14mmの差とは思えません。
(ケースは、左右共同じです。(下の写真も同様))
単体用にも使用目的によっては意義がありますが、当面はF値が小さく、口径が大きなBINO用に採用する予定です。
一口メモ: 私の記憶では、国内ではオスの挿入部のことをスリープと言っていたような気がしますが、 アメリカ人の友人によると、二重のはめ合いのチューブがあれば、中の雄の方がバレル(barrel) で、外の雌の方がスリーブ(sleeve)なのだそうです。これは、カッターシャツの袖(sleeve)から腕(手首)が 出ているイメージから来ているのだそうです。
65mmφ運動に参加してください。
私がEMS-1の製品化を検討していた頃は、まだバレル(barrel)径が24.5mmφのアイピースが主流で、国産の通常の最大のアイピースが 36.4mmφ,P=1のネジ込みでした。 そして、31.7mmφのアメリカンサイズが普及し始めた頃でもありました。
それが数年以上前からは、2インチアイピースの使用が当然のことになっています。これは、マニアのRich-Field(広視界)指向の強さを良く表している 結果だと思います。
しかし、望遠鏡の接眼部の2インチスリーブへの対応は、総じて後手にに回り、現在ですら標準で対応していないメーカーもあり、 optionの2インチ用パーツについても、光路長ロスへの配慮(Low Profile)がほとんど見られなかったりします。
さて、全ての鏡筒が完璧に2インチ対応になれば十分かと言えば、そうではありません。2インチアイピースを単体で鏡筒にダイレクトに 接続する場合は良いのですが、大型のダイアゴナルプリズム等(天頂プリズム、ミラー)を介して2インチ アイピースを使用することを考えると、望遠鏡の接眼部の最大接続径は2インチより太いのが好ましいのです。
F5等の極端に短焦点で口径も大きい鏡筒に双眼仕様のEMSを接続する場合等は、さらにその要求が顕著に なります。
アイピース視野環から200mm程も中に 入った所で2インチ接続することもあり得る訳で、マツモトが光束の確保に腐心している次第です。
しかし、上記のように、現在までの望遠鏡業界の2インチ規格への保守的な対応から判断しまして、ただ傍観しているだけでは、より大径の接続 規格の一般化が早期に期待できないことは明らかです。
そこで、この度、65mmφバレルの創始を宣言させていただくことにしました。 雄の挿入規格を先に作ってしまおう、ということです。2月中旬には仕上がる予定です。この65mmφ挿入部が新規格の先駆けとなり、 市販の屈折鏡筒の接眼部の大型化とバックフォーカスの延長を促せたら幸せです。
具体的には、数百個単位の初期投資で計画を進めておりますので、なにとぞご理解、ご支援を賜りますよう、お願いいたします。
従来のEMSに65mmφバレルを採用しますと、より大きな第一ミラーを収納することが可能になります。また従来通りのミラーを収納する場合でも、内部スペースが 拡大することで、ミラーエッジの切削工程が大幅に削減でき、生産性の向上も期待でき、接続の強度と精度が増します。
単体望遠鏡用のEMS等については、光路長も短いので、当分の間は現行の2インチ径接続を踏襲しますが、 今後は必要に応じて、65mmφ挿入部を使用していくことになります。 まずは他項で少し触れています、SCHWARZ-BINOの第4世代の仕様に組み入れることになります。
接続径は、大きいほど良いのですが、望遠鏡の現状を現実的に見た上でのぎりぎりの妥協点としての結論が65mmφでした。 この径でも現状ではドローチューブ内径を越える場合が多いのですが、今後の鏡筒の進化に期待したいところです。 (2003年1月24日)