であれば、また元の調整に戻り、追い込んで行きます。

文章にすれば面倒に聞こえますが、慣れれば、 回転量と像の回転角の関係も感覚的に理解できるようになり、長くても数分以内で完了する作業です。

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